
「オープンワークに事実と違う口コミを書かれた。削除させたいが、できるのだろうか」。そう頭を抱える企業の採用・広報担当者の方は少なくありません。
結論からお伝えすると、虚偽や誹謗中傷など権利侵害にあたる口コミは、運営会社への申請で非掲載にできる可能性があります。主観的な意見にとどまる投稿は消しにくい一方で、権利侵害があるのに運営が応じない場合は裁判所の仮処分へ、投稿者に責任を問いたい場合は発信者の特定へ進む道が残されています。
本記事では、ネット誹謗中傷の削除と投稿者特定に強い弁護士が、次の点について解説します。
- どんな口コミなら非掲載を求められるのか
- 運営会社への申請手順と必要書類
- 申請が認められない場合の法的手段
- 同じような口コミの再発を防ぐ対策
お読みいただくことで、手元の投稿が非掲載を求められるものか、次に何をすべきかを判断できます。
なお、不適切な投稿でお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談をご利用ください。地域を問わずご相談を承っています。
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オープンワークの口コミの特徴と放置するリスク
オープンワーク(OpenWork)は、社員・元社員の口コミをもとに企業を調べられる転職・就職向けのサイトで、2019年5月に「Vorkers(ヴォーカーズ)」から現在の名称に変わりました。
運営会社の発表によると、会員数は約781万人、社員クチコミ・評価スコアの累計は約2,080万件にのぼります(2026年1月末時点)。待遇面の満足度や風通しの良さなど8項目の評価スコアや残業時間、年収レンジまで企業ごとに数値で公開される点が特徴です。
口コミを投稿できるのは、対象企業に正社員または契約社員として1年以上勤務した社員・元社員に限られ、派遣社員やアルバイトには投稿資格がありません。回答には500文字以上が必要で、投稿されたレポートは運営スタッフが目視で審査してから公開されます。
投稿者が限られていても、社内で不満を抱えた人や退職時にトラブルがあった人による、企業に厳しい書き込みが集まりやすい構造は変わりません。
不適切な口コミを放置すると、採用応募数の減少にとどまらず、取引先からの信用低下にまで波及するおそれがあります。求職者は企業選びの参考として複数の口コミに目を通すため、悪評が並ぶと応募意欲そのものが大きく削がれます。
各口コミにはシェア用のURLを発行する機能があり、悪評がサイトの外へ広がるリスクも見過ごせません。一度拡散された投稿は、もとの口コミを消しても他のサイトに残り続けることがあるため、早い段階で対処したいところです。
なお、オープンワークでは投稿者本人からの削除・修正依頼にも応じない仕組みになっており、退会しても過去の口コミは消えません。自分の書き込みを消したい方の対処法は、掲示板での例として「爆サイで自分の書き込みを削除したい方へ|消す方法と削除依頼」にまとめています。
オープンワークの口コミは削除できる?非掲載になる基準
オープンワークは公式の削除申請窓口で、次のいずれかに該当すると判断した口コミを「非掲載」にすると明記しています。
- 投稿時点の事実と異なる内容を含むもの
- 誹謗中傷に該当する表現を含むもの
- その他、掲載内容が公序良俗に反するもの
企業向けの案内ページでは、プライバシー侵害のおそれがある投稿やレポート回答ガイドラインに反する投稿も、非掲載を検討する対象とされています。削除依頼を受けたオープンワークは、弁護士を含む審査チームで該当性を検証し、不適切と判断した場合に非掲載の措置をとります。ただし、該当することを申請側が具体的に示す必要があり、公式サイトにも、不適切と明確に判断できない場合は非掲載にできないことがあると記載されています。
なお、認められた場合の対応は「削除」ではなく「非掲載」、つまり一般の閲覧者から見えなくなる措置です。求職者の目に触れなくなるため、採用への影響を止めるという目的は果たせます。掲載情報そのものの削除は非掲載とは別の扱いで、公式サイトには、裁判所や捜査機関など公的な機関の命令・依頼や法令に基づいて削除する場合があると記載されています。
非掲載の対象になりやすいのは、虚偽の事実、断定的な悪評、個人を特定できる属人的な表現、感情的な罵倒、営業妨害を目的とした投稿などです。たとえば「残業は毎月150時間が当たり前」のように具体的な事実を断定していて勤怠記録と食い違う場合は、事実と異なる内容として争う余地があります。
一方で、「残業が多くてつらい」「ブラック企業だと思う」といった漠然とした批判や、職場環境・組織体制・待遇への率直な評価は、社員の主観に基づく「意見・論評」と扱われます。企業にとって不利な内容でも、意見・論評にとどまる投稿は原則として削除されにくいのが実情です。
オープンワークに口コミの削除依頼をする方法と手順
