
SNSやLINEで見かけた副業に登録したところ、後から高額な料金や副業マニュアルの代金を後払いで請求され、「このまま無視して大丈夫なのだろうか」「住所を教えてしまったから自宅に取り立てが来るのでは」と不安を抱えている方は少なくありません。
先に結論をお伝えすると、副業詐欺だと判断できる業者からの支払い・後払いの請求は、基本的に無視して構いません。詐欺という違法行為をしている業者が、自ら身元を明かして裁判を起こしたり、警察沙汰になる危険を冒したりすることは考えにくいからです。住所を教えてしまった場合でも、自宅に押しかけてくる可能性は低いといえます。
ただし、相手が自分を詐欺だと認識していない場合や、すでに料金を支払ってしまった場合は、対応が変わってきます。この記事では、詐欺被害の返金に強い弁護士が、次の点をわかりやすく解説します。
- 後払い・支払いを無視してよい理由
- 請求を無視し続けるとどうなるのか
- 住所や個人情報を教えてしまった場合の対処法
- すでに支払ってしまった場合の返金方法
なお、副業詐欺の支払いについてお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。
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副業詐欺で支払い・後払いは無視でOK!その理由は?
副業詐欺だと判断できる場合、業者からの支払い請求や後払いの請求に応じる必要はありません。そもそも法的に支払う義務がないうえ、無視しても業者があなたを追い込むことはできないからです。その理由を順に見ていきます。
そもそも詐欺による契約に支払い義務はない
「誰でも必ず稼げる」といった事実と異なる説明で結ばされた契約は、消費者契約法(うそや誤解を招く説明による契約を取り消せる法律)にもとづいて取り消すことができます。契約を取り消せば、後払いや追加料金を支払う義務は最初からなかったことになります。
また、広告や説明とはかけ離れた中身のない商材・サービスであれば、契約そのものが成立していない、あるいは無効と判断されることもあります。いずれにしても、副業詐欺だと判断できる業者への支払い義務は法的に否定できるため、請求に応じる必要はありません。
リスクが高いのは詐欺業者側
詐欺業者は、あなたが料金を支払わないことを理由に警察や裁判所を頼ることができません。
なぜなら、未払いを理由に業者が警察へ相談すれば、その勧誘や契約が詐欺だったという事実まで捜査機関に知られてしまうからです。不正な手法や虚偽の説明で人を勧誘していたことが発覚すれば、罪に問われるのは業者の側です。逮捕されるリスクを抱えているのは詐欺業者のほうですから、自分から警察に駆け込むことはまずありません。
詐欺業者は身元を明かすことができない
裁判で料金を請求するには、原告となる業者が氏名や名称、住所、所在地を裁判所に明らかにしなければなりません。裁判記録は原則として誰でも閲覧できるため、自らの身元が公の記録に残ることになります。
足のつく情報をさらしてまで、数万円から数十万円程度の後払い料金の請求のために訴訟を起こす詐欺業者は、現実にはほとんどいません。匿名でお金をだまし取ることが目的の業者にとって、身元の開示は最も避けたい事態だからです。
訴訟になっても請求棄却となる可能性が高い
仮に業者が訴訟を起こしてきたとしても、請求が認められず棄却される可能性が高いといえます。
前述のとおり、詐欺による契約は取り消しや無効を主張できます。被告となったあなたがその旨を主張すれば、業者の請求は認められません。そのため、費用と手間をかけてまで勝ち目の薄い裁判を起こす業者は限られます。
もっとも、注意したいのは「相手が必ずしも詐欺業者とは限らない」という点です。被害者は詐欺だと感じていても、業者の側が自分たちを詐欺だと認識しておらず、正規の請求として弁護士を通じて連絡してきたり、裁判を起こしたりするケースもまれにあります。この場合は無視を続けるとかえって不利になることもあります。相手が正規の事業者だった場合、支払いを無視し続けると、督促状の送付から債権回収会社や弁護士による請求、訴訟や財産の差し押さえ、さらには信用情報機関への登録(いわゆるブラックリスト)へと進むおそれがあります。そのため、内容証明や訴状など正式な書面が届いたら、自己判断で放置せず弁護士に確認してもらうのが安全です。なお、契約から日が浅い場合はクーリングオフで解約できることもあります。詳しくは「副業詐欺でクーリングオフはできる?できないと言われた場合は?」をご覧ください。
副業詐欺で支払い・後払いを無視するとどうなる?
