ストーカーを警察に相談したらどうなる?相談後の流れを解説

「ストーカーのことを警察に相談したら、この先どうなるのだろう」「相手を刺激してしまわないか」と、相談をためらっていませんか。

警察は被害の状況を聞き取ったうえで、相手に行為をやめるよう求める警告や禁止命令等、被害届を受けての捜査・検挙、被害を防ぐための援助といった対応を、状況に応じ、相談者の意向も尊重しながらとります。

この記事では、つきまといなどの被害の問題に取り組む弁護士が、次の点を解説します。

  • 相談してから対応が決まるまでの流れ
  • 警告や禁止命令等、警察がとる4つの対応
  • 相談の前にそろえておきたい証拠と記録

お読みいただくことで、相談した後に何が起きるのかを見通したうえで、事前に何を準備すればよいかを判断できます。

なお、一人で抱え込まず、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談をご利用ください。地域を問わずご相談を承っています。

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ストーカーを警察に相談したらどうなる?相談後の流れと4つの対応

警察署でストーカー被害を相談すると、担当の警察官が、いつ・どこで・どのような被害を受けたか、相手は誰かといった事情を詳しく聞き取ります。

聞き取った事情から、相手の行為がストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)の規制対象にあたるか、繰り返されるおそれがあるか、ほかの犯罪にあたるかが判断され、次の4つの対応のうち必要なものがとられます。

  • 相手への警告
  • 相手への禁止命令等
  • 被害届の受理と検挙
  • 被害を防ぐための援助

これらは決まった順番で進むものではなく、事案によっては並行して行われます。どの対応をとるかについて、警察は相談した人の意向を大切にしながら決めるとされています(政府広報オンライン「ストーカー行為は犯罪です!迷わず警察に相談を」)。

相手への警告

警告は、警察本部長等(警察署長など)が相手に対し、同じ行為を繰り返してはならないと告げる措置です(ストーカー規制法4条1項)。相手が「つきまとい等」または「位置情報無承諾取得等」にあたる行為で被害者に不安を覚えさせ、さらに繰り返すおそれがある場合が対象になります。

「つきまとい等」とは、恋愛感情などの好意や、それがかなわなかった恨みを満たす目的で、被害者本人や家族などに対し、つきまとう、待ち伏せする、監視していると告げる、拒まれているのに電話やメッセージを続けて送るといった行為をすることです(同法2条1項)。GPS機器や紛失防止タグで無断で位置情報を得る行為(位置情報無承諾取得等)なども規制され、つきまとい等や位置情報無承諾取得等を繰り返すと「ストーカー行為」にあたります(一部の行為は、身の安全などが害される不安を覚えさせる方法で行われた場合に限り、ストーカー行為にあたります)。詳しくは「ストーカー規制法とは?対象となる行為と警告・禁止命令を解説」をご覧ください。

警告を出すには、以前は被害者の申出が必要でしたが、令和7年(2025年)の法改正で、申出がなくても警察の判断(職権)で出せるようになりました。

警告をしたときは、原則として警告の内容と日時が被害者に通知されます(同法4条3項)。申出をしたのに警告が出されなかったときは、その旨と理由が書面で知らされます(同条4項)。証拠が乏しかったり、行為が一度きりで繰り返すおそれがうかがえなかったりすると、警察がすぐには警告に進めないこともあります。

警告に至らない段階でも、警察官が相手に指導や口頭注意をすることがあります。警告に従わなかったこと自体を罰する規定はありませんが、行為が続けば、禁止命令等やストーカー行為罪での検挙に進むことがあります。

警告などがあれば、相手は警察が動いたことを知ります。相手の反応が怖い、いまは知られたくないといった事情があれば、相談の際にそのまま伝えておきましょう。職権による警告も、相談者の意向を踏まえて判断されます。

相手への禁止命令等

禁止命令等は、都道府県公安委員会(警察を管理する機関)が相手に対し、同じ行為を繰り返さないことなどを命じる処分です(同法5条1項)。要件は警告と同じです。被害者の申出によるほか、職権でも出せます。先に警告を受けている必要はありません。

出す前には、原則として相手の言い分を聞く「聴聞」が行われます(同条2項)。ただし、被害者の身の安全などを守るため緊急の必要があるときは、聴聞を経ずに出せます(同条3項)。

効力は1年で、必要があれば1年ずつ延長できます(同条8項・9項)。禁止命令等のうち、同じ行為の繰り返しを禁じる命令に違反してストーカー行為をすると2年以下の拘禁刑、または200万円以下の罰金の対象になります(同法19条)。それ以外の形でこの命令に違反した場合も、6か月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金の対象です(同法20条)。

被害届の受理と検挙

相談した事案が、ストーカー規制法違反や、脅迫罪・傷害罪などほかの犯罪にあたると判断された場合は、相談という段階から一歩進み、事案が捜査を担当する部門へ引き継がれます。被害届が出されると警察はこれを受理し、必要な捜査を経て、相手を検挙することがあります。

相手の処罰を望むときは、警察官に被害の状況を説明します。それをもとに被害届などの書類が作られます。ストーカー行為罪の刑罰は、1年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金です(同法18条)。

