
職場で盗撮をしてしまい、「会社にバレるのだろうか」「解雇されるのではないか」と、仕事が手につかない状態ではないでしょうか。
結論から言うと、職場での盗撮は撮影罪などの犯罪にあたり、懲戒解雇の対象にもなりえます。会社の処分は刑事処分の結果にも左右されるため、解雇を避けるには、被害者との示談で不起訴を目指すことが最も効果的です。
この記事では、盗撮事件の解決実績が豊富な弁護士が、以下の点について解説します。
- 盗撮が会社に発覚する4つの経路
- 懲戒解雇になるのか、逮捕されたらどうなるのか
- 解雇と逮捕を回避するために今できる4つのこと
お読みいただくことで、自分のケースで会社にどこまで伝わるのか、今日から何をすべきかを整理できます。
なお、職場での盗撮についてお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へご連絡ください。早い段階で動くほど、取れる手段は多くなります。
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職場での盗撮はどうやって発覚し、会社に知られるのか
職場での盗撮が会社に伝わる経路は、主に次の4つです。
- 被害者や同僚がカメラ・撮影に気づく
- 社内調査やカメラの映像で特定される
- 勾留で出勤できない日が続いて発覚する
- 警察からの在籍確認や実名報道で伝わる
被害者や同僚がカメラ・撮影に気づく
職場での盗撮でよくあるのが、被害者本人や周囲の従業員が異変に気づいて発覚するパターンです。
2024年には、金融庁の職員が庁舎の会議室で同僚女性のスカート内を撮影したとされ、撮影に気づいた女性が警察に届け出た事件が報じられています(出典:産経ニュース)。
社内調査やカメラの映像で特定される
盗撮被害の申告を受けた会社は、人事や総務を中心に社内調査を始めます。設置型のカメラであれば、映像に写り込んだ設置者の姿などから、誰が置いたかが後から特定されることがあります。
社内調査での回答は、会社の処分だけでなく刑事手続にも影響するため、弁護士と内容を詰めてから臨むのが安全です。
勾留で出勤できない日が続いて発覚する
逮捕に続いて勾留(逮捕後も身柄の拘束を続ける手続)されると、原則10日間、延長されればさらに長く出勤できなくなります。職場を休み続ければ、会社が事情を確かめるなかで事件が知られることがあります。
警察からの在籍確認や実名報道で伝わる
捜査機関が身元の確認のために勤務先へ連絡することがあり、盗撮事件の内容を告げない在籍確認でも、社内で話が広がることはあります。事件が実名で報道されれば、会社にも一度に知られます。
逮捕されずに書類送検された場合に勤務先へ伝わる範囲は「盗撮で書類送検された後の手続きの流れを弁護士が解説」をご確認ください。
社内で盗撮したら解雇される?懲戒解雇・普通解雇・退職勧奨の違い
職場での盗撮を理由に会社が雇用関係を終わらせるとき、実務でとられるのは主に次の3つです。
- ①懲戒解雇
- ②普通解雇
- ③退職勧奨
このうち解雇にあたるのは①と②で、③は会社からの申し入れにすぎません。
| 種類 | 性質 | 誰が決めるか | 退職金 |
| 懲戒解雇 | 企業秩序を乱したことへの制裁 | 会社 | 不支給または減額とされることが多い |
|---|---|---|---|
| 普通解雇 | 雇用の継続が困難なことを理由とする契約解消 | 会社 | 就業規則の定めに従い支給されるのが通常 |
| 退職勧奨 | 自主的な退職を促す申し入れ | 従業員(応じるかどうかを選べる) | 就業規則の定めに従い支給されるのが通常 |
①懲戒解雇
懲戒解雇は、企業秩序を乱したことへの制裁として行われる、最も重い懲戒処分です。就業規則の懲戒事由には「刑罰法規に違反したとき」といった項目が置かれていることが多く、社内での盗撮はこれにあてはまりやすい行為です。
ただし、労働契約法により、行為の性質や態様などの事情から見て、客観的に合理的な理由を欠く懲戒や、社会通念上相当といえない重すぎる懲戒は、権利の濫用として無効になります。
処分の重さは、盗撮の悪質さや刑事処分の結果に加え、報道されたかどうか、社内での立場も踏まえて判断されます。初犯で不起訴(検察官が起訴を見送る処分)となり、報道もされず、示談(被害者との合意)が成立している事案では、懲戒解雇は重すぎるとされる余地があります。
②普通解雇
普通解雇は懲戒処分ではなく、雇用の継続が難しいことを理由に会社が労働契約を解消するもので、退職金は就業規則の定めに従い支給されるのが通常です。職場での盗撮でも、懲戒解雇ではなく普通解雇が選ばれることがありますが、合理的な理由または相当性を欠く解雇は、普通解雇であっても無効です。
③退職勧奨
退職勧奨は、会社から自主的な退職を勧められることです。解雇ではないため、応じる義務はなく、受けるかどうかを自分で決められます。
一方で、勧奨を断れば、会社が盗撮を理由に解雇へ進むこともあります。返答は、退職金や退職日などの条件を弁護士に確認してもらってからでも遅くありません。
盗撮で逮捕されたらどうなる?手続の流れと前科・実名報道のリスク
社内で盗撮が発覚しても、必ず逮捕されるとは限りません。後日逮捕の可能性は「盗撮で後日逮捕される可能性は?逮捕されやすいケースと対処法」をご参照ください。
刑事事件になった場合に、職場との関係で押さえておくべき点は次の4つです。
- 現行犯逮捕されるケースと後日逮捕されるケース
- 逮捕から起訴・判決までの流れと職場に生じる空白
- 有罪になれば罰金刑でも前科がつく
- 実名で報道されるおそれがある
現行犯逮捕されるケースと後日逮捕されるケース
盗撮の瞬間を見られれば、その場で現行犯逮捕されることがあります。現行犯逮捕は捜査機関でなくても行えるため、同僚や上司に取り押さえられることもあります。
