裸の写真をばらまくぞと脅迫された人が知っておくべき法律と対処法

「裸の写真をネットにばらまくぞ」と脅されたとき、「言うとおりにするしかないのではないか」「誰にも相談できない」と追い詰められてしまう方は少なくありません。

しかし、裸の写真や性行為中の動画をネタにした脅迫行為は、脅迫罪・恐喝罪・リベンジポルノ防止法違反などの犯罪に該当します。要求に応じても事態が収まるとは限らず、むしろエスカレートするおそれがあるため、適切な対処をとることが大切です。

この記事では、裸の写真がどのような経緯で脅迫者の手に渡ってしまうのかを整理し、被害に遭った場合に適用される法律と具体的な対処法について弁護士が解説します。

なお、裸の写真での脅迫被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。

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恥ずかしい写真はこうやって脅迫者の手に渡る

裸の写真や動画をネタに脅迫する場合、加害者はどういった経路で画像を入手するのでしょうか。

性行為の時に写真や動画を撮影される

ケースとして多いのは、交際中の彼氏が相手の裸の画像や性行為中の動画を撮影しているパターンです。撮影されていることに気がついて、やめてほしいと伝えても、「悪用しないからいいだろう」と聞き入れてもらえないことも珍しくありません。

また、撮影していいかを聞かれて断りきれずに承諾してしまう人もいます。彼氏が相手ではなく、単なる遊び相手や不倫相手からこういった撮影をされることもあります。

最近では、出会い系サイトやツーショットダイヤル、SNSやLINE、掲示板などのネットを通じて知り合った人と安易に性行為に及んでしまい、隠し撮りされたり、しつこい誘いに根負けして撮影させてしまった写真で脅迫の被害に遭うケースが増えています。出会い系で脅迫された場合の具体的な対処法については「出会い系で脅迫や恐喝された人は必見!状況別、脅しへの4つの対処法」で詳しく解説しています。

裸の写真を送るよう言われ、自分で撮影してデータを渡す

交際相手や遊び相手から、裸の写真が欲しいと言われ、自分で自分の裸の写真を撮影してそれをLINEなどで送ってしまうこともあります。出会い系サイトなどで知り合ってLINEやメールのやりとりをしてはいるものの、実際に会ったことがない相手に裸の画像を送ってしまう人も珍しくありません。

出会い系サイトなど、性行為をする相手を求めるために男女が出会うようなところでは、刺激を楽しむために裸の画像を送り合うことは珍しいことではありません。また、被害者を安心させるために、いきなり一方的に「画像を送って」とは言ってこずに、まず自分の裸の写真を被害者に送り、「あなたも送って」と要求してくることもあります。

セクストーション

セクストーションとは、「セックス」と「エクストーション」の造語です。エクストーションとは、ゆすりや強要、強奪などを意味します。LINEなどのSNSで知り合ってやりとりを重ね、仲良くなった相手から、ある日、「裸の写真を送り合いましょう」などと持ちかけられます。

相手から送られてきたURLをクリックするとウイルスに感染し、スマホやパソコンのデータを不正に抜き取られ、「このデータを友達にばらまくぞ」「会社に送るぞ」などといってそれをネタに脅迫されるというのが典型的なセクストーションの被害事例です。

また、「このアプリを使ったらもっとエッチなことができる」などとアプリのダウンロードを勧められ、不正アプリをダウンロードさせられて、そこから被害に遭うというパターンもあります。

セクストーションの被害に遭ってしまうと、スマホの中に保存していた電話帳の情報や画像データなど、重要なパーソナルデータの多くが盗まれてしまいます。画像データの中に裸の画像などの「恥ずかしい画像」が保存されていれば、それをネタに脅されることもあります。

なぜ脅迫のネタとなるような写真を相手に渡してしまうのか

相手の本性を見抜けず、信用してしまう

よくある相談例としては、別れを切り出した彼女に対し別れたくない彼氏が、別れるなら性行為の際に撮影した写真をネットにばらまくぞと脅して交際の継続を強要したり、或いは、よりを戻したくてこのような手段をとってくることがあります。まさかこんな卑劣なことをしてくる人だとは思わずに付き合っていたと被害女性は皆口にします。

女性は特に、恋愛感情を持った相手に対しては冷静な判断ができなくなり、「いい人に違いない」「裸の写真を悪用するわけがない」と、自分に言い聞かせてしまうこともよくあります。相手の本性を見抜けずに信用してしまい、裸の画像を送ったり撮らせたりすることに抵抗がなくなってしまうのが大きな問題点です。元交際相手からの脅迫への具体的な対処法については「元カレ・元カノからの脅迫をやめさせる6つの対処法と5つのNG行動」で詳しく解説しています。

