
「結婚詐欺に騙されるのは、よほどお人好しな人だけだろう」と思っていませんか。実際には、医師や元CAなど社会的地位のある方でさえ被害に遭っています。恋愛感情が絡むと、職業や学歴に関係なく誰もが冷静な判断力を失ってしまうのです。
本記事では、結婚詐欺の相談を数多く受けてきた弁護士が、実際の相談事例をもとに再構成した2つの体験談を紹介します。被害者がどのように信頼を寄せ、なぜ詐欺だと気づけなかったのか。そのリアルな過程を知ることが、被害を防ぐ第一歩になるはずです。
なお、結婚詐欺の被害に遭い早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
※本記事の体験談は、弁護士が実際に対応した相談事例をもとに再構成し、一部フィクションを交えています。個人が特定されないよう配慮しています。
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結婚詐欺の体験談①:山崎さん 男性 36歳 医師
好きだった彼女と連絡が取れなくなり、1ヶ月が経つまで自分が結婚詐欺の被害に遭ったことを信じられずにいました。もともと勉強は出来るけれど、人付き合いが苦手だった自分は医者になってからもなかなか出会いがありませんでした。
世間では「医者はモテる」とか「医者になれば人生ウハウハ」とか言われますが、自分のように大して顔もよくない医者はそこまでモテないんです。もちろん、職業柄お金はある程度は持っていますのでお金目当てで近づいてくる女性はいますが…、純粋に恋愛や結婚をしたいと思える異性はなかなか……。
そもそも人付き合いが苦手で、付き合った彼女は大学時代に1人だけ、という状況でした。医者になって10年近くが過ぎ、周りの看護師たちも次々に結婚していくのに、自分だけはいつまでも独身で正直焦っていました。
そんな折にテレビで今は「婚活ブーム」であることを知り、後日自分も結婚相手を探すために結婚相談所に申し込みを行ったのですが……。
結婚相談所のパーティーにうんざりした山崎さんでしたが?
仕事の休みに結婚相談所に行き、まるまる1日使って相談所に自分の登録を行いました。その後は結婚相談所が主催するパーティーに参加したり、結婚アドバイザーの人にいろいろとアドバイスを貰ったりしていたのですが、毎度、この婚活パーティーにはうんざりしました。
さっきまで自分に興味がなかった女性が自分の職業を聞くなり、目を輝かせて「山崎さんって、すご~い!」とか言ってくるんですよ?さっきまでの態度は一体なんだったんだって言う(笑)
そういう女性に辟易していたのもあって正直婚活パーティーには期待をしていなかったのですが、そこで出会ったのが自分を騙した正美(仮名)でした。彼女だけは、他の婚活女性と違って職業を聞く前から、決して顔が良くない自分に対しても優しかったですし、医者だという話を打ち明けても「へーそうなんですね~」と変わらぬ態度で接してくれました。
今思えばそれも単なる演技だったんでしょうが、当時の自分にとっては、それが本物の優しさに見えたのです。周囲の女性が「肩書き」だけを見て近づいてくる中で、彼女は「自分そのもの」を見てくれたように感じたことが、信じるきっかけになりました。
なぜ人は結婚詐欺に騙されてしまうのか。それは、自分を理解してくれる存在に飢えているときほど、相手の"優しさ"を本物だと錯覚してしまうからです。
婚活パーティーでは毎回、カップル成立になることはありませんでしたが、その時は正美とカップル成立し、後日2人でデートをすることになりました。
久々のデートで浮かれていました。 もちろん、初めてのデートでは「なんで自分みたいな男に?」と警戒心を抱いていましたが、デートの回数が増えるにつれてその警戒心は薄れ、彼女を「信じたい」と思うようになっていきました。振り返ってみれば、彼女が巧妙に信頼関係を築いていったのだと思います。
そして、それとなく正美に対して「結婚を前提につきあってくれないか」とプロポーズをしたんですが、その時には、すでに彼女の術中にハマっていたんですね……。
幸せな結婚生活が待っているはずだったのに?
