- 結婚詐欺の被害に遭ったけどいくらの慰謝料を請求できるのかわからない…
- 慰謝料請求するためにどんな証拠が必要なのか知りたい…
そういったお悩みを抱えていませんか?
そこでこの記事では、年間400件以上の結婚詐欺の相談・依頼を受けている法律事務所の弁護士が、
- 結婚詐欺の慰謝料相場
- 結婚詐欺で慰謝料請求できるケース
- 詐欺が証明できない場合の婚約破棄による慰謝料請求
- 慰謝料請求に必要な証拠
- 慰謝料請求の方法
につきわかりやすく解説していきます。
およそ3分ほどで簡単に読めますし、自分を騙した相手に慰謝料を払わせて責任を取らせたいと考えている方は最後まで読んでみて下さい。
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目次
結婚詐欺の慰謝料相場
結婚詐欺の慰謝料相場は、約30万円~300万円となります。
このように幅のある金額ですが、以下のような様々な事情が慰謝料算定で考慮され、その額も変動します。
- 騙し取られた金額の大小
- 肉体関係の有無、頻度
- 結婚の予定が周知の事実になっているか否か
- 結婚詐欺師と交際に費やした期間の長さ
- 結婚を理由に退職してキャリアを失ったか否か
- 妊娠・中絶の有無
なお、結婚詐欺の慰謝料200万円が認められた事例として以下のようなものがあります。
結婚詐欺の慰謝料請求ができるケースとは?
結婚詐欺とは、結婚する気もないのに、結婚する気があるかのように振舞い、相手から金品を騙し取ったり、返済意思のない借金をすることです。
つまり、結婚詐欺で慰謝料請求するには、騙されて何らかの金銭的損害を受けたことが必要です。
例えば、
「事業資金が直ぐに必要~、病気の治療費がかかる~、借金の保証人に飛ばれた~、交通事故で示談金が必要~」
「アナタに迷惑はかけられない…でも、そのお金がないと結婚できないかも…」
といった虚言に騙されて、お金を援助したり貸したりした場合に初めて結婚詐欺の慰謝料請求が可能となります。
法律的には、結婚を餌に相手からお金を詐取することは違法行為ですので、不法行為による慰謝料(損害賠償)請求をしていくことになります(民法709条・710条)。
なお、仮に結婚詐欺とまでは認められなかったとしても、以下で説明する、婚約破棄による慰謝料請求という形もとれるので諦める必要はありません。
詐欺の証明ができなくても婚約破棄で慰謝料請求は可能
結婚詐欺であると言えるためには、
- ①騙されて財産的損害が生じたこと
- ②相手が最初から金品を騙し取る意思があったこと
をアナタの方で証明しなくてはなりません。
しかし、とくに②の「最初から騙す意思があったこと」を客観的に証明することは非常に難しく、不法行為(結婚詐欺)による慰謝料請求の実現が困難な場合も少なくありません。
しかし、そのような場合であっても、婚約破棄による慰謝料請求ができることもあります。
婚約とは、男女間で将来婚姻することを約束することです。
この約束は、誠心誠意、将来二人が夫婦として生活することを合意することで、口約束でも婚約は成立します。
※ただし、後述するように、婚約破棄の慰謝料請求訴訟においてはある程度の客観的な婚約成立の証拠が求められる点に注意が必要です。
そして、正当な理由なく相手が婚約破棄した場合は慰謝料請求が認められますし、逆にアナタが相手に婚約破棄を告げたとしても、婚約破棄に至った原因が相手にある場合も慰謝料請求が認められます。
この慰謝料請求は、不法行為または債務不履行を根拠として行うことができます。
正当な理由のない(もしくは相手に原因がある)婚約破棄により、身体を弄ばれたことによる貞操権の侵害、婚姻生活への期待を裏切られた期待権の侵害、婚約破談が周囲に知れることによる名誉権の侵害といった不法行為が成り立ちますし、婚約という婚姻予約契約を反故にされたことで債務不履行が生じているからです。
結婚詐欺や婚約破棄で慰謝料請求するために準備すべき証拠
結婚詐欺、婚約破棄、どちらの法的構成で慰謝料請求をするにしても、相手がすんなりと支払うとは限りません。