嫌われたくない一心で

交際相手や不倫相手に「裸の画像を送ってほしい」と言われたり、性行為中の動画を撮影したいと頼まれたとき、本当は嫌だと思っても、「断ると相手から嫌われてしまうのではないか」と恐怖心を抱いて断りきれず、被害に遭う人はとても多いものです。

DVなどの被害でも言えることですが、相手に理不尽なことをされたとき、被害者の多くは「自分さえ我慢すればおさまるのではないか」と思って耐えたり、「おかしいと感じる自分がおかしいのではないか」と、自分に非があるのではないかという発想に至る人も、実は多いものです。

危機意識が低い

裸の画像をネタに脅迫される被害は、10代や20代の女性にも多発しています。交際経験や社会経験があまりないこの年代の女性には、裸の画像を撮られたことでどんなリスクがあるのか、その具体的な危険性を理解していない人も少なくありません。「裸の画像をどんなことに使うんだろう」と疑問には思っても、まさか自分がそれをネタに脅迫されるとはゆめにも思っていないという人も多いのです。

ですが、好きな人や親しい人に対しては、どうしても信用したいという気持ちが起きるのは当然のこと。こういった危機意識の低さも問題点のひとつとはいえ、そこだけを責めることはできないでしょう。

復讐を目的として写真をばらまくリベンジポルノ

裸の画像をネタにお金を要求したり、交際や性行為を要求してきたりといった脅迫事例とは性質が違いますが、裸の画像をネタに脅してくる事例のひとつとして「リベンジポルノ」があげられます。

リベンジポルノとは

リベンジポルノとは、元交際相手や元配偶者が、被害者との関係が悪化したことを恨みに思い、交際中に撮影していた被害者の裸の画像や性行為中の動画をネットにばらまいたり、メールにファイル添付をして被害者の友人や会社などに送りつけたりするトラブルです。

リベンジポルノの問題点

リベンジポルノの多くは、裸の画像をネタに交際を要求する、金銭を要求するという「ネタに脅す」「何かを得ようとする」ということが目的なのではなく、自分を振った元恋人や元配偶者への復讐が目的です。

そのため、すでに画像がネットなどに流出してから被害者がそれに気づくことが多く、被害を未然に防止することが難しいという問題があります。また、交際しているときは関係も良好のため、「裸の画像がほしい」と言われてもより断りにくい、悪用されることを想定しづらいという問題点もあります。不倫相手からリベンジポルノで脅された場合の対処法については「不倫相手からリベンジポルノで脅されたときの対処法」で具体的に紹介しています。

恥ずかしい写真で脅迫された時に適用される法律

裸の写真や性行為中の動画をネタに揺すられた場合や、リベンジポルノの被害に遭ったとき、一番に考えるのは警察への相談ではないでしょうか。

警察では、一般的な相談窓口で相談してアドバイスを受けることもできますが、被害届や告訴状を提出することで、加害者への直接的な対応を求めることもできます。

ただ、警察に実際に動いてもらうためには、被害を受けている行為が法律で規定された犯罪にあたる悪質なものである必要があります。

ここでは、裸の写真をネタに脅迫されたときに、どんな法律が適用されどのような犯罪にあたるのかについて解説します。

脅迫罪・恐喝罪

もっとも考えられるのが、脅迫罪・恐喝罪です。両罪はともに刑法という法律にその定めがあります。

違いを簡単に説明すると、脅迫罪は「本人や親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害悪を告知する」犯罪です。一方で、恐喝罪は「相手を脅したり暴行を加えたりして怖がらせ、お金などの財物を出させる」犯罪です。

もし、人に見られたら普通の人であれば恥ずかしいと感じる裸の写真や性行為の動画などを、"人目に触れるようにしてやる(ネットに流す等)"と言われたら脅迫罪が、"そうして欲しくなければお金を払え"と言われたら恐喝罪が成立します。脅迫罪と恐喝罪の違いについては「脅迫罪になる言葉・ならない言葉は?成立要件と刑罰を解説」で詳しく解説しています。

刑法の強要罪や不同意性交等罪

裸の写真をネタにして、セックスや交際の継続などを要求してくることもあります。この場合は、脅迫罪や恐喝罪のほかに以下の犯罪が成立する可能性があります。

強要罪とは、脅して人に義務のないことを行わせる犯罪です。交際は、本人の自由意思で行うものであり、強要されてするものではありません。脅されて交際を強要させられた場合には、強要罪に問われることがあります。

不同意性交等罪は、裸や性行為の写真や動画をばら撒かれたくなければセックスに応じろなどと脅迫して性行為を強要する犯罪です。かつては強姦罪と呼ばれていましたが、2017年に強制性交等罪に改正され、さらに2023年7月の法改正により不同意性交等罪へと名称が変更されました。この改正では構成要件も見直され、被害者が「同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態」で行われた性交等が処罰対象となり、犯罪となる行為の対象が広がっています。性行為を強要された場合の具体的な対処法については「脅されてセックスさせられた・迫られた場合の対処法と相談窓口」をご参照ください。

