
暴行罪の弁護士費用の相場は、総額でおよそ45万円〜110万円程度です。ただし、事務所ごとに費用体系は異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
「暴行事件を起こしてしまったが、弁護士に依頼するとどれくらいの費用がかかるのだろう…」「そもそも弁護士に依頼する必要はあるのだろうか…」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、暴行事件に強い弁護士が、以下の内容についてわかりやすく解説しています。
- 暴行罪の弁護士費用の内訳と相場(相談料・着手金・報酬金など)
- 暴行事件で弁護士に依頼する必要性と弁護活動の具体的な内容
- 弁護士による示談交渉・釈放活動で期待できる効果
なお、暴行事件について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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そもそも暴行罪とは?
どんな行為が暴行罪にあたる?
刑法第208条には、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」は暴行罪が成立すると規定されています。暴行罪の法定刑は2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。
※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
「拘禁刑」とは刑務所など刑事施設に拘置する刑罰です(刑法第12条参照)。改正前の「懲役」とは異なり、刑務作業は必要に応じて行われます。これに対して「拘留」とは1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置する刑罰です(同法第16条参照)。また「科料」とは1,000円以上10,000円未満の金銭を徴収する財産刑です(同法第17条参照)。
刑法が暴行罪として規定しているところの「暴行」とは、「人に対する不法な有形力の行使」のことをいいます。判例上も人の身体に対する不法な一切の攻撃方法を含み、性質上傷害の結果を惹起すべきものである必要はないとされています。
要するに物理力が人の身体に接触した場合には傷害の危険性がない行為であっても「暴行」にあたり、傷害の危険があれば人の身体に接触しない場合でも「暴行」となる可能性があると考えることができます。
具体的に以下のような行為は「暴行」にあたります。
- 身体を手拳で殴打する
- 首を絞める
- 身体の一部を掴む
- 髪の毛を引っ張る
- 着衣を持って引っ張る
- 身体を押す
- 他人がいる近くで刃物や棒を振り回す
相手が怪我をした場合は?
相手が怪我をした場合には「傷害罪」が成立します。
刑法第204条には「人の身体を傷害した」場合には傷害罪が成立することが規定されています。法定刑は、15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。
傷害罪として規定される「傷害」とは、「人の生理的機能を侵害すること」を指し、生活機能の毀損や健康状態の不良変更などと説明されることもあります。つまりかすり傷ひとつでも理論的には傷害罪が成立することになります。また相手が失神した場合や胸部疼痛・不安・抑うつ症・PTSDや病気に感染させることも「傷害」に該当します。
また暴行によらない傷害という概念も存在しています。例えば嫌がらせ電話・メールなどにより精神障害に追い込む行為などは「暴行」は存在しないが「傷害」結果が生じていることになります。暴行罪と傷害罪の違いについて詳しくは「暴行罪と傷害罪の違いは?成立要件とどちらが重いかを解説」をご参照ください。
暴行罪の弁護士費用の内訳と相場
暴行罪の弁護士費用の相場は総額でおよそ45万円~110万円程度です。その内訳は以下となります。
| 相談料 | 無料~30分あたり5000円 |
| 着手金 | 15万円~25万円程度 |
| 報酬金 | 20万円~80万円程度 |
| 接見費用 | 1回につき1万円~5万円 |
| 日当 | 1時間1万円程度(半日だと3~5万円、1日だと5~10万円程度) |
| 実費 | 交通費・捜査記録のコピー代など事案によって異なる |
ただし、弁護士費用は法律事務所によって自由に設定できるため、上記相場はあくまでも目安として考えてください。以下では、各内訳の内容について確認していきます。
相談料
「相談料」とは、弁護士に正式に事件を依頼する以前に、弁護士に法律相談をするために必要となる弁護士費用をいいます。
一般的な相談料の相場としては時間単価で計算され「30分あたり5000円」として設定している事務所が多いのではないでしょうか。
弁護士事務所によっては「初回法律相談は無料」「法律相談は何回でも無料」「〇〇問題の法律相談は無料」などの費用体系もあるようです。あなたが相談したい事務所の相談料がいくらなのかは、予め電話やホームページで確認しておきましょう。「無料だと思っていたのに相談料を請求された」という事態を防ぐことができます。
