このような文言を、デリヘルのホームページの利用規約で見たことのある人は多いはずです。
では、実際に罰金を請求された場合、お客に法的な支払義務はあるのでしょうか。
結論から言いますと、デリヘルで本番行為をして罰金を請求されても法律的に支払う義務はありません。
とはいえ、次のような不安や悩みを抱える方もいることでしょう。
- 「でも、利用規約に、本番行為をしたら罰金〇〇万円と書いてあったけど本当に払わなくていいのか…」
- 「罰金を払わないと、家族や勤務先にバラす、警察に通報すると脅されているけどどう対処すればいいのか…」
そこでここでは、デリヘルで本番行為をして罰金を請求されても支払わなくても良い理由や、対処法などを弁護士がわかりやすく解説していきます。
記事を最後まで読んでわからないことがある方や、罰金請求されてお困りの方は弁護士までお気軽にご相談ください。
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目次
デリヘル店からの本番の罰金請求に応じる法的義務はない
冒頭で述べた通り、デリヘル店から本番行為の罰金を請求されたとしてもそれを支払う法的義務は存在しません。
なぜなら、罰金とは法律的には刑事罰であって、民間の一風俗店がお客に刑事罰を科すことはできないからです。
よく、駐車場の看板に「無断駐車した場合は罰金○○万円頂きます」と書いてあるのと同じで何ら意味をもたないものです。
違約金だと主張されたら?
「罰金の記載だが、それは違約金を意味している」と言われた場合はどうでしょうか。違約金とは、債務不履行があった場合に、債務者が債権者に支払うとあらかじめ約束した金銭のことです。
本番行為をすることは、デリヘルの利用規約を守ってサービスを受けるといった債務の本旨に従った履行をしなかったことになるため、支払う必要があるようにも思えます。
しかし、”本番をしたら罰金100万円”といった利用規約は、暴利行為として民法90条の公序良俗により無効となります。暴利行為とは、相手が知識・経験不足や、切羽詰った状況にあることを利用して不当に財産的利益を得ることです。
損害賠償として払ってもらうと言われたら?
「店に損害が生じたので賠償金として罰金を払ってもらう」と言われた場合はどうでしょうか。
たしかに、本番強要されたショックでデリヘル嬢がお店を辞めてしまったような場合には売上減少に繋がる事もあるため、デリヘル店には実損害が生じます。
しかし、風俗トラブルの損害賠償、支払義務はある?に詳しく書かれていますが、第三者が企業の従業員に損害を与えたことでその企業に損害が生じたとしても、原則として、企業から第三者(加害者)への損害賠償は認められない(第三者による従業員への加害行為と損害に因果関係がない)とするのが判例の立場です。したがって、お客は風俗店に対し、損害賠償としての罰金の支払義務もありません。
本番の罰金支払は不要でもデリヘル嬢に賠償する義務はある
上記の通り、デリヘル店に対して罰金を支払う必要はありません。ただし、本番行為(正確には本番強要)は不法行為(民法709条)にあたりますので、デリヘル嬢に損害が生じた場合は、男性客は賠償責任を負うことはあります。
賠償責任の内容としては、例えば以下のようなものがあります。
- 本番強要によりデリヘル嬢が受けた精神的苦痛に対する慰謝料
- 本番行為でデリヘル嬢に怪我させた場合の治療費や誤って中に射精した場合のアフターピルの処方代など
具体的にどのような賠償責任が生じるかは、風俗トラブルの慰謝料や損害賠償、支払義務はあるの?に詳しく説明されていますので目を通しておきましょう。
賠償義務を果たさないことによるリスク
風俗での本番は強姦罪等の犯罪で警察に逮捕されるかで詳しく説明していますが、場合によっては、本番行為をしたことで強姦罪(法改正後は、不同意性交罪という名称になっています)が成立することがあります。
デリヘル嬢に慰謝料等の賠償をせずに放置しておくと、警察に被害届を出され逮捕される可能性もあります。
逮捕されれば、起訴・不起訴の刑事処分が決定するまで最大で23日間も身柄拘束されますので、家族や勤務先に隠し通せる状況ではなくなります。また、起訴されれば刑事裁判にかけられ、有罪となれば前科もつきますし、就業規則にもとづき会社を解雇されるリスクもあります。
