
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
事案の概要(相談前の状況)
相手方:Bさん(女性・Aさんとは不倫関係にあり、生活費をAさんが支援)
状況:Aさんは何度も関係の解消を申し出ていたが、その度に脅されて十年以上関係を解消することができなかった
Aさんは都内で会社を経営され、業績・従業員数ともに順調に伸びていました。その頃、Aさんは、夜の飲食店で相手方のBさんと知り合いました。しばらくは普通の客とホステスの関係でしたが、ほどなく不倫関係になりました。
Bさんには離婚歴があり、元旦那さんから慰謝料の支払いや財産分与等の金銭的なものは得られず、生活は楽ではなさそうでした。不憫に思ったAさんは、毎月の生活費を援助することを申し出て、Bさんといわゆる愛人関係になり、Bさんは夜の仕事も辞めました。
当初は順調だったものの、Bさんは次第に「離婚してほしい」「離婚しないなら月々の金額を上げてほしい」と、次第にAさんに対する要求がエスカレートするようになりました。
そのため、Aさんは別れを切り出し、援助はしない旨を伝えましたが、その度にBさんは激昂し、「奥さんに全部ばらす」「ヤクザや反社の人たちとつながりがあるから会社に行ってもらう」と、脅迫してきました。実際、そうした反社風の人たちが、Aさんの会社まで車で乗りつけ、シュプレヒコールで叫ぶことがあったそうです。
Aさんは警察へ相談しようか迷いましたが、警察沙汰になり会社や家族に露呈してしまうことや、迷惑をかけてしまうことをおそれ、相談ができませんでした。
やむなくAさんは、Bさんの要求をのまざるをえず、こうした関係が十年以上続き、Bさんへの支払いの総額は9000万円近くになっていました。また、Bさんに対し生涯にわたり生活費を支援する内容の念書も書かされていました。
Aさんは、会社が順調であったときは支払いができていましたが、次第に業績が下降し始め、継続して支払っていくことが困難な状況になりました。また、Aさんの心身の状態も次第にわるくなってきて、仕事をしながらBさんへの対応ができるほどの気力がなくなっていました。そのため、Aさんは、ご自身で対応することが難しいと考え、弊所に相談に来られました。
弁護士の対応と解決への流れ
Aさんのお話を伺い、現状の整理と今後の対応について、弁護士からは以下の内容をご案内のうえ、介入していくことになりました。
①念書は公序良俗に反している可能性があること、また、具体的な期間や金額が記載されておらず、Aさんが支払わなくとも、裁判で義務付けすることはできない内容であること
②現実的にも支払いを続けることが困難である以上、今後一切の支払いをするべきではないこと
③当事者でやりとりをせず、弁護士が介入しBさんとの対応窓口をすべてうつすこと
④合意書を作成し、今後Bさんから連絡と接触がないようにすること
介入の方法は、通常の案件と同様に、Bさんへ弊所が受任した旨と、Aさんへの連絡接触に対し警告する内容の書面を送ることにしました。他方で、本件は過去に会社まで反社風の人たちが来た事実を重くみて、担当弁護士を3名体制にし、介入後はAさんがいつでも弁護士と連絡がとれるようにすることで、緊急の事態にもすぐに弁護士が直接対応できるよう備えました。
実際、Aさんから、「会社に匿名の女性がAさんを出してほしいとの連絡があった」との報告を受け、すぐに担当弁護士はBさんへ連絡し、Bさんと早期にコンタクトをとることができました。
交渉に入ると、Bさんは弁護士に対し「一生払い続けるという念書がある」「Aさんが全部わるい」との主張を繰り返していました。ある程度Bさんの話を聞きつつも、今後一切支払わないこととAさんと連絡接触はできないこと、警告に反するのであれば、別途刑事事件化していく方針であることを粘り強く伝えていきました。Bさんはしばし興奮していましたが、徐々に落ち着いてこちらの説明を理解し、合意書を作成していくことになりました。
解決結果と担当弁護士のコメント
合意内容:一切の接触禁止+違反時の違約金
職場・家族:知られることなく解決
合意書には、Aさんへの一切の接触禁止と違反した場合の違約金の定め、Aさんは今後の支払いをしないことの確認等の条項を盛り込み、締結しました。また、本件を会社やご家族に知られることはありませんでした。終結から5年ほど経過しておりますが、その後BさんからAさんへの接触等は一切ない状況が続いています。
本件のように、男女が関係を終わらせようとした際にうまく別れられず、感情的になった相手方に脅されて結局関係を継続してしまうといったご相談は、日々いただきます。Aさんは相談時に弁護士の介入により相手方が怒って悪化しないか、今後も支払いを請求されないかという点を少し心配されておられました。弊所では同様の男女トラブルを多く扱ってきましたが、基本的に介入した事案はすべて無事に解決しております。経験上、相手方が、依頼者に対してはかなり強く当たり、譲歩することがない傾向にあればあるほど、弁護士が介入した後はそうでないことが多いように思われます。不倫関係からの脅迫でお悩みの方は「不倫で脅迫されたときの対処法|会社や家族に知られず解決」もあわせてご確認ください。
また、Aさんは弊所へご相談されたとき、かなり憔悴されておられました。一部始終これまでの経緯をお伺いした後、Aさんは今まで誰にも相談できずに本件をひとりで抱えられていたので、それだけでも少し安堵されたとおっしゃっていました。
弁護士にご相談されるのも勇気がいることと思いますが、終わらない事件というものはありません。おひとりで抱えこまずにご相談いただければと思います。こうした脅迫被害への具体的な対処法や、警察と弁護士のどちらに相談すべきかの判断基準については「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」で詳しく解説しています。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

