情報商材詐欺の4つの逮捕事例【逮捕されにくい3つの理由とは】

情報商材詐欺の被害者の方には冒頭から酷な話ですが、警察が詐欺で逮捕に踏み切る事例はけして多くありません。

「え!?詐欺罪は立派な犯罪では?」
「逮捕事例もあるんでしょ⁉」

そう思われるのも当然ですし、たしかにこの記事では情報商材詐欺の逮捕事例も紹介します。

ただ、やはりそれでも、全体的な件数に対して逮捕にまで至るケースが少ないのは事実です。

そこでこの記事では、まずは逮捕事例を紹介し、「警察が動くのはどのような事案なのか」を知って頂き、そのうえで「なぜ情報商材詐欺は逮捕されにくいのか」その理由を弁護士がわかりやすく解説していきます。

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情報商材詐欺の4つの逮捕事例

マスコミでも報道された情報商材詐欺の逮捕例を紹介します。

読むにあたり特に注目して頂きたい点は、「被害人数と被害額」です。

逮捕事例①:加藤浩太郎のGIFTプロジェクト

2019年9月25日、大阪府警生活経済課が詐欺容疑で八木雄一(31)、伊藤紘一(65)ら男女5人を逮捕しました。

八木容疑者らが「GIFTプロジェクト」という名称の企画の宣伝動画をメールで配信し、FXで80億円以上の資産を築いたという”大富豪投資家 加藤浩太郎”を伊藤容疑者が演じていました。

宣伝文句は、「稼ぐ方法をどんなに上手に教えてもどうしても失敗してしまう人がいるので、私(伊藤容疑者)が皆様の代わりに稼いで、最低でも月に10万円をギフトします」というもので、参加費として約106,000円の情報商材を購入させる手口でした。

動画には出演1回2万円のサクラを用いており、ギフトを受け取ったという人の偽の入金履歴の画像を準備したり、返金保証を謳うなど典型的な情報商材詐欺のやり口です。

逮捕容疑は、平成29年4~5月ごろに大阪府や京都府在住の50~60代の男女5人から約53万円を詐取したこととされていますが、実際には約6800人(延べ)から9億2千万円を集めたとされています。

逮捕事例②:SENERの仮想通貨詐欺

2018年8月14日、金融庁への登録をせずに金融商品への投資を募ったとして、警視庁は金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで柴田千成容疑者(46)ら8名を逮捕しました。

8名はアメリカの投資会社「SENER」に出資すれば元本保証で最大月に20%の配当を受けられると宣伝し、先物取引への出資を勧誘していました。

2017年2月ごろからこの勧誘を開始しましたが同年6月には配当出金が停止しており、実際には集めた資金を運用せずに、後から参加した出資者から集めたお金を先に参加した人への配当に回すいわゆるポンジ・スキーム(自転車操業)という詐欺の手法をとっていたとみられています。さらに紹介ボーナスもあり、いわゆるマルチ商法型出資勧誘の手口で参加者を一気に増大させました。

逮捕容疑は、2017年2~5月ごろ金融商品取引業を金融庁に登録せずに東京や千葉の40~70代男女9人から現金約2900万円の出資を受けたこととされていますが、実際は約6000人(延べ)から約83億円の出資金を集めたとされております。

この83億円のほとんどがビットコインでの出資を募っており、金融商品取引法では仮想通貨による投資が規制対象外となっていることから現金約2900万円のみの立件となりました。

逮捕事例③:神谷隆介のフロムネットサーフィン

2019年2月13日、ネット通販サイトで転売収入が得られるとうたい、転売用の売れ筋商品を検索するサイトの利用契約を結ばせたとして、愛知県警は詐欺と特定商取引法違反(不実告知:虚偽の説明のこと)の疑いで東京都のコンサルティング会社「TURKS」の元社長神谷隆介(40)ほか元従業員ら男女9名を逮捕しました。

