勾留・拘留の違いが簡単にわかるように弁護士が解説

この記事をご覧の方の中にも、刑事事件のニュースで「〇〇が勾留(こうりゅう)されました」などと聞かれたことがあると思います。しかし、ときにマスコミですらこの「勾留」を「拘留(こうりゅう)」と誤表記するほど、勾留と拘留は混同して理解されがちです。両者は読み方は同じでも意味は全く異なります

そこでこの記事では誤解しやすい勾留と拘留との違いなどについて、刑事事件に詳しい弁護士が解説します。

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1.勾留とは

勾留とは、被疑者あるいは被告人が、裁判官の判断に基づき、一定期間、警察署の留置場や拘置所に拘束されることをいいます。勾留の目的は被疑者、被告人の罪証隠滅、逃亡を防止すること、刑事裁判のための出廷を確保ことです。

被疑者とは起訴される前の人、被告人とは起訴された後の人を指します。したがって、勾留も被疑者勾留被告人勾留があり、それぞれで勾留に至るまでの手続や勾留期間が異なります。

まず、被疑者勾留は必ず逮捕が先行します(いきなり勾留ということはありません)。そして、検察官に勾留請求され裁判官がそれを許可した場合、勾留期間は検察官の勾留請求があった日から数えて10日間となります。その後、期間を延長することにつきやむを得ない事情がある場合は最大10日(一部の事件を除く)まで勾留期間が延長されることがあります。勾留は、原則一事実につき一回のみです。

次に、被告人勾留の場合、勾留前に逮捕はもちろん検察官の勾留請求手続きが先行しません。つまり、被疑者段階で勾留されている場合は起訴されたと同時に被告人勾留に切り替わります。被疑者段階で勾留されていない場合は、裁判官が職権で被疑者を勾留するかどうか決めることができます。いずれの場合の勾留期間も起訴された日から2か月間で、その後は特に勾留の継続の必要があり、具体的な理由がある場合にのみ1か月ごと勾留期間が更新されます。

なお、勾留中は不服申し立てが認められることなどによって勾留期間中に釈放されることがあります。

2.拘留とは?

拘留は刑罰の一種です(刑法第9条)。刑罰の内容は、裁判官から拘留を言い渡された被告人を、1日以上30日未満の範囲内の期間、刑事施設(刑務所、拘置所、留置場)に収容する(刑法第16条)、というものです。具体的な収容期間は裁判官が決めます。

(刑の種類)
第9条
死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

(拘留)
第16条
拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。

刑罰を、受刑者からはく奪する法益の視点から分類すると、生命刑・自由刑・財産刑に分かれます。

  • 生命刑:絞首の方法で受刑者の生命をはく奪する刑罰(死刑)
  • 自由刑:刑務所に拘置する方法で受刑者の自由をはく奪する刑罰(懲役・禁錮・拘留)
  • 財産刑:金銭を国庫に納付させる方法で受刑者の財産をはく奪する刑罰(罰金・科料)

上記の通り、拘留は自由刑に属しますが、懲役刑や禁錮刑と違い、執行猶予がつくことはありません。すなわち、法廷で拘留の判決が下った時点で即座に身柄拘束され、刑事施設に収容されます。

また、拘留(および禁錮)は懲役と異なり刑事施設内で刑務作業を強制されることはありませんが、受刑者が指定された作業を行いたい旨の申出を行った場合は許可されることがあります。

刑罰の重さでいえば、拘留は罰金と科料の間、つまり、法律上は罰金よりも軽く科料よりも重たい刑と位置づけられています。罰金は1万円以上の金額、科料は1万円未満の金額を検察庁(最終的には国庫)に納付させるという刑罰です。

はく奪する法益での刑罰の分類刑罰の種類執行猶予がつく可能性労働義務刑罰の重さの順番
生命刑死刑なしなし1
自由刑懲役ありあり2
禁錮ありなし
※但し、希望すれば働ける
3
拘留なしなし
※但し、希望すれば働ける
5
財産刑罰金ありなし
※但し、支払えないと労役場留置
4
科料なしなし
※但し、支払えないと労役場留置
6

3.勾留と拘留の違い

以上から、勾留も拘留も人の身体を拘束するという点では同じですが、勾留は刑罰ではなく、拘留は刑罰という点が違います。

「1」で勾留の目的について触れましたが、勾留はあくまでも刑事裁判を実現するための手段にすぎません。他方で、拘留はその刑事裁判が開かれ、刑事裁判の判決で有罪とされた後になってはじめて科される刑罰の一種です。

もっとも、勾留は刑罰ではないといっても、勾留されると厳しい生活が待ち受けていますから勾留されている方にとっては刑罰を受けているのと同様に感じることではないでしょうか?

そこで、こうした勾留の特質や勾留期間中はいまだ「無罪推定の原則」を受けていることに配意して、実際の裁判では、実際の刑期から一定の数の勾留日数を差し引くという法律上の措置が取られることがあります。勾留日数のことを未決勾留日数といいます。

4.拘留判決が少ない理由

では、一年間にどのくらいの人が拘留の刑が科されているのでしょうか?

法務省が公表している「検察統計 統計表」によると次のとおりです。

  • 2013年 4人
  • 2014年 4人
  • 2015年 5人
  • 2016年 6人
  • 2017年 5人
  • 2018年 1人

このように拘留を科される人が少ない一番の理由として、そもそも拘留を規定する罪自体が懲役、禁錮、罰金に比べて少ない、ということが挙げられます。どんな罪の勾留が規定されているかは「5」でご紹介します。

また、拘留は自由刑ですから、拘留が言い渡された人を刑事施設(刑務所など)に収容しなければなりません。しかし、拘留受刑者が多くなると、受け入れる側の刑事施設が過剰収容となって(2000年代前半は刑事施設の過剰収容が問題となりました)、拘留受刑者よりも重たい罪を犯した懲役、禁錮受刑者を収容できなくなるおそれも出てきます。このことから、たとえ罪に選択刑として拘留が規定されていたとしても、そもそも求刑する検察庁自体が拘留を選択せずに、科料や罰金を選択しているという実情も影響していると考えられます。

5.拘留が刑罰となっている犯罪

拘留が規定されている主な罪は以下のとおりです。

⑴刑法

①公然わいせつ罪(刑法174条)
→6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料

②暴行罪(刑法208条)
→2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料

③侮辱罪(刑法231条)
拘留又は科料

⑵軽犯罪法

1号から34号までの罪
拘留又は科料

⑶酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律

著しく粗野又は乱暴な言動をした罪
拘留又は科料

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