警察に詐欺被害の相談をして逮捕にまで至ればお金は返って来る。これは半分正解で半分間違いです。
「え?!加害者が逮捕されたら騙されたお金が自動的に返ってこないの?」と思われる方もいるでしょう。
たしかに、振り込め詐欺の場合は、振り込め詐欺救済法により、加害者の口座に残っていたお金が戻ってくることはあります(少額のケースが多いですが)。
しかし、一般的な詐欺においては、警察による逮捕=返金ではなく、お金を取り戻したければ改めて加害者への返金交渉や訴訟手続きを被害者が行わなくてはなりません。
人によっては、まずは自分が詐欺被害にあったのか知りたい、詐欺師を警察に逮捕してもらいたい、返金をさせたい、専門家の意見を聞きたい、と相談する目的も異なることでしょう。
そこでここでは、詐欺被害を数多く解決してきた弁護士が、目的別の、詐欺の相談窓口を紹介していきたいと思います。
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目次
詐欺被害の相談窓口一覧
加害者を逮捕してもらいたい場合の相談窓口
①警察相談専用電話#9110
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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警察相談専用電話#9110とは、電話機(携帯からでもOK)で#9110をプッシュして発信すると、その発信場所から最寄の警察署に設置された相談窓口に繋がるシステムです。 #9110は、犯罪に至っていない、或いは、犯罪かどうか分からないといった曖昧な状況や、犯罪とまではいかない生活トラブルの相談まで幅広く受け付けてます。 詐欺は、殺人や傷害のように被害が明確に分かる事件ではないことや、自分が受けた被害が詐欺罪にあたるのかわからないこともあります。そのような場合には、110番ではなく、まずは警察相談専用窓口#9110に電話して相談することから始めましょう。 その他、各都道府県の警察署では、犯罪被害相談窓口を設置していますので、直接そちらのホットラインに電話しても良いでしょう。 | |
電話番号 | (局番なし)#9110 |
受付時間 | 平日 午前8:30~午後5:15(各都道府県警察本部で異なる)※土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応 |
②サイバー犯罪相談窓口
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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最近ではインターネットの普及によって、詐欺もネット上で行われることが多くなっております。このようなコンピューターネットワーク上で行われる詐欺はサイバー詐欺と呼ばれています。 代表的なネット詐欺といえば、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺、オークション詐欺などを挙げることができます。 もしあなたがインターネットを介して詐欺被害にあったのであれば、各都道府県のサイバー犯罪相談窓口に相談しましょう。 | |
電話番号 | 各都道府県により異なりますのでこちらより最寄の相談窓口にお電話下さい |
受付時間 | 平日 午前8:30~午後5:15(各都道府県警察本部で異なる)※土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応 |
返金させたい場合の相談窓口
③ひまわりお悩み110番
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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ひまわりお悩み110番とは、全国52の弁護士会で構成される日本弁護士連合会が運営するサービスで、電話をすると最寄の弁護士会に繋いでくれます。 各弁護士会には法律相談センターが設置されており、詐欺被害の相談も受け付けております。 なお、各弁護士会の法律相談センターにもよりますが、基本的には面談による有料相談(30分5,000円)のところが多いようです。ただし、東京に設置されている弁護士会の法律相談センターでは15分程度であれば無料相談にのってくれます。 面談相談の後に、その弁護士に詐欺被害の返金を依頼や相手を刑事告訴する手続きを依頼することも可能です。 | |
電話番号 | 0570-783-110 |
受付時間 | 平日 午前8:30~午後5:15(各都道府県警察本部で異なる)※土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応 |
④法テラス
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、総合法律支援法により設立された法務省管轄の公益法人で、刑事や民事を問わず、法的トラブルが生じたときの各種相談窓口の紹介をしてくれます。 また、弁護士に相談や解決の依頼をしたいけどお金がない…という方のために、民事法律扶助業務も行っています。これは、弁護士への相談を無料にし、依頼報酬を法テラスが立替してくれる制度です。 詐欺で多額のお金を騙し取られたので、相談料を払えない、返金させるために依頼したいが弁護士報酬が今は払えないといった方は、法テラスへの相談も検討しましょう。 ただし、民事法律扶助を利用するには、経済的に困窮していることが条件ですので、収入証明ができる書類(給与明細・課税証明等)を揃え審査を通る必要がありますのでご注意ください。 | |
電話番号 | 0570-078-374 |
受付時間 | 平日午前9:00~午後21:00 土曜午前9:00~午後17:00時 |
⑤法律事務所
