
「コンサル料を払ったのに、何も教えてもらえない」「これはコンサル詐欺だったのではないか」と感じていませんか。すでに支払ったあとでも、条件を満たせば返金を求められる可能性があります。
勧誘では、次のような言葉が使われます。
- 「SNSを使ったビジネスで大金を稼げる方法をコンサルティングします」
- 「ブログアフィリエイトで毎月自動的にお金が入ってくる仕組みを教えます」
- 「誰でも・簡単・高収入!」
こうしたDMに心当たりのある方も多いはずです。甘い言葉に誘われて契約し、数十万円から数百万円を騙し取られたという相談は少なくありません。
この記事では、返金に強い弁護士が次の点を解説します。
- コンサル詐欺のよくある勧誘の手口
- 契約前に確認したい詐欺の見分け方
- 払ってしまったお金は返金できるのか
- 無料で使える相談先と弁護士の役割
なお、お悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談をご利用ください。オンラインでも承っております。
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コンサル詐欺とは?単なる期待外れとの違い
コンサル詐欺とは、稼ぐためのノウハウを教えると持ちかけて、実体のともなわないサービスに高額な料金を支払わせる行為です。ただし、成果が出なかったというだけで、ただちに法律上の詐欺にあたるわけではありません。その境目と相談の多い契約の型を整理します。
法律上の詐欺と契約トラブルはどこが違うのか
民法は、詐欺による意思表示は取り消すことができると定めています(民法96条1項)。コンサル契約も例外ではありません。詐欺にあたる行為とは、欺罔(ぎもう)行為で他人を錯誤に陥れ、意思表示をさせる行為を指します。
最初から騙す意図があり、その説明を信じて契約した、という関係が認められれば取り消せる可能性があります。
約束された面談が行われない、教材が届かないといった場合は、だます意図の有無とは別に、契約が守られていないことを理由に解除や損害賠償を求める道があります。
成果が出なかっただけのケースは詐欺にあたるのか
コンサルを受けても稼げなかった、という結果だけでは詐欺と言えません。成果は本人の作業量や市場の状況にも左右されるためです。分かれ目になるのは、勧誘の時点でどのような説明を受け、それが事実だったかどうかです。
契約前の説明と中身がまったく違う、約束されたものが提供されない、といった事情があれば話は別です。
被害の相談が集まりやすい3つの契約タイプ
相談が寄せられやすいのは、SNS運用、物販・転売、ブログの3分野で「稼ぐ方法を教える」と持ちかけられた契約です。国民生活センターの調査報告書も、「コンサルティングするので儲かる」と持ちかけて高額な契約を結ばせる副業サポート契約を、消費生活センターでも解決が難しい類型として挙げています。相談者は男女とも20歳代が最も多くなっています。
1つめはSNSの運用を指南するタイプです。インスタ副業は詐欺?怪しいアカウントの見分け方と特徴も参考になります。
2つめは物販・転売のノウハウを売るタイプで、仕入れ先のリストやツールとあわせて高額な契約を結ばせます。
3つめはブログで広告収入を得る方法を教えるタイプで、初心者でも短期間で高額の報酬を得られるという触れ込みが典型です。詳細はアフィリエイト詐欺とは?手口・見分け方と返金方法を解説で詳しく扱っています。
よくある勧誘の手口と契約までの流れ
コンサル詐欺の勧誘は、広告から個別のやり取りへ、そして即決の要求へと段階的に進みます。入口から契約後の変化までを4段階で見ていきます。
SNSや動画の広告からLINEへ誘導する
コンサル詐欺の入口は、SNSや動画の広告、知らない相手からのダイレクトメッセージです。無料の相談会やセミナーという名目で、まずLINEなどへの登録を促されます。
登録すると成功者の体験談や収入の画面が送られ、コンサルの中身を判断する材料は相手の情報だけになります。
教材の販売とセットのこともあります。詳しくは情報商材詐欺の返金請求と相談先|クーリングオフも解説でも扱っています。
個別面談で「今だけ」「残り枠わずか」と決断を急がせる
無料相談に申し込むと、ビデオ通話や対面の個別面談に進みます。ここで初めてコンサル料が示され、同時に「今日申し込む人だけの価格」「今月の枠は残りわずか」といった条件が付きます。
急がせるのは、持ち帰って比べられたり家族に相談されるとコンサル契約に至らないからです。その場で決めるよう求められた時点で、詐欺を疑って席を立ってよいのです。
借入やクレジットでの支払いをその場で勧める
手持ちの資金がないと伝えても話は終わりません。コンサル料をクレジットカードの分割払いにする、あるいはその場で消費者金融の申込画面を開くよう指示されることもあります。
借入の目的を実際とは違う内容で申告するよう促されたら、詐欺を疑ってください。
