更衣室盗撮は何罪?逮捕される可能性と発覚から逮捕後までの流れ

「更衣室で盗撮をしてしまった。何罪になるのか、後日逮捕されるのか」と、不安で眠れない夜を過ごしていませんか。更衣室での盗撮は撮影罪にあたり、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。スポーツジムや職場のロッカールーム、学校の部室、プール・温浴施設の脱衣所、店舗の試着室でも同じです。出入りする人が限られ犯人の特定が容易なため、その場で取り押さえられなくても後日逮捕に至る可能性は十分にあります。

もっとも、自首や示談といった対応を早期に取れば、逮捕や刑事事件化を回避できる可能性は残されています。

この記事では、盗撮事件の解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。

  • 更衣室盗撮で問われる罪と場所別の責任
  • 後日逮捕される可能性と犯人特定の流れ
  • 逮捕や刑事事件化を回避する2つの方法
  • 刑事罰以外に問われる責任と実際の報道事例

お読みいただくことで、ご自身のケースで逮捕の可能性がどの程度あるのか、そして今日から何をすべきかを判断できます。

なお、更衣室での盗撮でお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っており、早期対応が結果を左右します。

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更衣室での盗撮は何罪?撮影罪・迷惑防止条例違反・建造物侵入罪

更衣室で盗撮した場合、問われ得る罪は撮影罪、迷惑防止条例違反、建造物侵入罪の3つです。性的な部位や下着そのものが写っていれば撮影罪、そこまで写っていなくても通常は衣服で隠れている下着や身体を撮っていれば条例が受け皿になります。さらに、盗撮を目的として更衣室に立ち入っていれば、これらに加えて建造物侵入罪も成立し得ます。

①撮影罪

更衣室での盗撮は、性的姿態撮影等処罰法が定める撮影罪(正式名称:性的姿態等撮影罪)にあたります。正当な理由がないのに、ひそかに他人の「性的姿態等」を撮影する行為が処罰の対象で、法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(同法2条1項)。

「性的姿態等」には、性器・肛門やその周辺部、臀部、胸部といった性的な部位のほか、下着のうち現にそれらの部位を覆っている部分が含まれます。更衣室や脱衣所で下着を身に着けていない人や、着替え中で下着姿の人を盗撮すれば、被害者の性別を問わず撮影罪が成立します。

撮影罪には未遂処罰規定があるため(同条2項)、実際に撮影できていなくても、更衣室に小型カメラを設置して撮影に取りかかったと評価される段階に至れば、撮影未遂罪として立件され得ます。設置直後に被害者に気づかれ、撮影データが残っていなかったケースでも同様です。なお、更衣室をのぞいただけで撮影していない場合は撮影罪にはあたりませんが、軽犯罪法(のぞき見)による拘留または科料の対象になり得るほか、都道府県によっては条例が適用されることもあるため、「のぞきだけなら大丈夫」とは言えません。

なお、施設の管理者が防犯目的であることを明示してカメラを設置し、映像の管理も適切に行っている場合には、「正当な理由」があるとして撮影罪にあたらないと判断される余地があります。一方、防犯カメラを装って着替えを撮影する行為は、撮影の性質について誤信させて撮影する類型(同法2条1項3号)として処罰され得ます。

拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰です。また、性的姿態撮影等処罰法は令和5年(2023年)7月13日に施行された法律であり、それより前の盗撮行為には適用されません。撮影罪の成立要件の詳細は「性的姿態等撮影罪(撮影罪)とは?施行日や盗撮罪との違いを解説」をご参照ください。

②迷惑防止条例違反

更衣室盗撮は撮影罪で処罰されるのが原則ですが、性的な部位や下着そのものが写っていないなど撮影罪の要件を満たさないケースでは、各都道府県の迷惑防止条例が適用され得ます。

東京都の条例では、正当な理由なく人を著しく羞恥させ、または不安を覚えさせる行為として、住居・便所・浴場・更衣室など人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所で、下着や身体を撮影する行為や、撮影目的でカメラを差し向けたり設置したりする行為を禁止しています。盗撮場所として「更衣室」が明記されているため、制服やユニフォームに着替える飲食店や会社のロッカールーム、プールやスイミングスクール、スポーツジム・フィットネスクラブの更衣室、ショッピングモールやアパレルショップの試着室、銭湯・温泉・スーパー銭湯の脱衣所での盗撮は、いずれも東京都の条例の対象です。