オープンワークに不適切な口コミを見つけた場合、削除依頼の手順は大きく分けて次の2つです。
報告ボタンで通報する
最も手軽な方法は、口コミ閲覧画面に設置された「報告する」ボタンからの通報です。閲覧者が不適切と感じた投稿を運営に知らせるための仕組みです。
報告フォームから不適切と思われる内容を送信すると、運営スタッフが内容を確認し、不適切と判断されれば非掲載になります。
ただし、報告ボタンは「気になる投稿」を運営に知らせる簡易な仕組みであり、必ず対応してもらえるわけではありません。権利侵害を受けた当事者として正式に削除を求めるなら、次のメールでの申請が正規の手続きです。
メールで送信防止措置を依頼する
当事者として削除を求める場合は、コンテンツ削除申請窓口([email protected])宛にメールで申請します。電話や対面での申請は受け付けていません。
この申請は、送信防止措置依頼(サイト運営者に対して、権利を侵害する情報を削除するよう求める手続き)として扱われます。メール本文に書くのは申請者(代理人が申請する場合は代理人も)の情報だけで、口コミのURLや侵害された権利、その理由といった中身は添付の依頼書に記載します。
- メール本文:申請者の企業名・住所・部署・役職・氏名・メールアドレス(代理人が申請する場合は代理人の事務所名も)
- 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書(押印必須。対象口コミのURL・侵害された権利・その理由を記載)
- 口コミが事実と異なることを証明できる証拠書類(理由が「事実と異なる」場合は実質的に必須。残業時間なら勤怠記録、給与なら賃金台帳など)
- 発行後3か月以内の登記簿謄本と印鑑登録証明書
- 第三者が代行する場合は依頼主の実印を押印した委任状
依頼書の書式は、情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会のサイトからダウンロードできます。対象の口コミは、閲覧画面の「記事URL」から取得できる回答者ごとのURLで指定してください。書き方の詳細は「送信防止措置とは?削除依頼が無視されても出せる依頼書の書き方」で取り上げています。
申請の結果を左右するのは依頼書の説得力です。名誉権(社会的な評価を守る権利)など侵害された権利を特定し、口コミのどの記述が事実に反するのかを客観的な資料で裏づけながら書くことが重要です。
もう1つ注意したいのが、申請の動機です。「会社のイメージが下がる」といった理由だけの申請は対象外とされ、口コミが事実であるにもかかわらず不正な理由で削除を求めた場合には、運営側の中立性を保つ観点から申請した企業名と申請内容がサイト上で公開されるケースがあると公式に明記されています。申請前に、客観的な権利侵害があるかどうかを慎重に見極めてください。
依頼書の記載に不安がある場合は、誹謗中傷の削除に取り組む弁護士に相談すると、権利侵害の主張を整理したうえで申請できます。
オープンワークが削除依頼に応じない場合の法的手段
削除依頼を出しても、オープンワークの審査で「権利侵害とまではいえない」「証拠資料が足りない」と判断され、対応を断られるケースがあります。運営の審査と裁判所の判断は別ものなので、その場合に検討するのが、裁判所を通じた次の2つの手続きです。
削除の仮処分を裁判所に申し立てる
仮処分とは、正式な裁判の判決を待たずに、勝訴したのと同じ状態を暫定的に得るための保全手続きです。口コミの拡散で損害が広がるのを防ぐ必要がある事案に用いられます。
通常の裁判で口コミの削除を争うと判決まで3か月から1年以上かかることもありますが、削除の仮処分であれば、認められれば申立てから1か月〜3か月程度で削除命令が出て、サイト運営者はほぼ削除に応じます。決定が出れば、本訴(正式な裁判)まで進まずに解決するのが一般的です。
申立てには、権利侵害の事実を裏づける疎明資料(一応確からしいと裁判官に認めさせるための資料)として、該当口コミのスクリーンショットや投稿URL、採用辞退の記録などが必要です。疎明の負担は申立て側にあるため、申立書の作成には法的な専門知識が欠かせません。
なお、ここまでの手続きを弁護士に依頼する場合の費用は、当事務所では運営会社への削除請求(交渉)が着手金5万5,000円〜、削除の仮処分・訴訟が着手金22万円〜(いずれも報酬金・実費は別途)で、事案の難易度によって増減します。仮処分では担保金(供託金)も別に必要です。手続きの流れは「削除請求の仮処分|誹謗中傷を消す流れと期間・費用」で詳しく解説しています。
また、削除が完了しても、しばらくは検索結果に古い内容が表示されることがあります。Googleの「古いコンテンツの削除」ツールから早期反映を申請しておきましょう。
投稿者特定方法:発信者情報開示命令を申し立てる
削除だけでなく、投稿者に損害賠償を請求したい、再発防止のため念書を取りたいという場合には、投稿者の特定が必要です。