正美にプロポーズまがいのことをしたら、彼女から「こちらこそ、よろしくお願いします」と言われ、浮かれた自分は彼女に対して早速結婚指輪をプレゼントしました。100万円以上するやつです(苦笑)その後、2人の新居を探すためにマンション巡りをしていたので、彼女に当面の新居を探す資金として50万円を渡していました。自分のプロポーズを受け入れてくれたので、彼女に対して今まで以上に自分を許していたんです。
しかし、正美にお金を渡してから彼女の態度は少しずつ変化して行ったんです。自分からの電話にすぐに出ることは減り、何かにつけてお金をせびるようなことが増えてきました。こちらが彼女に対してお金を貸すことを拒もうとすると「私のこと、もう愛してないの?」って泣くんです。
それで、いろいろと理由をつけて、指輪や新居資金も含め、最終的に彼女に騙し取られた金額は総額1000万円近くになりました。でも、その時の自分は「正美を逃したら、もう一生誰とも結婚することができないかも……」と不安だったのと、結婚に対して焦っていたのもあって、「結婚したら彼女も変わる」と自分自身に言い聞かせていたんです。
結果から言うと彼女は変わらず、お金だけがなくなっていき、気づいたころには正美は自分の前からいなくなっていました。
彼女から届いた最後のメールは今も残しています。「あなたと一緒にいるのに疲れました、さようなら」と一方的に別れ話を切り出され、その後は一切音信不通。電話をしてもメールをしても音沙汰なしでした。
正美がいなくなってから私は食事も喉を通らず、1ヶ月で5kgも痩せましたよ(笑)ただ、1ヶ月も経つと2人の関係を冷静に見直すことができて……やっと正美が詐欺師だったことに気づいて弁護士に相談して……というのが自分の被害内容です。
今振り返ると、彼女が狙ったのは「孤独」と「プライド」だったように思います。人に頼らず生きてきた自分にとって、初めて心を許せた相手だった。それだけに、裏切りを疑うことができなかったんです。結婚詐欺師は、相手の"心の穴"を埋めるように近づく。それが、人が騙される最大の理由です。
まさか自分が結婚詐欺の被害に遭うとは思ってもいませんでしたよ。人を信じることの難しさを痛感しました。
女性の結婚詐欺師がどのような手口でターゲットに近づくのかについては「女性による結婚詐欺の手口と特徴|被害を防ぐための法的対策」で詳しく解説しています。
結婚詐欺の体験談②:長澤さん 女性 39歳 元CA
私、昔はこれでもモテたんです! もともとは航空会社でキャビンアテンダントをしていましたから、若い頃は引く手あまただったし。いろいろな国の男性とデートを重ねてお付き合いもして……と順風満帆な人生を歩んでいたんですが、結婚はなかなかできずにいました。
あまりにもいろいろな人とお付き合いをしすぎていたせいか、目が肥えていたんですよね。私が今までお付き合いした方の中には弁護士や医者、税理士など、いかにも「お金持ち」な男性が多かったので、飛行機から降りて空港勤務になったあとも「元スッチーです♪」とか言って合コンしたりしてたんですけど、なかなか結婚できなくって……。
アラサーを過ぎてあっという間にアラフォーになって、そろそろ結婚しなきゃヤバイって焦りだしてから、婚活パーティーに前以上に顔を出すようにしていました。ただ、同い年で普通の会社員の男性と今更結婚する気なんて…って当時は思っていたので、婚活もうまくいかなかったですね。
私が婚活で悩んでいる時に、たまたま行きつけのバーで出会ったのが、沢村という結婚詐欺師でした。
長澤さんに近づく結婚詐欺師の影
よく私が飲みにいくバーで出会った彼は、たまたま私の隣でお酒を飲んでいた人です。先にバーでお酒を飲んでいた私の隣に座った彼は、私よりもちょっとぐらい若く色気のある人で、隣に座られた瞬間「ドキッ」としてしまったのを今でも覚えています。
その日は1人で飲むつもりだったんですが、バーの店長が気を利かせてくれて、私と彼、結婚詐欺師の沢村との間を取り持ってくれたんです。今は「余計なことを…」と思っていますが、その時は「さすが、マスター気が利く~♪」と素直に感謝していました。
隣に座った彼と一緒にお酒を飲み、お互いに趣味の話をしていると、私も彼も映画が好きなことがわかって意気投合。お互いに好きな映画が『アメリ』だったことが判明し、彼から「美味しいクリームブリュレ食べられるところに行かない?」と言われ、2人でバーを抜け出しました。
それからは連絡先を交換して、2人でデートすることになりました。
結婚詐欺師の術中にどっぷりハマる長澤さん
私を騙した沢村は、デートの時は本当にスマートな人でした。いつのまにか会計は終わらせてるし、常にレディーファーストを忘れないし、ほんと嘘みたいに女性の扱いが上手い人でした。そんな彼の振る舞いも私を夢中にさせた要因だったのでしょう。その頃には、彼にぞっこん。しかも、小規模ながら広告代理店を立ち上げたばかり…と聞いて、ますます彼のことを好きになっていました。