東京都の条例では、撮影行為に1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、常習の場合は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています。撮影に至らずカメラを差し向けたり設置したりした段階でも、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。

条例の規制範囲や罰則は都道府県ごとに異なり、会社の更衣室や学校の更衣スペースが対象に含まれるかも一律ではありません。もっとも、更衣室での盗撮の多くは全国一律に適用される撮影罪で処罰されるため、条例の範囲の広狭が結論を左右する場面は限られます。軽犯罪法違反との違いは「盗撮は軽犯罪法違反?迷惑防止条例違反との違いを解説」で解説しています。

③建造物侵入罪

刑法130条前段が定める建造物侵入罪は、正当な理由なく、人が看守する建造物などへ立ち入ることで成立します。法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。

勤務先や会員として通う施設であれば自由に立ち入れるのだから、侵入罪は成立しないと考える方もいるでしょう。しかし、女子更衣室や女子トイレは、その施設の従業員や会員であっても、男性には立ち入る正当な権限が与えられていません。

そのため、盗撮目的で女子更衣室に立ち入った場合には、施設管理者の意思に反する立ち入りとして建造物侵入罪にも問われます。会社のロッカールームや体育館の女子部室、ショッピングモールの女性専用試着室、銭湯の女湯脱衣所など、利用者の性別が分けられている更衣スペースのすべてに共通する考え方です。

男女共用の更衣スペースや、飲食店・小売店のバックヤードにある従業員用の共用更衣スペースでも同じです。最高裁判所は、現金自動預払機の利用客の暗証番号を盗撮する目的で営業中の銀行の出張所に立ち入った事案について、立ち入りの外観が一般の利用客と変わらなくても、管理権者の意思に反する立ち入りとして建造物侵入罪の成立を認めています(最高裁平成19年7月2日決定)。

盗撮目的の立ち入りにより建造物侵入罪と撮影罪(または迷惑防止条例違反)の両方が成立する場合、両者は「牽連犯」の関係にあり、最も重い刑によって処断されます(刑法54条1項)。トイレ盗撮の侵入罪については「盗撮目的でトイレに侵入すると建造物侵入罪が成立します」もあわせてご確認ください。

④ジム・職場・ロッカールームなど場所別に見る罪名と責任

更衣室盗撮といっても、ロッカー内やロッカー上に仕掛けた小型カメラで撮影するロッカー盗撮のように会社や施設のロッカールームで起きるものから、ジム、学校の部室、温浴施設、試着室まで場所はさまざまです。撮影罪が原則として適用される点は共通しますが、建造物侵入罪が併せて成立するかや、刑事罰以外に問われやすい責任は場所によって異なります。

盗撮の場所 適用されやすい罪 建造物侵入罪も問われるか 併せて問われやすい責任
スポーツジム・フィットネスクラブの更衣室 撮影罪(条例は補充的) 異性用更衣室への立ち入りがあれば成立 会員資格の剥奪、被害者への損害賠償
職場の更衣室 撮影罪(条例は補充的) 異性用の更衣室への立ち入りがあれば成立 懲戒解雇、被害者への損害賠償、社内での実名把握
ロッカールーム(会社・施設のロッカー内やロッカー上に機器を仕掛けた場合) 撮影罪(条例は補充的) 異性専用のロッカールームへの立ち入りがあれば成立 懲戒処分・契約解除、被害者への損害賠償
学校・部活の部室 撮影罪(被害者が13歳未満、または13歳以上16歳未満で加害者が5歳以上年長なら2条1項4号の類型も) 教職員・生徒でも異性の更衣場所に立ち入れば成立 高校生・大学生なら退学・停学。教員なら懲戒免職や停職に加え、実名報道の対象になりやすい
プール・温浴施設の脱衣所 撮影罪(条例は補充的) 異性の脱衣所への立ち入りがあれば成立 施設の出入り禁止、公務員なら懲戒免職、被害者への損害賠償
店舗の試着室 撮影罪 客として立ち入れる場所でも成立し得る 従業員なら懲戒解雇、店舗側の謝罪対応、被害者への損害賠償