無視してよいとはいえ、業者がすぐに引き下がるわけではありません。無視した場合に実際どのようなことが起こるのか、あらかじめ知っておくと冷静に対応できます。
執拗に請求のメールやLINEが送られてくる
悪質な副業詐欺の業者は、ターゲットにLINEやメールアドレスを登録させ、こちらが支払うまで執拗に催促してきます。
相手が副業詐欺だと判断できる場合は、LINEアカウントをブロックし、メールは受信拒否や迷惑メール設定にして、一切反応せず無視しておけば問題ありません。一度でも返信すると「まだ支払わせられる」と受け取られ、かえって催促が激しくなります。「誰でも必ず」「100%稼げる」といった触れ込みの副業はそもそも詐欺の可能性が高く、関わらないのが最善です。副業詐欺の典型的な手口や見分け方は「副業詐欺の手口・見分け方と返金させる方法を弁護士が徹底解説」で解説しています。
請求書や内容証明が自宅に届くことがある
住所を教えている場合、催促を無視し続けると自宅に書面が届くことがあります。「最終警告」「訴訟に移行」「罰金」といった強い言葉を並べ、正式な法的書面のように見せかけた請求書や内容証明郵便が送られてくるケースです。書面の見た目に驚いて、記載された電話番号に連絡してしまう被害者も少なくありませんが、それこそ業者の狙いです。
ここで知っておきたいのは、内容証明郵便そのものに、支払いを強制したり財産を差し押さえたりする効力はないということです。内容証明郵便は、いつ誰がどのような文面を差し出したかを郵便局が記録・証明するだけの制度であり、受け取ったからといって慌てて連絡したり支払ったりする必要はありません。
ただし例外があります。裁判所から届く「支払督促」や「訴状」は、内容証明とはまったく性質が異なる正式な手続きです。これらを放置すると、相手の言い分どおりに支払いを命じられてしまうおそれがあります。裁判所名義の書類が届いた場合だけは無視せず、すぐに弁護士へ相談してください。
後払いを払わないと捕まることはある?
「支払わなければ訴える」「警察に被害届を出す」などと脅され、自分が逮捕されるのではと不安になる方もいます。しかし、契約上の料金を支払わないこと自体は犯罪ではありません。支払いをめぐる争いはあくまで民事上の問題であり、それだけで警察に逮捕されることはありません。
まして、相手が詐欺業者であれば、前述のとおり自ら捜査の対象になるリスクを負ってまで被害届を出すことはまずありません。脅し文句に動揺して支払ってしまわないことが大切です。
副業詐欺で住所・個人情報を教えてしまった場合
支払いは無視できても、住所や氏名、電話番号を教えてしまったことが一番の不安だという方は多いはずです。ここでは、個人情報を渡してしまった場合に起こりうることと、その対処を整理します。
自宅に取り立てに来る可能性は低い
住所を知られた状態で請求を無視し続けると、自宅まで押しかけてくるのではないかと心配になります。しかし、回収できるかどうかも分からない相手の家へわざわざ足を運び、自らの顔や所在を特定される危険を冒す詐欺師は、まずいないと考えてよいでしょう。
取り立てのために自宅へ上がり込もうとしたり、居座って押し問答を続けたりすれば、業者の側が住居侵入罪や不退去罪に問われかねません。すでに副業詐欺という違法行為をしている業者が、わざわざ警察沙汰になるリスクを取るとは考えにくいでしょう。
とはいえ、住所を知られている以上、訪問の可能性がゼロとはいい切れません。万が一、業者が自宅に来たときは、インターホン越しに対応し、決して対面でやり取りしないでください。支払う意思がないことだけを伝え、それ以上は応じる必要はありません。執拗にインターホンを押したり上がり込もうとしたりする場合は、警察に通報すると警告し、可能であればやり取りを録音・録画しておくと、その後の対応に役立ちます。
個人情報が悪用されるおそれがある
自宅訪問よりも現実的なリスクは、教えてしまった個人情報の悪用です。渡した氏名・住所・電話番号は、別の悪質業者へ売られる可能性があります。詐欺業者にとって、だましやすい人の個人情報リストは、お金を出してでも手に入れたいものだからです。
その結果、ほかの業者から勧誘の電話や通知書、身に覚えのない架空請求などが次々と届くようになることがあります。いずれの連絡も金銭の支払いには応じず、無視を貫いてください。同居している家族がいる場合は、驚いて支払ってしまわないよう事前に事情を伝え、不審な電話や通知は無視するよう共有しておくと安心です。
勤務先を教えた場合は職場に連絡がいくことがある
登録フォームに勤務先を入力させる業者もいます。勤務先を知られると「支払わなければ会社に連絡する」と脅されたり、実際に職場へ請求書が送られてきたりすることがあります。
もっとも、請求書はあくまであなた個人宛てのものですから、無視しても職場に実害が及ぶことは基本的にありません。それでも、しつこく職場に連絡が来て困る場合は、弁護士に相談してください。代理人として業者への対応を任せれば、職場への接触も止められる可能性があります。
副業詐欺で後払いした料金を支払ってしまった場合
「後払いだからと油断していたら、いつの間にか決済されていた」「不安に負けて支払ってしまった」というケースもあります。すでに支払ってしまった場合でも、支払い方法によっては取り戻せる可能性が残っています。気づいた時点で一日でも早く動くことが重要です。
クレジットカードは支払停止の抗弁・チャージバックを検討する
