
前科がつくことで、一定の公的な資格の停止・剥奪や、新たに資格取得できなくなるなどの資格制限を受けることになります。
この記事では、
- 前科により資格制限を受ける対象となる資格
- 対象資格を制限する刑や制限を受ける期間
- 資格制限を受けることによる効果
- 資格制限の根拠となる法律
につきまとめたものを一覧表にしました。
どのような場合に前科がつくのか、前科が就職に与える影響を知りたい方は、以下の記事でわかりやすく解説されていますので参考にしてください。
前科と前歴の違い|5つのデメリットと前科をつけないためにすること
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前科と資格制限についての一覧表
対象資格 | ①資格を制限する刑
②資格制限の期間 |
効果 | 根拠となる法律 |
医師 | ①罰金以上の刑 | 1.免許を与えないことがある
2.免除の取り消し又は3年以内の医業の停止をすることができる |
医師法4条3号、7条2項 |
保健師、助産師、看護師、準看護師 | ①罰金以上の刑 | 1.免許を与えないことがある
2. 免除の取り消し又は3年以内の医業の停止をすることがでる |
保健師助産師看護師法9条1号、14条1項・2項 |
歯科医師 | ①罰金以上の刑 | 1.免許を与えないことがある
2. 免除を取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命じることができる |
歯科衛生士法4条1号、8条1項 |
獣医師 | ①罰金以上の刑 | 1.免許を与えないことがある
2. 免除を取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命じることができる |
獣医師法5条1項3号、8条2項3号 |
薬剤師 | ①罰金以上の刑 | 1.免許を与えないことがある
2. 免除の取り消し又は3年以内の医業の停止をすることがでる |
薬剤師法5条3号、8条2項2号・3号 |
学校の校長、教員 | ①罰金以上の刑 | なることができない | 学校教育法9条2号 |
一般職の国家公務員 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了まで |
1.官職に就く能力を有しない
2.受験することができない 3.失職する |
国家公務員法5条3項2号、8条1項1号、38条2号、43条、76条 |
地方公務員 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了まで |
1.職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない
2.職を失う |
地方公務員法9条の2、3項、8項、16条2号、28条4項 |
一級建築士 | ①禁錮以上の刑、建築法に違反し又は建築物の建築に関する罪を犯し罰金の刑
②刑執行終了後5年 |
1.免許を与えない
2.免許の必要的取消し |
建築法7条3号・4号、8条の2第3号、9条1項2号・3号、8条1号・2号 |
取締役、監査役、執行役 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了まで |
なることができない | 会社法331条1項4号、335条1項、402条4項 |
宅地建物取引業者 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年 |
1.免許をしてはならない
2.免許を取り消さなければならない |
宅地建物取引法5条1項5号、66条1項1号 |
宅地建物取引士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年 |
1.登録を受けることができる
2.登録を削除しなければならない |
宅地建物取引法18条1項6号、68条の2第1項1号 |
建設業者 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年 |
1.許可しない
2.許可を取り消す |
建築業法8条7号 |
古物商 | ①禁錮以上の刑、又は古物営業法31条に規定する罪若しくは刑法235条等に規定する罪の罰金以上の罪
②刑執行終了後5年 |
1.許可しない
2.許可を取り消すことができる |
古物営業法4条2号、6条 |
警備業者・警備員 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年 |
1.警備業を営んではならない
2.認定を取り消すことができる 3.警備員となってはならない |
警備業法3条2号、14条1項 |
土地家屋調査士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年 |
1.資格を有しない
2.登録を取り消さなければならない |
土地家屋調査士法5条1号、15条1項4号 |
不動産鑑定士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
1.登録を受けることができない
2.登録を削除しなければならない |
不動産の鑑定評価に関する法律16条3号、20条2号、19
状2号 |
公認会計士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
なることができない | 公認会計士法4条3号 |
司法書士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
なる資格を有しない | 司法書士法5条1号 |
税理士 | ①-1 禁錮以上の刑、①-2 罰金以上の刑
②-1刑執行終了5年若しくは3年 ①-2刑執行終了3年 |
なる資格を有しない | 税理士法4条3~5号 |
社会保険労務士 | ①-1罰金以上の刑(社会保険労務士法等の規定により処罰された場合)
①-2 禁錮以上の刑(上記以外の法令で処罰された場合) ②-1刑執行終了後3年 ②-2刑執行終了後3年 |
なる資格を有しない | 社会保険労務士法5条4・5号 |
行政書士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
なる資格を有しない | 行政書士法2条の2第3号 |
中小企業診断士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
1.登録を拒否しなければならない
2.登録を取り消すものとする |
中小企業診断士の登録等および試験に関する規則6条1項、5条4号 |
通関士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
1.許可してはならない
2.許可を取り消すことができる |
通関業法6条3号、11条2号 |
生命保険募集人、損害保険代理店 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年 |
1.登録を拒否しなければならない | 保険業法279条1項2号 |
業務管理主任者 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後2年 |
1.登録を受けることができない
2.登録を取り消さなければならない |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律59条1項3号、65条1項1号 |
保育士 | ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後2年 |
1.保育士となることができない
2.登録を取り消さなければならない |
児童福祉法18条の5第2号、18条の19第1項1号 |
歯科医師 | ①罰金以上の刑 | 1.免許を与えないことがある
2.免許を取り消すことができる |
歯科医師法4条3号、7条1項2号 |
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