
「違法ダウンロードをしてしまったが、自首すべきだろうか」「自首したら逮捕されてしまうのだろうか」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
違法ダウンロードは著作権法違反の犯罪行為ですが、告訴権者の告訴がなければ起訴されない親告罪です。そのため、安易に自首をすると、警察から告訴権者に連絡が行き、知られていなかった違法ダウンロードの事実が発覚して、かえって事件化してしまうおそれがあります。
この記事では、刑事事件に強い弁護士が、違法ダウンロードで自首した場合に何が起きるのか、自首すべきかどうかの判断基準、そして告訴権者への申告による穏便な解決方法についてわかりやすく解説します。
なお、違法ダウンロードについて早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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違法ダウンロードで自首するとどうなる?
違法ダウンロードは親告罪
まず、違法ダウンロードは、著作権法に違反する犯罪行為です。
違法にアップロードされている著作物であることを知りながら、反復・継続してダウンロードした場合には、「2年以下の拘禁刑」若しくは「200万円以下の罰金」が科せられ、またはこれらが併科されます(著作権法第119条3項)。
※2025年6月1日施行の刑法改正により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
ただし、著作権侵害による著作権法違反の罪は、告訴権者の告訴がない限り公訴の提起(起訴)ができない親告罪とされています(著作権法第123条)。告訴権者とは、被害者本人やその法定代理人等です。
したがって、違法ダウンロードについては、告訴権者による告訴がなければ公訴を提起することができません。
違法ダウンロードで警察から連絡がきた場合の対処法については「違法ダウンロードで警察から連絡がきたらどうする?逮捕者はなぜでない?」で詳しく解説しています。
そもそも自首とは?
自首とは、捜査機関(警察、検察)に犯罪事実または犯人が発覚する前に、犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を申告して、捜査機関の処分に委ねる意思表示をすることをいいます。自首が成立すると、刑が減軽される可能性があります(刑法第42条)。
また、自首そのものの効果ではありませんが、自首することにより「逃亡・証拠隠滅のおそれがない」と判断されて逮捕を回避できる可能性があります。
自首と出頭の違いについては「出頭とは?自首との4つの違いを解説」をご参照ください。
告訴されていないのに警察に自首するとどうなる?
告訴は公訴提起の条件であると説明しましたが、告訴は、捜査機関の捜査を開始するための条件でも警察が被疑者を逮捕するための条件でもありません。
つまり、親告罪であっても告訴前に捜査を開始することは可能ですし、被疑者を逮捕することもできます。
そのため、告訴されていないのに警察に自首をすると、犯罪事実を確認するために任意の取り調べが行われる可能性があります。捜査機関は犯罪事実の有無を確認したうえで、被疑者を逮捕したいと考えた場合、告訴権者である被害者に告訴するか否かの連絡をすることになります。
警察官の服務規程である犯罪捜査規範にも、「逮捕状を請求するに当って、当該事件が親告罪に係るものであって、未だ告訴がないときは、告訴権者に対して告訴するかどうかを確かめなければならない」と規定されていることが参考になります(同規範第121条)。
違法ダウンロードしたら自首した方がいい?