着手金
弁護士に正式に事件を依頼する際に支払うのが「着手金」です。弁護活動の結果に関係なく発生し、弁護士が活動を進めるための原資となるものです。
事件の結果に応じて支払われるわけではないため、「報酬金」とは異なります。また結果的に弁護活動が不成功に終わったとしても着手金は返還されません。
暴行事件における刑事弁護の着手金の相場としては15~25万円程度でしょう。
この着手金についても事務所によって金額や有無は異なります。刑事事件について着手金が完全に無料という事務所は少ない印象です。
報酬金
弁護活動の結果に応じて発生する費用が「報酬金」です。事件が終了した段階で確定し支払われるもので、具体的には、「逮捕・勾留されることを回避して終了した場合」「不起訴になって終了した場合」「刑事裁判手続きで執行猶予がついた場合」「実刑判決になったものの求刑よりも刑を軽くできた場合」などです。
暴行罪の報酬金の相場は結果如何によって異なるため一概には言えませんが、およそ20万円~80万円程度となります。
刑事事件の場合どのような結果を成果と考えるのかはケースバイケースです。成果の認識に依頼者と弁護士の間にミスマッチがあると、事件処理後に費用を巡ってトラブルとなる可能性があります。どのような結果が成果となるのかは、依頼前にしっかり確認しておきましょう。初犯の場合にどのような処分が見込まれるかについては「暴行罪の初犯はどうなる?罰金の相場と拘禁刑になるケース」をご参照ください。
接見費用
警察署などに身柄拘束されている被疑者のもとへ弁護士が面会に行く際に発生するのが「接見費用」です。
この「接見費用」については1回につき、「1万円〜5万円」程度が相場です。
被疑者の人権を保護するために弁護士・被疑者の面会交流権には最大限の配慮が要請されています。そのため逮捕直後から弁護士は被疑者と自由に面会できるように調整してもらえますし、捜査機関の捜査の必要性よりも優先されているのです。
身柄を拘束された被疑者を精神的に支え、捜査機関と対峙するために適切なアドバイスをすることができるのはこの「接見交通権」が認められているからです。
日当
弁護士が事務所以外の場所に出向いて弁護活動を行った際に支払う、いわば時給・日給にあたるのが「日当」です。
日当の相場としては「1時間あたり1万円前後」が相場でしょう。つまり半日だと3~5万円、1日だと5~10万円程度かかります。
移動時間や接見に要する時間、裁判所に出頭した時間や、調書をコピーするための時間など、複数の事件を抱えている弁護士に弁護活動を行ってもらうために日当を支給することになります。
実費
弁護活動を行う過程で実際に発生した交通費や郵送代などの経費が「実費」です。
具体的には、留置施設や裁判所への移動に要した交通費や、捜査記録や調書のコピー代、謄写費用や書面の郵送にかかる切手代・印紙代などが含まれます。
実費については、委任契約書に書かれているものの具体的に項目を挙げて説明されることも少なくないため見落とされがちです。また中には実費を請求しない事務所もありますので費用体系を確認する必要があります。
暴行事件における弁護士の必要性
2024年度の検察統計調査によると、暴行事件の検挙者数に対する逮捕された人の割合(逮捕率)は約37%、逮捕後、勾留された人の割合(勾留率)は約73%となっています。つまり、逮捕された人の約7割以上が勾留されるということです。逮捕されると最大3日間、その後、勾留されると最大で20日間身柄拘束されます。早期釈放されない限り、職場や学校に発覚してしまう可能性が高くなるでしょう。
また、勾留後に起訴されて刑事裁判になった場合、有罪となれば、刑事処分を受けることになります。暴行罪の刑罰は、2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。暴行の結果、相手に怪我を負わせた場合は傷害罪が成立し、15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の処罰を受けます。また、有罪判決となれば前科もついてしまいます。
そのため、暴行事件を起こしてしまった場合には、極力早急に弁護士に依頼し、逮捕の回避に動いてもらうことが重要です。また、ご家族や恋人が暴行で逮捕されてしまった場合も、早期釈放や不起訴処分の獲得のため、弁護士に迅速に対応してもらうべきでしょう。もし起訴されて刑事裁判になった場合も、弁護士がついていることで執行猶予付き判決を得られる可能性が高まります。暴行罪で逮捕された場合の具体的な流れについては「暴行罪で逮捕されたらどうなる?逮捕後の流れや傾向、対応方法」で解説しています。
暴行事件の弁護活動の内容
謝罪、示談交渉
罪を認める場合は、被害者に対する謝罪と被害者との示談交渉が主な弁護活動となります。被害者と示談できれば、そのタイミングによっては、大きな効果につなげることができるからです。
