
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
事案の概要
状況:被害届提出済み(在宅捜査)
Aさんは、昼間公園を散歩中に公衆トイレに入る女性を見かけ、女性の後を追って女子トイレ内に侵入しました。そして、個室の扉の下の隙間からスマートフォンを差し入れ、数秒間にわたり動画を撮影し、その後、現場を立ち去りました。
数日後、警察からAさんに対して、「建造物侵入罪」および「性的姿態等撮影罪(盗撮)」の疑いで任意聴取をするため警察署に来てほしいと連絡がありました。当初、Aさんは、家族や仕事への影響を恐れて、「全く身に覚えがない」と容疑を否認していましたが、防犯カメラに自身の姿が映っていたことを警察から指摘され、もはや言い逃れは出来ないと考えて容疑を認めました。盗撮目的でのトイレ侵入と建造物侵入罪の関係については「盗撮目的でトイレに侵入すると建造物侵入罪が成立します」で詳しく解説しています。
その後、Aさんは、容疑を認めて警察の捜査に協力すれば軽い処分で済むのではないかと考えていましたが、自宅の家宅捜索によりパソコンやスマートフォンが押収され、精神的に追い込まれ、家族の助言もあり、女性との早期示談を目指して弊所に相談されました。
解決への流れ
① 弁護方針:余罪への不安解消と早期示談の提案
Aさんは、押収された端末内に複数の盗撮データが保存されていたため、全ての余罪が捜査されることを強く懸念していました。しかし、実務上、被害者の特定が困難な余罪すべてを捜査対象とすることは多くありません。そこで、まずは直近の事件への対応に注力する方針を立てました。
また、Aさんは初犯であったため、示談が成立すれば不起訴処分の可能性が極めて高いと判断し、Aさん本人の経済状況を考慮したうえで、警察を通じて被害女性へ示談交渉を打診しました。
② 示談交渉:被害者の心情に配慮した丁寧な対話
警察から被害女性の連絡先を伺い、交渉を開始しました(被害者側が示談交渉を拒否して、加害者側に連絡先を教えてくれないケースもあります)。女性は、事件により男性への嫌悪感、恐怖心を抱くなど、日常生活に支障をきたしており、その配偶者も含めて強い処罰感情を持たれていました。
交渉にあたっては、女性と女性のご家族の被害感情を真摯に受け止めつつ、類似事案の相場や、事件後の女性の生活状況(事件前からの仕事を継続していることや、健康状態に変わりがないことなど)、Aさんの経済状況などを踏まえて金額を提示し、慎重かつ丁寧に対話を重ねました。
そして、女性のご家族は、低額な示談をするとAさんが反省をせずに同様の行為を繰り返すのではないかと懸念していましたが、弊所から女性側に対し繰り返し丁寧にAさんが反省していることを説明してご納得いただき、示談が成立しました。
解決結果と弁護士のコメント
刑事処分:不起訴処分(逮捕なし)
警察に被害届が提出された刑事事件において、一般的には、加害者が被害者の連絡先を直接知ることはできません。そのため、警察に被害届が提出された刑事事件においては、通常、示談交渉をするためには弁護士を代理人に立てる必要があります。
また、本件のような盗撮事案に限らず、それぞれの犯罪類型に応じて示談金の相場はありますが、事案ごとの特殊性(被害の程度や行為の悪質性など)に応じて示談金の金額は変動する可能性があります。そのため、示談金の額が当該事案に照らして妥当なものか慎重に検討しながら示談交渉を進める必要があります。盗撮事案の示談金相場や示談の流れについては「盗撮の示談金相場は?示談しないとどうなる?弁護士が解説」をご参照ください。
さらに、不起訴処分を得るためには、被害者本人の処罰感情のみならず、被害者側のご家族の意向も汲み取りつつ、スピード感を持って柔軟に交渉を進めることが肝要です。本件では、相場内の金額にて交渉開始から約10日間で示談が成立し、懸念されていた余罪の追及もなく、示談成立から約1週間で不起訴処分が決定しました。
弊所は本件のような盗撮をはじめ、窃盗罪、横領罪、暴行罪、傷害罪、不同意わいせつ罪、不同意性交等罪など、多岐にわたる刑事事件で豊富な解決実績があります。対応が遅れるほど解決が困難になるケースも多いため、お早めに弊所にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