結婚詐欺の場合は、「本気で結婚するつもりだった」「最初からお金を騙し取る意図はなかった」と言い訳してきますし、婚約破棄については、「真剣交際はしていたけど婚約をした覚えはない」と平然と言ってのける者もいます。
そうなると、慰謝料を支払わせるには裁判を起こさなくてはなりませんが、こういった言い訳がまかり通らないような客観的な証拠がなくては「言った言わない」の話になってしまい裁判で負けてしまいます。
そこでここでは、結婚詐欺を証明するための証拠、婚約が成立していたことを証明するための証拠をそれぞれ紹介します。
※結婚詐欺と婚約成立の証拠は被るものが多いため、両方に目を通しておいたほうが良いでしょう
結婚詐欺を証明するための証拠
結婚詐欺を証明するには、相手が、「最初から騙すつもりがあったこと」を客観的に証明しなくてはなりません。そのためには以下のような証拠を集めましょう。
- 相手が既婚者であったことを示すもの
- 結婚相談所や婚活パーティーでのプロフィールに嘘が書かれていたことがわかるもの
- お金を借りるための理由が嘘であったことがわかるもの
- 最初から騙すつもりであったと推測できるやりとりの録音・メール・LINE
また、金銭的被害に遭ったことの証明として以下のような証拠も集めておく必要があります。
- 相手の口座への振り込み履歴がわかる通帳
- 金銭の貸し借りを記した借用書
- 金銭の貸し借りや贈与に関するやりとりが残されたメール・LINE・SNSなど
- 高額な物を買わされた、契約を結ばされた場合の領収書や契約書
婚約が成立していたことを証明するための証拠
- プロポーズや結婚を仄めかす言葉を録音・録画したものやメール・LINE
- 婚約指輪を購入したことがわかるもの
- 結婚式場の下見・予約をしたことがわかるもの
- ブライダルサロンに登録したことがわかるもの
- 結納を交わした際の受書
- 親と顔合わせしたことがわかるもの
- 友人・知人に婚約者として紹介したことがわかるもの
結婚詐欺の慰謝料請求方法
結婚詐欺の証拠を詐欺師に突き付けて、ご自身が口頭や内容証明で慰謝料請求する方法も考えられますが、法的効果のない請求に素直に応じるケースは多くありません。
そこでここでは、結婚詐欺師に慰謝料を支払わせるための効果的な請求方法を紹介します。
警察に逮捕してもらった後に示談交渉する
警察に被害届または告訴状を提出し、警察が捜査を開始すれば、結婚詐欺師は逮捕される可能性が高まります。
逮捕されれば、被害金額等にもよりますが、実刑で刑務所暮らしになる恐れもあるため、詐欺師は弁護士を介して被害者に示談の申し入れをしてくることが良くあります。
犯罪加害者が被害者と示談を成立させることで、被害者の処罰感情が低下したと検察官は判断し、不起訴処分にしたり、あるいは、刑事裁判にかけられても執行猶予付き判決となることが多いからです。
詐欺師の今後の運命は被害者が示談に応じるかどうかに委ねられているわけですから、騙し取られた財産のほか、ある程度高額な慰謝料請求も通る確率は上がるといえるでしょう。
ただし、詐欺師に金銭的な余力が残っていない場合にこの請求方法をとると、逮捕されたことで開き直ってしまい、今後の請求に一切応じない姿勢をとるリスクもあります。
弁護士に交渉・訴訟を依頼する
詐欺の立証が困難なことから警察が被害申告を受け付けてくれない場合も多々ありますし、上記のようなリスクもあります。
そこでまずは、弁護士に結婚詐欺師との交渉や訴訟を依頼することをお勧めします。
弁護士は民事訴訟の代理のほか、刑事告訴の代理を行う権限があります。
そのため、弁護士が訴訟や刑事告訴を引き合いに結婚詐欺師に心理的プレッシャーを与え、慰謝料の支払いを促すこともできます。
もちろん支払いに応じない場合は、法的手段に訴えることもできます。
もし弁護士選びで迷ったら、当法律事務所までお気軽にご相談ください。
詐欺被害の金銭的回復を図るため、親身誠実に、弁護士が全力で対応します。
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