- 傷害事件の慰謝料相場ってどれくらいだろう…
- 傷害事件の慰謝料を払わないとどうなるのだろう…
- そもそも慰謝料の支払い能力がない場合はどうすればいいのだろう…
この記事では、暴行・傷害事件に強い弁護士がこれらの疑問を解消していきます。
記事を最後まで読むことで、傷害罪の慰謝料相場や、慰謝料を支払い示談を成立させることがいかに重要かが分るようになります。
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目次
傷害事件の慰謝料相場
傷害事件の慰謝料は、
- 犯行態様(単独か共犯か、武器使用の有無等)
- 怪我の程度(加療期間、後遺症の有無等)
- 加害者と被害者の関係性
- 被害者の処罰感情
などの諸要素を総合的に勘案して決めます。そのため、「この事件では〇万円」と固定相場が決まっているわけではなく、傷害事件の内容によって慰謝料は全く異なってきます。
たとえば、怪我の程度が軽い場合(加療期間が数週間程度の場合)は「10万円~50万円」程度の慰謝料となる場合が多いですが、他の諸要素しだいではこれ以上の金額となる可能性もあります。一方、加療期間が数か月を超えるような重症の場合は100万円を超えることもあります。さらに、被害者が後遺障害を負ったようなケースでは数百万円~数千万円の慰謝料となることもあります。
傷害事件の慰謝料と示談金の関係
慰謝料は示談金(損害賠償金)の費目の一部にすぎません。すなわち、慰謝料と示談金はイコールではありません。
示談金の費目は大きく「財産的損害」と「精神的損害」にわけられます。
このうち財産的損害に属する費目としては、以下のものがあります。
- 被害者が怪我の治療で入通院した際にかかった治療費
- 破損させた物の賠償金
- 怪我で仕事を休んだ場合の休業損害
- 後遺障害により労働に支障をきたしたことにより失った将来得られるはずであった収入(逸失利益)
一方、慰謝料は精神的損害に属する費目です。
つまり、傷害事件の示談金とは、「精神的損害(慰謝料)+財産的損害(治療費+物損の賠償金+休業損害+逸失利益)」を合算したものとなります。
したがって、傷害事件において被害者と示談するには、慰謝料のほか治療費等の費目を含めた示談金を話し合いにより確定させ、被害者に支払う必要があります。そのため、示談金は上記で示した慰謝料の相場よりも高くなる点に注意が必要です。
傷害罪の示談金相場を怪我の程度別に一覧表で紹介【示談書テンプレート付き】
傷害事件で慰謝料を払うメリット
警察への発覚を免れることができる
傷害事件が刑事事件化する前、すなわち、被害者に被害届を警察に出される前に示談を成立させ慰謝料を払えば、被害者から警察に被害届が出されることを防ぐことができます。示談する際は、必ずといっていいほど、被害者が警察へ被害届を出さないことを示談条件の一つとするからです。
被害者から警察に被害届が出されなければ、傷害事件のことが警察に発覚することはありません。警察に傷害事件のことが発覚しなければ、警察から呼び出しを受けて警察で事情を聴かれたり、場合によっては逮捕されるなどのリスクを回避することができます。
逮捕等を回避できる
被害者から警察に被害届を出されたとしても、示談を成立させ慰謝料を払って被害者に被害届を取り下げてもらえれば、もはや罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれはないといえますから、逮捕を回避することができます。
また、傷害事件の中でも一定の基準を満たす(比較的軽微な)傷害事件の場合、警察の微罪処分で終わる可能性があります。微罪処分とは、警察が検察庁に事件を送致することなく、警察官の訓戒等で事件を終わらせる手続きです。事件が微罪処分に付されれば、懲役、罰金等の刑罰を科されることはなく、前科も付きません。
早期釈放、不起訴、執行猶予等の有利な結果につながる
万が一、逮捕されたとしても、示談を成立させ慰謝料を払えば、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれはなくなったと主張でき、早期釈放につながる可能性が高くなります。
また、仮に釈放されたとしても(釈放されなかったとしても)、それのみをもって起訴か不起訴かの刑事処分が決まるわけではありませんが、示談を成立させ慰謝料を払っていれば、刑事処分は不起訴となる可能性が高くなります。
刑事処分までに被害者と示談できず起訴されたとしても、最終の口頭弁論期日までに示談できれば、実刑ではなく執行猶予となる可能性が高くなります。
終局的な解決を図ることができる
被害者と示談し慰謝料を払うことは刑事面のみならず、民事面でもメリットです。すなわち、示談を成立させれば、後日、被害者から慰謝料請求される可能性がなくなり、いつ請求されるのだろうか、と不安を抱えながら生活する心配がなくなります。
刑事上の責任と民事上の責任はまったく別物です。刑罰を受けたからといって、慰謝料の支払い義務を免れることができるわけではありません。刑事面でも民事面でも終局的に解決するためには被害者と示談し、慰謝料を払うことが必要です。
傷害事件の慰謝料を払わないとどうなる?
