殺人罪とは?構成要件や量刑は?殺人事件に強い弁護士が徹底解説
  • 殺人罪とは?構成要件や罰則など、殺人罪について網羅的に知りたい…
  • 家族が殺人罪で逮捕された…執行猶予や減刑のためにどう動けばいいのか…

こういったことでお悩みではありませんか?

そこでこの記事では、刑事事件に強い弁護士が、

  • ①殺人罪とは。構成要件や罰則、関連する犯罪
  • ②量刑を軽くするためにために弁護士はどう動くのか。解決事例

を中心に、わかりやすく解説していきます。

まずは殺人罪について知っておくべき知識を身に着けたうえで、身柄拘束された家族を助けたいという方は最後まで読んでみて下さい

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殺人罪の構成要件(成立要件)

殺人罪の構成要件は、

  • ① 
  • ② 人を殺す行為
  • ③ 故意

です。

①人

人とは加害者以外の生命ある人のことです。

しかし、生命ある人といっても、人によっては胎児も人だと解釈する人がいるでしょう。

そのため、いつの段階から法律上の人と解釈するか、人の意義が問題となります。

この点、学者の間では、

  • 陣痛開始説(陣痛が開始した時点から人と考える説)
  • 一部露出説(胎児が母親の身体から一部でも露出した時点から人と考える説)
  • 全部露出説(胎児が母親の身体から全部を露出した時点から人と考える説)
  • 独立呼吸説(胎児が母親の身体から露出し、自分で呼吸した時点から人と考える説)

が唱えられていますが、判例(大正8年12月13日)は一部露出説に立っていることから、実務でも一部露出説に従った処理がなされています。

②人を殺す行為

人を殺す行為とは、人を殺す意図(故意)をもって、人の生命を残絶する行為のことです。

人を殺す行為の手段・方法は問いません。

刺殺、斬殺、絞殺、溺殺、扼殺、射殺、焼殺、毒殺などが典型です。

また、何か行動すること(作為)による殺害のみならず、何もしない(不作為)による殺害も人を殺す行為に含まれます

不作為による殺害の例としては、

  • 子どもの扶養義務を負う母親が、子どもを殺す意図であえて授乳せずに餓死させた場合
  • 真冬に、交通事故で重傷を負わせた被害者を人通りの少ない場所まで運び、凍死させた場合

などが典型です。

もっとも、不作為による殺害行為というためには、被害者に対する法的な保護義務があったといえることが前提です。

したがって、散歩中に池に溺れている人をたまたま見つけたものの、助けずにその場から立ち去り人を溺死させてしまったという場合、人を助けるべきという道義的責任はあるものの法的な責任があるとまではいえないため、不作為による殺人罪は成立しません。

また、法は人に不可能なことを強いることはできませんから、不作為による殺人罪が成立するためには作為の可能性、すなわち、一定の行為を行うことの可能性が必要です。

③故意

殺人罪の故意は、加害者が自分の行為によって人を死亡させてしまうことを認識し、そうなっても構わないという認容のもと、あえて殺害行為を行った、という場合に認められます

被害者の死亡という結果が発生することを希望することまでは必要ありません。

また、上記のように結果の発生(殺人であれば人を死亡させてしまうこと)を認識している故意を確定的故意といいますが、故意の種類はそれだけに限りません。

確定的故意のほかに未必的故意、択一的故意、概括的故意があります。

未必的故意とは、人を死亡させてしまう「かも」しれないが、そうなっても構わないという場合のように、結果の発生を確実なものとして認識・認容していないものの、それが可能なものとして認識・認容している場合の故意です。

択一的故意とは、A・Bいずれかを殺すつもりで拳銃を発砲したものの、そのいずれかに命中するかは不確実だったというように、いずれか一方を死亡させることの認識・認容はあったものの、いずれが実現するかについては不確実だった場合の故意です。

概括的故意とは、家族(A・B・C)のいずれかを殺すつもりで毒物を入れたに荷物を家族宛てに郵送し、Cに毒物を飲ませ死亡させたというように、一定範囲の人のいずれかを死亡させることの認識・認容はあったという場合の故意です。

殺人罪の故意を欠いたものの、人を死亡させるという結果を発生させたという場合は殺人罪ではなく傷害致死罪(刑法205条、3年以上の有期懲役)が成立する可能性があります。