被害届を出すかどうかは相談者が考えて決められますが、危険性や切迫性の高い事案では、被害届が出ていなくても事件として扱われることがあります。報復が心配で迷うときは、安全を確保する手立てとあわせて、弁護士と今後の進め方を検討する方法もあります。

なお、刑事手続とは別に、ストーカー加害者に慰謝料を請求することもできます。詳しくは「ストーカーの慰謝料や示談金の相場はいくら?弁護士が解説」をご覧ください。

被害を防ぐための援助

ストーカー被害を自分で防ぐための援助を警察に申し出て、それが相当と認められると、必要な援助を受けられます。主な内容は次のとおりです。

  • 被害を防ぐための対策の教示
  • 防犯ブザーなどの防犯器具の紹介や貸出し
  • 警察が相手を把握している場合の、相手の氏名や連絡先の教示
  • 相手と話し合うときの連絡の仲立ちや、話し合いの場所としての警察施設の利用
  • 警告や禁止命令等をしたことを示す書面の交付
  • 支援を行う民間の団体などの紹介

このほか警察は、状況に応じて、パトロールの強化や110番緊急通報登録システムの利用、住民票の閲覧制限に関する支援などにも対応しています。一時的な避難先の費用を公費で負担してもらえる場合もあります。

女性相談支援センターや法テラスなど、警察以外にも相談できる窓口があります。詳しくは「ストーカー被害の相談窓口|警察以外の窓口も紹介」をご参照ください。

警察に相談する前に押さえておきたい準備

ストーカー被害の相談の場で状況を正確に伝えられるよう、事前に確かめておきたいことと、そろえておきたいものを紹介します。

警察署など相談先を確かめる

ストーカー被害の相談先としてまず挙がるのは、最寄りの警察署です。24時間相談を受け付けています。対応するのは生活安全課などの担当部署で、部署の名称は警察署によって異なります。交番でも相談はできますが、ストーカー被害への対応は警察署が中心になります。

警察署に出向くか迷うときは、警察相談専用電話「#9110」も利用できます。都道府県警察の相談窓口につながり、受付時間は地域によって異なります。

対応が決まるまで時間がかかることもあるため、いま身の危険が迫っているときは、迷わず110番通報してください。

聞かれることを整理し、証拠と記録を持参する

警察に相談すると、ストーカー被害の日時・場所・内容、相手の名前や住所などの情報、相手との関係、相談者自身の連絡先などを尋ねられることがあります。相手について分かることが少なくても、分かる範囲で整理すれば構いません。

持っていくとよい証拠には、たとえば次のものがあります。

  • 相手から届いた手紙や贈り物、置いていかれたメモ
  • 着信履歴、メールやSNSのメッセージの画面(スクリーンショット)
  • 通話やつきまといの様子を残した録音・写真・動画
  • けがをしたときの診断書

怖いからといって手紙を捨てたり、メールの履歴を消したりすることは避けましょう。

あわせて、被害を受けるたびに日時・場所・内容をメモし、時系列にまとめておくと、警察に経過が伝わりやすくなります。連絡をやめてほしいと伝えたやり取りも残しておきましょう。無言電話を除き、電話やメッセージを繰り返す行為は、拒まれたにもかかわらず続けた場合に規制の対象となるためです(ストーカー規制法2条1項5号)。

警察への相談と並行して自分でとれる対策は「ストーカー被害に遭ったらすぐすべき8つの対処法と対策」で紹介しています。

ストーカー被害の警察相談に不安がある方は弁護士にご相談ください

警察に相談した後には、相手への警告・禁止命令等、検挙、援助といった道があり、どの対応がとられるかは相手の行為の内容や証拠、相談者の意向で変わります。

弁護士は、被害の経過と証拠を整理して警察への説明を支えたり、相談に同行したりすることができます。整理された資料をもとに説明することで状況が伝わりやすくなり、警察の対応が進みやすくなることもあります。もっとも、弁護士が同行すれば必ず警察が動くというものではありません。このほか、被害届や告訴(処罰を求める意思表示)の手続き、相手への慰謝料請求にも対応できます。

「警察に相談したが警告には至らなかった」「相手に知られるのが怖くて相談に踏み切れない」という方も、まずは状況をお聞かせください。ストーカー被害は放置するほどエスカレートしやすく、早期の対策が大切です。

弁護士法人若井綜合法律事務所では、相手とのやり取りの窓口を弁護士が引き受けるなど、身の安全を最優先に考えて対応します。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

ストーカー被害の解決に豊富な実績を持つ。元交際相手からのつきまとい、ネットストーカー、職場でのストーカー被害など、警察に相談しても動いてもらえないケースにも弁護士として毅然と対応。「報復が怖い」「大事にしたくない」という被害者の心情に寄り添い、穏便かつ確実にストーカー行為を止めさせることに全力を注いでいる。

ストーカー被害 ネットストーカー つきまとい・待ち伏せ 元交際相手の嫌がらせ 犯人特定・慰謝料請求
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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ストーカー被害は、時間の経過とともにエスカレートし、深刻な事件に発展するおそれがあります。早期のご相談が、解決への第一歩です。お気軽にお問い合わせください。