カメラを仕掛けたケースでは、機器の発見後に捜査で設置者が割り出され、日を置いて逮捕されることがあります。身柄を拘束されず、在宅事件として取調べを受けることもあります。
逮捕から起訴・判決までの流れと職場に生じる空白
逮捕された場合、刑事手続は次の順で進みます。
- 逮捕から48時間以内に検察官へ送致される
- 検察官が24時間以内に勾留を請求するか釈放するかを決める
- 裁判官が勾留を認めれば、請求の日から原則10日間、やむを得ない事由があればさらに最大10日間延長して拘束される
- 検察官が起訴・不起訴を決める
- 起訴された場合は、略式命令で罰金を科されるか、刑事裁判で刑を言い渡される
逮捕から勾留の満期までを合計すると、身柄拘束は最長で23日間に及ぶ可能性があります。この間は出社できず、弁護人を通じて連絡しなければ、理由のわからない欠勤が続くことになります。刑事裁判にかけるために起訴された場合は、保釈が認められない限り、その後も勾留が続きます。詳しい流れは「盗撮で逮捕される?逮捕後の流れと勾留を回避する方法を解説」で解説しています。
有罪になれば罰金刑でも前科がつく
罰金刑や執行猶予付きの判決でも、有罪が確定すれば前科が残ります。
職場での盗撮で有罪となる場合に、まず問題になるのは、2023年7月13日に施行された性的姿態撮影等処罰法の「撮影罪」で、法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。撮影罪にあたらない盗撮も各都道府県の迷惑防止条例で処罰されることがあり、東京都の条例では撮影した場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。異性の更衣室やトイレに撮影目的で入れば、建造物侵入罪(3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)が同時に成立することもあります。撮影罪の成立要件の詳細は「性的姿態等撮影罪(撮影罪)とは?施行日や盗撮罪との違いを解説」で解説しています。
※2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
不起訴処分なら前科にはなりません(捜査を受けた記録である前歴は残ります)。初犯で被害者との示談が成立した事案では、不起訴となることが多くあります。不起訴に向けた対応は「盗撮の不起訴率は?獲得するためにすべき5つのことを弁護士が解説」にまとめています。
実名で報道されるおそれがある
一般の会社員は匿名で報じられることもありますが、社会的地位の高い職業の人や、被害者が多数にのぼる事件では、実名で報じられやすくなります。
実名が報じられると、家族や職場の同僚にも一度に伝わってしまいます。報道の基準は「盗撮で実名報道される?基準・タイミングと回避法を弁護士が解説」で確認できます。
職場での盗撮で解雇・逮捕を回避するためにできること
職場での盗撮で解雇や逮捕を避けるために打てる手は、次の4つです。
- 被害者と示談して許しを得る
- 捜査機関に自首する
- 会社に反省の態度を示す
- 弁護士に相談する
被害者と示談して許しを得る
4つのうち、効果が最も大きいのが示談です。示談書に「処罰を求めない」という宥恕の一文が入れば、不起訴に大きく近づきます。被害者との間で解決済みであることは、会社が懲戒解雇の要否を判断し直す材料にもなります。
被害者からは、刑事手続とは別に慰謝料などの損害賠償を請求されることもあります。示談では、この賠償もあわせて解決するのが通常です。
同じ職場の相手だからと自分で話しかけると、圧力をかけに来たと思われ、被害者がかえって態度を硬くすることがあります。示談の申し入れは弁護士に任せてください。示談金の目安は「盗撮の示談とは?相場は10万~50万円|弁護士が解説」で紹介しています。
捜査機関に自首する
自首は、盗撮の犯人が誰かを捜査機関に知られる前に、自分から罪を申告することです。カメラが見つかっていても、犯人として特定される前であれば成立し得ます。逮捕を避けられることがあるほか、刑が軽くなる可能性もあります。
ただし、自首すれば捜査が始まり、警察から勤務先に在籍確認が入る可能性もあります。出頭する前に弁護士に相談し、同行してもらうのが安全です。自首の流れは「盗撮で自首するメリット・デメリット|逮捕回避を弁護士が解説」で扱っています。
会社に反省の態度を示す
盗撮への真摯な反省と再発防止を示せれば、解雇までは相当でないと判断されることがあります。そこで始末書や反省文を提出しますが、書面は後の懲戒手続や裁判で証拠として扱われることがあります。提出する前に、弁護士に文面を確認してもらってください。
弁護士に相談する
ここまで挙げた手は、いずれも早さが結果を左右します。弁護士に依頼すれば、被害者との交渉、勾留を避けるための意見書の提出、解雇が無効と評価できる場合の撤回交渉まで、刑事手続と会社対応の両面から、職場での盗撮事件に対応できます。
まだ誰にも知られていない段階で撮影データや機器を処分しても、後に発覚したときに証拠隠滅を疑われ、かえって逮捕を招きかねません。データや機器は処分せず、そのまま弁護士に相談してください。
職場での盗撮でお困りの方は弁護士にご相談ください
職場での盗撮は刑事罰の対象となり、有罪が確定すれば前科が残ります。会社との関係では懲戒解雇、被害者との関係では損害賠償請求にもつながりかねません。
こうした事態を避ける鍵は、早い段階で弁護士に依頼し、被害者との示談交渉に着手することです。示談が成立すれば、不起訴の獲得だけでなく、会社の処分が軽くなることも期待できます。
当事務所は、盗撮事件の逮捕回避・不起訴獲得に豊富な実績があります。職場や家族に影響が及ばないよう配慮しながら、依頼者を守るために弁護士が迅速に動きます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