神谷容疑者らは「簡単ネットウォッチング」というサイトを開設し、「元カリスマ塾講師が考案した究極の在宅ビジネスメソッド」「1ヶ月で300万円を目指せる!! 自宅で一人で!!」「とりあえず3日間で最大5万円稼いでもらいます!!」といったあおり文で集客し、フロムネットサーフィンという名のせどりの情報商材を10500円で販売していました。

胡散臭さを誤魔化す為に元モーニング娘の石黒彩さんとの対談や、役者を使って体験者が成果をあげられたかのような動画もセールスレターに掲載していました。

そしてさらに、この情報商材を購入した人に「セドリーチ」という転売用の売れ筋商品を検索できるツール(サイト)の利用契約をすすめ、そのサイトの利用期間に応じて10万円~130万円の契約料を得ていました。

しかし、この情報商材の中身は中国のタオバオなどの商品を無在庫転売するノウハウで、ネットで無料で手に入るレベルのものでした。さらにセドリーチについても単に有名なネット通販サイトの売れ筋ランキングの情報を掲載しているだけのお粗末なものでした。

逮捕容疑は、2018年5~6月に滋賀県と福岡県の男女二人から計133万円をだまし取ったこととされていますが、実際は約2000人から被害総額約6億9千万円を詐取したものと見られています。

逮捕事例④:大学生相手に代理店契約ビジネス詐欺

2016年1月12日、ネットを利用した販売促進システムのソフトの販売を偽り大学生から現金をだまし取ったとして、大阪府警はネット関連会社「i-rage Holdings(アイレッジホールディングス)」社長、増田鉄平(31)、「アイレッジインベストメント」社長、政岡将司(26)ら9名を詐欺の疑いで逮捕した。

増田容疑者らは大阪や京都の学生をセミナーに集め、「ネット広告を出したい業者とサイト運営者の仲介をする代理店契約ビジネスで稼げる」「そのためには専用ソフトの購入が必要」と持ち掛けお金を騙し取っていました。

しかしソフトは別業者に外注しており販売促進システムは未完成、つまりは存在していなかった。契約した学生からソフトを引き渡すよう要求されると、「セミナーでもっと実力をつけてから」などと言い逃れをして拒否する手口をとっていました。

また、学生らに「友人を紹介すれば契約金の3分の1を報酬としてバックする」「3人以上紹介すると報酬のランクがアップする」と誘い、その誘いに乗った学生が別の学生を勧誘することでさらに被害者が増加しました。

商品が実際に流通する合法的なネットワークビジネス(いわゆるマルチ商法)とは違い、販売促進システムという商品が不存在の状況でお金だけが下(子・孫・ひ孫…)から上(親)に吸い上げられる状態からして、これはネズミ講(いわゆる無限連鎖講)であり違法です。

逮捕容疑は2015年1月23日に大阪の男子学生(21)からソフトの販売代金などの名目で加盟店契約金の約76万円をだまし取ったこととされていますが、実際は約230人から合計1億7千万円を集めたとされています。

警察の取り調べに対し増田容疑者は、「参加者がシステムを使いこなすレベルに達していなかったから渡していなかった」と話しており、また、政岡容疑者は「私は一会員で運営者ではない。だますつもりはなかった」と容疑を否認しました。

情報商材詐欺が逮捕されにくい3つの理由

①詐欺の証明が難しいから

情報商材販売者が逮捕されるためには、加害者の欺罔行為(騙す行為)により被害者が錯誤(勘違いすること)に陥り、被害者が加害者に財物を交付する必要があります。

しかし、情報商材の内容が本当に虚偽であったのか、故意(騙そうとする意思)があったのかを証明することは非常に困難です。

例えば、「1日たった30分、クリックだけで月に100万円稼げる裏ワザ」「たった3万円が半年後に1億円に化けるFX攻略法」といった胡散臭いキャッチコピーの情報商材があったとしても、警察はあくまでも犯罪を捜査して犯人を逮捕するのが仕事であって、警察自身が情報商材に書かれている内容を実行して、内容が嘘かどうかを検証することまではしてくれません

