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「防犯カメラ映像をもとに、後日逮捕されることはあるのか?」
このような疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
結論として、防犯カメラの映像により盗撮の犯人が特定される可能性は高く、映像のみで特定が難しい場合でも、他の証拠と組み合わせて捜査が進められることが一般的です。その結果、後日逮捕に至るケースも少なくありません。
本記事では、盗撮事件に詳しい弁護士が以下の点について解説します。
- 防犯カメラで盗撮の犯人が特定される可能性
- 盗撮で逮捕を回避するために取るべき対応
なお、盗撮事件を起こしてしまい、後日逮捕されないよう早急に対応したいとお考えの方は、この記事を読まれた上で、全国無料相談の弁護士までご相談ください。
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目次
防犯カメラで盗撮の犯人は特定される?
防犯カメラ映像で犯人特定される可能性は高い
現在、日本の街中には多くの防犯カメラが設置されており、駅や商業施設、公共の場などいたるところで監視カメラが稼働しています。特に駅や大型商業施設などの公共の場では、監視カメラが複数台設置されており、犯行の瞬間が記録される可能性が高まります。
また、捜査の過程では「リレー捜査」と呼ばれる方法が用いられます。これは、複数の防犯カメラ映像をつなぎ合わせて犯人の移動経路を追跡する捜査手法であり、この手法を活用することで犯行現場から逃走した犯人を特定することが可能になります。例えば、駅の構内で盗撮を行い逃走した場合、駅構内の防犯カメラ映像と駅周辺の街頭カメラを組み合わせることで、犯人の移動経路を明確にすることができます。
さらに、近年では防犯カメラ映像の解析技術が進化しており、「三次元顔画像識別システム」や「捜査支援用画像分析システム」が導入されています。
三次元顔画像識別システム は、従来の防犯カメラ映像では鮮明に映らない斜めや上からの映像でも、別途取得した三次元顔画像と照合することで、個人の特定精度を高める技術です。これにより、犯人の顔が一部しか映っていない場合でも、解析によって本人である可能性を高精度で判断できます。
また、捜査支援用画像分析システム では、防犯カメラの映像をAIが解析し、特定の人物の特徴や衣服の色、持ち物などを抽出することで、広範囲にわたる防犯カメラ映像から該当者を迅速に特定することが可能になります。
これらの技術の進歩により、防犯カメラの映像を用いた捜査の精度が向上し、盗撮を含む犯罪の犯人が特定される可能性はこれまで以上に高まっています。
他の証拠も組み合わせて特定される
防犯カメラ映像だけで犯人を特定するのが難しい場合でも、以下のような他の証拠と組み合わせることで犯人を特定することが可能です。
- 被害者や目撃者の証言:犯人の服装や身体的特徴を特定する手がかりとなる
- 盗撮に使用されたカメラの分析:設置された盗撮カメラに残された指紋や保存されていた映像から、犯人の顔が特定される場合もある
- 交通系ICカードの履歴:駅構内での盗撮の場合、交通系ICカードの利用履歴と防犯カメラ映像を照合することで、犯人が改札を通過した時間や利用区間が特定される
このように、防犯カメラ映像だけでなく、多様な証拠を組み合わせることで犯人の特定が進められます。
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犯人が特定されて後日逮捕されるまでの期間は?
