家庭内盗撮も犯罪?問われる罪と逮捕の可能性・対処法を解説

「家族や同居人の入浴中の姿、自宅に招いた知人がトイレを使う様子をこっそり撮ってしまった。家庭内盗撮でも罪になるのだろうか」と不安を抱えていませんか。

家族が相手でも、自宅の中であっても、盗撮は撮影罪などの犯罪にあたり、逮捕されることもあります。もっとも、早い段階で被害者と示談を成立させれば、事件化や起訴を避けられる可能性があります。

この記事では、盗撮事件の解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。

  • 家庭内盗撮で問われる罪と刑罰
  • 家族に盗撮がばれたら逮捕されるのか
  • 逮捕・起訴を避けるために今できること
  • 慰謝料請求や離婚・親権への影響

お読みいただくことで、ご自身の行為がどの罪にあたりうるのか、そして今から何をすべきかを整理できます。

なお、家庭内盗撮の問題は早期の対応が結果を左右します。お悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。

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家庭内盗撮は何罪になる?家族や自宅でも処罰される

「身内のことだから」「自分の家の中だから」という理由で、盗撮の罪を免れることはできません。

刑法には、配偶者・直系血族・同居の親族との間で起きた窃盗などについて、刑を免除する規定があります(刑法244条1項)。しかし、これは財産に対する犯罪を対象とした特例であり、性犯罪である撮影罪には同じような規定が設けられていません。家族間の盗撮も、他人の盗撮と同じように処罰の対象になります。

家庭内盗撮では、主に次のような罪に問われます。

撮影罪(性的姿態等撮影罪)に問われる

家庭内盗撮でまず問題になるのが、2023年7月13日に施行された性的姿態撮影等処罰法の「撮影罪」です。撮影罪は、正当な理由がないのに人の「性的姿態等」をひそかに撮影する行為などを処罰する犯罪で、撮影した場所が自宅であっても成立します(同法2条)。

「性的姿態等」にあたるのは、次の3つです。

  • 人の性的な部位(性器・肛門やこれらの周辺部、臀部、胸部)
  • 人が身に着けている下着(通常は衣服で覆われており、性的な部位を覆うのに用いられるものに限ります)のうち、現に性的な部位を直接または間接に覆っている部分
  • わいせつな行為や性交等がされている間の人の姿態

家庭内では、たとえば次のような行為が撮影罪の対象になりえます。

  • 同居する家族や同居人が着替えや入浴をしている姿を、脱衣所に設置した小型カメラやスマートフォンで撮影する
  • 自宅に訪れた知人がトイレや風呂、脱衣所を使っている際に、裸や下着姿を撮影する
  • 自宅で知人女性のスカートの中を、スマートフォンを差し向けて撮影する
  • ベッドの近くに隠しカメラを置き、交際相手やデリヘル嬢との性行為をひそかに撮影する

交際相手との性行為を隠しカメラで撮る行為が撮影罪の対象になるかは「同意のあるハメ撮りや恋人との性行為の盗撮・流出は犯罪?」で取り上げています。

撮影罪は未遂も処罰されます。実際に撮影できなかった場合でも、撮影の実行に着手したと認められれば未遂罪に問われる可能性があります。家庭内盗撮のためにトイレや浴室へカメラを仕掛けた段階で未遂にあたるかどうかは、撮影が行われる危険がどこまで差し迫っていたかなど、具体的な状況から判断されます。

撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。

拘禁刑を含む撮影罪の刑罰や成立要件は「性的姿態等撮影罪(撮影罪)とは?盗撮罪との違いと刑罰を解説」で詳しく解説しています。

18歳未満の家族なら児童ポルノ禁止法違反も成立しうる

盗撮した相手が18歳未満の子どもやきょうだいだったなら、撮影罪に加えて、児童ポルノ禁止法違反(ひそかに児童ポルノを製造する罪)にも問われかねません。

児童ポルノ禁止法は、ひそかに、法律が定める児童の姿態(衣服の全部または一部を着けていない姿態で、性的な部位が殊更に露出・強調され、かつ性欲を興奮させ又は刺激するものなど)を写真や動画に記録して児童ポルノを製造する行為を処罰しています。法定刑は、撮影罪と同じ3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

