
「暴行罪では警察は動かないのではないか」。殴られたのに証拠がない、胸ぐらを掴まれたと話しても取り合ってもらえない。そうした経験から、そう感じている方は少なくありません。
結論から申し上げると、暴行罪でも警察は動きます。この罪は非親告罪であり、被害届や告訴がなくても捜査を開始できます。暴行の検挙率は令和6年で83.1%に達し、刑法犯全体の38.9%を大きく上回ります。
ただし、証拠が乏しい場合や暴行の程度が軽い場合など、捜査が進まないケースがあるのも事実です。大切なのは、なぜ止まっているのかを知り、動かせる状態に持っていくことです。
この記事では、暴行事件に強い弁護士が以下の点を解説します。
- 検挙率と起訴猶予率から見た捜査の実態
- 暴行罪で警察が動かない3つの理由
- 証拠がないときに何を集め、どこへ持ち込めばよいか
- 加害者側が逮捕される前に取るべき対処法
お読みいただくことで、いま手元にある材料のうち何が使えるのか、そして次に何をすべきかを整理できます。
なお、被害届を出したのに捜査が進まずお困りの方、暴行をしてしまい早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。
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そもそも暴行罪とは?
「暴行罪では警察が動かないのか」を知る前提知識として、暴行罪の成立要件や傷害罪との違いについてここで解説します。
暴行罪の成立要件は?
暴行罪は、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に成立する犯罪です(刑法第208条)。
ここでいう「暴行」とは、人の身体に向けられた不法な有形力(ゆうけいりょく)の行使、つまり物理的な力を人に加えることを指します。ものを壊しただけでは、この意味での「暴行」にはあたりません。
有形力の行使といえるためには、ケガをさせる危険が備わっている必要はありません。そのため、日常語の暴力よりも範囲は広く、殴る・蹴るといった行為だけでなく、唾を吐きかける・胸ぐらを掴むといった、傷害の結果を伴わない行為も「暴行」に含まれます。
相手の身体に触れた場合は、ケガをさせる危険がなくても暴行罪が成立し得ます。人に塩をふりかける行為は、通常ケガにはつながりませんが、相手の身体に付着すれば暴行罪に問われる可能性があります。
逆に、相手の身体に触れていなくても、ケガをさせる危険を伴う行為であれば暴行罪にあたり得ます。人のいる場所で刃物を振り回す行為は、相手に当たっていなくても暴行罪に該当する可能性があります。
どこからが暴行にあたるのかについては「触れるだけで暴行罪になる?暴行罪にならないケースは?」で詳しく整理しています。
暴行罪の法定刑は、「2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」です。
※2025年6月1日施行の刑法改正により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
傷害罪との違いは?
繰り返しとなりますが、暴行罪は「人を傷害するに至らなかったとき」に成立する犯罪です。相手の身体を傷害した場合には、傷害罪に問われます(刑法第204条)。
「傷害」とは、生活機能の毀損や健康状態の不良変更のことを指します。出血・骨折・アザといった目に見えるケガのほか、病原菌への感染、失神、不安や抑うつ、精神的ストレスによる睡眠障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といった症状も含まれます。
傷害罪の法定刑は「15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」で、暴行罪より格段に重く定められています。
この違いは、警察が動くかどうかにも影響します。診断書という形で被害が数値化される傷害事件と異なり、外傷の残らない暴行事件は、警察が被害の存在自体を確認しづらいためです。ケガを負った場合の証拠については「傷害罪の証拠になるものは?証拠がないと後日逮捕されない?弁護士が解説」をご覧ください。
暴行罪で警察は動かない?
