
「不正アクセスをしてしまったが、逮捕されるのだろうか…」「家族が不正アクセスで逮捕されてしまった…」
このような不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不正アクセス禁止法に違反すると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という重い刑罰が科される可能性があります。逮捕されれば最大23日間の身柄拘束を受け、起訴されて有罪判決となれば前科がついてしまいます。
ただし、早い段階で弁護士に依頼し、被害者との示談を成立させることができれば、不起訴処分や早期釈放につながる可能性があります。
この記事では、不正アクセス事件に強い弁護士が、
- 不正アクセス禁止法で問われる罪と罰則
- 逮捕後の流れと身柄拘束期間
- 逮捕された場合の具体的な対処法
などについてわかりやすく解説します。
なお、不正アクセス事件について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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不正アクセス禁止法違反で逮捕される場合の罪と罰則
不正アクセスとは、他人のスマホにインストールされているSNSに他人のID・パスワードを入力して他人のSNSを使える状況にしたり、ネット回線を通じてインターネットバンキング等の他人のID・パスワードの入力が必要なサービスに入り、他人のID・パスワードを入力して当該サービスを使える状況にする行為のことをいいます。
不正アクセスについては「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下、「不正アクセス禁止法」)」という法律で定義されており、あわせて以下の5つの行為を禁止・処罰する旨の規定が設けられています。
不正アクセス禁止法には様々な罪が規定されています。ここでは、検挙されやすい代表的な罪について解説します。
不正アクセス行為罪
不正アクセス行為罪は、不正アクセス行為をした場合に成立する犯罪で、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
「不正アクセス行為」とは、
- 他人の識別符号(ID・パスワード、生体認証情報)を無断で入力する行為
- 識別符号以外の情報または指令を入力する行為のような、いわゆる「なりすまし」行為
- 認証情報が不明の場合でも、ウェブサイトの脆弱性を狙ってセキュリティホールを攻撃し、ログイン認証を回避しながらコンピュータ内に侵入する行為
も含まれます。
たとえば、他人のスマートフォンを勝手に見る行為も不正アクセスに該当する可能性があります。具体的なケースについては「人のスマホを勝手に見ると不正アクセス禁止法違反の罪になる?」で詳しく解説しています。
罰則は「3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」です。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
不正取得罪
不正取得罪は、不正アクセス行為をするために、他人のID・パスワード等を取得したときに成立する犯罪です。
具体的には、
- 他人のID・パスワード等が書かれた書面を受け取った
- 他人のID・パスワード等が記録されたUSBメモリ等を受け取った
- 自分が使用するスマートフォンやパソコンの画面に、他人のID・パスワード等を表示させた
- 他人のID・パスワード等を暗記した
などが取得行為に該当します。
罰則は「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
不正アクセス助長罪
不正アクセス助長罪は、業務その他正当な理由がある場合を除き、他人のID・パスワード等を第三者に提供した場合に成立する罪です。
他人のID・パスワード等を第三者に提供すること自体危険な行為ですので、第三者が不正アクセス行為をすることを知って他人のID・パスワード等を提供した場合のほか、知らないで提供した場合でも不正アクセス助長罪が成立します。
第三者が不正アクセス行為をすることを知って他人のID・パスワード等を提供した場合は「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」、知らないで提供した場合は「30万円以下の罰金」の罰則を科されます。
不正保管罪
不正保管罪は、不正アクセス行為をする目的で、他人のID・パスワード等を保管したときに成立する犯罪です。
具体的には、
- 他人のID・パスワード等を書いた紙をもっていた
- 他人のID・パスワード等が記録されたUSBメモリをもっていた
場合などが保管行為にあたります。
罰則は「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
不正入力要求罪
不正入力要求罪は、アクセス管理者になりすまして次のいずれかの行為を行うことにより成立する犯罪です。
- ID・パスワード等の入力を求める情報を送信して公衆が閲覧できる状態に置くこと
- サイト利用者に対し、ID・パスワード等の入力を求める情報を送信すること
罰則は「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
なお、不正アクセス禁止法違反の公訴時効については「不正アクセスの時効は何年?時効の完成を待たずにすべきことを解説」をご参照ください。
不正アクセスで逮捕されるとどうなる?
