爆サイ.comなどの掲示板では日々多くの誹謗中傷レスが投稿されています。
内容によっては、名誉毀損罪や侮辱罪といった犯罪に該当するわけですから、「警察に削除依頼すればスレッドやレスを消去できるかも」と考える人もいるこでしょう。
しかし残念なことに、爆サイに誹謗中傷の投稿をされたとしても警察に削除依頼することはできません。
それはなぜでしょうか?
ネット誹謗中傷に強い弁護士がわかりやすく解説していきます。全部読み終えるのに約3分かかります。
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誹謗中傷の削除依頼について警察はこう言っている
インターネットで誹謗中傷の被害にあった人に対し、各都道府県の警察のホームページでは次のように呼び掛けています。いくつかの警察署のホームページより抜粋して以下で紹介します。
掲示板、ブログのコメント、プロフィール・サイトの足跡欄などに悪口や個人情報が書き込まれ、それが原因となってトラブルが発生しています。
~(略)~
問題ある書き込みを削除したい時は、本人もしくは関係者がサイトの管理者やプロバイダに削除を要請してください(プロバイダ責任制限法)。ただし、発言を削除すると更なる書き込みを誘発する場合もあります。名誉毀損、侮辱等により、相手方を訴える意志がある場合は、ご住所を管轄する警察署へご相談ください。
誹謗中傷を受けたり、自分のメールアドレスや電話番号などの個人情報が載せられたような場合は、その掲示板のアドレスを確認し、当該掲示板の管理者、もしくはサーバ管理者に削除依頼をする。
~(略)
名誉毀損や業務妨害等の犯罪に該当するような場合は、お住まいの地域を管轄している警察署で相談する。
インターネットの掲示板等に、自分の名前、住所、電話番号、裸の写真や、誹謗中傷を書かれてしまったようなケースです。
~(略)
また、個人情報等について掲示板へ書き込まれた場合、管理者等への削除依頼は、警察では行っておりません。当該サイトに書かれた手順に沿って削除依頼をご自身で行うか、住所地を管轄する法務局の人権擁護課までご相談ください。
また、事件化を希望される場合には、~(略)住所地を管轄する警察署までご相談ください。
ご覧の通り、千葉県警にしても警視庁にしても、掲示板等のサイト管理者、プロバイダ、サーバー管理者に削除依頼するよう明記されています。茨城県警においては警察では削除依頼を行っていないと言い切っています。
では、なぜ警察は、被害者(書き込みをされた人)に代わってサイト管理者に削除依頼をしてくれないのでしょうか。
削除依頼は警察の業務の範囲外
インターネットへの誹謗中傷や風評被害の書き込みを削除依頼することや、犯人を特定して損害賠償請求(慰謝料)することは、当事者同士で解決すべき事案(民事事件といいます)です。
警察は、刑事事件となる犯罪を捜査して犯人を逮捕するための組織であり、原則的に、警察権力は民事紛争に介入すべきでない(民事不介入の原則といいます)とされています。
そのためいくら警察官が、「この書き込みは酷いねぇ。被害者が可哀想だ」と感じたとしても、業務の範囲外である民事事件である以上はなにもすることができないのです。
ただし、上で紹介した各警察署のホームページの抜粋には、「名誉毀損や侮辱、業務妨害などに該当する書き込みについて、(刑事)事件化して訴えたい場合は警察署に相談してください」という呼びかけがされています。
爆サイの削除依頼ははできないにせよ、犯人を逮捕してもらい社会的責任をとらせたいなら、ネット犯罪に精通したサイバー犯罪相談窓口に相談し、刑事事件として扱えるか確認してみましょう。
違法情報・有害情報の削除依頼は可能
違法情報や有害情報であれば、警察庁が委託した民間団体であるインターネット・ホットラインセンター(IHC)に削除依頼をすることができます。
違法情報・有害情報とは、違法取引(薬物関連の犯罪・銃刀法違反)、売春(児童買春禁止法・売春防止法)、わいせつ(児童ポルノ禁止法・わいせつ物頒布罪)、詐欺(詐欺罪)、自殺の誘因や不正アクセスを助長する行為を指します。
これらの違法有害情報を爆サイなどの掲示板やブログ、SNSで見かけた場合は、IHCに通報(匿名可)することでプロバイダへ削除依頼を行ってくれます。2019年度においては1617件をプロバイダに削除依頼し、1482件(91.7%)が削除完了しています。
ただし、名誉棄損などの誹謗中傷事案はIHCの運用ガイドラインの対象外となっていますので、通報しても対応してもらえない点に注意しましょう。
爆サイの削除依頼が警察にできないならどうすべき?
誹謗中傷の削除は、自分または弁護士に依頼するかのどちらかの方法となります。
自分で削除依頼する場合は、爆サイ掲示板に設置されている「削除依頼フォーム」より行うか、プロバイダ責任制限法のガイドラインに沿った送信防止措置依頼、または削除の仮処分命令の申し立てを行います。
ただし、削除依頼フォームや送信防止措置依頼による削除申請はサイト管理者に応じてもらえないことも多く、削除の仮処分命令の申し立ては裁判所を介する手続きであるため一般の方は難しいと思われます。
上記の関連記事を読んで、「自分では難しそう」と感じた場合には、ネット問題に詳しい弁護士に依頼した方が良いでしょう。削除の仮処分命令の申し立てのほか、犯人を特定するための発信者情報開示請求訴訟、犯人に対する慰謝料請求など個人では難しい手続きも弁護士が全て代理してくれます。
当法律事務所では、全国どこからでも24時間ネット誹謗中傷の無料相談を受け付けております。親身誠実をモットーとする弁護士が対応しますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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