殺人罪の罰則

殺人罪の罰則は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役です。

執行猶予を受けるためには判決で「3年以下の懲役」の言い渡しを受ける必要がありますから、殺人罪で有罪の認定を受ければ実刑とされるのが基本です。

もっとも、既遂の場合よりも未遂の場合の方が執行猶予となる可能性は格段にあがります。

また、既遂の場合でも、殺害に至る動機・経緯、殺害方法、被害者の落ち度、示談の有無などによっては執行猶予をなることも否定はできません。

殺人罪に関連する罪

次に、殺人罪に関連する罪について解説します。

自殺関与罪(刑法202条前段)

人の自殺に関与した場合に問われる罪です。

自殺とはその意味を理解できる人がその自由な意思決定に基づいて命を絶つことをいいます。

したがって、自殺の意味を理解していない者(幼児など)を死亡させた、自殺を強制して死亡させたという場合は自殺関与罪ではなく殺人罪が成立します。

関与の方法は「教唆」と「幇助」です。

教唆による自殺とは、自殺の意思のない者に自殺を決意させて自殺させることです。

教唆行為が悪質で、自殺者の意思決定の自由度が失われていたと認められる場合は、自殺関与罪ではなく殺人罪が成立します。

幇助による自殺とは、すでに自殺の意思がある者の自殺を援助すること、手助けすることです。

幇助行為は自殺者に器具を提供するなどの有形的方法のほか、言動による無形的方法も含まれます。

自殺関与罪の罰則は「6月以上7年以下の懲役又は禁錮」です。

同意殺意罪(刑法203条後段)

同意殺人罪は、人から嘱託を受け、又は、承諾を得て人を死亡させた場合に問われる罪です。

嘱託を受けてとは、人から積極的に殺害を依頼されることです。

承諾を得てとは、人から殺害されることについて同意を得ることです。

嘱託・承諾があったといえるためには、被害者自身の嘱託・承諾であったこと、嘱託・承諾できる能力のある者の自由かつ真実の意思に出たものであること、殺害以前に嘱託・承諾があったこと、が必要とされています。

したがって、幼児から嘱託を受けても同意殺人罪ではなく殺人罪が成立します。

また、死亡する気はないにもかかわらず「殺してくれ」と頼まれたため殺害したという場合も同意殺人罪ではなく殺人罪が成立します。

真実の嘱託・承諾がないのにあると誤信して殺害した場合は、その誤信が真実であれば殺人罪ではなく同意殺人罪が成立します。

同意殺人罪の罰則も「6月以上7年以下の懲役又は禁錮」です。

殺人罪の弁護活動

次に、殺人罪の弁護活動について解説します。

謝罪、示談交渉

罪を認める場合は、被害者(殺人未遂の場合)、被害者遺族(殺人既遂の場合)に対する謝罪、示談交渉を進めていきます

もっとも、殺人既遂の場合はもちろん、殺人未遂の場合でも、相手に与えた精神的苦痛は大きく、加害者に対する処罰感情が極めて厳しいのが通常です。

また、示談交渉の過程では、どうしても加害者のことや事件ことなどを話さなければなりません。

そのため、示談交渉そのものに対応いただけないケースも少なくありません。

もっとも、殺人罪であっても、被害者側に対する謝罪や示談の成立は、裁判で殺人罪の量刑を決める上でも重要視される要素であることに変わりありません

そのため、弁護士としては、一度、示談交渉を断られてもすぐには諦めず、事件から期間を置いてから、再度、示談交渉をもちかけ粘り強く交渉していきます。

殺人罪の場合は、事件直後から示談交渉を進めることは困難ですし、上記のとおり、被害者側と示談交渉をはじめること自体に期間を要することが想定されます。

したがって、殺人事件で、検察官が刑事処分(起訴か不起訴か)を決める前に示談を成立させることはほぼ不可能で、示談成立→不起訴という流れにもっていくことが難しいです

そのため、検察官が有罪の心証を抱いた場合は起訴される可能性が高いですが、それでも裁判中に粘り強く、謝罪と示談交渉を試みてまいります。

保釈請求する

殺人罪の嫌疑をかけられると、その罪の重さゆえに逮捕される可能性が高いといえます。

また、一度、逮捕されると刑事処分が決まるまでに釈放されるのは難しいでしょう。

検察官が集めた証拠から有罪の心証を築けない場合は釈放されますが、有罪の心証を築いた場合は起訴され身柄拘束は継続します。

もっとも、起訴された後は保釈請求により釈放を求めることも不可能ではありません

起訴された直後は難しい場合も多いですが、手続きや裁判が進むにつれ、徐々に罪証隠滅行為を働く客観的(及び主観的)可能性がなくなっていきますから、その分、釈放される可能性も高くなります。

