逮捕後1回だけ無料で接見してくれる当番弁護士の呼び方とは

もしご自身が逮捕されたら…、あるいは、ご家族など大切な人が逮捕されたら…、すぐにでも弁護士に接見に来てもらい、不利な状況にならないよう適切なアドヴァイスが欲しいところです。しかしながら、知り合いに弁護士もいない、弁護士選びに時間をかけている余裕がない、という方もいることでしょう。

そういった方のために存在するのが、「当番弁護士」です。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、

  • 当番弁護士とは?どうやって呼べばいいの?
  • 国選弁護人とはどう違うの?
  • 当番弁護士はなにをしてくれるの?
  • 私選弁護人と違ってできないことはあるの?

といった疑問を解消していこうと思います。

およそ5分ほどで簡単に読めますし、ご自身や大切な人が逮捕された場合にお役に立てる知識ですので最後まで読んでみて下さい。

当番弁護士とは

当番弁護士とは、罪を犯したとして疑いをかけられ捜査機関(警察・検察)に逮捕された場合に、1回に限り、無料で接見してくれる弁護士です。

当番弁護士は弁護士が所属している弁護士会から派遣されます。また、派遣される弁護士は、弁護士会に所属する弁護士のうち「当番弁護士」として登録している弁護士です。

そして、依頼を受けた日に待機しており、かつ、都合がつく弁護士が派遣されます。当番弁護士が行うのは「1回限りの接見」です。つまり、弁護士会から派遣要請を受けた弁護士が、原則として要請を受けてから24時間以内に逮捕されている方(被疑者)が収容されている留置施設等の収容施設に赴き、接見室で被疑者(被疑者)と面会します。

弁護士との接見では時間制限がありませんし、立会人がつきません。そのため、事件に関するものから事件以外のことまで、疑問や不安があることは何でも弁護士に尋ねることができます。

逮捕された直後は、事件の行方はもちろん、仕事・学校、家族のことなどで不安が募り、精神的に不安定な状態となっています。しかし、それでも捜査機関による厳しい取調べを受けます。そして、思ってもみなかった供述調書が作成され、それが裁判の証拠として提出されることもあるのです。弁護士との接見は、抱えている不安を取り除き、捜査機関に都合のよい供述調書を作成させないという意味でも大変重要な機会なのです。

なお、前述のとおり、当番弁護士を呼んでから実際に接見するまでにはタイムラグがあり、その間、取調べを受けてしまう可能性が高いです。その場合は、警察官に「弁護士と接見するまで話さない。」と言って黙秘権を行使することも一つの方法です(ただし、却って身柄拘束が継続してしまうおそれもありますから、ご自身の認否によって正しく行使することが必要です)。

当番弁護士と国選弁護人との違い

国選弁護人は裁判所が選任する弁護士です。具体的な弁護活動をするため選任された弁護士を「弁護人」といいます。

当番弁護士と国選弁護人の違いは大きくわけて三つあります。

一つは、弁護活動の内容です。前述のとおり、当番弁護士の弁護活動は1回限りの接見のみです。これに対して、国選弁護人の弁護活動には接見はもちろん、釈放に向けた活動、被害者との示談交渉、無罪・執行猶予に向けた裁判での訴訟活動などあらゆる活動が含まれます。国選弁護人の弁護活動と自費で選任する私選弁護人との弁護活動の内容に違いはありません。

二つ目は、呼ぶ(選任される)タイミングです。前述のとおり、当番弁護士は逮捕直後から呼ぶことが可能です。これに対して、国選弁護人は、身柄事件の場合に選任される被疑者国選弁護人と在宅事件の場合に選任される被告人国選弁護人とで異なります。被疑者国選弁護人の場合は、逮捕から勾留決定までの約3日間は選任されず、勾留決定を受けてはじめて選任されます。一方、在宅事件の場合に選任される被告人国選弁護人の場合は、起訴されてはじめて選任されます。

三つ目は、条件(要件)の有無です。当番弁護士は無条件に(誰でも)呼ぶことができます。これに対して、被疑者国選弁護人の場合は資力が50万円未満であること、被告人国選弁護人の場合は資力要件に加えて、起訴された事件が「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮にあたる事件」であることなどの要件をクリアしなければ選任されません。

つまり、誰でも国選弁護人を選任することはできないということです。

当番弁護士の呼び方

続いて、万が一、逮捕されたときのことを考えて、当番弁護士の呼び方について確認しておきましょう。

以下では、

  • いつ:当番弁護士を呼ぶタイミング
  • 誰が:当番弁護士を呼べる人
  • 誰に:当番弁護士との接見の申出先

当番弁護士を呼ぶのか、というようにわけて解説します。

当番弁護士を呼ぶタイミング(24時間呼べる?)