結論から述べます。暴行罪でも警察は捜査に動きます。罰則が傷害罪より軽くても、暴行事件は捜査の対象になります。
暴行を受けた本人や目撃者が110番通報をすれば、警察官は現場に臨場して状況を確認します。
暴行罪は非親告罪なので、届出がなくても捜査できる
暴行罪は、被害者の告訴がなくても検察官が起訴できる「非親告罪」です。告訴は起訴のための条件ではありませんので、捜査機関が事件を把握した時点で、立件(事件として正式に取り扱うこと)から起訴までを進められます。つまり、被害届や告訴状が出ていなくても、警察は暴行事件を捜査できます。この点は「暴行罪は親告罪ではなく非親告罪です」で詳しく解説しています。
検挙率と起訴猶予率が示す実際の動き
暴行罪でも警察が動いていることは、数字にも表れています。令和7年版犯罪白書によれば、令和6年の暴行の検挙率は83.1%でした。同じ年の刑法犯全体の検挙率が38.9%であることを踏まえると、暴行罪は認知された事件の大半が検挙まで進んでいる罪名だといえます。
検察に送られた後の処分についても見ておきます。令和7年版犯罪白書によれば、令和6年の暴行の起訴猶予率は69.3%でした(4-8-2-1図)。起訴と起訴猶予のどちらかで処分が決まった人のうち、およそ7割は起訴猶予、つまり不起訴で終わっている計算になります。警察の捜査が動くことと、有罪判決を受けて前科がつくことは別だということです。
逮捕されなくても警察は動いている
加害者が逮捕されなかったからといって、「警察が動いていない」ことにはなりません。
裁判官は、逮捕の理由があっても、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは逮捕状を発しません(刑事訴訟法第199条第2項ただし書)。逃亡や証拠隠滅のおそれが乏しい事案では、この判断により身柄を拘束しない扱いになることがあります。
その場合でも、身柄を拘束しないまま捜査を進める「在宅事件」として手続きは続きます。在宅事件でも証拠は集められ、起訴が相当と判断されれば検察官が起訴します。起訴には、法廷で審理される公判請求のほか、書面審理で罰金が科される略式命令請求という形もあります。
逮捕された場合の手続きの流れは「暴行罪で逮捕されたら?逮捕後の流れや刑罰を解説」をあわせてご確認ください。
暴行罪で警察が動かない3つの理由
制度の上では以上のとおりですが、すべての暴行事件で警察が捜査・逮捕へ進むとは限りません。実際に警察が動かない、あるいは事件化されても途中で終わってしまう理由は、次の3つに整理できます。
- ①被害届が出されていない場合
- ②暴行の証拠がない場合
- ③暴行が軽微で微罪処分になった場合
①被害届が出されていない場合
暴行罪で警察が動かない理由として最も多いのが、そもそも被害届が出されていないケースです。
前述のとおり暴行罪は非親告罪ですので、告訴権者の告訴を待たずに検察官は起訴し、刑事裁判にかけることができます。しかし警察が捜査を始めるには、その前提として事件の存在を知る必要があります。その入口になるのが被害届や告訴状です。
被害届も告訴状も出ていない暴行事件が立件まで進むことは、実務上多くありません。制度上は届出がなくても捜査に着手できますが、被害を受けた側からの申告がなければ、警察は事件が起きたこと自体を把握できないためです。
逆にいえば、その場で現行犯として取り押さえられた場合や、居合わせた人の通報などで警察が事件を把握した場合は、届出がなくても捜査が始まります。
被害届そのものに法的な拘束力はありません。ただし、被害を受けた本人が届け出ないという状態は、処罰を望んでいない、あるいは処罰感情が強くないと受け取られやすくなります。暴行罪のように法定刑の軽い犯罪では、被害者がどう考えているかが処分の判断に影響しやすいため、届出がないまま警察が動かない状態が続きやすいのが実情です。
被害届が出された後、事件がどう進んでいくのかは「被害届を出されたらどうなる?流れと取り下げ・対処法」で具体的に紹介しています。
②暴行の証拠がない場合
暴行行為があったことを裏づける材料がまったく得られない場合も、警察は動きにくくなります。事件として立件し、逮捕などの処分に進むだけの根拠が揃わないからです。
逮捕は、被疑者の身体を拘束して自由を奪う強制的な処分です。逮捕されれば精神的な苦痛を受けるだけでなく、社会的な信用を失い、経済的な損害が生じることもあります。
