強制わいせつで不起訴処分を得るためになにをすべき?
強制わいせつ事件を起こしてしまった…不起訴処分を得るにはなにをすればいいのだろう…

この記事では、刑事事件に強い弁護士がこの悩みを解消していきます。

日本では起訴されてしまうと99%以上の率で有罪判決となります。実刑となれば長期間刑務所に入れられますし、執行猶予でも前科がついてしまいます。お仕事や学校などへの影響も大きいでしょう。強制わいせつで逮捕されてしまったご家族が不起訴処分を得るにはなにをすべきかお悩みの方は最後まで読んでみて下さい。

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強制わいせつに該当する行為と刑罰

強制わいせつ罪は被害者が13歳以上だった場合と13歳未満だった場合とで罪が成立するための行為が異なります。そこで、以下では、13歳以上の者に対する行為と13歳未満の者に対する行為とにわけて解説した上で、最後に強制わいせつ罪の刑罰について解説したいと思います。

13歳以上の者に対する行為

まず、被害者が13歳以上の場合は「暴行又は脅迫」と「わいせつな行為」が必要な行為とされています。

暴行は殴る、蹴るなどが典型例です。脅迫は「抵抗すれば殺すぞ。」などと人の生命をはじめ、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加えることを言うことです。

わいせつな行為は陰部に手を触れる、陰部の中に指を挿入する、着衣の上から、あるいは直接、腿、尻、胸を触る、揉むなどが典型例です。

13歳未満の者に対する行為

被害者が13歳未満の場合は暴行又は脅迫は不要で、わいせつな行為を行っただけで強制わいせつ罪に問われてしまう可能性があります。

刑罰

強制わいせつ罪の刑罰は6月以上10年以下の懲役です。被害者が13歳以上の場合も13歳未満の場合も同様です。

なお、強制わいせつ罪は2017年の法改正により、親告罪から非親告罪となりました。非親告罪とは、被害者の告訴がなくても検察官が起訴できる犯罪のことです。したがって、仮に被害者が刑事告訴をしなかったとしても、第三者の通報などにより警察が事件を認知すれば、逮捕・起訴されて刑事裁判にかけられる可能性もあるのです。

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強制わいせつで不起訴になるメリットは?

不起訴とは検察官が下す刑事処分の一種です。同じ刑事処分である起訴は刑事裁判にかけられることを意味しますが、不起訴はその反対で刑事裁判にかけられないことを意味します。

つまり、強制わいせつで不起訴になるメリットは、刑事裁判にかけられることはないという点です。刑事裁判にかけられないということは、裁判に出頭する手間や負担が軽減します。

また、懲役をはじめとする刑罰は必ず刑事裁判を経ないと科されませんから、刑事裁判にかけられないということは刑罰を科されないということを意味しています。すなわち、不起訴となれば、実刑になって刑務所に服役しなければならないのか、懲役の期間はどのくらいかといった心配をせずに済みます。

さらに、刑罰を科されなければ前科はつきませんから、不起訴となれば前科はつきません

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強制わいせつで不起訴になる率は?

日本の刑事裁判では、検察官に起訴されると99.9%の確率で有罪となることをご存じの方は多いのではないでしょうか。しかし世の中には不起訴で終わる事件もたくさん存在しています。

令和2年版『犯罪白書』によると、強制わいせつ事件の令和元年における起訴総数は1278件であるのに対して、不起訴総数は2539件です。起訴総数を起訴・不起訴総数の合計で割ると起訴されている割合は33.4%であることが分かります。

つまり、およそ7割の強制わいせつ事件は不起訴となり刑事裁判にかけられていない実情がお分かりいただけると思います。

強制わいせつが不起訴になる理由は?

強制わいせつの嫌疑をかけられていたにも拘わらず不起訴となる主な理由は以下の3つです。

  • ①嫌疑なし
  • ②嫌疑不十分
  • ③起訴猶予

①嫌疑なし

「嫌疑なし」とは、捜査の結果、被疑者が犯人でないことが明らかになった場合や犯罪を認定するための証拠がないと判断された場合に不起訴となることです。

強制わいせつの被疑者のアリバイが立証された結果、真犯人がいる、または真犯人がいる可能性を払拭できない場合や、被疑者の行った行為に可罰的な違法性がないと検察官が判断した場合にも「嫌疑なし」と判断されることになります。

②嫌疑不十分

「嫌疑不十分」とは、被疑者が特定の犯罪行為を行った犯人である疑いがあるものの、犯罪事実や犯人性を証明するための証拠が不十分であるため起訴しても有罪まで持ち込めないと検察官が判断した場合に不起訴となることです。

捜査機関が、強制わいせつの被疑者が犯人であることが完全に否定されたと考えているわけではありませんが、被疑者が犯罪を行ったことについては裁判に耐えられないと検察官が判断した場合には嫌疑不十分となります。なぜなら刑事手続きでは、犯罪事実は個々の証拠能力を備えた証拠に基づき厳格な証明により認定されなければならないという建前(証拠裁判主義)が採用されているからです。

③起訴猶予

「起訴猶予」とは、犯罪事実の証明も被疑者の犯人性の証明も十分にできる証拠があるものの、諸般の事情を考慮して検察官が刑事罰を科す必要がないと判断した場合に不起訴となることです。

検察官は強制わいせつの被疑者を起訴するか否かについて裁量をもっているため、起訴しないという判断をすることもできるのです。

具体的には被疑者の年齢、犯罪の軽重、被害回復の程度などを考慮して、本来起訴できるにもかかわらず不起訴が適切であると検察官が判断したことになります。情状事実としては、犯罪動機や手段方法、結果の程度など犯罪事実に属する情状と、前科・前歴、生育・生活環境、改悛の情など犯罪事実から独立した情状にわけて考えることができます。

強制わいせつで不起訴を獲得するには何をすべき?

