このようなことが気になっていませんか?
そこでこの記事では、年間で250件以上の結婚詐欺の相談・解決の依頼を受けている弁護士が、実際にあった結婚詐欺の事例を2つ紹介したいと思います。
被害者は医師と元CAですので、一般的には”しっかり者”というイメージが強い職業と思われますが、そのような方々でも結婚詐欺師の手にかかれば簡単に騙されてしまう現実が実例からわかって頂けると思います。
興味本位の方も、結婚詐欺の実例を知って反面教師にしたい方も、最後まで読んでみてください。
※被害者本人の承諾を得たうえで体験談の形で紹介していますが、個人情報保護の観点からフィクションを盛り込んでいます。ご了承ください。
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目次
結婚詐欺の実例①:山崎さん 男性 36歳 医師
好きだった彼女と連絡が取れなくなり、1ヶ月が経つまで自分が結婚詐欺の被害にあったことを信じられずにいました。もともと勉強は出来るけれど、人付き合いが苦手だった自分は医者になってからもなかなか出会いがありませんでした。
世間では「医者はモテる」とか「医者になれば人生ウハウハ」とか言われますが、自分のように大して顔もよくない医者はそこまでモテないんです。もちろん、職業柄お金はある程度は持っていますのでお金目当てで近づいてくる女性はいますが…、純粋に恋愛や結婚をしたいと思える異性はなかなか……。
そもそも人付き合いが苦手で、付き合った彼女は大学時代に1人だけ、という状況でした。医者になって10年近くが過ぎ周りは――同じ病院の看護師たちも結婚するのに自分だけはいつまでも独身で正直焦っていました。
そんな折にテレビで今は「婚活ブーム」であることを知り、後日自分も結婚相手を探すために結婚相談所に申し込みを行ったのですが……。
結婚相談所のパーティーにうんざりした山崎さんでしたが……?
仕事の休みに結婚相談所に行き、まるまる1日使って相談所に自分の登録を行いました。その後は結婚相談所が主催するパーティーに参加したり、結婚アドバイザーの人にいろいろとアドバイスを貰ったりしていたのですが、毎度、この婚活パーティーにはうんざりしました。
さっきまで自分に興味がなかった女性が自分の職業を聞くなり、目を輝かせて「山崎さんって、すご~い!」とか言ってくるんですよ?さっきまでの態度は一体なんだったんだって言う(笑)
そういう女性に辟易していたのもあって正直婚活パーティーには期待をしていなかったのですが……そこで出会ったのが自分を騙した正美(仮名)でした。彼女だけは、他の婚活女性と違って職業を聞く前から、決して顔が良くない自分に対しても優しかったですし、医者だという話を打ち明けても「へーそうなんですね~」と変わらぬ態度で接してくれました。
今思えばそれも単なる演技だったんでしょうが、自分は私の前で態度を変えない彼女のことを気に入ってしまいました。そして、婚活パーティーでは毎回、自分はカップル成立になることはないのですが、その時は正美とカップル成立し、後日2人でデートをすることになったんです。
久々のデートで浮かれていました。 もちろん、初めてのデートでは「なんで自分みたいな男に?」と彼女に対して警戒心を抱いていましたが、デートの回数が増えていくうちにその警戒心もなくなって行き、自分の中で彼女の存在が大きくなって来ました。
そして、それとなく正美に対して「結婚を前提につきあってくれないか」とプロポーズをしたんですが、その時には、すでに彼女の術中にハマっていたんですね……。
幸せな結婚生活が待っているはずだったのに……?
