盗撮で書類送検された後の手続きの流れを弁護士が解説

「盗撮で書類送検されたら、この先どうなるのか」「会社や家族に知られるのではないか」と、不安を抱えていませんか。送検の後は通常、検察庁からの呼び出しと取り調べを経て、起訴するかどうかが決まります。初犯で盗撮を認めており、被害者との示談が成立していれば、不起訴となる可能性は高いといえます。

逮捕されずに進む在宅事件であれば、会社や家族に知られるケースも多くありません。

この記事では、盗撮事件の解決実績が豊富な弁護士が、次の点を解説します。

  • 書類送検とは何か・前科はつくのか
  • 書類送検された後の手続きの流れ
  • 会社や家族にバレる可能性
  • 処分が決まる前に不起訴を目指す方法

不起訴に向けて動き出したい方は、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。

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盗撮の書類送検とは?逮捕との違い

書類送検とは、警察が捜査で集めた書類や証拠物を、事件とともに検察庁へ引き継ぐ手続きのことです。法律上は「送致」といい、「書類送検」は報道などで使われる呼び方です。

書類送検は、逮捕されずに普段どおり生活しながら捜査を受ける「在宅事件」の手続きです。逮捕された後、送検される前に釈放されて在宅事件に切り替わった場合も書類送検になります。これに対して、送検の時点で身柄を拘束されている場合は、本人も一緒に検察庁へ送られ(身柄送致)、勾留が続くと最大23日間拘束されることがあります。

書類送検されただけで前科がつくことはありません。前科がつくのは、起訴されて有罪(略式手続での罰金を含みます)が確定した場合です。前科とは別に、捜査の対象になった記録である「前歴」は、不起訴になっても捜査機関に残ります。

2023年7月13日以降に、正当な理由なく、ひそかに、性的な部位や下着などを撮影した場合は、撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)が適用されます。法定刑は3年以下の拘禁刑、または300万円以下の罰金です(2025年5月までの行為は、拘禁刑ではなく3年以下の懲役)。拘禁刑は、2025年6月に懲役と禁錮を一本化した刑罰です。2023年7月13日より前の盗撮や、それ以降でも着衣の上から撮るなど撮影罪の対象にならない行為には、各都道府県の迷惑防止条例などが適用されます。

逮捕されなかった盗撮事件も、捜査が終われば原則として書類送検されます。書類送検の仕組みについては「書類送検とは?前科はつく?逮捕との違いを弁護士が解説」もあわせてお読みください。

盗撮で書類送検された後の手続きの流れ

書類送検の後は、次の順番で手続きが進みます。

  1. 検察庁から呼び出しを受ける
  2. 検察官の取り調べを受ける
  3. 起訴・不起訴が判断される
  4. 起訴されたら略式手続か正式裁判になる

送検されても、本人にその知らせが届くことは通常ありません。多くの方は、検察庁から呼び出しを受けて初めて送検されたことを知ります。

なお、送検される前の警察の捜査で任意同行や出頭を求められた場合の対応は「盗撮の任意同行・出頭とは?拒否できる?逮捕の可能性を解説」で、在宅での捜査全体の流れは「盗撮の在宅捜査はどうなる?在宅起訴の可能性と対処法を解説」で解説しています。

①検察庁から呼び出しを受ける

書類送検からおおむね1〜2か月たったころ、担当の検察官から電話や封書(呼出状)で呼び出されるのが一般的です。時期は事件の内容によって前後し、警察での取り調べが終わってから数えると、2〜3か月ほど連絡のない期間が続くこともあります。

指定された日の都合が悪いときは、検察庁に連絡すれば、たいていは日程を調整してもらえるでしょう。呼び出しを無視し続けると、逮捕状が出されて逮捕される可能性があります。

②検察官の取り調べを受ける

検察庁では、盗撮を認めるかどうか、動機、撮影の日時・場所・方法、過去に同じことをしていないかなどを聴かれます。

話した内容は供述調書(検察官が聴き取った内容をまとめた書面)になります。事実と違う部分があれば訂正を求めることができ、署名・押印を断ることもできます。言いたくないことを無理に話す必要もありません(黙秘権)。

認めている事件では1回程度で終わることもありますが、否認していると何度も呼ばれることがあります。供述調書は書類送検後の処分を決める材料になるため、取り調べの前に弁護士から助言を受けておくと安心です。

③起訴・不起訴が判断される

取り調べが終わると、検察官は起訴するかどうかを決めます。処分は主に次の3つです。

  • 不起訴:裁判にかけず、事件を終わらせる
  • 略式起訴:法廷を開かず、書面の審理だけで罰金を科すよう裁判所に求める
  • 正式起訴:公開の法廷での裁判を求める

盗撮を認めているか、示談が成立しているか、前科があるかは、処分を決める際に検察官が重視する主な判断材料です。否認している場合や同じ種類の前科がある場合は、正式起訴が選ばれやすくなります。

