- ストーカー被害に遭っているけど、辞めてもらうにはどのような言葉を使えばいいのだろう…
- ストーカーに効く言葉を知りたい…
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
あまり相手を刺激するような言葉では逆につきまとい行為がエスカレートするのではと言葉選びに慎重にならざるを得ない方もいることでしょう。
そこでこの記事では、ストーカーに強い弁護士が、
- 段階別のストーカーに効く言葉
- 男女別のストーカーに効く言葉
を紹介していきます。
記事を読むことで、ストーカー行為のレベルやストーカーの性別によって用いるべき「ストーカーをやめさせるのに効果的な言葉」がわかります。
最後まで読んでも問題解決しない場合やご自身一人での対応が難しいと感じた場合には、弁護士までご相談ください。
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目次
ストーカーに効く言葉(段階別)
ストーカーに対して有効な対処法となるのはどのような言葉なのでしょうか。以下ではストーカーの段階に応じて、「軽度」~「中度」に分けて解説していきます。
初期段階のストーカーに効く言葉
まずは初期段階のストーカーに効く言葉について紹介していきます。
この段階のストーカーは実際の危害は小さい傾向があります。しかし毎日のようにLINEやメールを送ってきたり、頻繁に電話や食事の約束を取りつけようとしてきたりするため、精神的な負担はかなり積みあがってしまっているおそれがあります。
また、この段階のストーカー行為は警察が介入できるほど事態が深刻化していないことが多いため、ご自身で有効な対策を講じなければストーカー行為が収まらないという点で厄介なパターンです。
このような初期段階のストーカーには以下のような言葉が有効な可能性が高いです。
「いま忙しいので対応できない」
これは相手から相当な頻度で連絡やメッセージを送られて困っているときに有効な言葉です。
相手からの連絡頻度が多すぎて対応するのが億劫だ、毎回返事を求められるので相手の圧力に精神的に参っている、という場合には相手からの連絡頻度を減らす方向に行動する必要があります。
- 最近、(仕事やプライベートが)忙しいので、連絡することができません
- 先行き不透明ですが、落ち着いたころにまた連絡します
このような要素のメッセージを相手に送ってあとは放置しておけばよいのです。
このように対応することで、頻繁にやり取りができないのはあなたが多忙であることが原因であり、その原因はいつ解消されるか分からないというメッセージを相手に伝えることができます。
良識的な感覚を持っている相手の場合には、あなたからこのような連絡が来た段階で、「これまでの自分の行動が相手に迷惑をかけていたのではない」かと内省し、ストーカー行為が終了するという可能性があります。
「多忙につき対応できない」という返事は、冷静に考えると「相手のために使う時間」が他のどのような事項よりも劣後するという内容のメッセージです。あなたの他のどのような予定よりも「相手のために使う時間」が優先する日は来ませんので、強い気持ちで無視を継続することが重要でしょう。
「パートナーがいるので連絡されると困る」
ストーカーがあなたに対して恋愛感情を抱いている場合には、あなたには特定のパートナーがいることを適切に伝えるだけで、つきまとい行為が無くなる可能性があります。
相手があなたに恋人や配偶者がいることを知らなかった・フリーだと勘違いしていたというだけの場合には、素直にあきらめてストーカー行為をやめる可能性が高いです。
「パートナーがいる」という言葉は、あなたには「相手のために使う時間」よりも他に時間を割くべき重要な人物が存在しているということを知らせるメッセージとなります。
そのため、あなたにとって自分の優先度が明らかに低いことが分かると、途端に連絡をとるのを諦める物分かりの良い相手もいます。
結局ストーカーよりも優先度の高い事情がたくさんあるということを伝えることが重要なため、実際には恋人も配偶者もいない場合であっても「他に好きな人がいる」と伝えることには絶大な効果があります。
しつこいストーカーに効く言葉
次に、しつこいストーカーに効く言葉はどのようなものなのでしょうか。
