
「盗撮をしてしまった。刑事裁判にかけられるのか、被害者から訴えられるのか」と、不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
検挙されても、示談などによって不起訴となれば、刑事裁判は開かれません。起訴された場合も、法廷に立たずに書面だけで罰金となる例が多い一方、否認や同種の前科があると正式裁判に進むこともあります。被害者から民事裁判を起こされる可能性もありますが、実際に民事訴訟まで至るケースは多くありません。
この記事では、盗撮事件の解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。
- 刑事裁判になる可能性と不起訴・略式裁判
- 示談で刑事裁判を回避する方法
- 正式裁判になるケースと判決の見通し
- 被害者から民事裁判を起こされる可能性
お読みいただくことで、ご自身の事件がどこまで進みそうかを見通し、裁判を避けるために今何をすべきかを判断できます。
なお、処分が決まる前に対応を急ぎたい方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。早期の対応が結果を左右します。
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女性弁護士も在籍しています代表弁護士 若井 亮・弁護士 鳴海 裕子ほか、計10名が在籍
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盗撮は刑事裁判になる?
盗撮で検挙されても、必ず刑事裁判になるわけではありません。検察官が選ぶ処分は、裁判を開かない「不起訴」、書面だけの審理で罰金などが科される「略式起訴」、公開の法廷で審理する「公判請求(正式起訴)」の3つに分かれます。なお、この記事では、書面だけで罰金などが決まる手続きを「略式裁判」、公開の法廷で開かれる裁判を「正式裁判」と呼びます。
どの処分になるかは、被害者との示談の成否や前科の有無、事件の悪質性などによって変わります。以下、問われる罪、不起訴と示談、略式裁判、正式裁判の順に説明します。
盗撮で問われる主な罪と刑罰
盗撮をした場合に刑事裁判で問われる主な罪と法定刑は、次のとおりです。
- 撮影罪(性的姿態等撮影罪):3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
- 迷惑防止条例違反(東京都の場合):1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(常習の場合は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)
- 住居侵入罪・建造物侵入罪:3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
- 児童ポルノ禁止法違反(ひそかに児童ポルノを製造した場合):3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
現在、盗撮の中心となるのは撮影罪です。2023年7月13日施行の性的姿態撮影等処罰法で新設された罪で、性的な部位やそれを覆う下着などを、正当な理由なくスマートフォンや小型カメラなどでひそかに撮影する行為が処罰の対象となります。撮影に失敗した場合でも、未遂として処罰されることがあります。
撮影罪にあたらない態様の盗撮には、各都道府県の迷惑防止条例が適用されることがあります。条例の内容や刑罰は都道府県ごとに異なります。のぞき見にとどまる行為は軽犯罪法違反となる場合があり、条例との違いは「盗撮は軽犯罪法違反?迷惑防止条例違反との違いを解説」で解説しています。
また、盗撮のために他人の住居や施設に入り込めば住居侵入罪・建造物侵入罪が、被害者が18歳未満であれば児童ポルノの製造にあたる罪が、撮影罪とあわせて問題になることがあります。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
不起訴になれば刑事裁判は開かれない
e-Stat 検察統計調査(2025年)表25-00-08 罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員によると、2025年に撮影罪(性的姿態等撮影罪)の区分で起訴・不起訴が決まった5,355人のうち、起訴は3,584人(約67%。うち略式命令請求2,420人)、不起訴は1,771人(約33%)でした。
不起訴の大半は起訴猶予です。起訴猶予とは、犯罪の事実が認められる場合でも、示談の成立や本人の反省などを考慮して、検察官が起訴を見送る処分です。不起訴になれば刑事裁判は開かれず、前科になることもありません。
不起訴の見込みや、不起訴を得るためにできることは「盗撮の不起訴率は?獲得するためにすべき5つのことを弁護士が解説」で具体的に紹介しています。
示談で刑事裁判を回避する方法
盗撮で起訴され、刑事裁判にかけられることを避けるためには、被害者との示談を早期に成立させることが最も効果的です。
検察官は起訴・不起訴を判断する際、被害者の処罰感情や被害回復の状況を重視します。示談金を支払い、被害者から許しを得られていれば、起訴猶予による不起訴となる可能性が大きく高まります。示談書に「宥恕(ゆうじょ)条項」(被害者が加害者を許し、刑事処罰を求めないことを示す条項)を入れておくと、被害者が処罰を望んでいないことが検察官に明確に伝わります。
ただし、加害者本人が被害者の連絡先を教えてもらえることは通常ありません。弁護士が捜査機関を通じて被害者の意向を確認し、了承を得られた場合に交渉を始めるのが一般的な流れです。盗撮の被害者が示談に応じない場合には、弁護士会などへの「贖罪寄付」によって反省の気持ちを形にする方法もあります。
示談交渉はこのように弁護士を通じて進めるため、盗撮事件が発覚した直後から、刑事事件に強い弁護士へ相談することが重要です。