そのため、捜査機関が被疑者を逮捕するには「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があることが必要とされています(刑事訴訟法第199条第1項)。
この「相当な理由」は、警察官や検察官の心証だけで足りるものではなく、客観的な資料に支えられていなければなりません。
したがって、防犯カメラの映像、目撃者や被害者の供述、暴行の痕跡が残った衣服や持ち物といった裏づけがまったく得られない場合、警察が逮捕状を請求して後日逮捕に踏み切ることは考えにくくなります。証拠不十分で、事件として立証する見通しが立たないからです。
もっとも、暴行の最中や直後に取り押さえる「現行犯逮捕」であれば事情が異なります。犯行そのものが目の前で確認されているため、逮捕状なしで逮捕できます(刑事訴訟法第213条)。現行犯逮捕は警察官以外の一般人(私人)も行えますが、逮捕した人はただちに身柄を警察へ引き渡す必要があり、加害者はそのまま警察署へ連行されます。逮捕の種類については「暴行罪は現行犯以外でも後日逮捕される?対処法を解説」で解説しています。
なお、本人が「証拠がない」と感じていることと、裏づけになる材料が実際に何も残っていないことは同じではありません。何が証拠になり、どう集めればよいかは後述します。
③暴行が軽微で微罪処分になった場合
微罪処分で処理された事件は、暴行の事実が認められ被害届が提出されていても、そこで手続きが終わります。
微罪処分とは、ごく軽い犯罪について、警察限りで手続きを終わらせる扱いをいいます。警察官が捜査した事件は検察官へ送致する(事件を引き継ぐ)のが原則です。もっとも、検察官があらかじめ指定した事件についてはこの限りではないと定められており(刑事訴訟法第246条ただし書)、この例外にあたるものが微罪処分です。
警察が微罪処分にできるのは、犯罪事実がごく軽微で、検察官へ送る手続きを取るまでもないとあらかじめ指定された、20歳以上の人による事件に限られます。令和7年版犯罪白書によれば、令和6年に微罪処分で処理された人員は4万7,982人(うち刑法犯は4万7,974人)で、刑法犯では全検挙人員の25.0%がこの扱いで終わっています。
なお実務では、被害を受けた側が処罰を望んでいるかどうかも考慮されます。被害者が厳しい処分を求めていることが伝わっていれば、微罪処分で終わる可能性は低くなります。
暴行罪は法定刑の軽い犯罪ですので、力の加え方が軽く、初犯で繰り返しの傾向も見られない事案では、検察官に送致せず、警察限りで注意にとどめて終える扱いになることがあります。夫婦・親子・兄弟の間でとっさに手が出た、職場や酒席での小競り合いといった場面がこれにあたりやすく、双方が手を出した殴り合いの喧嘩も、当事者の関係や経緯を踏まえて同じ扱いになることがあります。微罪処分で終わった場合は、身柄を拘束されていても早期に解放されることが多く、前科もつきません。前歴が残るのか、後の生活にどう影響するのかは「微罪処分とは?要件・対象事件・デメリットと前歴がつくか解説」にまとめています。
【被害者向け】暴行罪で警察が動かないときの対処法
警察が動かない理由の多くは、届出がないことと、裏づけが足りないことに集約されます。裏を返せば、この2つを埋めれば状況は変わり得ます。軽微だとして微罪処分で終わりそうな事案にも、後述する刑事告訴という手立てが残っています。まだ警察に届け出ていない方は、届け出ること自体が出発点になりますし、届け出たにもかかわらず捜査が始まらないと感じている場合も含め、取れる対処法は次の5つです。
- ①暴行を裏づける証拠を集める
- ②警察署に届け出て捜査の進捗を確認する
- ③刑事告訴をする
- ④民事で損害賠償を請求する
- ⑤弁護士に相談する
①暴行を裏づける証拠を集める
すでに被害届を出しているのに捜査が進まない場合、暴行罪で警察を動かすうえで最も効き目があるのは、裏づけを揃えることです。外傷が残らない暴行では、被害者の話だけで事実を確定させることが難しく、そこが捜査の壁になっているためです。
暴行罪の裏づけになり得るものには、次のようなものがあります。
- 現場やその周辺の防犯カメラ、店舗のカメラ、車のドライブレコーダーの記録
- その場に居合わせた人の話。氏名と連絡先を控えておく
- 医師の診断書。痛みやめまいなど外から見えない不調でも受診しておく
- 引っ張られて伸びた服、壊れた眼鏡やスマートフォンなどの現物