同性用や男女共用のスペースであっても、盗撮を目的とした立ち入りである以上は同じです。

職場の更衣室やロッカールームで盗撮した場合は、被害を受けるのが同僚である分、会社での処分という問題も同時に生じます。会社の処分については「職場で盗撮が会社に発覚したらどうなる?解雇を回避するには」で詳しく扱っています。自宅の脱衣所での盗撮については「家庭内盗撮も犯罪?問われる罪と逮捕の可能性・対処法を解説」で紹介しています。

更衣室盗撮で後日逮捕される可能性は?発覚から犯人特定までの流れ

現行犯で取り押さえられなかったとしても、捜査の進展によって後日逮捕に至ることは十分にあり得ます。更衣室は出入りする人が限られているため、捜査の対象となる人物を絞り込みやすいのが特徴です。

発覚から被害届までの流れ

更衣室盗撮が発覚してから刑事事件に発展するまでは、典型的には次のように進みます。

  1. 更衣室の利用者が不審なカメラやスマートフォンを発見する
  2. 発見者が上司・店舗責任者・学校関係者などに報告する
  3. 報告を受けた責任者が警察に通報し、機器が警察に引き渡される
  4. 被害者または施設側の責任者が被害届を提出し、捜査が開始される

機器が発見されれば、警察への通報・被害届の提出まで大きな時間差はなく、気づいたときには既に捜査が始まっていることも少なくありません。被害届がどのように提出され、その後どう扱われるかは「盗撮の被害届の出し方と出すデメリット!相談窓口や対処法を解説」にまとめています。事態が動き始める前の対応の速さが、その後の処分を大きく左右します。

犯人が特定される4つの手がかり

被害届が提出され警察の捜査が始まると、現場に残された物証や周辺の情報をもとに犯人の特定が進められます。主な手がかりは次の4つです。

  • 隠し撮りした映像に、設置作業中や確認中の加害者自身の顔が映り込んでいる
  • 設置に使われたスマートフォンの電話番号やアカウント情報から所有者がたどられる
  • カメラや固定器具に付着した指紋が、施設関係者から任意提供された指紋や過去の逮捕歴のデータと照合される
  • 施設の防犯カメラ映像や関係者への聞き込みで、更衣室に近づいた人物が割り出される

会社のロッカールーム付近や部活の更衣室周辺で不審な動きをしていた人物や、業務上・利用上の必要もなくその付近をうろついていた人物は、複数の証言と突き合わせることで捜査線上に浮かびます。指紋についても、検出されたものが女子更衣室に立ち入る必要のない男性のものと一致すれば、その人物がカメラを仕掛けた犯人であると強く推認されます。

職場や会員制のスポーツジム・フィットネスクラブのように、その場に立ち入れる人が限られる場所では、捜査の対象となる人物は早い段階で絞り込まれます。押収された機器のデータがどのように証拠になるかは「盗撮の証拠となるものは?証拠なし・不十分でも逮捕・起訴される?」で、防犯カメラ映像からの特定過程は「盗撮は防犯カメラで犯人特定される?逮捕のリスクと回避策を解説」で確認できます。

後日逮捕されやすいケースと逮捕後の流れ

後日逮捕に踏み切るかどうかは、「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」の2つを、逮捕状を請求する警察と、その請求を審査する裁判官が総合的に見て判断します。

更衣室盗撮の特徴として、加害者と被害者が同じ職場や同じスポーツジム、同じ学校といった継続的な接点のある関係にある事案が多く見られます。このような関係性があると、加害者が被害者に直接話しかけて示談を迫ったり、証言を変えるよう持ちかけたりするのではないかと警察が警戒するため、証拠隠滅のおそれが強く認定されやすい傾向が生じます。

