
【質問】友達が私の顔を盗撮してきます。犯罪になりますか?
大学のゼミで一緒の友人が、私の許可なくスマホでこっそり私の写真を撮っているようで困っています。最初は気のせいかと思っていたのですが、ふとした瞬間にスマホを向けられているのを見かけたり、他の友人から「○○(私)の写真を撮っていたよ」と言われたりして、確信に変わりました。
直接本人に「私の写真を撮ってる?」と聞いてみたところ、「そんなことしてないよ」と笑ってごまかされました。でも、その後も授業中や食事の際に不自然にスマホを向けられることがあり、不安になっています。特に、何か悪意があるのか、ふざけているだけなのかも分からず、怖いです。
このように、本人が否定しながらも勝手に写真を撮られるのは問題ないのでしょうか?法律的に犯罪にはならないのでしょうか?また、やめてもらう方法があれば知りたいです。
【弁護士の回答】顔や姿を撮られただけでは犯罪にならない
結論として、友達があなたの顔をひそかに撮影したとしても、それ自体が刑事上の犯罪に該当することはありません。盗撮を処罰する法律である「性的姿態撮影等処罰法」では、盗撮に関する「撮影罪」が規定されており、この罪に該当する場合、3年以下の懲役(令和7年4月1日から拘禁刑)または300万円以下の罰金が科されます。
ただし、撮影罪が成立するためには、「正当な理由がないのに、ひそかに、人の性的姿態等を撮影すること」が要件とされています。ここでいう「性的姿態等」とは、以下のものを指します。
- 人の性的な部位(性器、肛門、その周辺部、臀部、胸部)
- 性的な部位を覆うのに用いられる下着(ブラジャー、パンツなど)
- わいせつな行為または性交等をしている姿態
少なくとも顔はこの「性的姿態等」に該当しないため、友達が無断であなたの顔を撮影したとしても、撮影罪にはならず、刑事上の犯罪には該当しません。
しかし、だからといって無断で顔を撮影されることが問題ないわけではありません。肖像権の侵害やプライバシーの問題が生じる可能性があり、特にSNSなどに写真をアップロードされた場合には、民事上の責任が問われることもあります。次に、その点について解説します。
【合わせて読みたい】撮影罪とは?該当する行為や条例違反との違いをわかりやすく解説
【対策】肖像権の侵害にあたると友達に警告する
顔をひそかに撮影される行為は刑事上の犯罪にはなりませんが、民事上の責任が問われる可能性があります。人には、自分の顔を理由なく撮影・公表されない権利(肖像権)があり、許可なく顔を撮影されることは肖像権の侵害にあたる可能性があるためです。
肖像権を侵害する行為は、不法行為に該当し、撮影された側が損害賠償を請求できる場合もあります。特に、撮影した画像や動画をインターネット上にアップロードされた場合、その影響はより深刻になり、さらなる損害賠償請求の対象となることもあります。
まずは、友達に対して「無断で顔を撮影するのは肖像権の侵害にあたり、不法行為となる可能性がある」ことを伝えましょう。それでもやめない場合は、「悪質な場合、損害賠償を請求される可能性がある」ことも警告し、それでも止めない場合は友達と一定の距離をとった方が無難でしょう。
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