国や弁護士会が運営する公的な相談機関は、より多くの国民を救済するために尽力してくれています。しかし、面談に赴く時間的余裕がない方や、電話やメールで時間を気にせずにじっくりと詐欺被害の無料相談を受けたい方もいることでしょう。
また、詐欺被害の返金に強いに弁護士に早急に解決をお願いしたいと考える方も少なくありません。そのような場合は、詐欺被害の返金に力を入れている法律事務所に相談するのが適しています。無料相談で時間制限なく相談にのってくれる法律事務所を探しましょう。
騙されたお金を取り返すのは時間との勝負です。詐欺師が姿を眩ませたり証拠を隠滅するなど、時間の経過とともに回収が困難になりますので、もしサイトをご覧になって弊所が詐欺の返金に力を入れていると感じていただけたなら、一度お気軽にご相談ください。親身誠実に、そして迅速に弁護士が対応します。
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企業・事業者との消費契約トラブルで困った場合の相談窓口
⑥消費者ホットライン(国民生活センター)
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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消費者ホットラインとは、全国763箇所ある消費生活センターの中から最寄の消費生活センター(消費者センター)に繋いでくれる消費者庁が運営する国民生活センターの相談受付総合窓口です。 悪質商法等の詐欺についての相談も多く寄せられています。これまで数多くの様々な相談に応じてきた実績やデータに基づいた具体的なアドバイスをもらうことができるほか、必要に応じて詐欺の相手方に連絡を取って対応してくれるなど、臨機応変に動いてくれることがあるのも特徴です。 地方公共団体が運営する消費生活センターは土日祝日が休みのため、土日祝日は国が運営する国民生活センターに電話が繋がるようになっています。 なお、電話をする前には、相談時のポイントをよく読んでからにしましょう。個人間のトラブル等は受け付けておりませんので、対事業者ではなく個人から詐欺被害にあった場合は相談を受け付けてもらえない可能性もありますので注意が必要です。 | |
電話番号 | (局番なし)188 ※一部IP電話からは繋がらないことがあります |
受付時間 | 各地の消費生活センターの受付時間により異なります。 |
受付日 | 土日祝日は消費生活センターが休日のため、国民生活センターが188の消費者ホットラインにて直接、投資詐欺等の相談を受け付けています。 |
専門家の判断を仰ぎたい場合の相談窓口
証券、ファンドといった金融系、訪問販売、通販、ワンクリックなど、詐欺被害にあったと思われる分野が明確なケースで、その分野に長けた専門家の判断を仰ぎたい場合の相談窓口を紹介します。
⑦金融サービス利用者相談室
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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金融サービス利用者相談室とは、金融庁が運営する、証券取引や、投資ファンド、仮装通貨、等の金融サービスについての質問や、金融トラブルついて相談に乗ってくれる機関です。 当機関に対して、平成30年度10月01日~12月31日までの3ヶ月で、詐欺ではないかと思われる投資勧誘についての相談がじつに227件も寄せられました。 他の機関と同様に、電話での相談を受け付けるほか、FAXやウェブフォーム、文書での相談も受け付けています。 | |
電話番号 | 0570-016811(IP電話からは03-5251-6811) |
受付時間 | 平日10:00~17:00 |
FAX(24時間受付) | 03-3506-6699 |
ウェブフォーム(24時間受付) | 金融サービス利用者相談室 ウェブサイト受付窓口 |
文書での受付 | 〒100-8967 東京都千代田区霞が関3-2-1中央合同庁舎第7号館 金融庁 金融サービス利用者相談室 |
⑧訪問販売ホットライン
どんな相談にのってくれるの? | |
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訪問販売ホットラインとは、公益社団法人日本訪問販売協会が提供する、訪問販売に関する相談にのってくれるサービスです。 押し売りや、消防署や水道局の無料点検を装う点検商法、商品に関して嘘の説明や都合の悪いことを隠して販売する詐欺的な訪問販売の被害にあったときはこちらに相談すると良いでしょう。 通話料無料で、消費生活アドバイザーという国家資格保有者が相談対応してくれます。また、相談によっては解決が図れない事案については、ADR(裁判外紛争解決手続)による解決も図っています。 | |
電話番号 | 0120-513-506 |
受付時間 | 平日(年末年始・祝祭日を除く)午前10時〜12時 午後1時〜16時30分 |
⑨通販110番
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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通販110番とは、特定商取引法30条に定められた通信販売協会という公益法人が運営している、通販業者に対する苦情や相談を受け付けている窓口です。 消費生活アドバイザーの資格保有者が無料で相談にのってくれますので、新聞や雑誌広告等のほか、インターネット通販で詐欺の被害にあった人はこちらの窓口に電話もしくは問い合わせフォームから相談してみましょう。 通販の一般的な相談のほか、詐欺サイトによる被害の相談も数多く寄せられていますが、相談前に、トラブル事例でどのような内容の相談が寄せられているか確認してみましょう。 | |