たとえば、被害者が警察に被害届を提出する前に示談できれば、そもそも警察から出頭要請を受けて取調べを受けたり、場合によっては逮捕されたりする可能性がなくなるでしょう。警察に被害届を提出された後、検察に送致される前に示談できれば、警察官からの注意だけで終わり事件が検察に送致されない「微罪処分」で終わる可能性があります。微罪処分で終われば起訴されないため、刑罰を受けることも前科がつくこともありません。その他、逮捕などの身柄を拘束された場合は早期釈放、事件が検察に送致された場合は不起訴などの結果につなげることも可能です。
もっとも、示談交渉は弁護士に任せた方が無難です。稀に、現場で被害者と連絡先を交換して、被害者と示談交渉しようとする方がおられます。しかし、感情的になって交渉がうまく進まないケースが多いですし、仮に交渉はできたとしても不適切な内容で示談してしまうおそれがあります。話がこじれる前に、示談交渉は弁護士に任せた方がよいといえます。
また、被害者と面識がない場合は、被害者の氏名、住所、連絡先などの個人情報を入手することからはじめなければなりません。しかし、被害者の個人情報を把握している捜査機関(警察、検察)が加害者に被害者の個人情報を教えることはありません。被害者と面識がないという場合は、弁護士への依頼がより重要になります。
なお、謝罪については、示談交渉を行う前、あるいは示談交渉と同時に行います。謝罪は直接会って行うのではなく、謝罪文を通して行うのが一般的です。謝罪文は弁護士が添削します。暴行罪の示談金の相場や具体的な流れについては「暴行罪の示談金・慰謝料の相場は?金額の決まり方も解説」で詳しく紹介しています。
釈放に向けた弁護活動
身柄を拘束された場合は、釈放に向けて活動します。
暴行罪は比較的軽微な罪であるため、逮捕されないだろうと甘く考えがちですが、ケースによっては逮捕されることもあります。特に、DV事案など、被疑者の身柄を拘束しなければ再び被疑者に危害を加えるおそれが高いと判断された場合は逮捕される可能性が高いです。とはいえ、暴行罪が比較的軽微な犯罪であることには変わりありませんから、被疑者に逃亡や罪証隠滅のおそれがないことをきちんと主張すれば早期釈放も十分可能といえます。
逮捕直後は、主に検察官に対して、被疑者の身柄拘束を継続すべきではなく、被疑者を釈放して在宅で捜査を継続すべき旨の意見書、裁判官に対しては検察官の勾留請求を許可すべきではない旨の意見書を提出します。その結果、検察官が自らの判断で自主的に被疑者を釈放したり、裁判官が検察官の勾留請求を却下して釈放される可能性があります。仮に、裁判官が検察官の勾留請求を許可して勾留された場合は、裁判官の判断に対して不服(準抗告)を申し立て、認められた場合は釈放されます。なお、被害者が示談に応じない場合の対処法については「暴行・傷害事件で示談しないとどうなる?被害者が示談に応じない時の対処法」で具体的な方法を紹介しています。
多方面からのアドバイス
暴行事件では、飲酒して気が大きくなって被害者に手を出したというケースも多いです。そして、素の状態に戻ると、「被害者に暴行を加えたことをよく覚えていない」などと主張する被疑者・被告人が多いのがこのケースの特徴といえます。
しかしながら、取調べで、上記のような主張を安易にすることは避けなければなりません。なぜなら、たとえ事件後に事件当時の記憶がなく思い出せなかったとしても、客観的な証拠から犯行が明らかだと判断された場合は「反省していない」とみなされて逮捕されたり、通常よりも重い処分・量刑となってしまう可能性もあるからです。
刑事事件では、弁護士とはいえ、被疑者・被告人の主張を信じ、その主張に沿った弁護活動をしていくべきなのか、あるいは、被疑者・被告人を説得した上で、被疑者・被告人の考えとは異なる対策・対応を提示すべきなのか判断の迷う場面が多々あります。こうした場面では、可能な限りはやい段階で事実関係の把握に努め、被疑者・被告人の希望、考えも取り入れながら、被疑者・被告人のためになるベストな対策・対応を検討し、それを被疑者・被告人に提案することも弁護士の役割だといえます。被害届を出された場合にとるべき対応については「被害届を出されたらどうなる?流れと取り下げ・対処法」でも解説しています。
暴行事件の弁護士費用でお悩みの方は当事務所にご相談ください
暴行罪の弁護士費用は総額でおよそ45万円〜110万円程度が相場ですが、事件の内容や弁護活動の範囲によって変動します。費用面で不安を感じる方も多いかと思いますが、早い段階で弁護士に依頼することで、逮捕や勾留を回避できれば、結果的に費用を抑えられる場合もあります。
暴行事件を起こしてしまい今後の対応に不安を抱えている方、すでに警察から連絡が来ている方、ご家族が逮捕されてお困りの方は、おひとりで悩まず弁護士にご相談ください。
当事務所では、暴行事件の示談交渉や釈放活動により、逮捕の回避や不起訴処分の獲得に取り組んできた実績があります。全国対応・無料相談を実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