支払方法によっては、あとで述べるとおり支払いを止める道が残ることもあります。契約書と申込書は必ず手元に残してください。
契約したとたん返信が来なくなる
コンサル料の入金が済むと、頻繁に届いていた連絡が途絶えます。面談が繰り返し延期される、回答が一般論にとどまる形も同じで、詐欺を疑う段階です。
コンサル契約の解除や返金を申し入れても、「他のお客様は満足いく成果を出している」「もっと継続する必要がある」などと言われ、応じてもらえないことが多くあります。
契約前に確認したいコンサル詐欺の見分け方
コンサル詐欺かどうかは、相手の人柄や本人が示す実績ではなく、自分で確かめられる事実で判断してください。支払う前に確認できる4点を挙げます。
運営者情報と特定商取引法に基づく表記を確かめる
最初に見るのは、コンサル契約の申込ページに事業者の情報が示されているかです。特定商取引法は、通信販売などを行う事業者に、事業者名・所在地・連絡先・支払時期などの表示を求めます。
この表記がない場合や連絡手段がメッセージアプリだけなら、詐欺だと分かった後で相手にたどり着けません。
会社名と所在地の実在は、法人番号公表サイト(国税庁)で照合できます。制度の詳細は消費者庁の特定商取引法ガイドが説明しています。
契約書面と返金条件を書面で受け取る
口頭で「効果が出なければ返します」と言われても、書面が残っていなければ、詐欺だと主張する手立てがありません。コンサル契約書に署名する前に書面を受け取り、いったん持ち帰って中身を読み込んでください。
確認するのは、支払う総額、提供期間、途中でやめたときの返金の扱い、追加費用が発生する条件の4点です。
書面は、あとで説明する解除の期間を数える起点にもなります。受け取った日付が分かる形で保管を。
「誰でも」「必ず稼げる」という言い切りを疑う
コンサルの勧誘の場で「確実に稼げる」「年収が〇〇万円になる」などと、裏づけもなく極端な収益を約束してくる場合は、いったん立ち止まってください。将来の収入は誰にも確約できません。
こうした言い切りは、あとで説明するとおり契約を取り消す根拠になり得ます。詐欺を疑う根拠になるので、言われた言葉はメモか録音で残してください。
実績や口コミを第三者の情報で裏づける
フォロワー数や賛同コメントは、業者に依頼すれば作れます。コンサル生の実績として投稿されている収入も、偽装されている可能性は十分にあります。
確かめるべきは、そのコンサルが用意したページの外に裏づけがあるかどうかです。紹介された取引先や受講者を実名でたどれるか。裏が取れなければ、詐欺を疑って手を出さないのが賢明です。
コンサル詐欺で払ったお金は返金できる?
コンサル詐欺だと気づいて支払ったあとでも、契約を解除したり取り消したりして、返還を請求できる場合があります。使える手段は契約の種類と勧誘のされ方で変わります。5つに分けて説明します。
クーリング・オフができる期間を確認する
クーリング・オフ(一定期間内なら理由を問わず解除できる制度)の期間は、契約がどの取引にあたるかで変わります。仕事を紹介するので教材やコンサルを買ってほしい、という形の勧誘は、業務提供誘引販売取引にあたる可能性があります。仕事による利益(業務提供利益)を示して誘い、商品購入などの負担(特定負担)をさせる取引です(特定商取引法51条1項)。
この場合は、契約書面を受け取った日から起算して20日を経過するまで解除できます(同法58条1項)。あたるかどうかの分かれ目は、業者の側が仕事を回してくれる約束が含まれていたかです。ノウハウを教わって自分で稼ぐだけの契約なら、あたらないこともあります。
きっかけが事業者からの電話だった場合は、電話勧誘販売として8日のクーリング・オフも使えます(同法24条1項)。ただし業務提供誘引販売取引にもあたるなら、期間の長い20日のほうを主張できます。詳しい手続きは副業詐欺でクーリングオフはできる?できないと言われた場合は?で説明しています。
法定の記載を欠く書面なら期限後も解除できる
20日を数え始めるのは、そのコンサル契約の契約書面を受け取った日です。この書面には、商品や役務の種類と内容、業務の提供やあっせんの条件、特定負担、契約の解除に関する事項などを記載しなければなりません(特定商取引法55条2項)。
裏を返せば、書面を渡されていない場合や記載事項が欠けていれば、数え始めの日はまだ来ていないと考えられます。
電話勧誘販売の8日も考え方は同じですが、書面に何を書くべきかを定める条文は別です(同法19条)。コンサル詐欺は書面を渡さない業者が多く、期間が過ぎたと決めつけずに手元を確かめてください。条文はe-Gov法令検索にあります。
うその説明や「必ず稼げる」があれば契約を取り消せる