また、撮影した画像や動画を自分の性的好奇心を満たす目的で保存し続ける行為や、目的を問わず他人に送る行為も、同法で別に処罰の対象とされています。家庭内盗撮の相手がわが子であっても、親だからという理由でこれらの罪を免れることはありません。子どもが被害を受けた場合には、後で説明する親権の判断にも大きく影響します。

迷惑防止条例違反になるケースもある

撮影罪は2023年7月13日以降の行為にしか適用されないため、それより前の家庭内盗撮には、各都道府県の迷惑防止条例などが適用される場合があります。また、施行後の行為でも、撮影罪の要件にあたらない盗撮行為が、迷惑防止条例違反の罪に問われることがあります。

東京都の迷惑防止条例は、正当な理由なく、人を著しく羞恥させたり不安を覚えさせたりするような行為として、住居・便所・浴場・更衣室など人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所で、衣服で隠されている下着や身体を撮影する行為などを禁じており、撮影した場合の法定刑は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。対象となる行為や罰則は、都道府県によって異なります。

なお、浴室やトイレなどをひそかにのぞき見た者は、軽犯罪法違反として拘留または科料に処されることがあります。軽犯罪法は、のぞき見ながら撮影した場合に適用されることもあります。のぞき見や条例違反を含め、盗撮にどの法令が適用されるかは「盗撮は軽犯罪法違反?迷惑防止条例違反との違いを解説」にまとめています。

家庭内盗撮で逮捕される可能性と事件化の流れ

家の中での盗撮も、警察に検挙されることは珍しくありません。警察庁の調査では、令和7年に撮影罪(ひそかに撮影する類型)で検挙された7,926件のうち、発生場所が「住宅等」だったものが852件(約10.7%)ありました(警察庁「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」)。家族間の事件に限った数字ではありませんが、家庭内盗撮についても、家族に知られた後に家の中の話し合いだけで終わるとは限りません。

ここでは、家庭内盗撮が発覚してから刑事手続きが進むまでの流れを解説します。

家族の通報や相談をきっかけに事件化する

家庭内盗撮では、第三者の目撃ではなく、被害を受けた家族や同居人自身の気づきから事件化するケースが典型的です。気づくきっかけとしては、脱衣所やトイレに置かれたカメラの発見や、スマートフォンやパソコン、クラウド上に保存された画像・動画の目撃などがあります。

発覚後に警察へ相談や通報がされると、刑事事件として捜査が始まります。被害を受けた家族が当初は家の中で済ませようと考えていても、被害の内容や家族関係によっては、後から警察に相談されることも少なくありません。子どもが被害を受けた場合には、学校など家族以外の第三者が関わり、警察に情報が伝わることもあります。

また、撮影罪は、被害者の告訴がなくても起訴できる罪です。家族が「処罰は望まない」と考えていても、それだけで捜査や起訴の可能性がなくなるわけではありません。

現行犯逮捕だけでなく後日逮捕されることもある

家庭内盗撮の最中や直後に家族が気づいて警察を呼べば、到着した警察官にその場で現行犯逮捕されることがあります。

一方、被害を受けた家族がカメラや画像などを持って警察に相談した場合は、警察が証拠を調べ、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由と逮捕の必要性があると判断すれば、裁判所から逮捕状を取り、後日、自宅などで逮捕することがあります。逮捕と同時に家宅捜索が行われ、盗撮に使ったスマートフォンやパソコン、記録媒体などが押収されることもあります。消去したつもりのデータも、解析によって復元されることがあります。

もっとも、家庭内盗撮の罪で必ず逮捕されるわけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されれば、身柄を拘束されないまま捜査が進む「在宅捜査」になることもあります。

在宅捜査の流れは「盗撮の在宅捜査はどうなる?在宅起訴の可能性と対処法を解説」で解説しています。

逮捕から起訴・不起訴の判断まで最長23日間拘束される

罪を犯した疑いで逮捕されると、身柄を拘束されたまま警察で取調べを受け、48時間以内に検察官へ送致されます。検察官は、送致を受けてから24時間以内(逮捕から最大72時間以内)に勾留を請求するかどうかを判断し、裁判官が勾留を認めると、原則10日間、延長されるとさらに最長10日間、身柄を拘束されます。逮捕から起訴・不起訴が決まるまで、最長で23日間、家に帰れない状態が続くこともあります。