このような事態を避けるためにも、本番行為をしてしまったら出来るだけ早急に弁護士に相談し、賠償責任がある場合には弁護士にデリヘル嬢との示談交渉をお願いすべきでしょう(後述します)。
デリヘルでの本番で罰金を請求された場合の対処法
絶対に風俗店に罰金を払わない
デリヘルトラブルに乗じて金銭を巻き上げる目的で罰金要求をしてくる店も少なからずあります。
この手の店は、「警察にレイプされたと通報する。人生詰んじゃうよ」「訴訟を起こす」「家族や勤務先に知れることになるよ」といった常套句で脅し、罰金を要求してきます。
そして、会社の名刺を取り上げたり保険証や免許証のコピーをとり、お客が逃げられない状況を作ってから罰金を支払うと約束する書面(示談書・念書・誓約書等の見出し)を書くよう要求してきます。
しかしここで、「罰金さえ払えば(払う約束をすれば)本番行為について責任追及しない」とデリヘル店から甘い言葉をかけられても絶対に応じてはいけません。
「内密に解決できるなら高い勉強代だと思って払おう」と店から要求された罰金を支払ってしまう人がいますが、脅して金銭要求してきている時点でまっとうな店ではありません。健全に運営されている優良デリヘルであれば、顧問弁護士による法律的な解決を図るか、出入り禁止程度に留めておくことが通常だからです。
デリヘル店の脅しに屈して罰金を支払ってしまえば、カモ扱いされていつまでもたかられる羽目に遭いますので要注意です。書面を交わしてもそれを反故にされ、幾度となく金銭を毟り取られてから法律事務所に駆け込む人もいます。
警察に被害申告をする
デリヘル店が、脅迫や暴行を用いて罰金を要求してきた場合には、恐喝罪や強盗罪が成立することもあります。
このようなケースでは、お客が警察に被害届や告訴状を提出することで、事件に関係したデリヘルの従業員を逮捕してもらえる可能性もあります。
もっとも、警察に駆け込むことで自分も強姦容疑で逮捕されるのではと躊躇される方も多いはずです。
そのため、ご自身のケースで逮捕の可能性があるのかどうか、まずは弁護士に相談したうえで、警察に被害申告をするかどうかを決める必要があるでしょう。
弁護士に交渉を依頼する
以下のようなケースでは、弁護士に解決を依頼すべきでしょう。
- デリヘル店からの罰金要求を拒む自信がない
- 自分も逮捕される可能性がある以上、警察沙汰にはしたくない
- 逆恨みされて自宅や会社に連絡されても困る
- とにかく穏便かつ内密に解決したい
弁護士は代理交渉権の権限がありますので、依頼者に代わって、本番行為の罰金の支払い義務がないことを法律的に論理だてて店に説明することができます。また、店側に脅迫的な言動があったのであれば、弁護士による刑事告訴を盾に有利に交渉を進めることができます。
さらに、弁護士が介入することで依頼者やその周囲の者への連絡は禁止されますので、家族や勤務先に風俗トラブルの事実を知られることもありません。民事と刑事で責任追及されたら店側も困りますので弁護士の交渉のテーブルにつかざるを得ないのです。
デリヘル嬢との示談交渉も弁護士に一任できる
弁護士に依頼することで、デリヘル店からのしつこい罰金請求をストップさせることが出来るだけでなく、デリヘル嬢との示談交渉も一任することができます。
その場合も、妥当な金額で不備のない示談が結べるよう、弁護士が交渉してくれます。
デリヘル嬢から警察に被害届を出される前に示談を成立させれば逮捕を回避できる可能性は高くなりますので、いかに早急に示談交渉をスタートさせるのかが重要となります。また、デリヘルトラブルにおける示談交渉に長けた弁護士に依頼するかどうかも、解決に至る重要なポイントです。
弊所では、デリヘル店による不当な罰金要求を阻止しつつ、家族や職場に知られることなくデリヘルトラブルを穏便に解決することを得意としております。豊富な解決実績がある弁護士が、親身誠実に全力で依頼者を守りますので、どうぞお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。
風俗での本番・盗撮のケース別示談金相場と示談書に必ず書くべき条項
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