逮捕直後からです。

前述のとおり、逮捕されたら速やかに弁護士と接見すべきですが、当番弁護士を呼んだからといってすぐに接見に来てくれるわけではありません。呼んでから接見に来るまでのタイムラグを考えると、逮捕後、速やかに当番弁護士を呼んだ方がよいです。なお、逮捕されることが当番弁護士を呼ぶ条件ですから、次の状況下では当番弁護士を呼ぶことはできません。

  • 捜査機関から出頭要請を受けている
  • 捜査機関から任意同行を求められた
  • 在宅被疑者として取調べなどの捜査を受けている

当番弁護士を呼べる人

当番弁護士を呼べるのは逮捕された方(被疑者)はもちろん、

  • 被疑者のご家族
  • 被疑者の友人・知人
  • 被疑者と関係を有する人(身元引受人、保護司、ソーシャルワーカー、福祉関係者、医療関係者など)

であれば呼ぶことができます。

ただし、被疑者を逮捕したことを警察官から教えてもらうこと、何らかの形で被疑者が逮捕されたことを知ることが呼ぶ前提となることはいうまでもありません。また、被疑者が逮捕されてから知るまでの間にタイムラグがありますので、繰り返しになりますが、まずは逮捕された本人が当番弁護士を呼ぶことが理想です。

なお、当番弁護士の接見は1回限りのため、すでに被疑者やその他の方が当番弁護士を呼んでいる場合は呼ぶことができません。

当番弁護士との接見の申出先

警察に逮捕された場合、被疑者は警察官に申出ましょう。申し出た後は、警察官が弁護士会に連絡を入れてくれます。その後は、弁護士会がその日登録されている弁護士に要請をかけ、都合がつく弁護士が接見に派遣されます。ご家族などは、被疑者が収容される留置場がある都道府県の弁護士会に電話をして申し出てください。

弁護士会は24時間、接見の申出を受け付けています。弁護士会の対応時間外(夜間、早朝など)や休日の場合は留守電で受け付けていますから、留守電に必要事項を入電してください。ただし、申出が対応時間外や休日となった場合、弁護士が接見に来るのが翌日の遅い時間や休日明けとなってしまう可能性もあります。その間、取調べを受けた場合は、「(当番)弁護士と接見するまでは話さない」と言って、黙秘権を行使するのも一つの方法です(ただし、却って身柄拘束が継続してしまうおそれもありますから、ご自身の認否によって正しく行使することが必要です)。

当番弁護士との接見でできること

当番弁護士を呼んだら弁護士が接見に来てくれるわけですが、接見では具体的にどのようなことができるのでしょうか?以下で詳しくみていきましょう。

取調べのアドバイスを受けることができる

逮捕されると、あなたを待ち受けているのが捜査官の取調べです。

そのため、

  • 取調べでどんなことを聴かれるんだろう?
  • なんて答えればいいんだろう?
  • どんな対応をすればいいのだろう?

と迷われる方も多いです。

当番弁護士との接見では、弁護士から取調べに関するアドバイスを受けることができますので、上記のような不安を少しでも軽減させることができます。刑事事件では、逮捕直後の話を重要視されることがありますので、この段階で弁護士と接見して弁護士からアドバイスをもらうことは極めて重要です。

今後の見通しを尋ねることができる

また、取調べと同様かそれ以上に不安なのが、

  • そもそも釈放されるのか?
  • いつ釈放される(社会復帰できる)のか?
  • 刑事手続きはどのような流れで進んでいくのか?
  • 刑事処分はどうなるか?