彼は、自分の夢を語る時の目が本当にキラキラしていたんです。「仕事が軌道に乗ったら結婚しよう」「君と一緒に会社を大きくしたい」と言われて、私は完全に信じてしまいました。人はなぜ結婚詐欺に騙されるのか。それは、"希望を見せてくれる言葉"ほど、疑いにくいものはないからです。
ただ、付き合ってから1ヶ月ほどしてから「事業がうまくいっていない」とか「資金繰りが苦しくってデートができなくって、ごめん」と言われるようになったんです。
私としてはそんな彼のことがいじらしくって、「デート代くらい私が出るよ!」「事業がうまく行くように私に手伝えることないかな?」と彼に言ってしまったんです。私は沢村との恋を"最後の恋"にするつもりだったんで、彼が困っているのなら、私の支援で彼の仕事が成功するのなら、お金を出すのは惜しまないつもりでした。
はじめのうちは2人のデート代を私が払うぐらいのものでした。それが少しずつ「経費が足りないから30万円出してくれないか」になり、最終的には「このままだと不渡りが…」と会社の経営に関わるお金すら私に頼るようになっていました。
でも、そのときは「どうにかして、彼の会社を助けなきゃ!」と思っていたので、結局定期預金を解約して彼に合計600万円ぐらいかな? お金を援助していたんです。
彼は私からお金を借りるたびに、まるで拾われた子犬みたいな顔をして「いつも、ごめんね」「このお金はきっと返すから」と私の目を見て言うんです。そんな申し訳なさそうな顔をされて謝られたら、女の私は何も言えませんよね。
ウソで固められた彼は突然姿を消した
そして、ある日突然、沢村は消えました。 昨日までLINEして「愛してるよ」とか「今、仕事うまくいってるんだ」と言ってた人が、急に連絡が取れなくなるんです。LINEの返信もない。 メールも無視。 電話をすれば「この電話は現在使われておりません」。
しかも、事務所だったはずのところも本当はレンタル事務所で、広告代理店で社長をしているという言葉も、真っ赤なウソ。まるで沢村という男が存在していなかったかのように、すっかり消えてしまったんです。
沢村が消えてから1日はショックのあまり、なんにも考えられませんでした。2日目になり、ようやく沢村という男がいなくなったことを受け入れ、3日目に沢村の手口が結婚詐欺であることを知りました。それからの行動は早かったですよ(笑) 警察に被害届を出して、その足で法律事務所に行って……!
結果、運よく沢村から騙し取られたお金の一部が返って来たので、これだけはマシですが、それよりも私が失った時間は、もう取り戻せません。「結婚詐欺に引っかかった」なんて、忘れてしまいたいですが、ショックが大きすぎて沢村に騙されてから3年が経ちますが、未だに男性不信です。結婚詐欺の被害に遭った場合の相談先や弁護士に依頼するメリットについては「結婚詐欺の相談は弁護士へ|相談窓口・メリット・費用を解説」で詳しく紹介しています。
結婚詐欺に遭って初めて気づいたのは、"恋愛感情が生まれると、人は自分に都合の悪いサインを見えなくする"ということ。彼の話に少しでも違和感を覚えた瞬間はあったのに、「そんなはずない」「彼を信じたい」と思ってしまった。結婚詐欺師は、"信じたい心理"を巧みに利用する。それが、私が学んだ痛烈な教訓です。
結婚は、きっともう無理でしょうね…。両親に花嫁衣装も、孫を抱かせてあげることも、今のところ無理そうです。
結婚詐欺の被害に遭われた方・不安を感じている方へ
2つの体験談が示すように、結婚詐欺師は「孤独」や「焦り」、「信じたい」という人間の自然な感情につけ込んで近づいてきます。恋愛感情が絡むと、職業や社会的地位に関係なく、誰もが被害者になりえるのです。
結婚詐欺の被害は、時間が経つほど相手の所在がわからなくなり、騙し取られたお金の回収が難しくなります。早い段階で弁護士に相談することで、証拠の整理や返還請求の見通しを立てることができ、被害回復の可能性が高まります。
「交際相手にお金を渡してしまったが、連絡が取れなくなった」「まだ被害かどうか確信が持てないが、不安がある」という段階であっても、ためらわずにご相談ください。当事務所では結婚詐欺を含む詐欺被害の解決実績が豊富な弁護士が、全国どこからでも無料でご相談をお受けしています。おひとりで抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
※本記事で紹介した体験談は、弁護士が実際に対応した相談事例をもとに再構成したものです。事実関係の一部にはフィクションを交え、個人が特定されないよう十分に配慮しています。
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この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