検察官への送致と勾留請求
不正アクセス禁止法違反で警察に逮捕された場合には、「48時間」以内に検察官に送致されます。
検察官送致がされた後、被疑者は弁解の機会が与えられ、これ以上の留置の必要があるか否かが判断されます。
検察官は被疑者の身柄を受け取ってから「24時間」以内、かつ身体拘束時から72時間以内に勾留請求するか否かを決定します。この72時間は家族であっても面会できない場合が多く、弁護士だけが接見できる重要な時間帯です。制限時間を過ぎた場合や、勾留の必要がないと検察官が判断した場合には身体拘束を解かれ、在宅で捜査が進められます。
「勾留」とは、逮捕に引き続き被疑者の身体拘束を継続する強制処分です。検察官の請求に基づき、裁判官が勾留状を発して行います。
裁判官により勾留が決定された場合、原則として10日間の身体拘束が継続します。さらに捜査のため必要があれば10日間を上限として勾留が延長される可能性も高いです。
勾留延長された場合、警察官に逮捕された時点から最大23日間の身体拘束を受けることになり、自由に外部と連絡をとることもできなくなってしまいます。
検察官による公訴提起(起訴)
被疑者を身体拘束している期間に検察官は不正アクセスについて捜査を実施し、被疑者に対して刑事罰が必要であるかを判断します。
検察官が刑罰をもって被疑者を処罰することが適切だと判断した場合には、裁判所に対して裁判請求・刑罰権の発動を求めて公訴提起(起訴)します。
検察官により起訴された場合、「被疑者」は「被告人」へと身分が変わります。
公訴提起まで勾留されていた被疑者は、原則として被告人として勾留が継続します。
なお、不正アクセス禁止法違反で起訴された後、裁判が終了するまでは数か月間、身体拘束を受ける可能性があります。
しかし裁判所に保釈を請求することで身体拘束から解放される場合があります。保釈とは、起訴後に勾留されている被告人に、保釈保証金の納付を条件として被告人を一時的に釈放する制度です。
保釈されるには、被告人の逃亡・罪証隠滅のおそれがないことを裁判所に理解してもらう必要があります。保釈保証金は約束を守り裁判が終結した場合には取り戻すことができます。
刑事裁判手続き
起訴により被告人が刑事裁判手続にかけられると、犯罪行為成立の有無、量刑について裁判所が判断します。
公訴提起されてから1〜2カ月以内に第1回公判期日が指定されます。
被告人が不正アクセス行為について自白している場合、第1回期日で結審となり通常2〜3週間後に判決言い渡し日が指定されます。一方、被告人が事実を争い証人尋問などの必要がある場合は、隔月ペースで裁判手続きが進行します。
証拠の取り調べや被告人質問などがすべて終わると、検察官は論告・求刑により意見を述べ、被告人も弁論・最終陳述を行います。そのうえで裁判所は弁論を終結して判決を宣告します。
有罪判決の場合は、実刑判決のほか刑の執行を猶予する執行猶予付きの判決が言い渡される場合もあります。
不正アクセス禁止法違反の過去の判例や量刑傾向については「不正アクセス禁止法の有名判例を弁護士が解説」で詳しく解説しています。
不正アクセス禁止法違反で逮捕された場合の対処法
ここからは、万が一不正アクセス禁止法違反で逮捕された場合の対処法について、身に覚えがない場合と心当たりがある場合にわけて解説します。
なお、身に覚えがない場合も心当たりがある場合も、逮捕されたらすぐに警察官に対し弁護士との接見を要請しましょう。接見では、不安なこと、疑問に思うことを何でも弁護士に聞けますし、弁護士からアドバイスを受けられます。
逮捕直後は精神的に不安定な状況で、誰かに話を聞いてもらうこと、助言をしてもらうことが心の支えになります。しかし、逮捕直後に接見できるのは弁護士のみです。家族などの身近な方とは接見することはできません。弁護士との接見に時間制限はなく、立会人もつきません。不安なこと、疑問に思うことがあれば何でも質問し、できる限り疑問を解消しておきましょう。
身に覚えがない場合
身に覚えがない場合は、弁護士と接見するまで不必要なことを話さないことが重要です。捜査官の質問に真面目に受け答えしていると揚げ足をとられ、追及の隙を与えてしまいます。
逮捕された被疑者には供述拒否権、黙秘権、署名・押印拒否権という権利が認められていますので、ためらわずに行使してください。今後どのように対応するかは独断で判断せず、弁護士と接見し、刑事弁護を依頼の上、弁護士のアドバイスのもと決めていくのがよいでしょう。
心当たりがある場合
心当たりがある場合は自分のやったことを包み隠さず話すことが早期釈放などの結果につながりやすくなります。早期釈放を望んでいる場合は接見後、弁護士に刑事弁護を依頼し、早期釈放に向けて動いてもらいましょう。弁護士が早期釈放に向けて様々な書類を作ったり、集めたりして裁判所に提出し、早期釈放を求めていきます。
また、被害者への謝罪と示談交渉も進めていく必要があります。弁護士の指導のもと謝罪文を書き、被害者が謝罪を受け入れてくれる段階で示談交渉を申し入れます。示談が成立すれば、釈放や不起訴処分などの有利な結果につながる可能性が高まります。
不正アクセス禁止法違反で逮捕されてお困りの方へ
不正アクセス禁止法違反には、不正アクセス行為罪のほか、不正取得罪、不正助長罪、不正保管罪、不正入力要求罪など様々な罪が設けられています。逮捕されると最大23日間の身柄拘束を受け、起訴されれば刑事裁判にかけられることになります。
「突然逮捕されてしまった」「家族が不正アクセスで逮捕された」という状況は、精神的にも大きな負担となります。しかし、早期に弁護士に依頼し、被害者との示談交渉を進めることで、釈放や不起訴処分につながる可能性があります。
当事務所では、不正アクセスの被害者との示談交渉、早期釈放、不起訴の獲得を得意としており実績があります。親身かつ誠実に、弁護士が依頼者を全力で守りますので、不正アクセス禁止法違反の逮捕でお困りの方は、当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

