書類送検とは|逮捕とどう違う?前科はつく?前後の流れも解説
  • 「〇〇の容疑で書類送検」とニュースでよく耳にするが、書類送検とはどういう意味だろう…
  • 書類送検と逮捕との違いは?
  • 書類送検されただけで前科はつくの?
  • 書類送検前後の流れはどうなっているのか…

この記事では、これらの疑問を解消すべく、刑事事件に強い弁護士がわかりやすく解説していきます。

書類送検についての網羅的な知識を身に着けたい方は最後まで読んでみて下さい

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書類送検とは

書類送検とは在宅事件を検察に送致されることです

書類送検が何かを理解するには、在宅事件送致が何かを正確に理解するとよいです。

そこで、以下では、在宅事件と送致にわけて解説します。

在宅事件

在宅事件とは、身柄拘束されていない事件のことです。

身柄拘束されていない事件とは、犯行の発覚当初から逮捕されていない事件はもちろん、

  • 逮捕されたものの、検察に送致される前に釈放された事件
  • 逮捕され、検察に送致されたものの、その後に釈放された事件

も含まれます。

もっとも、後者の事件は、すでに検察に送致されています。

そのため、書類送検上の在宅事件とは、

  • 事件の発覚当初から逮捕されていない事件
  • 逮捕されたものの、検察に送致される前に釈放された事件

のことを指します。

在宅事件に対する身柄事件とは、身柄拘束(逮捕・勾留)された事件のことです。

犯行直後に現行犯逮捕された事件はもちろん、犯行から間が空いて逮捕・勾留された事件も身柄事件です。

同様に、犯行発覚当初は在宅事件で捜査が進められていたものの、逃亡・罪証隠滅のおそれが高まったことから逮捕・勾留された事件も身柄事件です。

上記のように身柄事件→在宅事件となる場合があるのと同様、在宅事件→身柄事件になる場合もあります。

送致

次に、送致とは、警察などの第一次捜査機関(※)が、捜査で集めた証拠書類や証拠物を検察に送ることをいいます。

この送致については刑事訴訟法246条に規定されています。

第二百四十六条【司法警察員から検察官への事件の送致】

司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

検察に送致することから、それぞれの頭文字をとって送検と呼ばれています。

また、上記の規定からもおわかりいただける通り、「書類」送検といいますが、送致されるのは書類だけではありません。

捜査で集めた防犯ビデオ映像などの事件に関連する証拠物も一緒に送致されることがあります。

なお、「この法律に特別の定のある場合」の「特別の定(め)」とは、刑事訴訟法203条のことを指しています。

第二百三条 【司法警察員の手続、検察官送致の時間の制限】

司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

つまり、刑事訴訟法203条は身柄事件の送致に関する規定です。

在宅事件も身柄事件も証拠書類、証拠物を検察に送致しなければならない、という点は同じです。

しかし、在宅事件では検察に送致するまでの時間的制限がないのに対して、身柄事件では逮捕から48時間以内という時間的制限がある点が大きな違いです。

このように、在宅事件では送致までの時間的制限がないため、証拠書類や証拠物は整えられた状態で検察に送致されるのが通常です。

これに対して身柄事件の中でも、特に現行犯逮捕や緊急逮捕の場合は、捜査はこれからということもあって、ひとまず必要最小限の証拠書類、証拠物だけが検察に送致されます。

※警察のほかに、労働基準監督署、麻薬取締部、自衛隊の警務隊などがあります。

書類送検と逮捕の違い

前述のとおり、書類送検とは、警察などの捜査機関が、在宅事件の証拠書類、証拠物を検察に送ることです。

これに対して逮捕とは一定期間の身柄拘束のことです。

書類送検も逮捕も刑事手続きの一部ではあります。

しかし、書類送検は在宅事件、逮捕は身柄事件で使われる言葉です。

また、身柄事件→在宅事件となる場合は、はじめ逮捕が先行し、その後、書類送検という手続きが取られます。

たとえば、犯行直後に現行犯逮捕されたものの、検察に送致される前に釈放された場合は、釈放後に捜査が進められ、一定期間を経て書類送検の手続きがとられます。

このように書類送検と逮捕という言葉は、刑事手続きの中で使われる場面が異なります。

書類送検前後の流れ

それでは、書類送検される前、書類送検された後はどのような流れになっていくのか、事件の発覚当初から逮捕されないケースの流れをみていきましょう。

  1. 犯行発覚
  2. 警察からの出頭要請&取調べ
  3. 書類送検
  4. 検察からの出頭要請&取調べ
  5. 起訴、不起訴
  6. (起訴された場合)裁判
  7. 判決(懲役、禁錮など)、命令(罰金、科料)