被告人が一日でもはやい社会復帰を希望する場合は粘り強く保釈請求を求めていきます。

減軽に向けた活動

罪を認めているものの起訴された場合は、減軽に向けて活動します

前述のとおり、殺人罪で有罪の認定を受けると原則として実刑ですが、未遂の場合や情状に酌量すべきものがある場合は減軽措置が取られ、懲役の長さが短くなったり、実刑ではなく執行猶予付き判決を獲得できる場合があるからです。

示談交渉も減軽に向けた活動の一つです。

その他、殺人罪では、殺害するに至った経緯・動機、犯行態様、結果、責任能力の有無及びその程度なども量刑を左右する要素となりやすいです。

したがって、これらの点で、被告人にとって酌量すべき事情、有利な事情がある場合は、裁判で的確に主張・立証してまいります。

犯人性を争う、別の罪の成立・正当防衛を主張する

罪を争う場合は、被疑者・被告人の主張に沿った弁護活動を行います

殺人罪では、「自分は犯人ではない」という犯人性を争うパターン、「殺人罪ではなく傷害致死罪(刑法205条、3年以上の有期懲役(上限20年))が成立する」という別の罪の成立を主張するパターン、「自分の身を守るため被害者を殺害した」という正当防衛を主張するパターン、被疑者・被告人の責任能力が減退、あるいは欠如しているパターンの4種類があります。

いずれのパターンでも、起訴される前は、被疑者が捜査官の圧力に押されたり、誘導に乗せられ自分の意図とは異なる供述をしてしまわないよう、被疑者をしっかりサポートします。

起訴された後は、検察官の手元にある証拠を開示してもらい、多角的な観点から証拠をよく検討し事実関係を把握した上で、被告人の主張に沿った主張・立証を裁判で展開します。

殺人罪の弁護士による解決例

最後に、殺人罪の弁護士による解決例をご紹介します。

殺人既遂罪で起訴されたものの、執行猶予獲得した例

長年にわたり夫から暴力や性的暴力などを受け、DVに悩まされていた被疑者(後に起訴され被告人)が、今度、夫からDVを受けると自分が殺される、自分の命が危ないと思い、深夜、寝室で寝ていた夫の腹部などに包丁を突き刺すなどして、夫を死亡させた事案です。

当初、被疑者には国選弁護人がついていましたが、「被疑者と国選弁護人との相性が合わなくて困っている」と被疑者の両親が弁護士に相談に来られたことがきっかけで、被疑者の刑事弁護を担当することになりました。

被疑者は全面的に罪を認めており、責任能力にも特段問題がなかったことから、裁判では被告人の量刑、つまり、罪の重さが争点となりました。

弁護士は、被告人が夫のDVに悩まされていたとはいえ、被告人の行為は正当化されないことは認めつつも、被告人が長年にわたり夫からDVを受けていたこと、被告人が警察などに繰り返し相談していたものの実効性のある対応をしてもらわなかったことに悲観して、周囲に相談できずにいたこと、幼い子どものことを思い夫の離婚に踏み切れなかったこと、夫が生活費を家に入れず、被告人が実質一人で子ども2人の子育てを行っていたことなど、被告人に酌むべき事情が多数あったことから、それらの事情を一つ一つ丁寧に主張・立証しました。

その結果、懲役3年、執行猶予5年(保護観察付き)の判決(求刑、懲役6年)を獲得することができました。

殺人罪で起訴されたものの、傷害致死罪に認定され執行猶予を獲得した例

子育てに悩んでいた被疑者(後に起訴され被告人)が、しつけと称して4歳の息子に暴力を繰り返した結果、死亡させた事案です。

被疑者は、息子の容体が急変したため、自ら「息子の様子がおかしい。」などと警察に110番通報。

駆け付けた警察官に、息子に対して暴行を加えていたことを認めたことから、殺人未遂罪で緊急逮捕されました。

そして、逮捕から4日後に息子が死亡したことから殺人既遂罪に容疑が切り替わり、同罪で起訴されたのです。

もっとも、被告人は逮捕から一貫して「殺すつもりはなかった。」などと主張していました。

そのため、弁護士は、裁判で被告人の犯行が計画性を有るものではなく偶発的なものであったこと、被告人と息子の仲が良好だったことが客観的にも認められること、犯行の際に凶器は使用されていないこと、暴行の態様は比較的軽微であったこと、犯行から約5日後に息子が死亡していること(即死ではないこと)、などを丁寧に主張・立証しました。

その結果、被告人に殺意はなく傷害致死罪が適用されると判断されたほか、執行猶予付きの判決(懲役3年、執行猶予5年、保護観察付き)を受けることができました。

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弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。

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