盗撮に使われる隠しカメラやスマートフォン、ペン型カメラ、スパイカメラなどは本人が自由に操作できる端末であり、記録されたデータは数秒で消去できてしまいます。撮影されたデータそのものが重要な証拠であるにもかかわらず、加害者の手元に置いておくと削除・破棄される危険が大きいと判断されれば、その一点をもって逮捕が選択されることもあります。

加えて、次のような事情が確認された場合は逮捕に踏み切られやすくなります。

  • 継続的・反復的に盗撮を行っていた疑いがある(常習性)
  • 被害者が複数人にのぼっている
  • 押収された機器から過去に撮影された他の盗撮動画(余罪)が見つかった
  • 隠しカメラやペン型カメラのような発見されにくい機器を複数台用いるなど計画的に準備された形跡がある
  • 別の場所や別の施設でも同種の盗撮を行っていた形跡がある

もっとも、更衣室盗撮であっても必ず逮捕されるわけではありません。定まった住居があり、身元を引き受ける家族がいて、機器やデータを任意に提出しているといった事情から逃亡・証拠隠滅のおそれが小さいと判断されれば、身柄を拘束されないまま在宅事件として捜査が進む事案もあります。

逮捕されれば、警察署での取り調べを受けたのち、48時間以内に検察官へ送致され、勾留(逮捕に続く身柄拘束)が認められると、逮捕の時点から数えて最大23日間の身柄拘束が続きます。勾留の期間が満了するまでに検察官が起訴・不起訴を判断し、起訴されれば刑事裁判の手続きに進みます。この間に勤務先や通学先へ事実が伝わることも避けられません。逮捕後の手続きの詳細は「盗撮で逮捕される?逮捕後の流れと勾留を回避する方法を解説」を、盗撮全般で後日逮捕に至る確率については「盗撮で後日逮捕される可能性は?逮捕されやすいケースと対処法」を参考にしてください。

更衣室盗撮で逮捕・刑事事件化を回避する2つの方法

逮捕を回避するための代表的な方法は、自首と示談の成立の2つです。盗撮の公訴時効は撮影罪で3年ですが、更衣室盗撮では犯人の特定が早いため、時効の完成を待つという選択は現実的ではありません(時効について詳しくは「盗撮の時効は何年?多くは3年|民事の時効と逮捕リスクも解説」)。以下、それぞれについて解説します。

①自首する

自首とは、犯罪を行った本人が、自ら警察や検察といった捜査機関に出頭し、自分の罪を正直に申告することを指します。

更衣室での盗撮行為が発覚した際、自首は逮捕を避けるうえで有効な手段の一つです。逮捕を判断する上で重視されるのは「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」の2つですが、自ら警察に出頭することで、これらのおそれが小さいと見なされやすくなるためです。

ただし、自首が成立するには、犯罪事実が捜査機関に発覚していないか、発覚はしているけれども、犯人が特定されていない段階で行うことが条件となります。すでに犯人として特定されている場合に出頭しても、自首として認められないことに注意が必要です。

更衣室盗撮では、被害届の提出から容疑者の絞り込みまでが短期間で進みます。自首として扱われるかどうかは出頭した時点の捜査状況で決まるため、考えているのであれば一日でも早く動くことが重要です。

自首をする際には、弁護士に相談してサポートを受けることを強くおすすめします。弁護士に相談すれば、自首のタイミングや方法、申告内容について専門的なアドバイスを受けられます。

出頭後には、弁護士が施設の管理者に連絡し、自首した事実を伝えることもできます。被害者の不安を軽減し、逮捕を回避するために、関係者の理解を得た上で一時的に勤務や施設の利用を控えるなどの対応を取ることも効果的です。

盗撮事件で自首するメリットや具体的な流れについては「盗撮で自首するメリット・デメリット|逮捕回避を弁護士が解説」で詳しく解説しています。

②示談を成立させる

示談とは、被害者に謝罪と賠償を行い、この件は解決したと当事者間で合意することをいいます。盗撮事件では、この示談が成立するかどうかが加害者の処遇を大きく左右します。

複数の被害者がいる更衣室盗撮では、全員との示談成立が理想です。また、建造物侵入に関しては、被害届を提出した関係者と交渉しなければなりません。多くの場合、施設の責任者(会社の社長・支店長、店舗の店長、スポーツクラブやスイミングスクールの施設管理者など)が被害届を提出するため、弁護士を通じてその責任者との交渉を進めることが求められます。