①犯行発覚

どんな事件でも、捜査機関(以下では警察を念頭に解説します)に犯行が発覚することからスタートします。

発覚の端緒は、被害者の被害届・告訴状の提出、職務質問・所持品検査などが多いです。

②警察からの出頭要請&取調べ

警察に事件の被疑者として特定されると、警察から取調べのための出頭要請を受けます。

いつ出頭要請を受けるのかはわかりません。

突然、電話や手紙で要請を受けます。

要請に応じるか否かは自由ですが、正当な理由なく拒否すると逮捕される可能性もあるため注意が必要です。

要請に応じて出頭した場合は取調べを受けます。

被疑事実に対する認否、事件の難易度などによって、取調べの時間や回数は異なります。

③書類送検

警察での取調べなどの捜査が終わった後は、事件の証拠書類と証拠物が検察に送致されます。

書類送検するかどうか、するとしていつ書類送検するのかは、警察は積極的に教えてくれません。

気になる方は取調べ時にでも警察官に尋ねてみるとよいでしょう。

④検察からの出頭要請&取調べ

警察から書類送検された事件を検察が受理した後は、今度は、検察から取調べのための出頭要請を受けます。

警察の場合と同様、いつ出頭要請を受けるのかはわからず、突然、電話や手紙で要請を受けます。

要請に応じるか否かは自由ですが、正当な理由なく拒否すると逮捕される可能性もあります。

要請に応じて出頭した場合は取調べを受けます。

検察での取調べ時間は警察よりも短く、回数は少なくなる傾向にあります。

⑤起訴、不起訴

検察での取調べを終えた後、検察官が事件を起訴するか不起訴にするか判断します。

検察官は、犯行の態様、被害の結果の大きさ、被疑者の認否・反省の有無、被害弁償・示談の有無、前科・前歴の有無、適切な監督者の有無などの事情を考慮して、起訴か不起訴かを判断します。

不起訴となった場合は、刑事手続きは終了です。

不起訴となった場合は、刑事裁判を受ける必要がなく、刑事裁判を受けないということは懲役、罰金などの刑罰も受けません。

刑罰を受けないということは、前科もつきません。

⑥(起訴された場合)裁判

一方、起訴された場合は裁判を受ける必要があります。

起訴には略式起訴と正式起訴があります。

略式起訴される場合は、検察の取調べ時に、あらかじめ略式裁判を受けることへの同意を求められます。

同意書にサインした後、略式起訴されます。

略式起訴されるタイミングはわかりません。

略式裁判は書面審理で、裁判所に出廷する必要はありません。

裁判官が検察官から提出を受けた書面のみで、「100万円以下の罰金又は科料」の範囲内で略式命令を出します。

正式起訴される場合は略式起訴のような事前の手続きはありません。

正式起訴された場合は、後日、裁判所から起訴状謄本(写し)や弁護士をどうするかを問い合わせる照会書などがご自宅に送達されてきます。

この時点で弁護士を選んでいない方は、私選または国選の弁護士にするのか、あるいは弁護士を選ばないのかの選択をする必要があります。

その後、裁判所から期日を指定されますので、指定された期日に裁判所に出廷して裁判を受けます。

裁判の回数は起訴事実に対する認否や事件の難易度によって異なります。

⑦判決(懲役、禁錮など)、命令(罰金、科料)

裁判官が「罰金〇〇万円」という略式命令を発した後は、裁判所からご自宅に略式命令謄本が届きます。

略式命令謄本を受け取った日の翌日から起算して14日間は正式裁判を申し立てる期間です。

この期間が経過した後、略式裁判が確定し前科がつきます。

罰金(または科料)は、裁判がまだ確定していない上記の14日間でも納付することができます。

正式裁判の場合は、法廷で判決を受けます。

判決日の翌日から起算して14日以内が上訴(控訴、上告)期間です。

この期間内に上訴せず、期間が経過した場合は裁判が確定し、実刑の場合は収容の手続きが取られ、執行猶予の場合は執行猶予期間がスタートします。

書類送検でも前科はつく?

書類送検と聞くと、「刑が軽くなる」、「前科はつかない」などというイメージをもたれる方も多いです。

しかし、書類送検だからといって刑が軽くなるという保証はありません。

また、前述の「書類送検前後の流れ」を見てもおわかりいただけるように、書類送検されただけでは前科はつきませんが、起訴されると前科がつく可能性があります。

刑罰を受けたくない、前科をつくのは避けたいという方は書類送検されるのを避けるか起訴されるのを避ける(すなわち、不起訴獲得を目指す)しかありません。

≫前科とは?前歴との違いと前科が今後の生活に与える6つの影響

在宅事件で示談するメリット

在宅事件で示談するメリットは、

  • 書類送検を避けることができる
  • 不起訴の可能性が高まる

という点です。

なお、示談交渉は弁護士に任す必要があるところ、在宅事件の起訴前は国選の弁護士が選任されません。

いずれの段階でも示談交渉、示談を望む場合は私選の弁護士を選任する必要があります。

書類送検を避けることができる

書類送検を避けることができれば次のメリットを得ることができます。

  • 警察、検察の取調べを受けなくて済む
  • 厳しい取調べへの対応や今後どうなるかという不安から解放される
  • 裁判を受けない、刑罰を受けない
  • 前科がつかない

大切なことは書類送検前に示談することです。

また、書類送検されず、警察での訓戒などで終わる処分のことを微罪処分といいます。

この微罪処分を受けるには、

  • 一定の軽微な犯罪であること
  • 犯行態様が軽微であること
  • 示談が成立していること
  • 被害者が被疑者の処罰を望んでいないこと
  • 前科・前歴がないこと

などの条件をクリアする必要があります。

不起訴の可能性が高まる

刑事処分が不起訴となれば次のメリットを得ることができます。

  • 裁判を受けない、刑罰を受けない
  • 裁判や刑罰の不安から解放される
  • 前科がつかない

書類送検された後、起訴される前に示談することが必要です。

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