クレジットカード詐欺の返金は?補償されないときの対処法

クレジットカード詐欺に遭い、明細に身に覚えのない請求が並んでいる。そんなとき、まず知りたいのは「このお金は戻ってくるのか」ではないでしょうか。

第三者にカードを不正利用され、会員本人に故意や過失がないと認められた場合、カード会社の会員規約(利用のルールを定めた取り決め)にもとづいて請求が取り消されるのが原則です。

ただし規約には対象外の条件もあり、「補償はできません」と回答されることもあります。その場合でも、そこで終わりにする必要はありません。

日本クレジット協会の集計では、不正利用の被害額は2024年に555.0億円と過去最多になり、2025年も510.5億円と高止まりしています。

その9割以上は、カードが手元にあるまま番号だけを悪用される「番号盗用」です。

この記事では、詐欺被害の返金に強い弁護士が次の点を解説します。

  • 返金・補償されるケースとされないケース
  • 返金を受けるための4つの手順
  • 「補償できない」と言われたあとにできること
  • 不正利用される主な手口

なお、クレジットカード詐欺の返金でお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。

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クレジットカード詐欺の被害は返金・補償されるのか

原則として請求は取り消されるはずなのに、実際には「補償はできません」と言われる人がいます。その分かれ目になるのが、会員規約に書かれた対象外の条件です。

申し出られる期間にも限りがあります。

過失がなければ返金・補償されるのが原則

クレジットカード詐欺の補償といっても、保険金が支払われるわけではありません。カード会社が調査し、第三者による不正な利用だと認めたときに、会員規約にもとづいて請求自体を取り消す扱いです。

「カードは財布に入ったままなのに、なぜ」と感じる方も多いはずです。被害の9割以上は番号盗用で、通信販売や決済サイトで情報だけを使われる形で起きます。カードが手元にあることは、被害に遭っていない理由にはなりません。

補償されないケース

クレジットカードの補償の対象外となる条件は、各社が会員規約や公式サイトで公表しています。たとえばJCBは、次のような場合を対象外に挙げています。

  • カードやカード情報を、善良な管理者としての注意をもって管理していなかった場合(他人への貸与・譲渡・預託などを含む)
  • 家族や同居人など、身近な関係者による利用だった場合
  • 暗証番号やパスワードなど、本人しか知らないはずの認証情報が使われていた場合
  • カード会社が求める書類を出さない、調査に協力しないといった場合
  • 届け出た内容に、事実と異なる点があった場合
  • 買われた商品が、登録している自宅の住所に届いて受け取られている場合
  • 明細の通知から一定の期間を過ぎて届け出た場合

条件の書き方は会社によって差があります。三井住友カードは、住所・氏名・電話番号が変わったのに届け出ていない場合を対象外に挙げています。引っ越したまま手続きを忘れている方は確認しておいてください。

「よほどの落ち度がなければ必ず戻ってくる」と一般化できるものではありません。ご自身の規約の文言を必ず確かめてください。

判断が割れやすいのが、偽のサイトに自分でセキュリティコードやカード番号を打ち込んでしまったケースです。上に挙げた管理のしかたや認証情報に関する条件にあてはまると判断されることがある一方、必ず対象外と決まっているわけでもありません。

入力した経緯を隠さずそのまま伝え、カード会社の判断を仰いでください。

補償を申し出られる期間には限りがある

クレジットカード会社は補償の申し出に期限を設けており、大手カード会社は目安として60日という日数を挙げています。

注意したいのは、60日をどこから数えるかが被害の形で変わる点です。番号だけを悪用された場合は利用代金明細の通知後60日以内の届け出を求め、カードの紛失・盗難は連絡した日から60日前までさかのぼって補償する、と定める会社があります。

自分は何日までなのかを会員規約で確認し、迷ったらまず連絡してください。

すでに口座から引き落とされていても、期限内なら届け出は受け付けられます。請求そのものが取り消される場合と、引き落とし後に返金される場合があり、扱いは会社によって異なります。

不正利用の返金を受けるために今日から進める4つの手順

ここからは、クレジットカード詐欺の返金を受けるまでに進めることを4つの手順に分けて説明します。上から順に進めるのが基本です。

  • ① 身に覚えのない請求か明細で確かめる
  • ② カード会社に連絡してカードを止める
  • ③ 警察に届け出て受理番号をカード会社に伝える
  • ④ 新しいカードの発行を申し込む

① 身に覚えのない請求か明細で確かめる

最初にするのは、クレジットカードの利用明細を開いて日付・金額・利用先を1件ずつ照らし合わせる作業です。

見落としやすいのが、家族カードでの利用です。すぐ聞ける状況なら先に確認しておくと、この後の連絡がスムーズです。

もう一つ紛らわしいのが、明細に出る名称です。実際に買い物をした店の名前と表記が一致しないことは珍しくありません。通信販売では発送日で計上されたり、決済を請け負う会社の名前で表示されたりします。見覚えのない名前でも正規の利用のことがあるため、ここで判別しきれなくてもかまいません。