検察統計調査の「罪名別 被疑事件の処理人員」によると、2026年6月に性的姿態撮影等処罰法違反で処理された473人(他の検察庁への送致・家庭裁判所への送致を除く)のうち、起訴は307人、不起訴は166人でした。起訴された割合は約65%(64.9%)で、起訴された人の3分の2近く(201人)は略式起訴です。

この統計は1か月分の集計で、撮影罪以外の罪(撮影した画像を人に提供する罪など)も含むため、盗撮だけの起訴率ではありません。また、示談の有無を問わない全体の割合なので、示談が成立した初犯の事件とは前提が異なります。それでも、全体の傾向をつかむ目安にはなるでしょう。

なお、不起訴の割合や獲得の方法は「盗撮の不起訴率は?不起訴を獲得するためにすべき5つのこと」で詳しく解説しています。

④起訴されたら略式手続か正式裁判になる

略式起訴は、本人が略式手続によることに異議がないと書面で明らかにした場合に限って行われ、実務上は罪を認めている事件で使われる手続きです。多くの場合は裁判所に出向く必要がなく、後日、罰金の額などが書かれた略式命令の謄本が自宅に届きます。略式命令に不服があるときは、告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求することも可能です。略式手続で科されるのは、100万円以下の罰金か科料に限られます。

略式起訴になるかどうかの基準は「盗撮で略式起訴になる基準は?弁護士が解説」にまとめています。

正式起訴された場合は、起訴状の謄本が届き、公開の法廷で刑事裁判を受けます。身柄を拘束されていない事件では、在宅のまま起訴される(在宅起訴)のが一般的です。

有罪になれば前科がつきます。初犯の量刑や罰金の相場は「盗撮は罰金刑か懲役か?罰金の相場と刑罰を避ける方法」で解説しています。

盗撮で書類送検されたことが会社や家族にバレる可能性は低い

警察や検察が、事件のことを会社関係者に知らせることは基本的にないため、在宅事件として書類送検された場合、盗撮のことが勤務先や家族の耳に入るケースは多くありません。

例外は、盗撮の現場が勤務先の施設だった場合や、会社の人が身元引受人になっている場合などです。呼び出しに応じないまま逮捕されれば、出勤できなくなり、そこから知られることもあります。

また、送検されたという事実だけで会社が解雇するのは難しいと考えられています。ただし、懲戒処分は有罪判決を受けたかどうかだけで決まるものではなく、就業規則の定めや行為の内容によっては、不起訴になっても処分を受ける可能性があります。会社に知られた場合の影響については「書類送検は会社にバレる可能性は低い!万一バレたらクビ?弁護士が解説」を参考にしてください。

①実名報道される可能性は低い

会社や家族に知られるきっかけとして多いのは実名報道ですが、盗撮事件が報じられるのは、警察が逮捕を発表したタイミングがほとんどです。

逮捕されずに書類送検された在宅事件では、実名報道に至るケースは少数です。もっとも、公務員や教員など社会的な立場のある人の事件は、在宅事件でも報道されることがあります。

また、いったん逮捕された後に書類送検された場合は、逮捕の時点ですでに報道されている可能性があります。報道の基準やタイミングは「盗撮で実名報道されるケースは?報道のタイミング・基準・回避法」をご覧ください。

②呼出状を自宅に送らないよう頼むこともできる

書類送検後の検察庁からの呼び出しは、封書で自宅に届くことがあります。家族に知られたくないときは、検察庁に直接連絡するか弁護士を通じて、「連絡は電話で(または弁護士宛てに)お願いしたい」と頼んでおきましょう。事情を伝えれば、応じてもらえることがあります。

書類送検後に不起訴を目指すためにできること

不起訴になれば、裁判も刑罰もなく、前科もつきません。罰金で済んでも前科はつくため、この差は小さくありません。

書類送検後の不起訴に向けた対応は、検察官が処分を決める前に済ませておく必要があります。いったん起訴されると、原則としてその判断は変わらないためです。

①被害者と示談交渉を進める

盗撮を認めている場合、最も重要なのが被害者との示談です。示談金を支払って被害者に許してもらい、被害届を取り下げてもらえれば、起訴を見送られる可能性が高くなります。

撮影罪は被害者の告訴がなくても起訴できる犯罪(非親告罪)なので、被害届が取り下げられても起訴される可能性はゼロではありません。それでも、被害届の取下げは、被害者が処罰を望んでいないことを示す事情として重視されます。示談金の相場や交渉の流れは「盗撮の示談金相場は?示談しないとどうなる?弁護士が解説」で紹介しています。

②弁護士に刑事弁護を依頼する

盗撮事件では、被害者の名前も連絡先も知らないことがほとんどです。捜査機関は、加害者本人には被害者の連絡先を教えないのが通常なので、自分だけで示談を始めるのは難しいのが実情です。

