傷害事件で診断書がないと暴行罪止まり?提出期限はある?

「被害者は怪我をしたと言っているが診断書は出ていないようだ…このまま暴行罪で済むのだろうか」「傷害事件を起こしてしまったが被害届も診断書もまだ出されていない…提出期限はあるのだろうか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

傷害事件では、診断書が提出されないと怪我の内容や程度を立証しにくく、暴行罪にとどまるケースが多いとされています。ただし、提出されても、暴行と怪我の因果関係が否定されれば傷害罪は成立しません。また、被害届や診断書に法律上の提出期限はありませんが、傷害罪の公訴時効(過ぎると起訴できなくなる期間)である10年間が実質的な目安となるため、長く不安を抱え続けることにもなりかねません。

この記事では、刑事事件の弁護に強い弁護士が、次の点について解説します。

  • 診断書がないと暴行罪にとどまるのか
  • 診断書があれば必ず傷害罪になるのか
  • 被害届や診断書の提出期限はいつまでか
  • 被害届が出される前にできること

なお、傷害事件についてお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。ご相談は地域を問わず承っています。

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傷害事件の診断書がないと暴行罪になる?

傷害事件で、被害者から捜査機関へ診断書が提出されない場合は、暴行罪にとどまることが多いといえます。診断書がなければ、警察などの捜査機関は怪我の内容や程度を証明することが難しくなるからです。

傷害罪と暴行罪の分かれ道は、加害者が被害者に怪我(傷害)を負わせたかどうかです。すなわち、怪我を負わせた場合は傷害罪、負わせなかった場合は暴行罪で立件されます。法定刑は、傷害罪が15年以下の拘禁刑(懲役と禁錮を一本化した刑罰)または50万円以下の罰金、暴行罪が2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金などで、傷害罪のほうが格段に重く定められています(刑法204条・208条)。

診断書とは、医師が怪我の名称や治療にかかる期間(「打撲、全治2週間」など)を記した書面です。診断書が捜査機関に提出されると、怪我を裏付ける資料になるため、傷害罪として捜査を受ける可能性が高くなります。怪我の程度は刑の重さや示談金の額にも影響し、治療期間が長いほど刑事処分は重く、示談金も高くなる傾向があります。治療期間に応じて実際にどの程度の金額になるのかについては「傷害事件の示談金相場を全治別に解説|示談書テンプレート付き」で解説しています。

もっとも、捜査機関に診断書が提出されたからといって必ずしも傷害罪が成立するとは限りません。

傷害罪が成立するには暴行と怪我との間に因果関係が必要ですが、診断書だけでは、その怪我が暴行によるものかまでは分からないからです。

暴行の態様と怪我の内容・程度、被害者が病院を受診した経緯・タイミング、診断書が作成された時期等を照らし合わせ、暴行と怪我との間の因果関係に疑義がある場合は暴行罪の成立にとどまることを主張していかなければなりません。暴行罪と傷害罪の違いについて詳しくは「暴行罪と傷害罪の違いは?成立要件とどちらが重いかを解説」をご参照ください。

傷害事件の被害届や診断書が提出される期限はある?

傷害事件の被害届や診断書に提出期限は定められていません。傷害罪では、被害者が処罰を求める告訴にも期間の制限はありません。

もっとも、傷害罪の公訴時効は10年で、犯罪行為が終わった時から進行します(刑事訴訟法250条2項3号・253条1項)。怪我を負わせていない暴行罪であれば3年です(同法250条2項6号)。公訴時効が過ぎると起訴され刑事裁判にかけられる可能性はなくなりますが、反対に、怪我を負わせた傷害事件であれば、診断書がまだ出ていなくても10年間はその可能性が残されています。公訴時効の数え方をさらに詳しく知りたい場合は「傷害罪の時効は10年|公訴時効と民事の時効を解説」もあわせてご確認ください。

そして、10年間は検察官に起訴される可能性があるということは、その間に、被害者から捜査機関へ被害届や診断書が提出される可能性も残されています。つまり、傷害事件の被害届や診断書の提出期限を敢えて言うならば、10年間がおおよその目安といってよいでしょう。

なお、被害届は条文上、例外なく受理が義務づけられています(犯罪捜査規範61条1項)。ただ実務では、時間が経って立証が難しいと、受理に至らない場合もあります。

一方で、被害者が傷害事件があったことを証明できる証拠を持っていれば、10年内にどこかのタイミングで警察に被害届や告訴状を出し、それが受理されることも考えられます。具体的にどのような供述や映像、診断書などが証拠として使われるのかについては「傷害罪の証拠になるものは?証拠がないと後日逮捕されない?弁護士が解説」で紹介しています。

被害届や診断書が提出されても必ず逮捕されるわけではなく、逮捕・勾留されないまま取調べなどの捜査が進む在宅事件となることもあります。それでも、10年もの間、いつ逮捕されるのではと不安な気持ちのまま生活するのは辛いでしょう。

そのため、傷害事件の加害者となってしまった場合には、極力早急に被害者と示談を成立させ、捜査機関に被害申告しない旨の確約をとることが重要です。示談をしないと、刑事手続きとは別に、治療費や慰謝料などの民事上の損害賠償を請求されるおそれもあります。

傷害事件の診断書や被害届でお悩みの方は弁護士にご相談ください

傷害事件では、診断書の有無が暴行罪と傷害罪の分かれ目に大きく影響し、被害届や診断書には法律上の提出期限がないため、公訴時効の10年間は不安が続く可能性があります。こうした状況を早期に解消するためには、被害者との示談交渉を速やかに進めることが不可欠です。

弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉を代理で行い、被害届や診断書が捜査機関に提出されることを防ぐための対応を進めることができます。示談が成立すれば、刑事事件化を回避できたり、不起訴となったりする可能性も高まります。

傷害事件を起こしてしまい、被害届を出されるのではないか、いつ逮捕されるのではないかと不安を抱えている方は、一人で悩まず弁護士にご相談ください。当事務所は暴力事件の示談交渉を得意としており、全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けております。親身かつ誠実に、弁護士が依頼者を全力で守りますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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