電話番号 | 03-5651-1122 |
お問い合わせフォーム | 通販110番相談フォーム |
受付時間 | 月~金曜日 午前10~12時 午後1~4時(年末・年始、祝日を除く) |
⑩情報セキュリティ安心相談窓口
どんな相談に乗ってくれるの? | |
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情報セキュリティ安心相談窓口とは、独立行政法人情報処理推進機構が運営する情報セキュリティに関する相談窓口です。 アダルトサイトの請求画面が一定時間置きにデスクトップに表示されるようになるワンクリック詐欺や、不正プログラムでパソコンをロックするなどして、元に戻すためのお金(身代金)を要求するランサムウェアの感染についての相談に乗ってくれます。 ただし、技術的な相談にとどまり、詐欺でお金を騙し取られた場合の契約問題や法的なアドバイスは受け付けておりません。 相談は電話のほか、メール・FAX・郵送でも受け付けています。ただし電話相談については1回30分以内となっております。 なお、相談前には、「ご相談前に整理していただく項目」を読んで、アドバイザーとスムーズな情報のやりとりができるよう準備しておきましょう。 | |
電話番号 | 03-5978-7509 |
FAX | 03-5987-7518 |
メール | anshin@ipa.go.jp |
郵送での受付 | 〒 113-6591 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコート センターオフィス16階 IPAセキュリティセンター 安心相談窓口 |
受付時間 | 平日 午前10:00~午後12:00 午後13:30~午後17:00 |
詐欺被害を相談する時の注意点
詐欺被害を警察や法律事務所、そのほかの機関に相談するときには、ポイントを押さえておかなければ思うように向こうが対応してくれません。相談する時の注意点を押さえておきましょう。
被害者本人から連絡する
被害者本人ではなく、その配偶者やご家族が窓口となって相談するケースも多いですが、これはお勧めしません。確かに本人が高齢で詳しい話が理解できないから、というような事情があってのことかもしれませんが、できるだけ本人が相談することが必要です。
こうした被害を解決に導くためには、相談される機関としても細かな状況を把握しなければなりません。詐欺師と最初に接触したのはいつか、どんなことを言われて被害にあったのか、具体的にはどう対応したのか、などを聞きたいのに、詳しい事情はよく知らない代理人からの相談では真相にたどり着くのに時間がかかってしまうからです。
また、本人が都合のよくないことは黙っておいて、被害を受けたことだけを親族などに話している可能性もあります。よくよく話を聞いていくと状況が全然異なるというようなこともあるのです。
こういったことを防ぐためにも、できる限り本人が相談窓口に出向く、または電話をするようにしてください。
要点を明確にしておく
詐欺被害の状況をしっかりと相談機関に説明できなければ、「要点を整理してからまた連絡してください」と言われて返されてしまうこともあります。何度も相談窓口に行く手間を省くために、要点をしっかり明確にしておく必要があります。
具体的には、どんな被害にあったのか、どんなやりとりがあったのか。詐欺師の連絡先がわかるのかどうかなどの具体的な状況に加えて、どうしたいかまで整理できているとさらにいいでしょう。
返金を求めたいのか、逮捕して欲しいのかなど、何を求めているかは人によっても変わってきます。また、要点を整理したらそれに加えて、被害にあったことが具体的にわかる資料などを用意しておきましょう。
被害状況や時間軸を整理しておく
話があちこち飛んでしまうと、相談を受けた相手もストレスが溜まってしまいます。その結果、「整理してからまた来てください」と言われてしまうことも…準備段階で、具体的な被害状況などを整理したあとには、時系列で何が起きたのかも合わせて整理しておきましょう。
しっかり要点や時系列を整理して相談に来ている人に対しては、相談を受ける側も「本当に困ってなんとかしたいんだな」という印象を受けます。そうすれば、より親身になって対応してくれることもあるでしょう。
しかし逆に、要点などの整理を一切せずにただ相談窓口で思いついたことを話す人に対しては、「本当に相談したいと思っているのか」と熱意を疑われてしまいかねません。状況の整理は思った以上に重要です。
証拠になりそうなものは全て用意する
警察に限らず、ほかの相談機関にも言えることですが、具体的になんらかの働きかけを詐欺師に対してしたいとしても、証拠がなければ動くことはできません。証拠がなければ、その相手が詐欺を本当に働いたのかがわからないからです。
相談に行く際には、手元にある証拠を全て持っていきましょう。電話で相談する場合は、手元に証拠を揃えておいて、何か聞かれた時に答えられるようにしておくといいでしょう。
「この話は詐欺とは関係ないかな…」と迷ったら話す
弁護士にとっては、相談者が全ての情報を提供してくれなければ動きにくいもの。実際に、相談者の話を信じて動いてみたら全く違う事実が判明した、というケースもあるのです。
相談を受ける機関は、後から後から違う事実が出てくることを嫌います。相談者側が「この情報は別にいらないだろう」と思って特に話さなかったことが実はとても重要なことで、「どうして最初に言ってくれなかったんですか?」と言われてしまうケースもあります。
一般的には必要がないと思える情報でも、専門家から見たら重要な情報であることは少なくありません。「これは詐欺とは関係ないだろうから話さなくてもいいかな?」と少しでも迷ったことは、そのさわりだけでも相談機関の担当者に伝えてみてください。
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