離婚届の証人は子供・両親も可!頼める人がいない場合は?

いざ、離婚届の証人を誰かに頼もうと思っても、

  • 「どんな人が離婚届の証人になれるの?条件は?」
  • 「頼んで迷惑かけないかな…離婚届の証人になるリスクや責任、デメリットはあるの?」
  • 「離婚届の証人を頼める人がいないし、いたとしても離婚の事実を知られたくない場合は?」

など、様々な疑問や悩みが生じる人もいることでしょう。

そこでこの記事では、離婚問題に強い弁護士がこれらの疑問を解消していきます。

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離婚届の証人が必要なのは協議離婚の場合だけ

離婚する場合、つねに証人が必要というわけではありません。夫婦の話し合いだけで離婚する”協議離婚”の場合のみ証人が必要で、調停離婚・審判離婚・和解離婚・裁判離婚では証人はいらないのです。

離婚というのは、それぞれの方々の人生にとってとても重要なことです。そこで、当事者だけで離婚を決める協議離婚の場合は、その気持ちが本気なのかどうかについて確認するため、証人が2人必要とされています(民法764条、739条)。

それに対し、裁判所が関与する調停離婚や裁判離婚等では、“裁判所が関与することで、しっかりと夫婦間の気持ちを確認しているから証人は不要”ということになります。

離婚届の証人になることができる人は?

離婚届の証人は二人必要ですが、離婚当事者以外の、成人であれば誰でも証人になれます

民法改正による成人年齢の引き下げにより、これまで20歳以上が成人とされていたものが、2022年4月1日以降は18歳以上となりました。そのため、18歳以上であれば誰でも離婚届の証人になることができます

なお、離婚する夫婦がそれぞれ1名ずつ証人を用意する必要はなく、夫婦の片方が2名用意して構いませんし、もう片方がその証人と全く面識がなくても問題ありません。

また、離婚する夫婦と同じ住所地に住んでいる者でも全く問題ありませんし、証人二人が同じ住所(知り合いの夫婦に頼む場合など)であっても構いません。外国籍の方でも、日本に住民登録しており、本国の法律で成人となっていれば証人になれます。その場合、本籍の欄には「国籍」を記載してもらいます。

離婚する夫婦の子どもが証人になることはできる?

離婚する夫婦の子どもであっても成人していれば離婚届の証人となることができます

両親が証人になることはできる?

両親が離婚届の証人になることもできます

夫婦の双方の両親から1名ずつ証人になってもらうことも、夫婦の片方の両親が証人になることもできます。

誰に頼むべき?

友人や知人でも構いませんが、夫婦の争いごとに巻き込まれた気分になるでしょうし、後述するように離婚届の証人になることで一切不利益を被らないとは断言できない以上は、できるだけ身内に頼むようにした方が無難でしょう

この点、前述したように子どもにも証人を頼むことができますが、いくら成人したとはいえ子どもが両親の離婚手続きに関わることは辛く悲しい気持ちにさせるかもしれません。そのため、離婚する夫婦の兄弟姉妹や親、あるいは、後述する離婚届証人代行サービスや弁護士などの第三者に依頼するようにしましょう

離婚届の証人にリスクや責任・デメリットはある?

離婚届の証人は「保証人」ではありませんので、証人になったとしても法的な責任・リスクを負うことは一切ありません

協議離婚に伴う証人の立場は、いわば“立会人”的な要素が強く、「離婚を見届けます」といった意味合いでしかありません。

署名捺印が求められている理由としては、離婚は婚姻関係という身分関係を解消する重要な手続きであることから、成人の第三者が離婚当事者の意思を証明するために必要とされているにすぎません。

デメリットは一切ないの?

離婚届の証人になったとしても、提出先の役所からあれこれと素性を調べられて面倒な問い合わせを受けるようなことも一切ありません。

ただ、夫婦のうち離婚することに消極的であった方の目からは、離婚届の証人欄に署名押印した人は離婚することに積極的に協力した人として映る可能性もあります。逆恨みされるおそれが全くないとは言えません。また、証人を頼まれる際に、離婚寸前の夫婦の聞きたくもない争いごとを聞かされることもあるでしょう。そういった意味では、デメリットが全くないとは言い切れません

離婚届の証人欄に記載してもらう場合の注意点

離婚届の証人欄には、証人になる人の署名、生年月日、住所、本籍地を記載してもらいますが、必ず証人本人が自著する必要があります。その際、鉛筆や消せるタイプのペンで書いてはダメです。書き損じた場合には、二重線をしたうえで訂正印を押してください。修正液や修正テープの使用はできません

離婚届の証人欄に用いる印鑑について

押印欄で用いる印鑑は実印である必要はなく認印で構いませんが、シャチハタやゴム印は使用不可です。また、証人2名の印鑑はそれぞれ別でなければなりません。例えば、証人を頼まれた山田さん夫妻が、「われわれは同じ苗字だし、印鑑も使いまわそう」と一つの印鑑で2名分の押印はしてはいけないということです。

なお、外国籍の方に証人を依頼する場合は、署名はパスポートや在留カードに記載されている本国名(住民登録で通称登録している方は通称でも可)、生年月日は西暦、本籍は国名を記載してもらいます。押印の習慣がない国の方であれば署名のみで構いません。

離婚届の証人欄を自分で書くとバレる?