原因の特定より、被害を止めることが先です。次の手順に進んでください。

② カード会社に連絡してカードを止める

心当たりのない請求だと分かったら、すぐにカード会社へ電話をしてください。連絡先はカードの裏面か公式サイトに載っています。

カードそのものを落としたり盗まれたりした場合の窓口は「紛失盗難受付デスク」です。名称は会社ごとに違いますが、紛失・盗難の受付は24時間・年中無休としている会社がほとんどです。深夜でも休日でも、気づいた時点ですぐ連絡してください。

各社の電話番号は、大阪府警がまとめているクレジットカード盗難・紛失時の各社電話番号一覧から探せます。

カードは手元にあり番号だけを使われた場合は、コールセンターや専用窓口が担当します。紛失盗難受付デスクが番号の悪用も受け付ける会社もあれば、停止と再発行の専用窓口としている会社もあります。どこにかければよいか分からないときは、カード裏面の番号か公式サイトの窓口一覧で確かめてください。

電話口では次の3点を伝えられるよう、手元に明細を用意しておきましょう。

  • 明細に載っている利用先の名称
  • 使われた日付と時刻
  • 請求されている金額

このとき依頼するのは「解約」ではなく「利用の停止」です。解約すると、その後の調査や補償の手続きが進めにくくなることがあります。

なお、自分で決済してしまった支払いを止める方法は「副業詐欺のクレジットカード払いを止める方法とその後の対応方法」で詳しく解説しています。

③ 警察に届け出て受理番号をカード会社に伝える

警察への届け出は、紛失届・盗難届と被害届のどちらにあたるかで位置づけが変わります。

カード自体を失くしたり盗まれたりした場合は、利用を止める手続きのあと、最寄りの警察署へ紛失届や盗難届を出してください。

大手クレジットカード会社は、この届け出が補償手続きで必要になると案内しています。出さないと補償が受けられなくなることがあります。

紛失届は多くの都道府県でオンラインからも出せますが、受理までに時間がかかることがあります。急ぐときは警察署や交番へ直接届け出てください。

届け出ると受理番号が伝えられます。この番号はカード会社の補償手続きで使うため、必ず控えておいてください。

一方、カードは手元にあり番号だけを悪用された場合は、警察に出すのは被害届です。この場合は届け出を必須としないカード会社もあり、番号盗用については、警察に届けなければ補償されないという関係ではありません。

とはいえ、届け出には意味があります。警察が被害届を受け付けた際に伝えられる受理番号は被害を示す資料になり、補償手続きで受理番号を求める会社もあります。届け出たら、その番号もカード会社に共有しましょう。

不正利用かどうか自分では判断がつかない段階なら、警察相談専用電話#9110で相談できます。

警察署へ行くときは、カード番号を控えたメモと、身に覚えのない請求が載った利用明細を持参してください。管轄の警察署は全国警察署一覧から探せます。

届け出たのに取り合ってもらえないときの原因と対応は「詐欺で警察が動かない4つの理由|民事不介入と動いてもらう方法」で解説しています。

④ 新しいカードの発行を申し込む

利用を止めたクレジットカードは使えませんので、必要なら再発行を申し込みます。カード会社への連絡と同時に手続きできることがほとんどです。

再発行では、カード番号が新しいものに変わります。公共料金・通信料や月額制のサービスなど、そのカードで支払っていたものは登録の変更が必要です。

毎月引き落とされているものを書き出しておくと、変更漏れを防げます。

カード会社に補償を断られたあとにできること

届け出をしたのに、「調査の結果、不正な利用とは認められませんでした」という回答が返ってくることがあります。

規約に対象外の条件がある以上、こうした回答自体は起こりえます。ただ、その判断が常に正しいとは限りません。

断られた理由を確かめて記録に残す

最初にすべきは、クレジットカード会社に断られた理由をはっきりさせることです。電話口の「補償できません」の一言で終わらせないでください。

会員規約のどの条件にあてはまると判断したのか、その判断はどんな事実を根拠にしているのかを尋ね、書面かメールで回答をもらえないか確かめます。

応じてもらえない場合は、話した日時・担当者の氏名・説明の内容を、その日のうちに記録しておきましょう。

理由が分かれば、反論すべき点も絞れます。たとえば「暗証番号が使われている」という判断なら、その番号を誰にも伝えておらず、推測されうる状況でもなかったことを示す方向で材料を集めます。

不正利用だとわかる証拠を集める

クレジットカード詐欺での交渉でも訴訟でも、判断の材料になるのは記録です。時間が経つほど集めにくくなるため、断られた時点で手元にあるものをまとめましょう。

  • 身に覚えのない請求が載っている利用明細
  • 届いたメールやSMSの原本(本文・送信元・受信日時が分かる状態のもの)
  • カード会社とやり取りした記録(日時・担当者名・回答の内容)
  • 会員サイトやアプリのログイン履歴
  • 警察に届け出たときの受理番号
  • 被害があった時間に自分がその取引をしていないと示せる資料