正美にプロポーズまがいのことをしたら、彼女から「こちらこそ、よろしくお願いします」と言われ、浮かれた自分は彼女に対して早速結婚指輪をプレゼントしました。100万円以上するやつです(苦笑)その後、2人の新居を探すためにマンション巡りをしていたので、彼女に当面の新居を探す資金として50万円を渡していました。自分のプロポーズを受け入れてくれたので、彼女対して今まで以上に自分を許していたんです。
しかし、正美にお金を渡してから彼女の態度は少しずつ変化して行ったんです……。自分からの電話にすぐに出ることは減ったし、何かにつけてお金をせびるようなことが増えてきました。こちらが彼女に対してお金を貸すことを拒もうとすると「私のこと、もう愛してないの?」って泣くんです。
それで、いろいろと理由をつけて、彼女から総額1000万円近くですかね、騙し取られました。でも、その時の自分は「正美を逃したら、もう一生誰とも結婚することができないかも……」と不安だったのと、結婚に対して焦っていたのもあって、「結婚したら彼女も変わる」と自分自身に言い聞かせていたんです。
結果から言うと彼女は変わらず、お金だけがなくなっていき、気づいたころには正美は自分の前から消えていなくなっていたんです。
彼女から自分のスマホに送られてきたメールは今も保存しています。「あなたと一緒にいるのに疲れました、さようなら」と一方的に別れ話を切り出され、その後は一切音信不通。電話をしてもメールをしても音沙汰なしでした。
正美がいなくなってから私は食事も喉を通らず、1ヶ月で5kgも痩せましたよ(笑)ただ、1ヶ月も経つと2人の関係を冷静に見直すことができて……やっと正美が詐欺師だったことに気づいて弁護士に相談して……というのが自分の被害内容です。
まさか自分が結婚詐欺の被害に合うとは思ってもいませんでしたよ。 やっぱり、女って怖いですよね(苦笑)
結婚詐欺の実例②:長澤さん 女性 39歳 元CA
私、昔はこれでもモテたんです! もともとは航空会社でキャビンアテンダントをしていましたから、若い頃は引く手あまただったし。いろいろな国の男性とデートを重ねてお付き合いもして……と順風満帆な人生を歩んでいたんですが、結婚はなかなかできずにいました。
あまりにもいろいろな人とお付き合いをしすぎていたせいか、目が肥えていたんですよね。私が今までお付き合いした方の中には弁護士や医者、税理士など、いかにも「お金持ち」な男性が多かったので、飛行機から降りて空港勤務になったあとも「元スッチーです♪」とか言って合コンしたりしてたんですけど、なかなか結婚できなくって……。
アラサーを過ぎてあっという間にアラフォーになって、そろそろ結婚しなきゃヤバイって焦りだしてから、婚活パーティーに前以上に顔を出すようにしていました。ただ、同い年で普通の会社員の男性と今更結婚する気なんて…って当時は思っていたので、婚活もうまくいかなかったですね。
私が婚活で悩んでいる時に、たまたまた行きつけのバーで出会ったのが、沢村という結婚詐欺師でした。
長澤さんに近づく結婚詐欺師の影……
よく私が飲みにいくバーで出会った彼は、たまたま私の隣でお酒を飲んでいた人です。先にバーでお酒を飲んでいた私の隣に座った彼は、私よりもちょっとぐらい若く色気のある人で、隣に座られた瞬間「ドキッ」としてしまったのを今でも覚えています。
その日は1人で飲むつもりだったんですが、バーの店長が気を利かせてくれて、私と彼――結婚詐欺師の沢村との間を取り持ってくれたんです。今は「余計なことを……」と思っていますが、その時は「さすが、マスター気が利く~♪」と素直に感謝していました。
隣に座った彼と一緒にお酒を飲み、お互いに趣味の話をしていると、私も彼も映画が好きなことがわかって意気投合。お互いに好きな映画が『アメリ』だったことが判明し、彼から「美味しいクリームブリュレ食べられるところに行かない?」と言われ、2人でバーを抜け出して……。
それからは連絡先を交換して、2人でデートすることになりました。
結婚詐欺師の術中にどっぷりハマる長澤さん……
私を騙した沢村は、デートの時は本当にスマートな人でした。いつのまにか会計は終わらせてるし、常にレディーファーストを忘れないし、ほんと嘘みたいに女性の扱いが上手い人でした。そんな彼の振る舞いも私を夢中にさせた要因だったのでしょう。 その頃には、彼にぞっこん。しかも、広告代理店として独立したばかり……と聞いて、ますます彼のことを好きになっていました。