被害届が提出されるより前の段階で、被害届を出さないことを盛り込んだ示談をまとめられれば、刑事事件化を防ぎやすくなります。刑事事件になることを回避できれば、前科(有罪判決を受けた記録)も前歴(捜査の対象になった記録)もつきません。

一方、すでに被害届が提出されている場合でも、示談が成立すれば不起訴処分(起訴されずに手続きが終わること)の見込みが大きく高まり、不起訴となれば同様に前科を回避できます。示談の際には謝罪文を添えることが多く、その書き方は「盗撮の謝罪文の書き方と例文【雛形付】|示談への影響も弁護士が解説」にまとめています。

弁護士に示談交渉を依頼する場合の流れと費用については「盗撮事件に強い弁護士による刑事弁護のポイント」でご確認いただけます。

更衣室盗撮で問われる刑事罰以外の責任

更衣室盗撮で問われる責任は、刑事処分だけにとどまりません。起訴されて有罪判決が確定すれば前科がつき、不起訴になった場合でも警察・検察のデータベースに前歴として記録が残ります(ただし前歴は戸籍や住民票のような公的書類に記載されず、一般の第三者が閲覧することもできません)。これらの刑事上の責任とは別に、民事上の損害賠償、勤務先や学校での処分、実名報道という3つの負担が同時に生じ得ます。

①被害者への損害賠償・慰謝料

盗撮は被害者のプライバシーや性的自由を侵害する不法行為にあたり、刑事責任とは別に、被害者から損害賠償(慰謝料)を請求される可能性があります(民法709条)。示談金には通常この慰謝料相当額が含まれますが、示談が成立しないまま刑事処分が確定した場合、後から民事上の請求を受けることもあり得ます。

慰謝料の額に法律上の基準はなく、撮影の期間や回数、被害者の人数、データの拡散の有無などで大きく変わります。金額の目安については「盗撮の示談とは?相場は10万~50万円|弁護士が解説」を、未成年の加害者の場合は「高校生が盗撮したら処分はどうなる?弁護士相談のメリットも解説」で紹介しています。

②勤務先の懲戒処分・学校の退学

逮捕・勾留されると最長23日間は出勤も通学もできず、無断欠勤という形で会社に知られることになれば、盗撮による逮捕の事実が明らかになるケースは多いです。

更衣室盗撮は従業員や顧客に対する重大なプライバシー侵害であり悪質な行為と評価されやすく、企業のコンプライアンス基準に照らして懲戒解雇に至る可能性も否定できません。一度解雇処分を受けると、退職理由の説明を求められる転職活動において不利に働くことは避けられません。

学校の教員や部活の指導者、スポーツクラブのトレーナーなど、立場上の信用が重視される職種では特に厳しい処分が下されやすくなります。高校生や大学生が学校の部室や更衣室で盗撮した場合には、停学や退学処分の対象となることがあります。

③実名報道による社会的信用の失墜

すべての盗撮事件で実名報道がされるわけではありません。しかし、被害者が多数いる場合や社会的関心の高い職場での事件、教員や公務員などの立場にある場合は、実名報道の対象となり得ます。

一度インターネット上に実名が掲載されると、その情報は半永久的に残り続けます。就職活動、結婚、引っ越しなど人生の節目で名前を検索されるたびに過去の逮捕歴が参照されるため、社会復帰後も継続的に不利益から逃れられないのが実情です。

さらに、警察の押収前に撮影データがSNSや匿名掲示板に流出してしまうと、被害者への二次被害と加害者の社会的制裁がどちらも深刻化し、事態の収拾が一層難しくなります。実名報道の対象になりやすいケースや、報道そのものを回避する方法の詳細は「盗撮で実名報道される?基準・タイミングと回避法を弁護士が解説」をご確認ください。

