
「情報商材詐欺の犯人を逮捕してほしい」「警察に相談すれば動いてくれるのか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、情報商材詐欺で警察が逮捕に踏み切るケースは決して多くありません。実際に逮捕された事案を見ると、被害者が数百人から数千人、被害総額が数億円という大規模なケースに限られています。
この記事では、実際の逮捕事例を紹介しながら、情報商材詐欺がなぜ立件されにくいのかを弁護士が解説します。逮捕が難しい場合でも、民事手続きによる返金請求で被害を回復できる可能性があります。
なお、情報商材詐欺の被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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情報商材詐欺の3つの逮捕事例
ここでは、実際に警察が動いた情報商材詐欺の逮捕事例を3つ紹介します。いずれもマスコミで大きく報道された事件です。
各事例を見る際は、「被害人数」と「被害総額」に特に注目してください。警察が逮捕に踏み切った事案には共通点があります。
逮捕事例①:投資代行を装った詐欺事件
2019年9月、大阪府警が詐欺容疑で男女5人を逮捕しました。
容疑者らは架空の大富豪投資家を演じさせた宣伝動画をメールで配信し、「投資で成功する方法を教えても失敗する人がいるため、代わりに私が資産運用をして、毎月最低10万円を参加者にプレゼントする」と謳っていました。参加費として約10万円の情報商材を購入させる手口です。
手口は巧妙でした。報酬を支払ってサクラを雇い成功者として動画に出演させたり、実際には存在しない入金を示す偽の通帳画像を用意したり、「成果が出なければ返金保証」という文言で安心感を与えるなど、典型的な情報商材詐欺の手法がとられていました。
逮捕容疑は5人から約53万円を詐取したこととされていますが、実際の被害規模は約6800人(延べ)から9億2千万円に上るとされています。
逮捕事例②:転売ビジネス情報商材詐欺事件
2019年2月、愛知県警が詐欺と特定商取引法違反(不実告知)の疑いで9名を逮捕しました。
容疑者らはインターネット通販での転売によって収入が得られると謳い、転売に必要な商品検索ツールの契約を結ばせていました。
集客では「有名講師が開発した究極の在宅ビジネス手法」「自宅で一人で作業するだけで月300万円が目指せる」「まずは3日間で最大5万円を稼いでもらう」といった魅力的な宣伝文句で人々を引き寄せていました。
まず約1万円の転売ノウハウ情報商材を販売し、その購入者に対してさらに高額な商品検索ツールの契約を勧める二段階の販売手法です。このツールの契約料は利用期間に応じて10万円から130万円と高額でした。
信頼性を高めるため、著名人との対談動画を用意したり、プロの役者を使って「実際に稼げた」という体験談動画を作成したりしていました。
しかし実態は悪質そのものでした。情報商材の中身はインターネット上で無料で入手できる程度の一般的な転売ノウハウであり、高額な商品検索ツールも単に大手通販サイトの売れ筋ランキングを表示するだけの粗末な内容だったのです。
逮捕容疑は男女二人から計133万円をだまし取ったことでしたが、実際には約2000人が被害に遭い、総額約6億9千万円に上ると見られています。
逮捕事例③:バイナリーオプション投資情報商材詐欺事件
2020年10月、岡山県警が特定商取引法違反の疑いで4名を逮捕しました。
容疑者らはSNSや出会い系サイトで知り合った20代前半の若者を中心に、バイナリーオプション取引の勝率が上がるとうたった投資マニュアルを約50万円で販売していました。
販売の際、契約解除に関する事項などを記載した書面を交付せず、「返金はできない」などの虚偽の説明を行っていました。中には消費者金融から現金を借りて個別指導代金132万円を支払わされた被害者もいました。
バイナリーオプションとは外国為替の値動きを二者択一で予想する金融商品ですが、リスクも高く、これを利用した詐欺が横行していました。
被害は約450人、総額約3億5千万円にまで広がったとされています。
情報商材詐欺が逮捕されにくい3つの理由
逮捕事例を見ると、いずれも数百人から数千人規模の被害者がおり、被害総額も億単位に上っています。では、なぜこれほど大規模な被害が出るまで逮捕されないのでしょうか。
ここからは、情報商材詐欺の逮捕が難しい理由を3つに分けて解説します。
①詐欺の証明が難しいから
情報商材販売者が逮捕されるためには、加害者の欺罔行為(騙す行為)により被害者が錯誤(勘違いすること)に陥り、被害者が加害者に財物を交付する必要があります。
しかし、情報商材の内容が本当に虚偽であったのか、故意(騙そうとする意思)があったのかを証明することは極めて困難です。警察に相談しても対応してもらえないケースについては「詐欺で警察が動かない4つの理由|民事不介入と動いてもらう方法」もあわせてご確認ください。