傷害事件で被害者と示談せず慰謝料を払わなかった場合は、次の事態に発展する可能性があります。
警察に発覚する
まだ被害者に被害届を出されていない場合は、被害者に被害届を出され、傷害事件のことが警察に発覚してしまいます。警察に傷害事件のことが発覚すると、警察から呼び出しを受けて事情聴取に応じなければならなくなるかもしれません。あるいは、最悪の場合、逮捕されてしまう可能性があることも否定はできません。
身柄拘束が長期化する、刑罰を受ける
警察に傷害事件のことが発覚し逮捕されると、その後「勾留」という長期間の身柄拘束の処分を受ける可能性もあります。身柄拘束期間が長期化すると、生活や仕事等に支障が生じることも考えられます。
また、いずれは警察から検察庁へ事件を送致され、検察庁でも取調べを受け、起訴か不起訴かの刑事処分を下されます。起訴された場合は裁判を受け有罪だと判断されれば、懲役又は罰金の刑罰を受けなくてはなりません。仮に、懲役実刑だった場合は、その後の不服を申し立てで結論が変わらない限り、刑務所に服役しなければならなりません。
傷害事件の慰謝料の支払い能力がない場合どうする?
慰謝料は原則、一括で支払うことを求められます。加害者において傷害事件の慰謝料を一括で支払う能力がない場合は以下の対応を取ることが考えられます。
分割払いを提案する
一括払いが難しい場合は分割での支払いを提案してみましょう。ただし、被害者とすれば一括で払って欲しいと考えているはずです。分割払いにこだわりすぎると交渉そのものが決裂してしまう可能性があります。
そこで、できる限り、1回の支払額を多くし、分割回数を少なくすることを提案します。経済的に分割でもまとまったお金を用意することができない場合は、保証人などを立てることも検討します。
お金を借りる
被害者側に分割払いを提案したけれども拒否され一括で支払わなければならない、しかし、一括で支払うことが難しい、という場合は、ご家族など頼れる方からお金を借りることも検討しなければなりません。
慰謝料は決して安い金額ではありませんから、後でトラブルとならないよう、ご家族などに全額負担してもらうのか、一部負担してもらうのか、その際の割合はどうするのか、将来返済する時期、額などしっかり話し合って決めておく必要があります。
傷害事件の慰謝料の交渉を弁護士に依頼するメリット
示談交渉が可能となる
慰謝料の交渉を始めようと思っても、そもそも被害者が交渉のテーブルについてくれないという問題があります。交渉を始めることができなければ、示談や慰謝料の話にすら進めることができません。
一方、弁護士が相手であれば交渉のテーブルについてもよいという被害者も多いです。そのため、交渉を弁護士に依頼すれば被害者との交渉を始めることが可能となるケースも多いといえます。
また、被害者と面識がなく被害者の連絡先等の個人情報を把握できていない場合は、そもそも被害者とコンタクトが取れず、示談交渉を始めることができません。この場合、捜査機関から個人情報を入手する必要がありますが(事件が警察、検察に送致されている場合)、捜査機関が加害者に被害者の個人情報を教えることはありません。
一方、弁護士であれば、被害者の意向しだいで、被害者の個人情報を入手し示談交渉を始めることが可能となります。
示談交渉を円滑に進めることができる
加害者と被害者の当事者同士の示談交渉だと、どうしても感情が先走って肝心の中身の話に入ることすらできない場合が多いです。一方、弁護士であれば感情的にならずに冷静に示談交渉を進めることが可能です。
示談交渉は加害者と被害者の利害の折り合いをつける場ですから、被害者側の意向を酌みつつ、加害者側の意見も主張すべきときは主張していかなければなりません。弁護士であれば両者の利害をうまく調整しながら交渉を進めていくことが可能です。
話の蒸し返しを予防できる
最後に話がまとまったら、後で言った言わないの争い、話の蒸し返しを予防するという意味でも示談書を作成する必要があります。弁護士に依頼すれば、弁護士が法的に不備のない形での示談書を作成し、被害者と示談書を取り交わします。
被害者と示談書を取り交わし慰謝料を払った段階で、民事的な問題は解決したことになります。これにより示談後の生活を安心して過ごせるようになります。
弊所では、傷害罪の示談交渉を得意としており、示談成立による逮捕の回避、早期釈放、不起訴処分の獲得の実績があります。親身誠実に、弁護士が依頼者を全力で守り抜きます。全国対応で24時間無料相談を受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決へと繋がります。
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