
脅迫の被害に遭い「慰謝料を請求したいけど、いくらくらいもらえるんだろう」とお考えの方もいるのではないでしょうか。脅迫罪の慰謝料相場は、単発的な脅迫であれば数万円~100万円程度、悪質性が高い場合や継続的に脅迫が行われたケースでは200~300万円になることもあります。
「示談と裁判どちらが有利なのか」「加害者の立場によって金額は変わるのか」など、気になる点も多いかと思います。この記事では、脅迫・恐喝事件を年間1100件以上扱う弁護士が、実際の裁判例と示談事例をもとに慰謝料の目安をわかりやすく解説します。
なお、脅迫の慰謝料請求について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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脅迫罪の慰謝料相場はいくら?
脅迫罪の慰謝料相場は、一般的には数万円~100万円以下となります。
以下で示す判例①~③を見れば、単発的(あるいは少数回)の脅迫であれば上記の慰謝料相場内に収まっていることがわかります。
| 脅迫による慰謝料請求が争われた裁判例 | ||
|---|---|---|
| 判例 | 事案の概要 | 慰謝料額 |
| 判例① 熊本地方裁判所 令和元年5月22日 |
熊本の県立高校の女子高生がいじめにより自殺し、遺族が加害生徒に慰謝料を求めた事案です。加害生徒が被害者に対し、LINEで、「レスキュー隊呼んどけよ」と送信したことを脅迫行為であると裁判所は認定した事案です。 | 約11万円 |
| 判例② 東京地方裁判所 平成13年12月18日 |
芸能プロダクションのグラビアアイドルが男性と交際していることに激高した社長が、自分も当該アイドルに恋愛感情があることを伝えたうえ、「最初、殺してやろうと思った」「俺はあらゆる手段を使うよ。人生終わると思うよ。幸せはないよ」「君の人生ぐちゃぐちゃになるよ」などと脅した事案です。 | 30万円 |
| 判例③ 大阪地方裁判所 平成27年7月2日 |
大阪市の特別養護老人ホームで入居者男性が数分おきにナースコールを繰り返したことに腹を立てた男性ヘルパーが、その入居者をたたいたり、「お前、死ね、殺すぞ」等の暴言を吐いたため、その被害男性が運営法人に慰謝料を請求した事案です。 | 60万円 |
ただし、脅迫行為の悪質性が高い場合や、反復継続して行われたような場合には慰謝料が高額になる傾向があります。
例えば、以下で示す判例④、⑤のような悪質かつ繰り返し行われたストーカーによる脅迫事案では、200万円~300万円の慰謝料額が裁判で認められています。
| 脅迫による慰謝料請求が争われた裁判例 | ||
|---|---|---|
| 判例 | 事案の概要 | 慰謝料額 |
| 判例④ 東京地方裁判所 平成13年4月27日 |
躁鬱病の大学教授が、ほとんど会話すら交わしたことのない女学生と自分が相思相愛であるとの妄想にとりつかれ、追試名目で女学生を自宅に呼び出して求婚し、その後1日に数十回の電話や女学生の自宅に訪問するなどしたことが脅迫行為として認められた事案です。女学生は恐怖から神経症を患っています。 | 250万円 |
| 判例⑤ 大阪地方裁判所 平成12年12月22日 |
客の男性が、飲み屋を経営している女性に、「気持ちが抑えられないから襲うかも」と脅迫めいた言葉を口にしたり、店への入店を断られているのにもかかわらずつきまとい行為を続けました。女性が裁判所に面談禁止の仮処分を申し立て、「つきまとわない」とする内容の和解が成立したのに、男性はそれを反故にして被害女性の自宅周辺をうろついた事案です。 | 300万円 |
このように、継続的な脅迫やストーカー行為による被害では高額な慰謝料が認められています。当事務所でも、長期間にわたる脅迫被害を受けた女性が弁護士の介入により示談で200万円を回収した事例があります。具体的な経緯は「ヤクザを名乗る男から15年間性被害を受け200万円を回収した事例」をご覧ください。
脅迫罪の示談交渉による慰謝料事例
上では、脅迫罪の民事訴訟で裁判所によって下された慰謝料額を紹介しました。
では、裁判を介さずに、示談交渉で慰謝料を請求した場合はどの程度の額が支払われるのか。以下は、弊所が脅迫被害者から依頼を受けて加害者との示談を成立させた時の慰謝料額のケースです。
| 示談交渉による脅迫罪の慰謝料事例 | |
|---|---|
| 事案の概要 | 慰謝料額 |
| 煽り運転をされたので、信号待ちの際に被害者が車から降りて注意しに行ったところ、「ちんたら走ってんじゃねーぞ。殺すぞ」と煽り運転の男から脅された事案。男は妻子ある会社員。 | 約120万円 |
| 電車内で被害者が背負っていたリュックが男に当たったことで揉め事になり、電車を降りた後に駅のホーム上で「常識をわきまえろ。突き落とすぞ」と脅された事案。男は国家公務員。 | 約230万円 |
お気づきかと思いますが、単発的な脅迫事案にもかかわらず慰謝料額が相場よりも高くなっています。
会社員や公務員は警察に逮捕されて有罪になれば懲戒解雇や懲戒免職の恐れもあります。弁護士に刑事告訴されるのを避けるためになんとかして示談を成立させたいと考える加害者も多く、裁判で争うよりも示談交渉の方が支払われる慰謝料額が高くなることもあります。
有利な条件で示談交渉を進め、適正な慰謝料を得るためには弁護士への相談が有効です。相談前に知っておきたい脅された時の対処法の全体像や、依頼にかかる弁護士費用の目安は「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」をご覧ください。
脅迫の慰謝料請求でお悩みの方は弁護士にご相談ください
脅迫罪の慰謝料は、単発的な脅迫であれば数万円~100万円程度、悪質・継続的な脅迫では200~300万円程度が目安です。ただし、脅迫事案の慰謝料に関する裁判例は多くないため、実際に請求できる金額は個別の事情によって大きく変わります。
弁護士に依頼することで、加害者の社会的立場や脅迫の態様を踏まえた適切な請求額を見極められるだけでなく、刑事告訴を視野に入れた交渉により相場を上回る慰謝料を獲得できる可能性もあります。また、慰謝料請求には時効がありますので、早めに行動を起こすことが大切です。
脅迫被害を受けて精神的にもつらい状況の中、慰謝料請求の手続きを一人で進めるのは大きな負担です。すでに警察に相談している方も、まだ何も動けていない方も、まずは弁護士に状況を伝えることが解決への第一歩になります。
当事務所は脅迫・恐喝事件を年間1100件以上ご相談いただいており、被害者側の慰謝料請求や示談交渉にも豊富な実績がございます。全国どこからでも無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