証人を頼める人が見つからないという理由で、筆跡を誤魔化し100円ショップ等で印鑑を購入して離婚届の証人欄を自分で勝手に書く人がいますが絶対にやめましょう。

たしかに離婚届を提出する役所の窓口では証人の身分証等の提示を求めるわけではありません。そのため代筆がバレないこともあるでしょう。しかし、離婚届の証人欄に、離婚当事者が虚偽の署名・押印をすることは、刑法159条の「有印私文書偽造・同行使罪」に該当します

バレて逮捕され有罪判決を受ければ、3ヶ月以上5年以下の懲役刑に処せられますので、離婚届の証人欄を自分で書くことは絶対にやめましょう。

離婚届に代筆できる?同意ある場合、ない場合の離婚はどうなる?

離婚届の証人を頼める人がいない場合はどうする?

いざ離婚届の証人を探そうと思った時、次のような悩みを抱える方も少なくありません。

  • 証人を頼める人が誰も見当たらない
  • 証人を頼める人が一人しか見つからない
  • そもそも離婚することを知られたくないので周囲に頼めない

そのような場合に役に立つ対策として、離婚証人代行サービスや弁護士への依頼です。

離婚届証人代行サービスの利用

離婚届証人代行サービス(代行)は、“離婚届の証人の代行”を業務として行う業者です。

費用相場としては、証人1名(自分で1名確保できる人向け)の場合は3000円~4000円、証人2名の場合は4000円~5000円前後です。

代行サービス申し込み後の一般的な流れとしては以下のようになります。

  1. 証人欄以外を記入した離婚届、身分証のコピー、委任状(行政書士に依頼する場合)を郵送
  2. 業者が証人欄に記入、捺印し、依頼者に返送
  3. 離婚届を役場に提出

なお、業者の多くが、離婚届が手元に届いたその日、または翌営業日に、書留やレターパックなどの追跡サービスがついた郵送方法で離婚届を返送してくれます。

また、返送の際は、業者名や「離婚」という文字は封筒に記載しない、局留めでの郵送に対応してくるなど、プライバシーにも配慮してくれます。

サービスへの依頼をお考えの方は、「離婚届証人代行サービス(リンクをクリックで検索結果画面が表示されます)」のキーワードでネット検索すると良いでしょう。

離婚届証人代行サービスのデメリット

ずばり、「個人情報の管理」について、一定のリスクがあります。

離婚届証人代行サービスを行う事業者であって、顧客リスト等を作成している場合は、個人情報保護法による規制を受ける対象となります。この場合、承認代行サービスの業者はできるかぎり、その利用の目的を特定してあらかじめ本人了承を得るようにしなければなりません(個人情報保護法15条参照)

多くの証人代行サービスの業者は、事前に利用目的を明らかにし、適切な情報の管理を護っています。しかしながら、離婚届証人代行サービスの業者へ提出した個人情報の流出が0であるとは言い切れない以上、デメリットと捉えることもできます

弁護士等の士業に依頼する

いくら安くて早いとはいえ、素性もわからない業者に個人情報の詰まった離婚届を渡してしまうことに抵抗がある人もいることでしょう

個人情報の流出が心配な方は、弁護士等の士業に依頼しましょう。士業の場合、必ず各士業の会が設置され、その会所属する必要があります。したがいまして、「どこの誰?」という状況にはならず、かつ、その後の個人情報の管理等もキチンとしています。

ご不安な方は、離婚問題について相談している弁護士や、協議離婚の代理人になってもらっている弁護士に証人を依頼しましょう。

ただし、法律事務所によっては離婚届の証人となることを業務として受け付けていないこともありますので、事務所に問い合わせて確認するようにしてください。

まとめ

離婚届を提出する場合において、証人2人が求められるのは、協議離婚の場合のみです(民法764条、739条)。

そして、協議離婚における離婚届に署名・押印する証人は、“離婚の立会人”的な立場となります。そのため、原則として、離婚届に署名・押印する証人はなんら責任を負担することはありません。

ただ、もし頼める証人がいない場合には弁護士に代行を頼むと、個人情報の流出の不安は解消されるでしょう。

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