強制執行で給与を差し押さえたのに会社が元配偶者をかばって支払いを拒否してくる…
このような場合どう対処すればいいのだろう…
この記事では、養育費回収問題に強い弁護士がこの悩みを解消していきます。
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給与を差し押さえて養育費を回収するまでの通常の流れ
養育費とは、子どもが経済的・精神的に成熟するまでに必要となる生活費や学費、医療費などの必要経費のことをさします。
養育費については離婚の際に夫婦の合意で決定することができます。また話し合いでまとまらない場合には家庭裁判所の調停・審判手続きにより取り決めることもできます。
そして調停や審判など「裁判所の手続」や「公正証書」で約束したとおりに養育費が支払われない場合には、支払義務者(債務者)に対してその意思に関係なく強制的に支払わせることができます。これを「強制執行」といいます
「強制執行」にはいくつかの種類があり、一般的に利用されているのが債務者が勤務先など(「第三債務者」といいます)に対して有する給与債権を差押える「債権執行」です。
「債権執行」をするためには、まず債権者が管轄の地方裁判所に債権執行の申し立てをしなければなりません。申し立てを行うことで裁判所は「債権差押命令」を発令し、債務者が持っている「給与債権」などを差押えます。これによって債権者自身が、債務者の会社・勤務先などに対して直接金銭の支払いを求めることができるようになります。ここで債権差押命令に基づく「取立権」が発生するのは、債務者が債権差押命令正本を受け取ってから「1週間」が経過した時点です。
通常差押えが認められるのは「未払い分」のみですが、養育費については未払いがあれその部分に限らず将来権利者に支払われる予定の、まだ支払期限が到来していない分(将来分)についても差押えが可能です。そのため期限到来を待って差押えを繰り返す必要がありません。
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会社が元配偶者をかばって強制執行を拒否した場合は?
それでは債権者が債務者の給与債権を差し押さえたにもかかわらず、第三債務者が債権者への支払いを拒否する場合にはどうすればよいのでしょうか。
会社が元配偶者側の家族経営である場合や経営者と特別な人間関係がある場合にこのようなトラブルが想定されます。
このような場合、差押債権者(養育費を受け取る側)は第三債務者(会社)に対して差押えた債権に係る給付の訴えを提起することができます。これを「取立訴訟」といいます。この裁判は口頭弁論を経ずに判断することができるので迅速に進められることが期待できます。そして原告の請求を認容する判断が出された場合にようやく強制執行による差押えが実行され、金銭の支払いを受けることができます。
ここで元配偶者をかばうような会社が今後も養育費の支払いをおとなしく支払う保証はありません。そのため再度差押え手続きを繰り返すことになる事態を避けるためにも前述の「将来分の差押え」をしておくことは重要です。
なお、未払分については差押えた範囲内でまとめて受け取ることができますが、将来分については各支払期限が到来した後に受け取ることができます。つまり夫の給料日が25日の場合、31日支払期限の今月分(将来分)については、今月の給料から受け取ることはできず、期限が到来して以降となる来月の25日に支払われる給料から受け取れるようになるということです。
弊所では、養育費をはじめとした債権回収を得意としております。親身誠実に、弁護士が依頼者を全力でサポートしますので、ご自身で養育費の回収を図ることが難しい場合にはまずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決へ繋がります。
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