家庭内盗撮で身柄を拘束されている間は仕事にも行けないため、勤務先に事件を知られ、懲戒処分などにつながるおそれも高まります。

勤務先への影響も含め、逮捕後の手続きの流れは「盗撮で逮捕される?逮捕後の流れと勾留を回避する方法を解説」で解説しています。

起訴されて有罪になれば罰金でも前科がつく

「罰金を払えば終わり」と考えがちですが、起訴されて有罪になれば、略式手続による罰金であっても前科として記録に残ります。前科があると、職業や資格によっては就業・取得が制限されることがあるほか、再犯の場合に処分が重くなりやすくなります。家庭内盗撮で前科がついた事実は、離婚や親権をめぐる話し合いで不利な事情として持ち出されることも考えられます。

家庭内盗撮だからといって、刑事処分が軽くなるとは限りません。本来信頼し合うべき家族を長期間にわたって撮影していた場合などは、かえって悪質だと評価されることもあります。一方で、検察官が起訴するかどうかを判断する際には、被害者との示談の有無や被害者の意向なども考慮されます。有罪となって前科がつくのを避けるには、次に説明する対処法が重要になります。

逮捕・起訴を避けるための対処法

発覚した直後にやってしまいがちなのが、撮影データの消去や、被害を受けた家族への口止め、許してもらおうとする強引な謝罪です。いずれも罪を免れるための証拠隠滅と疑われて逮捕を招きやすく、家族との関係もさらにこじれるため、避けてください。

家庭内盗撮で逮捕・起訴を避けるために取るべき対応は、次のとおりです。

被害者との示談を成立させる

逮捕・起訴を避けたいなら、できるだけ早く被害者との示談を成立させることが重要です。

示談とは、加害者が謝罪して示談金を支払い、被害者との間で事件を解決する合意をすることです。示談が成立すると、次のような効果が期待できます。

  • 警察に相談される前であれば、刑事事件になるのを防げる可能性がある
  • 警察に相談された後でも、被害届を取り下げてもらえれば、処分を決める際に有利な事情として考慮される
  • 検察官が不起訴処分とする可能性が高まり、起訴された場合も刑事罰が軽くなりやすい

示談の際には、撮影した画像や動画のデータを削除することなどを条件に含めることもあります。

もっとも、家庭内盗撮の被害者が家族や自宅に招いた知人である場合、見知らぬ人に撮影された場合以上に、信頼を裏切られたことへの怒りや精神的な苦痛が大きくなりがちです。そのため、当事者同士で話し合おうとしてもこじれたり、そもそも話し合いに応じてもらえなかったりすることが少なくありません。

示談金の相場や、当事者同士の話し合いがまとまらず示談できなかった場合の見通しは「盗撮の示談とは?相場は10万~50万円|弁護士が解説」にまとめています。

弁護士に示談交渉を任せる

弁護士に依頼すれば、代理人として被害者に示談を申し入れ、交渉を進めてもらえます。家庭内盗撮でも当事者同士が直接顔を合わせる必要はなく、事件と利害関係のない専門家が間に入るため、強い被害感情を抱いている被害者とも、落ち着いて話し合いやすくなります。

弁護士は、示談書に盛り込むべき条件を整理し、後にトラブルが起きないよう合意をまとめることもできます。

さらに、すでに逮捕されている場合には、弁護士が、罪を認めて反省していることや逃亡のおそれがないことを検察官や裁判官に伝えるなどして、早期の釈放を目指す活動も行います。家族間の事件であっても、盗撮の罪を犯してしまったら早めに弁護士へ相談することが大切です。

盗撮事件で弁護士に依頼する流れや費用は「盗撮事件に強い弁護士による刑事弁護のポイント」をご覧ください。

慰謝料請求や離婚に発展するリスクもある

罪に問われる刑事責任とは別に、家庭内盗撮では被害を受けた家族から民事上の責任を追及されることがあります。さらに、被害者が家族である場合には、家族関係そのものに直接大きな影響が及ぶ点も見過ごせません。

盗撮された家族から慰謝料を求められる

無断で性的な姿を撮影する行為は、犯罪にあたるだけでなく、プライバシーや人格権を侵害する不法行為にもあたり、被害者から慰謝料を請求されることがあります。家庭内盗撮で夫婦や親子といった近い関係の相手を撮影した場合でも、慰謝料を支払う責任を免れることはできません。