実際の報道事例:発覚から逮捕・処分までの流れ

更衣室盗撮が実際にどのように発覚し、どのような処分に至っているのか、報道や公的機関の発表から3件を紹介します。いずれも内容は当事務所が要約したものです。

学校プールの更衣室にカメラを設置した委託スタッフが出頭した例

東京都港区が2026年8月12日に公表した事案では、学校の屋内プール開放事業を行う施設の女性用更衣室の中で隠し撮り用のカメラが見つかったのは8月8日でした。施設スタッフが点検中に床に落ちていたカメラを発見して110番通報し、警察が現場検証のうえカメラを回収した後、受託事業者のアルバイトスタッフである20代男性が事業者に自分が設置したと申告し、翌9日に警察へ出頭して捜査が続いています。区は事業者に対し、更衣室を含む定期巡回の強化や全従事者への研修・誓約書提出などの再発防止策を指導しました(出典:港区プレスリリース「学校屋内プール開放における盗撮の発生について」2026年8月12日)。更衣室のように立ち入る人が限られる場所では、このように短い期間で設置者にたどり着くことがあります。

店舗の試着室で店長が客を盗撮し、別件の捜査から発覚した例

2024年10月には、東京都内の衣料品店の店長を務める30代男性が、試着室のカーテンや扉の隙間からスマートフォンを差し入れ、着替え中の女性客を撮影したとして、性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。この事案では、店内で盗撮しているところを見つかったのではなく、同年8月に電車内での盗撮未遂について任意の取り調べを受けた際、押収されたスマートフォンから試着室での盗撮とみられる動画が多数発見されたことが逮捕につながっています。運営企業は被害者や顧客に謝罪し、防犯体制の見直しを表明しました(出典:Yahoo!ニュース エキスパート・前田恒彦「ユニクロの試着室で着替え中の女性客を盗撮か 店長の男を逮捕、なぜバレた?」/株式会社ユニクロ「当社従業員の逮捕について」2024年10月31日)。一度押収された端末から余罪が発覚する典型例といえます。

温浴施設の脱衣所で盗撮した市職員が罰金刑と懲戒免職を受けた例

山口県下関市は、温浴施設の男性脱衣所でスマートフォンを使って盗撮したなどとして、34歳の市職員を2026年8月31日付けで懲戒免職処分にしました。この職員は、2025年10月に神奈川県内の温浴施設で盗撮したほか、2023年ごろから山口県内の施設でも継続的に盗撮していたとして、2026年7月15日付けで下関簡易裁判所から盗撮の罪で罰金50万円の略式命令(法廷での審理を開かずに罰金を科す手続き)を受けていました(出典:KRY山口放送「温浴施設の男性脱衣所などで盗撮の34歳の職員 下関市が懲戒免職処分」2026年9月1日/下関市「職員の懲戒処分について」2026年8月31日)。刑事処分が罰金で終わっても、勤務先の処分が最も重い懲戒免職に及ぶことを示す事例です。

更衣室盗撮でお困りの方はすぐにご相談ください

更衣室盗撮は、撮影罪を中心に迷惑防止条例違反や建造物侵入罪にも問われ得る犯罪です。利用者が限られた空間での犯行は特定が進みやすく、現行犯でなくとも身柄を拘束されるおそれが拭えません。

逮捕を避ける鍵は早い段階での自首、刑事事件化そのものを避ける鍵は被害届が出される前の示談成立です。ただし、加害者本人が被害者に直接連絡を取ったり、施設の責任者と交渉したりすることは、かえって事態を悪化させかねません。何をどの順序で進めるべきかを見極め、専門家の判断のもとで動けるかどうかが結果を分けます。

「いつ警察から連絡が来るのか」「明日、職場でどう振る舞えばいいのか」、そうした不安を抱えて時間だけが過ぎていくのは、精神的に大きな負担です。すでに被害者や施設側から問い合わせが来ている場合や、警察から任意の聴取を求められている場合は、特に早急な対応が必要です。

当事務所は盗撮事件の弁護に注力しており、自首同行・示談交渉による事件化の阻止・不起訴獲得について豊富な実績があります。被害者や施設側との交渉では、ご家族や職場の同僚に事情が伝わる範囲をできる限り狭くしながら穏便な解決を目指し、ご依頼者様の不利益を最小限に抑えるため弁護士が迅速に動き、全力を尽くして守ります。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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