防犯カメラ映像の保存期間は一般的に一定期間に限られています。例えば、
- 街頭防犯カメラ(警視庁):最大30日
- 電車や駅構内(東京都交通局):7日以内
- コンビニ・スーパー:1週間~1か月程度
しかし、仮に保存期間内に逮捕されなかったとしても、すでに警察が映像を確保している場合、そこから犯人特定に時間がかかることもあります。盗撮のような比較的軽微な犯罪は、重大事件よりも捜査の優先順位が低いため、逮捕まで数ヶ月〜1年以上かかるケースも珍しくありません。
さらに、盗撮の時効が成立するまでは逮捕される可能性が残るため、「一定期間が経過したから安心」とは言い切れません。
【合わせて読みたい】盗撮の時効は何年?その後は捕まらない?時効完成を待つリスクも解説
実際に、犯行から数ヶ月後に突然警察が家に訪れ、逮捕に至るケースもあります。前述の通り、防犯カメラの証拠だけでなく、被害者や目撃者の証言、交通系ICカードの履歴など他の証拠と組み合わせることで、後から犯人が特定されることがあります。
盗撮を行った場合、後日逮捕のリスクは常に存在すると考えたほうがよいでしょう。
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盗撮で逮捕された場合のリスク
盗撮行為は、2023年7月13日に施行された「性的姿態撮影等処罰法」に基づく「撮影罪」により処罰の対象となります。この法律では「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」が法定刑とされています。
なお、施行前に行われた盗撮行為には、各都道府県の迷惑防止条例が適用されます。例えば、東京都では「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があります(常習の場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金)。
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一般的に、盗撮で逮捕されると、その後、検察官に身柄が送致され、勾留が決定すると、逮捕から刑事処分(起訴または不起訴)が決まるまで最長23日間身柄拘束される可能性があります。その結果、家族や職場に知られる可能性が高まり、会社から懲戒解雇を言い渡されることも考えられます。実名報道され、社会的信用を失う可能性もあります。
さらに、起訴されると、日本の刑事裁判では99%以上が有罪となるため、前科がついてしまいます。また、過去に盗撮での前科がある場合や、手口が悪質で余罪が多数ある場合は、執行猶予がつかず、実刑判決を受けて刑務所に収監されるおそれもあります。
【合わせて読みたい】盗撮で逮捕されたらどうなる?その後の流れや逮捕回避方法を解説
盗撮で逮捕を回避するには
上記のようなリスクを回避するためには、逮捕を防ぐための適切な対応が必要です。具体的には、次の方法が考えられます。
- ①自首する
- ②被害者と示談を成立させる
①自首する
盗撮行為を行った場合、防犯カメラ映像やその他の証拠により後日逮捕される可能性があります。これを防ぐ方法の一つとして、警察に自首することが考えられます。
自首とは、犯罪を犯した本人が自発的に警察や検察に犯罪事実を申告し、処分を求める行為を指します。自首が認められると、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断され、逮捕されずに在宅捜査となる可能性があります。また、刑法上、自首が成立すると刑の減軽が認められる場合があり、刑事処分においても有利に働くことがあります。
ただし、自首を検討する際には、弁護士に相談し同行を依頼することが重要です。弁護士が同行することで、逮捕の必要がないことを捜査機関に具体的に主張できます。例えば、弁護士が上申書や意見書を作成し、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを伝えることで、逮捕を回避できる可能性が高まります。
また、弁護士は事前に取り調べ対応のアドバイスを行い、適切な供述ができるようサポートします。これにより、捜査機関に反省の意を効果的に伝え、逮捕の必要性が低いと判断されることにつながります。
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②被害者と示談を成立させる
被害者と連絡が取れる場合、示談は盗撮で逮捕を回避する有効な手段の一つです。示談が成立すれば、逮捕の可能性が低くなり、不起訴処分となることも期待できます。これは、示談によって被害者の処罰感情が和らぎ、被害届が取り下げられる場合があるためです。
すでに被害者が特定され、被害届が提出されている場合でも、示談交渉によって刑事処分の軽減や逮捕の回避につながる可能性があります。ただし、盗撮の被害者にとって加害者本人と直接やり取りすることは精神的な負担が大きく、望まれないことが一般的です。そのため、示談は慎重に進める必要があります。
そこで、示談交渉を行う際には、弁護士に依頼することが重要です。弁護士が介入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 被害者が交渉に応じやすくなる
- 適切な示談金額を提示できる
- 法的に有効な示談書を作成できる
また、弁護士を通じて交渉を進めることで、感情的な対立を避けつつ、示談が成立する可能性を高められます。
【合わせて読みたい】盗撮の示談金相場は?示談しないとどうなる?弁護士が解説
まとめ
防犯カメラの映像に盗撮行為が映っていた場合、後日逮捕される可能性があります。また、防犯カメラ映像だけでは決め手に欠ける場合であっても、目撃証言や遺留品などと組み合わせて犯人が特定されるケースも少なくありません。
盗撮事件で逮捕・起訴を避けるためには、弁護士に依頼し、自首や被害者との示談を適切に進めることが重要です。
当事務所では、盗撮事件の示談交渉や逮捕回避に豊富な実績があります。弁護士が親身に対応し、依頼者を全力でサポートしますので、盗撮事件で逮捕の不安がある場合は、お早めにご相談ください。
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