あわせて、専門カウンセリングへの参加や家族による監督体制の整備など、反省と再発防止の取り組みを目に見える形で示すことも、不起訴処分や刑の減軽を後押しする材料になります。
示談にあたって支払う金額の目安は「盗撮の示談とは?相場は10万~50万円|弁護士が解説」にまとめています。
盗撮事件での刑事弁護のポイントは「盗撮事件に強い弁護士による刑事弁護のポイント」をご覧ください。
略式裁判になるケースも多い
起訴された場合でも、盗撮事件では略式裁判で終わる例が多くみられます。
略式裁判(略式手続)とは、100万円以下の罰金または科料を科す事件について、本人が同意した場合に、公開の法廷を開かず、検察官が提出した書類をもとに簡易裁判所が罰金などを命じる手続きです。
盗撮の事実を認めていて、同種の前科がない場合などには、略式起訴が選ばれやすい傾向があります。どのような場合に略式起訴となるかは「盗撮で略式起訴になる基準は?弁護士が解説」で基準を整理しています。
ただし、略式裁判で科される罰金も刑罰であり、前科として残る点に注意が必要です。罰金額は事案によって異なり、目安は「盗撮は罰金刑か懲役か?罰金の相場と刑罰を避ける方法」で解説しています。
公判請求されやすい3つのケース
次のような事情があると、略式起訴ではなく公判請求(正式起訴)が選ばれ、公開の法廷で審理される正式裁判に進むことがあります。
- 盗撮の事実を認めていない場合
否認している事件では、事実関係を法廷で確かめる必要があるため、公判請求が選ばれることがあります。 - 同種の前科・前歴がある場合
以前に盗撮で罰金を受けたのに再び盗撮をした再犯のケースでは、罰金では足りないと判断され、公判請求に進みやすくなります。 - 悪質性が高い場合
被害者が18歳未満である、撮影したデータを販売・拡散していた、住居に侵入して撮影していた、といった事情は悪質と評価されやすくなります。スマートフォンなどに多数の余罪が残っている場合も、公判請求につながりやすくなります。
正式裁判になると、判決は罰金刑か執行猶予付きの拘禁刑が中心ですが、同種の前科を重ねていたり常習性が強かったりすると、実刑となることもあります。実際に、駅などで計71回にわたり女性のスカート内を撮影し、盗撮動画を販売していた被告人(同種の罰金前科2回)に対して、懲役1年6月の実刑が言い渡された例があります(京都地方裁判所令和5年6月6日判決)。
実刑か執行猶予かの判断基準は「盗撮で実刑はまれ?執行猶予の可能性と実刑になりやすいケース」で、盗撮に関する主な裁判例は「盗撮の有名判例を弁護士が解説」で詳しく解説しています。
前科のない初犯の場合の量刑や執行猶予の見込みは「盗撮の初犯で逮捕された場合の量刑は?不起訴や執行猶予になる?」で取り上げています。
なお、本記事は盗撮をしてしまった方を対象とした解説です。盗撮をしていないのに疑いをかけられている方は、対応の方針が大きく異なるため、「盗撮冤罪にあったらどうする?逃げずにすべき4つの対処法」をご覧ください。
盗撮で民事裁判を起こされる可能性
刑事事件とは別に、被害者から慰謝料などの損害賠償を求める民事裁判を起こされることも、法律上はあり得ます。盗撮は被害者のプライバシーや人格的な利益を侵害する行為であり、民法709条の不法行為にあたるためです。被害者は精神的苦痛に対する慰謝料を請求でき、話し合いで解決しなければ訴えを起こすこともできます。刑事と民事は別の手続きであり、刑事事件が不起訴や罰金で終わっても、民事上の賠償責任は残ります。
盗撮の慰謝料の相場
盗撮の慰謝料は事案によって異なりますが、10万円〜50万円程度に収まることが多いとされています。被害者が未成年である、撮影した画像や動画がインターネットに公開・販売された、盗撮のために住居へ侵入していた、といった事情があると、慰謝料が高額になる傾向があります。
実際に民事裁判まで進む例は少ない
実際に民事裁判まで進む例は多くありません。民事訴訟を起こせば、被害者自身が公開の法廷で被害の状況を語らなければならない場面があり、精神的な負担は小さくありません。解決までに時間もかかり、弁護士に依頼すれば費用も生じるため、慰謝料の水準によっては手間と費用に見合わないこともあります。そのため、多くの盗撮事件では、刑事手続きの中で進める示談によって、民事上の問題もあわせて解決されています。反対に、示談が成立しないまま刑事事件が終わった場合には、あとから慰謝料を請求される可能性が残ります。
示談書に「清算条項」(示談書に定めたもの以外に、お互いに請求し合える権利がないことを確認する条項)を入れておけば、示談の成立後に追加の慰謝料を請求されたり、訴えられたりする事態を防げます。
万が一、民事裁判を起こされた場合は、次のような流れで手続きが進みます。途中で和解が成立して終わることもあります。
盗撮で裁判になるか不安な方は早めに弁護士へご相談ください
ここまで見てきたとおり、盗撮事件がどの手続きで終わるかは、示談の成否や前科の有無などによって大きく変わります。その分かれ目となる示談を早く成立させることが、刑事裁判・民事裁判の両面で最も重要です。
示談交渉は加害者本人では進められないことが多く、処分が決まるまでの限られた時間で成立させるには、刑事事件の経験がある弁護士の関与が欠かせません。
すでに警察から呼び出しを受けている方や、ご家族が逮捕されて対応に迷っている方は、先の見えない不安を抱えていることと思います。対応が遅れるほど、職場や家庭への影響が広がるおそれもあります。
当事務所は数多くの盗撮事件に対応してきた経験を活かし、弁護士が迅速に動いて、不起訴処分の獲得と民事上の紛争の予防に全力を尽くします。
全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に力を入れて取り組む法律事務所の代表弁護士。逮捕・勾留されたご本人との接見、被害者の方との示談交渉、早期の身柄解放や不起訴を目指した弁護活動などに取り組む。痴漢・盗撮・暴行・傷害・窃盗・薬物事件・性犯罪など幅広いご相談に対応し、ご本人とご家族のお話を丁寧に伺ったうえで、状況に応じた対応を一緒に考えている。