請求される金額は、どのくらいの期間・回数にわたって撮影したか、どこで撮ったか、データが外部に広まったかといった事情によって変わります。撮影したデータが第三者の手に渡ったり、インターネット上に流出したりすれば、被害はより深刻になり、請求される金額も大きくなるおそれがあります。

慰謝料の請求は刑事手続きとは別に行われるため、不起訴処分となって罪に問われなかったとしても、それだけで支払いを免れるわけではありません。刑事事件の示談では、示談金に慰謝料を含めて、民事上の賠償をまとめて解決することもあります。

離婚や親権の判断で不利になる

配偶者が盗撮の対象だった場合、夫婦の信頼関係が壊れ、別居や離婚を求められることがあります。相手が離婚に応じない場合でも、裁判では盗撮の事実が法定離婚事由の「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると判断され、離婚が認められることが考えられます。

家庭内盗撮をした親に子どもがいる場合には、親権の判断にも影響します。2026年4月から、離婚後も父母の双方を親権者とすることができるようになりましたが、父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるときは、裁判所は父母の一方を親権者と定めなければなりません(民法819条)。わが子を盗撮の対象にしていたケースでは、親権者になれない可能性があります。離婚後の子どもとの面会交流が制限されることも考えられます。

離婚や親権者の判断への影響を含め、夫婦間の盗撮が招く法的リスクは、盗聴とあわせて「夫婦間の盗撮・盗聴も犯罪?妻の盗撮や夫婦での盗聴の法的リスク」で取り上げています。

家庭内盗撮に関するよくある質問

家庭内盗撮について、よくいただく質問にお答えします。

不倫の証拠を集めるための隠し撮りでも犯罪になりますか?

目的が配偶者の不倫の証拠集めであっても、浴室の脱衣所や寝室にカメラを隠して性的な姿を撮影すれば、撮影罪が成立しうる点に変わりはありません。撮影罪は「正当な理由がないのに」撮影する行為を処罰しますが、証拠を集めたいという事情があるだけで、家庭内盗撮が正当化されるとは考えにくいでしょう。

また、違法な手段で集めた証拠は、離婚裁判などで使えるかどうかが争われるうえ、かえって自分が慰謝料を請求される原因にもなりかねません。不倫の証拠集めは、方法を誤らないよう弁護士に相談してから進めることをおすすめします。

被害届が出されなければ事件にならないのですか?

被害届が出されていないからといって、家庭内盗撮が事件にならないとは限りません。捜査は、被害届がなくても、家族以外の第三者の通報などをきっかけに始まることがあります。被害届は犯罪の被害を申告するものにすぎず、撮影罪は告訴がなければ起訴できない罪(親告罪)でもないため、被害届や告訴がないことは起訴の妨げになりません。

被害を受けた家族が、時間がたってから警察に相談することもあります。撮影罪の公訴時効は3年であり、その間は捜査が始まる可能性が残ります。時効の数え方は「盗撮の時効は何年?多くは3年|民事の時効と逮捕リスクも解説」が参考になります。

家族が許してくれれば処罰されずに済みますか?

被害を受けた家族が許してくれたとしても、それだけで罪を免れられるとは限りません。起訴するかどうかを決めるのは検察官であり、家族が内心で許しているだけでは、許す気持ちが処分の判断材料として扱われないおそれがあります。

家族が許してくれた場合には、許すという意思を示談書などの書面に残し、捜査機関に示すことが大切です。家庭内盗撮だからと口約束で済ませず、弁護士を通じて正式な形で示談をまとめておきましょう。

家庭内盗撮でお悩みの方は弁護士にご相談ください

家庭内盗撮は、相手が家族であっても、場所が自宅であっても、撮影罪などの罪に問われ、逮捕される可能性があります。前科を避け、在宅のまま事件を解決するためには、被害者との示談を早期に成立させることが大切です。

家族や親しい知人が被害者の場合、信頼を裏切られたという怒りから、当事者同士の話し合いは難航しがちです。弁護士が間に入ることで、被害者の気持ちに配慮しながら、撮影データの削除も含めた適切な条件で示談をまとめることが期待できます。

家族に盗撮を知られてしまった方、警察から呼び出しを受けている方など、これからどうなるのか不安を感じている方も多いと思います。当事務所では盗撮事件での示談交渉、逮捕の回避を得意としており豊富な実績があります。依頼者の不利益を最小限に抑えるため弁護士が迅速に動き、全力を尽くして守ります。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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