メールやSMSは削除せず、画面はスクリーンショットで残してください。会員サイトの履歴は一定期間で消えることがあります。

消費生活センターに相談する

カード会社とのやり取りが行き詰まったときの窓口が、消費生活センターです。

全国共通の電話番号消費者ホットライン188にかけると、お住まいの地域の消費生活センターなど、身近な相談窓口を案内してもらえます。相談そのものは無料ですが、窓口につながった時点から通話料の負担が発生します。

消費生活センターでは、相談員が状況を聞き取り、次にどう動けばよいかを助言します。消費者安全法にもとづき、センターが事業者との間に入る「あっせん」を行うこともあります。どこに相談すべきか迷っている方は「詐欺被害はどこに相談する?相談窓口と注意点を解説」も参考にしてください。

弁護士に依頼してカード会社と交渉する

カード会社との話し合いを進めたいだけなら、前の項目で挙げた消費生活センターで足りることが多く、弁護士費用もかかりません。弁護士が力を発揮するのは、被害額が大きい場合や、規約の解釈そのものを争う場合です。その段階なら、代理人として交渉に入る方法があります。

弁護士は、断られた理由が会員規約の解釈として妥当かを検討し、集めた資料をもとに判断の見直しを求めます。

クレジットカードの取引では、不正と認められた代金について、カード会社が加盟店への支払いを取り消すチャージバックとよばれる処理が行われ、利用者への請求が取り消されることがあります。弁護士は、この取消しを求める交渉を組み立てます。

費用の目安は「詐欺被害の弁護士費用と相場|費用倒れを防ぐ方法も解説」で解説しています。

費用の負担が難しい場合は、法テラスの弁護士・司法書士費用等の立替制度もあります。収入や資産が一定の基準以下であることなどの条件があり、立て替えた費用は分割で返します。

クレジットカードが不正利用される主な手口

自分のケースがどの手口にあたるか分かると、カード会社への説明がしやすくなり、補償の見通しも立てやすくなります。

クレジットカード(クレカ)の情報が盗まれる主な経路は、次の4つです。

フィッシング詐欺

カード会社や通信販売のサイト、宅配業者などをかたるメールやSMSを送りつけ、本物そっくりの画面に誘い込み、セキュリティコードやカード番号、パスワードを打ち込ませる手口です。

詳しい説明と注意点は、警察庁のフィッシング詐欺の解説ページにまとまっています。

「アカウントが停止されます」といった不安をあおる文面で、その場で入力させようとするのが特徴です。

補償という点では、この手口がもっとも判断の分かれるところです。自分で打ち込んでしまった経緯は、カード会社が管理のしかたを評価する際の事情になります。

詐欺サイトでの買い物

実在する店の商品画像や会社情報を流用した偽サイトで買い物をさせ、代金を支払わせる手口です。商品が届かないだけでなく、入力したクレジットカードの情報が別の取引に使われることもあります。

相場より極端に安い、日本語が不自然、連絡先がメールしかない、といった点が手がかりになります。偽サイトの見分け方は「怪しい通販サイトは詐欺?見分け方9つと被害の対処法」で詳しく解説しています。

スキミング

専用の装置でカードの磁気情報を読み取り、写し取った別のカードを作って使う、クレジットカード詐欺の手口です。

店舗での支払い時や、現金自動預払機に取り付けられた装置で読み取られます。カードは手元にあり、気づかないまま被害が進むのが厄介なところです。

もっとも、かつて被害の中心だった偽造カードは、2025年時点で全体の1.4%にとどまります。現在の主流は、カードを手元に置いたまま番号だけを使われる形です。

通販サイトからのカード情報の流出

買い物をした通信販売サイト側が不正アクセスを受け、保存されていた会員の個人情報やカード情報が漏れる、クレジットカード詐欺のケースです。

この場合、被害者側に落ち度はありません。それでも、漏れた情報が別の取引に使われれば請求は自分のカードに立ちます。番号だけが出回る経路は、こうした流出のほかフィッシングなど複数あります。

クレジットカード詐欺の返金でお困りの方へ

クレジットカードの不正利用は、会員本人に故意や過失がなければ、会員規約にもとづいて請求を取り消してもらえるのが原則です。まずはカード会社へ連絡し、必要に応じて警察へ届け出てください。

問題は、「補償はできません」と言われたあとです。規約のどの条件にあてはまる判断なのかを確かめ、資料を示していく作業は、ご自身だけで進めるには負担が大きいものです。

弁護士が代理人として入れば、やり取りの窓口を任せたうえで交渉を進められます。

ただし、被害額によっては弁護士費用のほうが上回ることもあります。費用をかけて進める意味がある事案かどうかも含めて、無料相談でお答えします。

身に覚えのない請求を抱えたまま次の引き落とし日を待つ時間は、不安です。当事務所は詐欺被害の返金請求を数多く取り扱ってまいりました。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

投資詐欺 情報商材詐欺 占い・霊感商法 サクラサイト詐欺 不動産投資詐欺 返金交渉
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