ただ、付き合ってから1ヶ月ほどしてから「事業がうまくいっていない」とか「資金繰りが苦しくってデートができなくって、ごめん」と言われるようになったんです。
私としてはそんな彼のことがいじらしくって、「デート代くらい私が出るよ!」「事業がうまく行くように私に手伝えることないかな?」と彼に言ってしまったんです。私は沢村との恋を"最後の恋"にするつもりだったんで、彼が困っているのなら、私の支援で彼の仕事が成功するのなら、お金を出すのは惜しまないつもりでした。
まぁ、結局そんな私の気持ちを彼が利用した結果になったんですけどね……。
はじめのうちは2人のデート代を私が払う、ぐらいのものでした。それが少しずつ「経費が足りないから30万円出してくれないか」になり、最終的には「このままだと不渡りが……」と会社の経営に関わるお金すら私に頼る始末でした。
でも、そのときは「どうにかして、彼の会社を助けなきゃ!」と思っていたので、結局定期預金を解約して彼に合計600万円ぐらいかな? お金を援助していたんです。
彼は私からお金を借りるたびに、まるで拾われた子犬みたいな顔をして「いつも、ごめんね」「このお金はきっと返すから」と私の目を見て言うんです。そんな申し訳なさそうな顔をされて謝られたら、女の私は何も言えませんよね。
ウソで固められた彼は突然姿を消した…
そして、ある日突然、沢村は消えました。 ほんと映画や小説で「犯人は急にいなくなった」とか言うじゃないですか、まさしくアレですよ、アレ。
昨日までLINEして「愛してるよ」とか「今、仕事うまく言ってるんだ」とか言ってた人がある日突然、連絡が取れなくなるんです。LINEの返信もない。 メールも無視。 電話をすれば「この電話は現在使われておりません」。
しかも、事務所だったはずのところも本当はレンタル事務所で、広告代理店で社長をしているという言葉も、真っ赤なウソ。まるで沢村という男が存在していなかったかのように、すっかり消えてしまったんです。
沢村が消えてから1日はショックのあまり、なんにも考えられませんでした。2日目になり、ようやく沢村という男がいなくなったことを受け入れ、3日目に沢村の手口が結婚詐欺であることを知りました。それからの行動は早かったですよ(笑) 警察に被害届を出して、その足で法律事務所に行って……!
結果、沢村から騙し取られたお金は返って来たので、これだけはマシですが、それよりも私が失った時間は、もう取り戻せません。「結婚詐欺に引っかかった」なんて、忘れてしまいたいですが、ショックが大きすぎて沢村に騙されてから3年が経ちますが、未だに男性不信です。
結婚は、きっともう無理でしょうね………。 両親に花嫁衣装も、孫を抱かせてあげることも、今のところ無理そうです。
結婚詐欺の実例を学んで、未然に被害を防止しよう!
「私は騙されない」とみんな思っています。 しかし、実際には「私は騙されない」と思っている人ほど、結婚詐欺の被害にあっています。結婚詐欺だけでなく、さまざまな詐欺にも言えることですが、ほとんどの場合「自分だけは大丈夫」という油断が隙を生みます。
本来ならば、結婚を前提とした恋人同士であったとしても、お金のやり取りに関しては神経質になるべきですが、現実的にそれは難しい。なぜなら「好きな人の力になってあげたい」と思う気持ちは、ごく自然な当たり前のことだからです。
たとえ、お金が返ってくる見込みがなかったとしても、好きな人のためだったら何かしてあげたいと思うのが人間というもの。しかし、そんなあなたの優しさを結婚詐欺師は、狙っています。
今回ご紹介した山崎さんと長澤さんの事例を見てもわかる通り、結婚詐欺師はいつどこであなたを狙っているかわかりません。大切なお金と、お金以上に大切な自分の人生の時間をだまし取られないために、お付き合いする相手のことをよく観察し、結婚に対してもっと冷めた目で見ることをオススメします。
もし結婚詐欺の被害にあってお困りの場合には、当法律事務所までお気軽にご相談ください。親身誠実に、アナタの大切なお金を取り戻すために弁護士が全力で対応します。
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