オープンワークの口コミは匿名で投稿されるため、運営会社に「投稿者を教えてほしい」と直接頼んでも応じてもらえないのが一般的です。投稿者の身元にたどり着くには、発信者情報開示請求という法的手続きを踏むのが原則です。
発信者情報開示請求とは、サイト管理者や通信事業者に対し、匿名投稿者を特定するための情報(IPアドレス・投稿日時・氏名・住所など)の開示を求める手続きです。2022年10月施行の法改正で「発信者情報開示命令」が創設され、サイト管理者と接続プロバイダへの開示を1つの裁判手続きでまとめて申し立てられるようになりました。根拠法は2025年4月に、プロバイダ責任制限法から情報流通プラットフォーム対処法へ名称が変わっています。
それでも発信者への意見聴取や審理には一定の期間がかかり、開示までは3か月から半年程度を見込む必要があります。仮処分・訴訟との使い分けは「発信者情報開示請求の仮処分と訴訟の手続き」で取り上げています。
投稿者を特定するまでの基本的な流れは次のとおりです。
- 問題の口コミのスクリーンショットを保存し、URLと投稿日時を記録する
- 誹謗中傷問題に詳しい弁護士に相談する
- サイト管理者と接続プロバイダに対して発信者情報開示命令を申し立てる
- 投稿者の氏名・住所が判明したら、損害賠償請求や刑事告訴へ進む
とくに気をつけたいのが時間の制約です。プロバイダのアクセスログの保存期間は一般に3〜6か月程度とされ、ログが消えると投稿者の特定は事実上できなくなります。口コミを発見した時点で動き出すことが、特定の成否を分けます。
スクリーンショットは、スマートフォンだとURL欄が省略表示されて証拠として不完全になることがあります。パソコンのブラウザで、URL欄を含めて1画面に収めて撮影してください。
特定後の損害賠償請求は、不法行為による請求権として、損害と加害者を知った時から3年で時効にかかります(民法724条)。慰謝料の相場や請求の流れは「名誉毀損の慰謝料相場はいくら?請求できる条件を弁護士が解説」で解説しています。
費用面では、当事務所の場合、発信者情報開示請求(仮処分・訴訟)が着手金22万円〜(報酬金は別途)、慰謝料請求(交渉・訴訟)が着手金33万円〜と回収金額の22%〜の報酬金です。費用体系は事務所ごとに異なるため、依頼前に見積もりを確認してください。
オープンワークの口コミを削除した後に再発を防ぐ対策
口コミを1件非掲載にできても、社内の不満が解消されていなければ、別の社員から同じ趣旨の投稿が繰り返されるおそれがあります。削除と並行して、投稿の原因に手を打っておくことが大切です。
社内で取れる対策としては、ハラスメントや労務上の問題を匿名で申し出られる相談窓口を整え、社員の不満を外部の口コミサイトより先に把握できる状態にすることが挙げられます。そこで見えてきた長時間労働や評価制度への不満に労務面から手を打つことが、根本的な予防策になります。
また、特定の投稿者が悪質な書き込みを繰り返している場合は、前述の発信者情報開示命令で身元を特定し、念書の取り付けや弁護士名での警告書の送付によって再投稿を抑止する方法があります。
社内に不満を抱える社員がいると分かった段階で弁護士に相談しておけば、労務問題への対応と口コミへの対処を一体で進められ、投稿された後も迅速に動けます。
オープンワークの口コミ削除でお困りの方は弁護士にご相談ください
オープンワークの口コミは、事実に反する記述や誹謗中傷を理由に運営会社へ削除(非掲載)を求めることができます。認められなければ裁判所の仮処分で削除を求める道があります。また、投稿者の責任を追及したい場合は、削除の可否とは別に発信者情報開示命令で特定へ進めます。
いずれの手続きでも、権利侵害を法的に整理し、証拠を揃えて迅速に動けるかが結果を左右します。弁護士に依頼すれば、こうした書面作成と手続きを代理人に任せられ、担当者は日々の業務を続けながら解決を進められます。投稿者の特定まで視野に入れるなら、アクセスログが消える前に着手できるかどうかが結果を分けます。
「削除依頼を送ったが運営から音沙汰がない」「採用や取引先からの問い合わせに影響が出始めている」「社内でどう動けばよいか判断がつかない」。こうした状況を担当者が一人で抱え続けるのは大きな負担です。早い段階でご相談いただければ、状況に合わせた打ち手をご提案できます。
当事務所は、オープンワークをはじめとする口コミサイトでの誹謗中傷対応に長年取り組んでまいりました。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
ネット誹謗中傷の削除請求・犯人特定・損害賠償請求に豊富な実績を持つ。掲示板やSNSでの名誉毀損・プライバシー侵害・風評被害に対し、発信者情報開示請求による投稿者の特定から慰謝料請求まで一貫して対応。法人・個人を問わず、ネット上の権利侵害から依頼者を守るために迅速に行動している。