ここでいう「しつこいストーカー」とは、あなたの立場に立って物事を考えることが極端に苦手な人や、とにかく自分の好意や欲求をぶつけることに躍起になっているようなタイプの人を指します。
この段階のストーカーは中度のレベルであると考えることができるでしょう。
初期段階のストーカーに効く言葉を使っても効果がなくストーカー行為が続くような場合には、以下のような言葉で対処することが考えられます。
「あなたの行為に迷惑しています」
しつこいストーカーの場合には、もはや遠回りな拒絶や間接的な拒否では効果がない可能性が高いです。忙しく時間が取れないことや、相手にパートナーがいたとしても意に介さない態度をとる相手には、単刀直入・ストレートに拒絶の意思を伝えていくしかありません。
「申し訳ありませんが、迷惑しています」とはっきりと伝えることで、ようやく事態を深刻さを理解してストーカー行為をやめる可能性があります。
ストーカー被害に悩んでいる方の中には、相手に対してこのような強い拒絶の意思表示をすることを躊躇しているうちに、ズルズルと相手のペースに乗せられて憔悴してしまっているという人も多くいます。
しかし、ストーカー行為をやめてもらうためには、相手が変わるのを漫然と待っていても解決する見込みはありません。あなた自身が変わって行動を起こすことが重要だということは理解しておきましょう。
「もう連絡してこないでください」
このような言葉も、しつこいストーカーとの接触を断つためには効果的な言葉です。
LINEやメール、電話などをしてこないで欲しいという言葉は、特定の行為を指定してそれを禁止する依頼でしかありませんが、このように連絡手段さえ絶ってしまえば、相手の内心はさておき、相手があなたの目に留まる機会を格段に減らすことができます。
また「連絡してこないで」という言葉は、相手の連絡が迷惑である・好ましく思っていないという言外のメッセージを他のどのような言葉より容易に伝えることができます。したがって、しつこい相手には非常に効果的な言葉なのです。
さらに連絡を禁止した場合、連絡できない期間にあなたに対する関心が縮小したり、別の対象を見つけたりしてストーカー行為が無くなる可能性もあります。
ストーカーに効く言葉(男女別)
次にストーカーが男性か女性かの区別に応じて、そのストーカーに効くと考えられる言葉を紹介していきましょう。
男性ストーカーに効く言葉
男性ストーカーに効く言葉としては、以下のようなものがありえます。
「あなたに男性としての魅力を感じない」
ストーカー気質の男性に対しては、異性として興味がないことをはっきりと伝えることがもっとも効果的な場合があります。
男性の場合、恋愛関係に関しては女性に比べて何事も前向き・ポジティブに捉えてしまうという傾向があります。なぜなら一度特定の異性に拒絶されたとしても何度もアタックしたり、「相手は自分に気があるに違いない」と思い込んだりする方が、進化心理学的に生殖には有利となるからです。
したがって、このようにある種「おめでたい」ともいえる男性ストーカーに対しては、「異性としてまったく興味がない」と伝えることが重要です。異性としての魅力がないと言われてしまうと、つきまとい行為をやめる可能性があります。このように相手の気持ちがはっきりした場合には、「嫌よ嫌よも、好きのうち」とは思い込めなくなるからです。
ただしこの言葉は男性の自尊心を攻撃する側面もあるため、素行が悪い相手やプライドが高い相手に対しては慎重に使った方がよいかもしれません。
「他の人に対処を相談しています」
「第三者に相談している」という言葉はストーカー気質の男性に効果がある場合があります。
この第三者として具体的に想定できるのは、父親、職場の上司、交際相手、弁護士や地域の民生委員などです。
ここでストーカーをしている相手に伝えるべき重要なことは、相手以外の強力な第三者(できるだけ複数)があなたの味方としてバックについているのだ、というメッセージです。
つきまとっている相手の父親や屈強な交際相手などが出てきた場合には、ストーカーもあなたに接触するのを避けるようになる可能性があります。
このような言葉は、ストーカーよりも強いボディガードが付いているから「これ以上手を出すのはやめておこう」と相手を誘導することにつながります。