- スマートフォンの録音・録画データ
- 直後に家族や友人へ送ったメッセージ、その日のうちに書いたメモ
大切なのは早さです。防犯カメラの映像は一定期間で上書きされてしまい、店舗や施設によっては数日で消えることもあります。目撃者の記憶も日が経つほど薄れます。被害に遭った日のうちに、映像の保全依頼・目撃者の連絡先の確保・受診の3つに手をつけておくと、後から手に入らなくなる材料を取り逃さずに済みます。
映像を自分で入手できない場合でも、諦める必要はありません。所在と日時を伝えて、警察に照会を依頼することができます。
決定的な一つが揃わなくても、被害を受けた側の説明に具体性と一貫性があり、居合わせた人の証言や現場の状況、相手の言い分の変遷といった材料が積み重なれば、警察や検察がそれらを総合して事実を認定する場合もあります。「証拠がないから何もできない」と決めてしまう前に、手元にある材料を並べてみてください。
②警察署に届け出て捜査の進捗を確認する
まだ届け出ていない場合は、事件が起きた場所を管轄する警察署に被害届を出すところから始まります。被害届を出したにもかかわらず警察が動かないときは、担当している警察署に連絡を取り、いま事件がどの段階にあるのかを尋ねてください。
このとき、事件がすでに検察官へ送致されているかどうかもあわせて確認してください。送致済みであれば、その後の処分を決めるのは検察官ですので、問い合わせ先は送致先の検察庁になります。
その際、進まない理由として裏づけの不足を挙げられることがあります。その場合は、①で集めた材料を追加で提出したり、防犯カメラの映像を照会してもらうよう申し入れたりすることが有効です。
「緊急性が高くない」といった説明で納得できないときは、その旨をはっきり伝えて、あらためて捜査を求めることも大切です。感情的に抗議するのではなく、なぜ捜査が必要なのかを事実と法律に即して説明できるかどうかが、対応の差につながります。
③刑事告訴をする
暴行罪で警察の捜査を前に進めたい場合は、刑事告訴を検討してください。
被害届は、被害を受けた事実を届け出るものであり、犯人を処罰してほしいという意思までは含みません。これに対し、刑事告訴は、捜査機関に対して犯人の処罰を求める意思をはっきりと示す行為です。
暴行罪は非親告罪ですから、告訴がなくても検察官は起訴できます。それでも告訴には意味があります。処罰を望む気持ちが明確になり、警察が捜査に力を入れる契機となり得るためです。
法律上の効果もあります。告訴または告発を受けた警察は、速やかに関係する書類と証拠物を検察官へ送付しなければなりません(刑事訴訟法第242条)。告訴が受理されれば、事件は必ず検察官の手元へ渡ることになります。警察限りで手続きを終える微罪処分とは、この点が決定的に違います。
告訴は、警察だけでなく検察官に対しても行えます(刑事訴訟法第241条第1項)。
ただし実務では、記載の不備などを理由に告訴状が受理されないことがあります。書面の作成には専門的な知識が求められるため、刑事告訴を扱った経験のある弁護士に相談してください。受理してもらうためのポイントは「告訴・告発の方法|告訴状を受理してもらうための5つの注意点とは」で整理しています。
④民事で損害賠償を請求する
警察が動かず刑事手続きが進まなくても、責任を問う道はもう一つあります。
故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、それによって生じた損害を賠償する責任を負います(民法第709条)。暴行罪にあたる行為を受けた方は、この規定に基づいて加害者に損害賠償を請求できます。
刑事責任を問えない場合でも、民事責任を追及することは可能です。刑事と民事は別の手続きであり、微罪処分や不起訴になったからといって、賠償を求める権利が消えるわけではありません。
暴行罪はケガに至らなかった場合の罪ですので、請求の中心は精神的な苦痛に対する慰謝料です。ケガの有無を確かめるために受診した費用や、破れた衣服・壊れた持ち物の弁償を求めることもできます。
なお、損害賠償を請求できる期間には限りがあります。時間が経つほど選択肢が狭まりますので、詳しくは「暴行罪の時効は何年?刑事・民事の時効を弁護士が解説」をご確認ください。
⑤弁護士に相談する
暴行罪で警察が動かない状況を一人で変えていくのが難しいと感じたら、刑事事件に詳しい弁護士への相談が有効な選択肢になります。