リベンジポルノ防止法違反

相手に対する復讐目的で裸の画像や動画をネットなどにばらまく「リベンジポルノ」ですが、2014年に成立した「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称:リベンジポルノ防止法)」によって法規制がなされています。

この法律では、撮影された裸や性行為中などの画像(私事性的画像記録と定義されています)を不特定多数のものに提供した場合、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金が科されることが規定されています。

※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。

ストーカー規制法違反

リベンジポルノに加えて、被害者につきまとったり、執拗にメールや電話で連絡を取ろうとするなどの行為がある場合は、ストーカー規制法違反に当たる可能性があります。ストーカー行為と脅迫罪の関係については「どんな行為がストーカーや脅迫罪になるの?弁護士が分かりやすく解説」で詳しく解説しています。

補足:無断で写真を撮影することは犯罪にならないのか

被害者が知らない間に、裸や性行為の写真や動画を勝手に撮影することは犯罪になります。

2023年7月に施行された「性的姿態撮影等処罰法(通称:撮影罪)」では、正当な理由なく、ひそかに性的な姿態を撮影する行為が全国一律で処罰対象となりました。撮影罪の法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

また、各都道府県の迷惑防止条例でも盗撮行為は規制されています。かつては、「公共の場所」や「公共の乗り物」といった公共性のある場所での盗撮のみ迷惑防止条例の規制対象となっていましたが、近年の改正により、住宅やホテル、タクシー内などの公共性のない場所での盗撮も規制対象となりました。

東京都迷惑防止条例でいえば、違反すると、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(常習であれば2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)となります。

写真をネタに脅迫された時の対策法

実際に裸の写真や動画をネタに脅されたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。脅迫・恐喝被害への対処法の全体像については「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」で詳しく解説しています。

ネット上に画像が流されてしまったら

リベンジポルノのように、裸の写真などが2ちゃんねるなどの掲示板やブログ、SNSなどに流されてしまってから、被害に気がつくこともあります。また、ネットに写真などを流した上で脅迫してくるようなケースもあるかもしれません。

このような場合、対処法として重要なのは、ネットに出回っている情報を削除することになります。ネットに出回った情報を削除するための方法は、それぞれのブログやSNSによって異なります。

被害届を出して警察に相談

脅しの行為が悪質で犯罪に該当する可能性が高い場合、被害が大きく、すぐにでも対応が必要な場合などには、警察に被害届を出すなどの対策が必要です。

警察では、インターネット犯罪に対応するために、サイバー警察局を設けています。

被害を受けたとき、それが犯罪と呼べるほどのものなのかがわからないような場合でも、まずは警察に相談することで、対処法などのアドバイスをもらえます。被害届の出し方やメリットについては「恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説」もあわせてご確認ください。

事前に知っておきたい予防法

事後的な対策も必要ですが、同時に、これ以上同じ被害に遭わないための予防的な対策も知っておくと安心です。一般的な対処法とはなりますが、なによりも「写真を撮らせない」ことが第一です。

頼まれても裸の写真を送らないのはもちろんのこと、撮影したものをスマホやパソコンに保存しておくことも避けましょう。不正なアプリをダウンロードしたり、メールなどに添付されたリンクを踏まないことも重要です。

交際相手の頼みごとはなかなか断ることが難しいものですし、良好な関係にある人に対しては、できれば信頼したいという意識が働くものです。しかし、他人を信頼することと自分の危機管理を甘くすることとはまた別だと考えておくことも大切です。

裸の写真での脅迫被害にお悩みの方は弁護士にご相談ください

裸の写真や性行為中の動画をネタにした脅迫は、脅迫罪・恐喝罪・リベンジポルノ防止法違反など複数の犯罪に該当しうる行為であり、相手の要求に応じ続ける必要はありません。

こうした被害では、ご自身で加害者に接触すると要求がエスカレートしたり、証拠が失われたりするおそれがあります。弁護士に依頼すれば、加害者への警告や交渉、画像の削除対応、刑事告訴や損害賠償請求といった法的手続きまで一括して任せることができるため、精神的な負担を軽減しながら解決を目指すことが可能です。

「写真をばらまかれたらどうしよう」という恐怖を一人で抱え続けている方や、すでにお金を要求されている方、交際や性行為を強要されている方は、被害が広がる前にできるだけ早くご相談ください。

当事務所は脅迫・恐喝被害に関するご相談を数多くお受けしており、全国どこからでも無料でご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

脅迫・恐喝被害 不当要求対策 リベンジポルノ 美人局被害 男女トラブル
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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