弁護士が間に入れば、被害者の了承を得られた場合に、捜査機関から連絡先を教えてもらえることがあります。

また、再犯を防ぐための取り組みも、書類送検後の処分を判断する材料になります。専門のクリニックでの治療やカウンセリングに通い、通院の経過を弁護士が書面にまとめて検察官に示せば、再犯のおそれが低いことを具体的に伝えられるでしょう。示談ができなかった事件でも、こうした取り組みが評価されて不起訴となった例があります(下の2つ目の事例)。

盗撮で書類送検されて不起訴を獲得した事例

ここからは、盗撮で検挙され書類送検された後、当事務所の弁護士に刑事弁護を依頼して不起訴を獲得した事例を紹介します(プライバシー保護の観点から内容を一部加工しています)。このほかの解決事例については「トイレ盗撮で在宅捜査を受けた男性が示談成立で不起訴になった事例」もご参照ください。

示談交渉の結果、不起訴処分となった事例

事件の背景

Aさんは、通勤電車に乗って会社に向かう途中、持っていたスマートフォンで前に立っていた女性のスカート内を動画撮影したところ、その行為を終始見ていた目撃者に「今、盗撮しましたよね?」などと声をかけられ、次の停車駅で被害者、目撃者とともに降車したところ、駆け付けた鉄道警察隊の警察官に身柄を引き渡されました。

Aさんは警察官の事情聴取に対し盗撮したことを認め、逮捕されなかったものの、その後数回の取調べを経た後、書類送検されてしまいました。そこで、Aさんは被害者への謝罪と示談交渉をお願いすべく、弁護士に相談の上刑事弁護を依頼しました。

弁護士の対応と結果

Aさんと被害者との面識はなく、Aさんは被害者の連絡先を知らず、謝罪と示談交渉を進められない状況でした。そこで、弁護士は依頼を受けた後、すぐに担当の警察に電話し、「謝罪と示談交渉をしたいため被害者の連絡先等を教えて欲しい。」と申し入れたところ、翌日に、警察官から電話があり被害者の連絡先等を教えてもらいました。

その後、弁護士は被害者に電話し、謝罪と示談交渉をしたいことを申し入れたところ、受け入れていただいたため、まずは謝罪文を被害者に手渡す形で謝罪した後、示談交渉を進めました。示談交渉では、示談金30万円を支払うこと、示談金を支払うことを条件に被害者が被害届を取り下げることなどに合意できました。そして、示談書を取り交わし、示談金を支払った後、被害届が取り下げられました。その後、検察官からは不起訴処分にしたことの連絡を受けましたので、依頼者にもその旨伝えました。

再犯防止策を的確に示した結果、不起訴処分となった事例

事件の背景

Aさんは、常習的に盗撮を繰り返していたところ、ある日、盗撮の疑いで警察から自宅の捜索を受け、スマートフォンやパソコンなどを押収されてしまいました。そして、Aさんは2か月前に、駅のエスカレーター上で前に立っていた女性のスカート内を盗撮したことで警察に立件され、その後書類送検されてしまいました。Aさんは、起訴され刑事罰を受け会社をクビになることをおそれて弁護士に刑事弁護を依頼しました。

弁護士の対応と結果

Aさんは示談希望だったため、弁護士は被害者の連絡先等を教えてもらうべく警察に電話したところ、被害者が教えることを拒否したため示談交渉を進めることはできませんでした。そこで、弁護士は、依頼者に盗撮専門の病院に通うことを勧め、依頼者は数か月にわたり治療やカウンセリングを受け続けました。

また、盗撮に使用したスマートフォンや小型カメラ、そして盗撮動画や写真が保存されていたパソコンなどもすべて処分し、家族の監督のもと更生の道を歩むことを決意しました。弁護士は、贖罪寄付の手続きをとり、治療の経緯やAさんに再犯のおそれがないこと、不起訴処分が相当であることを検察官との面談や書面で主張したところ、不起訴処分となりました。なお、検察官によると、被害者の処罰感情もそれほど強くなかったとのことです。

盗撮で書類送検されてお困りの方はすぐにご相談ください

盗撮で書類送検されても、その時点で刑罰が決まるわけではありません。事件の内容や前科の有無にもよりますが、示談や再犯防止の取り組みが処分に間に合えば、不起訴で終われる見込みは十分にあります。

「このまま前科がついてしまうのか」と、一人で抱え込む必要はありません。すでに検察庁から連絡が来ている方は、取り調べを受ける前にご相談ください。

当事務所はこれまで数多くの盗撮事件に対応してきました。依頼者の不利益を最小限に抑えるため弁護士が迅速に動き、全力を尽くして守ります。家族や職場に知られないよう配慮しながら対応いたします。無料相談は全国どこからでもご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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