依頼を受けた弁護士は、捜査の進み具合を警察に確認し、法律上の観点から捜査の必要性を説明して働きかけます。相手の行為がどの罪にあたるのかを整理し、必要な資料を揃えたうえで告訴状を作成することもできます。
正当な理由がないまま告訴状の受理を拒まれた場合には、都道府県公安委員会へ文書で苦情を申し出るという方法もあります(警察法第79条第1項)。申出を受けた公安委員会は、法令や条例の規定に基づいてこれを誠実に処理し、処理の結果を原則として文書で申出者に通知しなければならないと定められています(同条第3項)。こうした働きかけによって、手続きが滞ったまま時間だけが過ぎる事態を避けやすくなります。
【加害者向け】暴行罪で警察が動く前に取るべき対処法
ここからは、暴行をしてしまい、これから警察が動くのではないかと不安を抱えている方に向けた内容です。取るべき対処法は次の2つです。
①示談交渉をする
相手方の連絡先が分かっているのであれば、誠意をもって謝罪し、被害を弁償して示談を成立させることが最優先です。
警察がまだ事件を把握していない段階で示談がまとまれば、事件化されないまま解決し、逮捕を避けられる可能性があります。すでに被害届が提出されている場合でも、示談を通じて取下げに応じてもらえれば、身柄拘束を免れる可能性は高まります。
ただし、暴行罪の被害を受けた側は加害者に恐怖心や強い不快感を抱いていることが多く、直接の連絡そのものを拒まれることも珍しくありません。当事者だけでやり取りすると感情がぶつかり、かえって話がまとまらなくなることもあります。
こうした事情から、示談交渉は弁護士に任せるのが安全です。弁護士であれば、相手の心情に配慮しながら冷静に協議を進められるうえ、妥当な金額の水準を把握しているため、過大な要求をそのまま受け入れてしまう事態を防ぎやすくなります。示談金の水準と手続きの流れは「暴行罪の示談金・慰謝料の相場は?金額の決まり方も解説」をご覧ください。
②自首する
暴行罪の自首とは、自分から警察などの捜査機関に犯した罪を申告し、処分を委ねることをいいます。刑法は、罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができると定めています(刑法第42条第1項)。減軽とは、法律で定められた刑の範囲を引き下げることです。すでに犯人として警察に把握されている場合は、この減軽の対象になりません。
自首それ自体に逮捕を止める効力はありませんが、自首して自ら罪を認めている以上、逃げ隠れするつもりも証拠を消すつもりもないことを示す材料になります。警察や検察がこの点を考慮し、結果として身柄拘束を避けられることも期待できます。
一方で、自首は自分の暴行罪の疑いを捜査の対象に乗せる行為でもあるため、するかどうかを自己判断で決めるのは危険です。判断する前に、弁護士の見解を聞いてください。
自首する際は、弁護士に同行してもらうことを強くおすすめします。精神的な負担が軽くなるうえ、出頭前に身柄拘束を避けるための準備も進められます。取調べの間も弁護士が署内で待機しますので、逮捕されない限りいつでも相談できます。同行を依頼するメリットと費用は「自首に弁護士が同行するメリットと費用|弁護士なしでも大丈夫?」で紹介しています。
暴行罪で警察の対応にお困りの方は弁護士にご相談ください
暴行罪は軽い犯罪と思われがちですが、令和6年の検挙率83.1%という数字が示すとおり、警察は暴行事件を捜査しています。警察が動かないように見えるのは、届出がないか、裏づけが足りないか、あるいは軽微として微罪処分で終わったか、という理由があるからです。
被害を受けた方であれば、証拠を揃え、告訴状を整えて捜査を促すことで、事件として動かせる可能性が高まります。刑事の手続きで責任を問えなくても、民事で賠償を求める道は残されています。
暴行をしてしまった方であれば、被害者との示談や自首の同行を通じて、逮捕の回避や処分の軽減が期待できます。
被害届を出したのに警察が動いてくれない方、いつ逮捕されるか分からない不安を抱えている方は、おひとりで抱え込まず、早い段階でご相談いただくことが解決への第一歩です。
当事務所は、暴行事件における示談交渉や自首の同行など豊富な実績があります。ご依頼をお受けした場合は、日が経つほど失われていく材料を守るため速やかに動きます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