また、「実際に商材の内容通りに実践してみたが誰がやっても絶対に儲かるはずがありません!」と警察に相談に来た人が叫んだとしても、”絶対に誰もが稼げない”ことを相談者が証明することは不可能でしょう

しかも、情報商材詐欺の販売サイトの「特定商取引に基づく表記」のページには、「結果には個人差があります。全ての人の成功を保証するものではありません」といった文言が書かれていることが多く、「購入者には結果保証をしないことを事前に伝えている。騙す意思(故意)はなかった」という逃げ道を準備しているため、警察も詐欺で立件するのは難しいのです。

②警察への被害申告が集まらないから

上記で詐欺の立証が難しいことをお伝えしましたが、被害者が数多くいる場合は別です。

多くの人が”騙された”と被害申告をしてくれば、「誰もが結果を出せない虚偽の情報が書かれた商材」であることが証明しやすくなり、「金銭を騙し取る意思があったであろう」と強い推測が及びます。

しかも被害者が多ければ被害額も当然大きくなりマスコミで報道されて社会問題になることもあります。警察もメンツがありますので事件が大きくなれば本格的に捜査に乗り出して犯人逮捕に動く可能性もアップします。先ほど紹介した情報商材詐欺の逮捕事例での被害人数や被害額を見れば明らかでしょう。

とはいえ実際のところ、警察に被害届や告訴状を提出する人はあまり多くありません。

なぜなら、犯人が警察に捕まったところで警察が犯人からお金を取り戻して被害者に返金する手続きをとってくれることはないからです。

警察はあくまでも刑事事件を扱う組織であり、金銭の返還請求は民事事件です。民事不介入の原則により警察はお金に関してはノータッチなのです。

そのため、最初から弁護士を代理人として民事で返金請求を行う被害者も多く、警察に被害申告があまり集まらずに立件されないことにもつながっています。

③誇大広告として行政処分で処理されることが多いため

宣伝文句と商品の中身に大きな齟齬があれば、消費者からすれば「詐欺だ!」と思いがちです。

しかし現実的には詐欺罪で警察が逮捕に動くケースは少なく、誇大広告として特定商取引法違反として行政処分に留まることがほとんどです

特定商取引法の行政処分の種類としては「業務改善指示」「業務停止命令」「業務禁止命令」の3種類がありますが、これらの指示や命令に従わない場合は罰金刑や懲役刑も課せられます。また、誇大広告をしたこと自体で100万円以下の罰金刑に処せられることもあります。

とはいえ、詐欺罪のようにいきなり逮捕とはならないため、騙された被害者としては腑に落ちない気持ちになることでしょう。しかも、単なる誇大広告の域を越えて明らかに嘘の情報を掴まされたのであればなおさらです。

しかしこれまで説明したように詐欺であることの証明は非常に難しく、行政処分に頼らざるを得ないのが現実です。

まとめ

役に立たないゴミ屑のような情報商材を高値で購入させられたとしても、余程被害者が多く、被害金額が大きくないと警察が逮捕に踏み切るのが難しいことがお分りいただけたと思います。販売者を逮捕してもらい、一矢報いてやりたいというお考えの方は非常に悔しい思いをされていることでしょう。

ただ、相手を逮捕してもらうことよりも、返金させることに主眼を置いているようでしたら弁護士に交渉や訴訟の代理をしてもらえばお金が戻ってくる余地は十分あります。

弁護士法人若井綜合法律事務所では、詐欺被害の返金に力を入れており、依頼者のために親身誠実に全力を尽くして返金に向けて動きます全国どこからでも気軽に相談できますので、まずは電話、メール、LINEの無料相談をご活用ください。相談する勇気が解決への第一歩です。

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