クレジットカードのリボ払いや分割払いで支払った場合、カード会社に対して「支払停止の抗弁」を申し出られることがあります。これは、購入したサービスに問題があるとき、利用者がカード会社への支払いを止められる割賦販売法上の権利です。すでに一括払いで決済されてしまった場合でも、カード会社の判断で売上を取り消す「チャージバック」によって返金される可能性があります。
いずれもカード会社への連絡が早いほど有利です。カード情報を渡してしまった場合は、被害の有無にかかわらず、すぐにカード会社へ連絡して利用停止と再発行を依頼してください。具体的な手続きや必要書類は「副業詐欺のクレジットカード払いを止める方法とその後の対応方法」で詳しく解説しています。
銀行振込はすぐ金融機関に連絡して口座凍結を求める
銀行振込で支払ってしまった場合は、振込先の金融機関と自分の利用する金融機関の両方へ、詐欺被害に遭ったことを連絡してください。振り込め詐欺救済法(詐欺に使われた口座を凍結し、残った資金を被害者に分配する法律)にもとづいて詐欺に使われた口座が凍結されれば、口座に資金が残っている場合に限り、被害回復分配金として返金を受けられることがあります。
業者は振り込ませた資金をすぐ引き出してしまうため、まさに時間との勝負です。実際に返金まで進んだ事例は「副業詐欺で泣き寝入りは不要!返金を成功させた3つの事例も紹介」で紹介しています。
副業詐欺の被害にあった場合の対応方法
最後に、副業詐欺の請求を受けたとき、無視と並行して取っておきたい対応を順番に整理します。
- 業者とのやり取りを証拠として保全する
- 脅されても無視を徹底し、絶対に支払わない
- 国民生活センター(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談する
- 弁護士に対応を依頼して業者の接触を止める
まず業者とのやり取りを証拠として保全する
後で公的機関や弁護士に相談する際に欠かせないのが、業者とのやり取りの証拠です。詐欺業者は発覚を恐れてアカウントを消したり履歴を削除したりするため、気づいた段階で保存しておきましょう。LINEのトーク画面、メール、勧誘に使われた広告やSNSの投稿、契約書や利用規約などを、スクリーンショットで残しておくと安心です。
脅されても無視を徹底し、絶対に支払わない
個人情報を教えてしまった相手から、業者は次のような脅し文句を使ってくることがあります。
- 内容証明郵便を送付する
- 自宅まで未払い金を取りに行く
- 当社の弁護士から連絡させる
- このままだと裁判を起こさざるを得ない
いずれも被害者を焦らせて支払わせるための言葉にすぎません。詐欺業者がこれらを実際に実行することはほとんどなく、無視して絶対に支払わないことが肝心です。それでも不安が消えないときは、一度弁護士に相談してみてください。
国民生活センター(188)や警察相談専用電話(#9110)に相談する
一人で抱え込まず、公的な窓口を頼るのも有効です。副業詐欺のような消費者トラブルは、消費者庁が管轄する国民生活センターが数多くの相談に対応しています。全国共通の「消費者ホットライン」は、局番なしの「188」にかけると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。
また、「家に行く」などの具体的な脅しを受けて身の危険を感じる場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用してください。相談した記録を残しておくこと自体が、その後の対応の助けになります。
このほか、国が設立した法テラス(日本司法支援センター)でも、収入などの条件を満たせば無料の法律相談を利用できます。費用の不安から相談をためらっている場合の選択肢になります。
弁護士に対応を依頼して業者の接触を止める
副業詐欺の被害に遭った方の多くは、家族に知られたくない、自分の迂闊さを責められたくないといった思いから、一人で解決しようとしがちです。しかし、その多くが被害回復を諦めて泣き寝入りしているのが実情です。
家族に知られたくない場合や、業者との一切の連絡を断ちたい場合は、弁護士への依頼が有効です。弁護士が代理人として業者に通知を送れば、以後の連絡窓口が弁護士に一本化され、本人へのしつこい督促が止まります。業者との交渉や書面作成もすべて任せられますし、弁護士には守秘義務があるため、依頼によって被害の事実が周囲に広がる心配もありません。
副業詐欺の支払い請求でお困りの方は弁護士にご相談ください
副業詐欺業者からの支払い・後払いの請求は、基本的に無視して問題ありません。とはいえ、無視を続けても督促のメールやLINEが鳴りやまなかったり、自宅や職場に請求書が届いたりすると、精神的な負担は決して小さくありません。
すでに業者からしつこく連絡が来ている場合や、住所・勤務先を知られて不安な場合、あるいはすでに料金を支払ってしまった場合は、一人で対応を続ける必要はありません。弁護士が代理人として間に入れば、業者から本人への直接連絡を止めさせ、被害金の返金交渉までまとめて任せられます。家族に知られたくない、できるだけ穏便に終わらせたいというご希望にも配慮しながら対応します。
当事務所は、副業詐欺をはじめとする詐欺被害の返金交渉に豊富な実績があります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