例えば、「1日たった30分、クリックだけで月に100万円稼げる裏ワザ」「たった3万円が半年後に1億円に化けるFX攻略法」といった胡散臭いキャッチコピーの情報商材があったとします。しかし、警察はあくまでも犯罪を捜査して犯人を逮捕するのが仕事であって、警察自身が情報商材に書かれている内容を実行して、内容が嘘かどうかを検証することまではしてくれません。
また、「実際に商材の内容通りに実践してみたが誰がやっても絶対に儲かるはずがありません!」と警察に相談に来た人が叫んだとしても、"絶対に誰もが稼げない"ことを相談者が証明することは不可能でしょう。
しかも、情報商材詐欺の販売サイトの「特定商取引法に基づく表記」のページには、「結果には個人差があります。全ての人の成功を保証するものではありません」といった文言が記載されていることが多く、「購入者には結果保証をしないことを事前に伝えている。騙す意思(故意)はなかった」という逃げ道を準備しているため、警察も詐欺で立件するのは難しいのです。
②警察への被害申告が集まらないから
上記で詐欺の立証が難しいことをお伝えしましたが、被害者が数多くいる場合は別です。
多くの人が"騙された"と被害申告をしてくれば、「誰もが結果を出せない虚偽の情報が書かれた商材」であることが証明しやすくなり、「金銭を騙し取る意思があったであろう」と強い推測が及びます。
しかも被害者が多ければ被害額も当然大きくなり、マスコミで報道されて社会問題になることもあります。事件が大きくなれば警察も本格的に捜査に乗り出し、犯人逮捕に動く可能性が高まります。先ほど紹介した情報商材詐欺の逮捕事例での被害人数や被害額を見れば明らかでしょう。
とはいえ実際のところ、警察に被害届や告訴状を提出する人はあまり多くありません。
なぜなら、犯人が警察に捕まったところで警察が犯人からお金を取り戻して被害者に返金する手続きをとってくれることはないからです。
警察はあくまでも刑事事件を扱う組織であり、金銭の返還請求は民事事件です。民事不介入の原則により警察はお金に関してはノータッチなのです。
そのため、最初から弁護士を代理人として民事で返金請求を行う被害者も多く、警察に被害申告があまり集まらずに立件されないことにもつながっています。情報商材詐欺の具体的な返金方法については「情報商材詐欺の返金請求と相談先|クーリングオフも解説」で詳しく解説しています。
③誇大広告として行政処分で処理されることが多いため
宣伝文句と商品の中身に大きな齟齬があれば、消費者からすれば「詐欺だ!」と思いがちです。
しかし現実的には詐欺罪で警察が逮捕に動くケースは少なく、特定商取引法違反の誇大広告として行政処分に留まることがほとんどです。
特定商取引法の行政処分の種類としては「業務改善指示」「業務停止命令」「業務禁止命令」の3種類がありますが、これらの指示や命令に従わない場合は罰金刑や拘禁刑も課せられます。また、誇大広告をしたこと自体で100万円以下の罰金刑に処せられることもあります。
とはいえ、詐欺罪のようにいきなり逮捕とはならないため、騙された被害者としては納得できないでしょう。しかも、単なる誇大広告の域を越えて明らかに嘘の情報を掴まされたのであればなおさらです。
しかしこれまで説明したように詐欺であることの証明は非常に難しく、行政処分に頼らざるを得ないのが現実です。逮捕や行政処分に頼れない場合に弁護士へ返金請求を依頼するときの費用については「詐欺被害の弁護士費用と相場|費用倒れを防ぐ方法も解説」をご参照ください。
※2025年6月1日施行の刑法改正により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。本記事の法定刑の記載は改正後の内容に基づいています。
情報商材詐欺の被害にお悩みの方は弁護士にご相談ください
情報商材詐欺で警察が逮捕に動くのは被害者数百人以上・被害総額数億円規模の事案に限られており、個人の被害だけで刑事事件化を実現するのは現実的ではありません。
しかし、逮捕が難しいからといって泣き寝入りする必要はありません。民事上の手続きを通じて、販売者や決済代行会社に対する返金請求を行うことは可能です。弁護士が介入することで、内容証明郵便による請求や交渉、必要に応じた訴訟手続きを通じて、被害金を取り戻せる可能性が高まります。
情報商材を購入して「騙された」と感じていても、どこに相談すればよいかわからず一人で抱え込んでしまう方は少なくありません。すでに販売者と連絡が取れなくなっている場合や、返金保証を求めても応じてもらえない場合でも、対応できる手段はあります。
弁護士法人若井綜合法律事務所は、情報商材詐欺をはじめとする詐欺被害の返金請求を数多く手がけてきた実績があります。全国どこからでも、電話・メール・LINEによる無料相談をご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