最後に、強制わいせつ罪で不起訴を獲得するためにやるべきことを解説します。

①示談交渉

まずは、強制わいせつ事件の被害者との示談交渉です。

被害者と示談を成立させることができれば、示談金の支払いと条件に被害者に被害届を取り下げてもらうことができます。加えて被害者の処罰感情が大幅に緩和されていれば、不起訴となる可能性は飛躍的に高まります。先ほど、強制わいせつ罪が法改正により非親告罪となったことをお伝えしましたが、示談の成立や被害者の加害者に対する処罰感情の低下は、起訴・不起訴の判断でも重視されます。

もっとも、被害者が示談交渉に応じるか否か、被疑者側が提示した示談条件に応じるか否かは被害者の意思次第です。被害者が示談に応じるタイミングも大切です。不起訴を獲得するためには起訴される前に示談を成立させなければいけませんが、必ずしも起訴前に示談に応じていただけるとは限りません。

また、強制わいせつ罪を始めとした性犯罪においては、被害者は加害者に強い恐怖心を抱いており、加害者との直接の示談交渉に応じる被害者はまずいません。そこで、後述するように、示談交渉するには弁護士に刑事弁護を依頼しましょう。被害者の連絡先等の個人情報を知らない場合は、捜査機関から被害者の個人情報を取得する必要がありますが、捜査機関が加害者に被害者の個人情報を教えることはありませんから、その意味でも弁護士の力が必要です。

②自首する

自首をした場合には、被疑者に有利な事情として考慮される可能性があります。

刑法第42条1項には「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と規定しています。

「発覚前」とは犯罪の発覚前または犯人が誰であるかが判明する前を意味し、この双方が捜査機関に判明したあとでは「自首した」と認められない可能性があります。

また自首することで被疑者として逮捕・勾留され身体拘束を受ける可能性も高いです。そのため自首するにしても自己判断で行うのではなく必ず弁護士に相談してから行動すべきでしょう。

③専門機関に通院する

性依存の傾向が強い場合は、継続的に専門機関に通院して治療を受けましょう。

性犯罪は再犯率の高い犯罪ですから、刑事処分を決める検察官からも仮に社会復帰したとしても再び犯行を繰り返すのではないかと疑いの目で見られています。そこで、更生の意欲があり、再犯のおそれがないことを主張する意味でも継続的に専門機関に通院して治療を受ける必要があります

また、更生の道を歩むには本人の意思だけでは限界があり、周囲のサポートも不可欠です。加害者の中には自分自身が性依存者であることの自覚がなく、一度、通院したとしても途中で諦めてしまうこともあります。本人が最後まで治療を受けるには、本人の味方となり最後まで寄り添ってくれる周囲の方々の力も必要です。

④弁護士に相談、依頼する

最後に弁護士に相談、依頼することです。

前述のとおり、強制わいせつの被害者との示談交渉は弁護士しかできないといっても過言ではありません(身柄拘束されている場合は必然的に弁護士に任せることになります)。また、弁護士であれば、本人の更生のため、不起訴獲得のために今何をやるべきなのか、個別の事情に応じて具体的にアドバイスしてくれます。

弊所では、強制わいせつ事件での示談交渉、不起訴処分の獲得を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、ご本人やご家族が強制わいせつ事件を起こしてしまいお困りの場合はお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決へと繋がります。

強制わいせつで不起訴を獲得した事例

最後に、強制わいせつ罪で当事務所が不起訴を獲得した事例を紹介します。

路上痴漢で逮捕された後早期釈放、不起訴(起訴猶予)を獲得した例

被疑者は、仕事の帰り道、前方を歩いていた女性に背後から近づき、両手で女性の胸を鷲掴みしたとして、強制わいせつ罪で逮捕されました。

弁護士は、警察から逮捕の通知を受けた母親からの依頼を受けて被疑者と接見し、その後、母親から正式な依頼を受けたため、被疑者の意向を受けて捜査機関に対して示談意向があること、示談交渉のために被害者の個人情報を教えていただけないか申し入れを行いました。

そして、その日に、弁護士は捜査機関から被害者の個人情報を入手し、被害者に対して謝罪したいこと、示談意向があることを伝えて示談交渉を始めました。

それと同時に、裁判所に対して示談交渉中であること、逃亡、罪証隠滅のおそれがないことを、意見書を通じて主張した結果、検察官の勾留請求は却下され被疑者は釈放されました

釈放後、引き続き示談交渉を継続した結果、示談金50万円で示談を成立させることができましたので、被害者と取り交わした示談書(写し)を検察庁へ提出した結果、不起訴(起訴猶予)を獲得することができました

電車内痴漢の強制わいせつで不起訴(嫌疑不十分)を獲得した例

被疑者は、通勤途中の電車の中で、前方に立っていた女性のスカートの中に手を入れ、下着の上から女性の陰部を撫でまわすなどしたとして、強制わいせつ罪で逮捕されたという事案です。

弁護士は、被疑者のご家族から依頼を受けて被疑者と接見したところ、被疑者は「痴漢はしていない」、「自分は犯人ではない」と主張していました。

そのため、弁護士は被疑者から、被疑者と被害者の立ち位置・距離、当時の電車内の状況、被害者と交わした会話のやりとりなど詳細に聴取した上で、検察官に対して被疑者が痴漢を行うことは客観的に不可能だったことを主張しました。

そして、検察官も被害者の供述の信用性に疑義を感じ始めたため、嫌疑不十分による不起訴を獲得することができました

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