など、事件の見通しについてはもちろん、仕事、学校、家族、などの事件以外のことも不安になる方は多いと思います。

当番弁護士との接見ではこうした疑問を弁護士にぶつけて説明やアドバイスを受けることが可能です。前述のとおり、弁護士との接見は時間制限がありませんし、立会人がつきません。時間や周りの目を気にすることなく不安や疑問点を尋ねることが可能です。

家族などからの伝言を伝えてもらえる

ご家族など被疑者以外の方が当番弁護士を呼んだ場合は、弁護士に被疑者への伝言を預けることができます。そして、当番弁護士は接見で、ご家族などから預かった伝言を被疑者に伝えます。

弁護士以外の方(ご家族など)は、逮捕直後は、被疑者と接見することができません。ご家族などにとっては、弁護士との接見が被疑者に伝言を伝える唯一の手段です。また、逮捕され落ち込んでいる被疑者にとって、ご家族などからの伝言は大きな励みとなります。

ただ、当番弁護士との接見は1回限りですから、すでに他の人が呼んでいた場合は呼べませんし、追加の伝言を当番弁護士に頼むこともできません。

家族などへ接見の報告をしてもらえる

被疑者がご家族などへの伝言を希望した場合は、当番弁護士からご家族へ伝えてもらうことができます。ご家族などは逮捕直後から勾留決定の約3日間は接見できません。そのため、この約3日間を待てない方は、当番弁護士を通じてご家族などに伝言してもらうとよいでしょう。ご家族などへ伝言することで、被疑者のことを心配しているご家族などを安心させることができます。

ただ、ご家族などへの伝言は当番弁護士の義務ではありません。当番弁護士へ希望しなければ当然には伝言してくれない点に注意が必要です。

当番弁護士制度の限界

当番弁護士を呼ぶにあたっての注意点は、

  • 接見は1回限り
  • 弁護士を選べない
  • 在宅事件では弁護活動してくれない

という点です。

接見は1回限り

まず、当番弁護士が行ってくれるのは1回限りの接見という点です。つまり、当番弁護士は、接見が終わった後、釈放に向けた活動や被害者との示談交渉などの弁護活動を行ってくれない点に注意が必要です。

後述しますが、接見を通じて直ちに弁護活動が必要だと感じた場合は私選弁護人を選任する必要があります。また、私選弁護人を選任しない場合で、資力が50万円未満の場合は、勾留決定後に国選弁護人が選任されます。

弁護士を選べない

次に、接見に来てもらう当番弁護士を選べないという点です。被疑者は当番弁護士を呼ぶことはできますが、選ぶことはできません。

前述のとおり、当番弁護士として選ばれるのは、要請を受けた日に登録されている弁護士の中から都合のつく弁護士です。弁護士とはいえ、すべての弁護士が刑事事件に精通しているとは限りません。また、弁護士にも特徴があるため、接見で当番弁護士とうまくコミュニケーションを取れるかどうかは接見してみなければわかりません。

つまり、接見で、「この弁護士と相性が合わないな」と感じたら、充実した接見とはならない可能性もあるということです。

在宅事件では弁護活動してくれない

当番弁護士を呼べるのは逮捕された後、すなわち、身柄事件の場合です。そのため、次の場合は当番弁護士を呼ぶことはできません。

  • 逮捕されない場合
  • 逮捕されても、当番弁護士と接見する前に釈放された場合

起訴される前やそもそも捜査機関に被疑者として特定される前は、私選弁護人を選任するほかありません。一方、前述のとおり、起訴された後は、資力要件などをクリアすれば被告人国選弁護人を選任することができます。

当番弁護士と接見した後の対応

当番弁護士と接見した後は、被疑者国選弁護人を選択するか私選弁護人を選任するかを決める必要があります。被疑者国選弁護人を選任できる条件は「資力が50万円未満であること」ですから、ご自身の資力が50万円未満の場合は被疑者国選弁護人の選任を検討されてもよいです。

もっとも、被疑者国選弁護人は勾留されるまで(勾留決定が出るまで)は選任されません。そのため、逮捕から勾留までの間に釈放されたい、社会復帰したい、という方は私選弁護人を選任した方がよいです。

接見に来た弁護士と相性が合いそうで、その弁護士に私選弁護人になってもらいたいという場合はその弁護士にその旨申し出ましょう。また、知り合いの弁護士がいてその弁護士に私選弁護人になってもらいたい、という場合は警察官に申し出て、その弁護士に連絡を取ってもらうとよいです。

ただし、私選弁護人を選任するには高額な着手金を一括で支払わなければならないことが多いです。接見を通じて私選弁護人による弁護活動が必要だと感じた場合は、当番弁護士に着手金の支払い方法、弁護士費用の概算などを尋ねて確認しておきましょう。

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