上記の通り、告訴権者が告訴をしていないのに自首をすると、告訴権者に違法ダウンロードの事実が知られてしまい、藪蛇になる可能性があります。
また、違法「アップロード」については多くの逮捕事例があるものの、違法「ダウンロード」で逮捕される事案はほとんどありません。
もちろん、違法ダウンロードで逮捕されないと断言することはできませんが、敢えて告訴されるのを待って、捜査機関の動きに合わせて対応していくのも一つの方法です。
告訴権者に罪を申告することで自首と同様の扱いになる
とはいえ、違法ダウンロードをしたことで、いつ警察に逮捕されるのか不安で仕方がない方からすれば、やはり自首をして気持ちをスッキリさせたいとお考えになるかもしれません。しかし、警察に自首することは精神的にハードルが高いと感じる方もいると思われます。
この点、親告罪に関しては、刑法第42条2項には以下のように規定しています。
(自首等)
第四十二条 (省略)
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。出典:e-Gov法令検索
要するに、親告罪である犯罪を行った人が、被害者などの告訴権者に犯罪の事実を申告した場合には、警察に自首をした場合と同様に取り扱うということです。
この条文が適用されるためには、捜査機関に犯人が特定される前か、犯罪が発覚する前に申告することが必要となります。
被害者(告訴権者)に違法ダウンロードの事実を申告することで示談の話し合いができ、刑事手続きに移行することを回避できる可能性があります。
また、被害者に違法ダウンロードの事実を申告したことは、被疑者にとって有利な事情になります。仮に事件化した場合でも、自ら犯罪事実を申告したことが検察官が刑事処分を決める際に考慮され、不起訴を獲得できる可能性が高まります。不起訴となれば刑事裁判にかけられることもありませんので、有罪判決となって前科がつくこともなくなります。
したがって、できるだけ穏便に事件を解決して終わらせたいと望んでいる方は、迅速に被害者に申告して示談交渉を行うことが望ましいと言えるでしょう。
警察への自首を検討すべきケース
前述の通り、違法ダウンロード"のみ"をした場合には、告訴権者の告訴を待つという選択肢もあるでしょう。
しかし、ご自身では違法「ダウンロード」をしているだけと考えていても、実は知らぬ間に違法「アップロード」していることもあります。
例えば、torrent(トレント)などのP2P(PC等の端末同士がサーバーを介さずに直接ファイルのやりとりを行う通信方式)で違法ダウンロードを行うと、その仕組み上、ファイルのアップロードも同時に行われる状態になります。つまり、ご自身も違法アップロードに加担し、著作権侵害の犯罪を犯すことになります。違法アップロードの具体的な逮捕リスクや罰則については「違法アップロードで逮捕リスクのある行為と罰則!視聴のみでも逮捕?」で解説しています。
警察庁の公表しているデータによると、令和6年にはインターネットを利用した著作権侵害事犯(違法アップロード以外に、違法ダウンロードを含む)の検挙事件数は52件あります。違法ダウンロードでの検挙・逮捕数がほとんどないことから考えると、ネット上の著作権法違反で検挙されているほとんどが違法アップロードによるものと考えられます。
違法アップロードも原則として親告罪ですが、悪質な違反は「非親告罪(告訴がなくとも起訴できる犯罪)」とされています。そして警察は「P2P観測システム」を用いて違法アップロードが行われていないかネット上で常時監視しています。ある日突然警察に逮捕されるおそれもあるということです。
そのため、P2Pで違法ダウンロードをしてしまった方で、出来るだけ逮捕の可能性を下げたいとお考えの方は自首することも必要となってくるでしょう。
違法ダウンロードの自首でお悩みの方は弁護士にご相談ください
この記事で解説したとおり、違法ダウンロードは親告罪であるため、安易に自首をすると告訴権者に事実が発覚し、かえって事件化を招くおそれがあります。状況に応じて、告訴権者への直接申告と示談交渉を選択することが穏便な解決への近道です。
ただし、自首すべきかどうかの判断や、告訴権者への申告・示談交渉を個人で行うのは容易ではありません。弁護士に依頼することで、状況を正確に分析したうえで最善の対応方針を立て、自首に同行して逮捕回避のための働きかけを行ったり、告訴権者との示談交渉を代理で進めることが可能になります。
P2Pでのダウンロードが違法アップロードにもなっていないか不安な方、いつ警察から連絡が来るかわからず精神的な負担を感じている方は、一人で抱え込まず、早めに弁護士に相談されることをおすすめします。
当事務所では、自首の同行や逮捕回避に向けた弁護活動、著作権者との示談交渉について豊富な実績があります。全国どこからでも無料相談が可能ですので、違法ダウンロードの自首や告訴権者への申告をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