コンサルの勧誘で事実と違う説明を受けた場合や、確実でないことを確実だと言い切られた場合も、契約そのものを取り消せる余地があります。消費者契約法は、重要事項について事実と異なることを告げること(不実告知)と、将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供することを取消しの理由と定めています(4条1項1号・2号)。
「断定的判断」とは、確実でないものが確実であると誤解させるような決めつけ方を指します。「絶対に」「確実に」稼げる・儲かるといった勧誘がこれに当たります。
ただし、消費者契約法にもとづく取消権は、原則として追認をすることができる時から1年、契約の締結の時から5年で消滅します(同法7条1項)。
はじめから欺くつもりで勧誘されていた場合は、民法の詐欺を理由とする取消しも検討できます(民法96条1項)。こちらは追認をすることができる時から5年です(民法126条)。
クレジットで払った分は支払いを止められないか確認する
支払方法によって使える制度が違います。まず、そのコンサル契約のためだけに信販会社と結んだ立替払いの契約は、個別クレジット契約(個別信用購入あっせん)にあたります。カードを使わない方式です。
これが業務提供誘引販売取引にあたる契約なら、信販会社が交付する書面を起点に20日以内であれば撤回や解除ができます(割賦販売法35条の3の11)。販売業者からの契約書面とは起点が別なので、両方の日付を確認してください。
一方、手持ちのクレジットカードでコンサル料を分割払いやリボ払いにした場合は、この20日の撤回はできません。ただし販売業者とのトラブルを理由に、まだ支払っていない分の請求を止める余地があります(割賦販売法30条の4)。詐欺だと主張しても、すでに支払った分が自動で戻る制度ではありません。
まずはカード会社や信販会社にご連絡ください。なお、借り入れた現金でコンサル料を払った場合はこの仕組みを使えず、貸金業者への返済義務は残ります。
証拠を保全して返金を求める
コンサル詐欺の返金を求めるときは、まず手元の記録を集めてください。契約書と申込書、やり取りの記録、振込やクレジットの明細、広告や販売ページの画面が中心です。
コンサル業者への請求は、内容証明郵便などで返金を求める方法が基本です。
振込で支払った場合は、警察と振込先の金融機関の両方に連絡してください。犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺救済法)により、口座の取引停止(いわゆる口座凍結)に至ることがあります。
口座に資金が残っていなければ支払いは受けられません。流れは金融庁のページにあります。
進め方は、副業詐欺で泣き寝入りは不要!返金を成功させた3つの事例も紹介で紹介しています。
コンサル詐欺の相談先と弁護士に依頼するメリット
コンサル詐欺の被害は、費用をかけずに使える公的な窓口があり、弁護士に依頼すれば交渉と期限の管理まで任せられます。相談先全般は詐欺被害はどこに相談する?相談窓口と注意点を解説でまとめています。
まず消費生活センター(188)に相談する
消費生活センターは、コンサル詐欺のような契約・悪質商法のトラブルを無料で相談できる公的な窓口です。局番なしの188にかけると、地域の窓口につないでもらえます。
コンサル契約をコンサル契約を解除できる状況かや通知書の書き方を、相談員に助言してもらえます。
窓口の案内は消費者庁の消費者ホットラインのページにあります。警察に相談したい場合は、警察相談専用電話の#9110も使えます。
弁護士に依頼すると何が変わるのか
弁護士に依頼すれば、代理人の名義であなたに代わって事業者に通知し、交渉を進められます。
手元の資料をもとに、そのコンサル詐欺でクーリング・オフ・取消し・損害賠償のどれを主張できるかを整理できます。
取消権や時効には期限があるため、どの主張をいつまでに行うかを管理できる意味も大きいといえます。費用は詐欺被害の弁護士費用と相場|費用倒れを防ぐ方法も解説で説明しています。
なお、弁護士や認定を受けた司法書士でない業者が、報酬を得る目的で返金交渉を代理する非弁行為は、弁護士法72条に違反する可能性があります。高額な手数料による二次被害にもつながります。「探偵詐欺で払った費用は取り戻せる?手口と返金を求める方法」もご覧ください。
コンサル詐欺の返金でお悩みの方は弁護士にご相談ください
コンサル詐欺かの分かれ目は、成果ではなく、勧誘の場でどう説明されたかにあります。書面が出てこない、返事を今日中に求められる、資金は借りればよいと言われる。どれか1つでも当てはまれば、その場では決めずに持ち帰ってください。
支払いを済ませてしまった後でも、クーリング・オフや契約の取消しという手段が残っていることがあります。ただし、いずれにも期間の制限があり、時間がたつほど選べる手は少なくなります。
弁護士が入れば、通知から証拠の整理、期限管理まで任せられます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