さらに、この「強い第三者」には、肉体的な強さのみではなく弁護士や民生委員のように公的な権威性があり法的に対処する能力がある人物も含んでいると考えることができます。
一人対複数で対応していると思わせることが、しつこい相手には効果的な可能性があります。
女性ストーカーに効く言葉
女性ストーカーに効く言葉として、以下のようなものがありえます。
「あなたの行動は違法なストーカー行為ですよ」
あなたのしている行動が、ストーカー規制法にいうところの違法なつきまとい行為であるということを淡々と指摘することで、ストーキングが収まる場合があります。
女性は男性よりも感情が豊かで共感を求めるという傾向があります。そのため「どうして私の気持ちを分かってくれないの」と感情論になだれ込まれてしまうと、事態が泥沼化してしまうリスクがあります。
そこで、相手方女性がしている行為が、客観的には法律に違反する違法行為であると事実を指摘することが効果的な場合があります。ストーカー行為をした者には刑罰が科され「1年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」が科される行為であることを伝えることができます。
具体的にストーカー規制法に規定されている違法な行為とは、以下のようなものです。
- つきまとい、待ち伏せ、押し掛け、うろつき
- 監視していると告げる行為
- 面会や交際の要求
- 乱暴な言動
- 無言電話、連続した電話・メール・SNSの送信
- 名誉を傷つける
- 性的羞恥心の侵害 など
「恐怖を感じています」
相手のストーカー行為に対して「恐怖心」を抱いているという言葉は、好意や関心とはほど遠い感情を抱いているということを相手に伝えることができます。
ストーカーの場合、相手に対して良かれと思って行動している人もいます。そのため相手が自分の行為に不快感を抱いていることや、その結果相手が不安や恐怖を抱いていることなどを伝えることは重要な契機となる可能性があります。
ストーカー気質の女の特徴と心理|事前対策と被害時の対処法にも書かれていますが、特にストーカー女性においては、つきまといや嫌がらせ行為を「良いことだ」と認識して「相手は私の行動を喜んでくれているはずだ」と思い込む傾向が強いです。そのため、「恐怖を感じている」と伝えることで、相手が自分に愛情を感じていないということを初めて認識する女ストーカーも中にはいます。
無視や「警察に言う」という言葉はストーカーには逆効果
ストーカーへの対策としていきなり「無視」したり「警察に言うぞ」と伝えたりする対処法は控えましょう。
なぜならストーカーになるような人物には、執着心が強く簡単には諦めず、思い込みや妄想癖が激しいなどの傾向があるからです。
こちらが上記のような言動により相手を刺激してしまった結果、激昂させたりストーカー行為を加熱・エスカレートさせたりする危険性もあります。
まずは上記のような行動をとる前に、この記事で紹介したような言葉によって一度は「拒否する態度を示しておく」ということが重要なのです。
ストーカー対策でいきなり無視はNG!5つのやってはいけない対策とは
まとめ
ストーカーに効く言葉を紹介してきましたが、ストーカーを辞めさせるための第一歩は「言葉によってしっかりと拒否する態度を示すこと」です。相手を傷つけないようにやんわりとした言葉や遠回しな表現ではストーカーに伝わらないばかりか、「はっきりしない態度をとるのは自分に好意があるからだ。もっとプッシュすればきっと手に入る」とストーカーを勘違いさせることに繋がりかねません。
とはいえ、ご自身の口から拒否する言葉を伝えるのには勇気もいることでしょう。伝えた言葉で相手が激高して何をされるかわからないという不安を感じている方もいることでしょう。また、拒否の言葉を伝えてもつきまとい行為を辞めてくれる保証もありません。
ご自身一人での対応が難しいと判断した場合には、弊所の弁護士までご相談ください。ストーカーとの交渉を得意とする弁護士が、親身誠実に依頼者を全力で守ります。相談する勇気が解決へと繋がります。
ストーカー被害を弁護士に相談すると何をしてくれる?注意点は?
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