高校生が盗撮したら処分はどうなる?弁護士相談のメリットも解説

「高校生の息子が盗撮をして警察に呼ばれた。逮捕されるのか,前科がつくのか,学校はどうなるのか」と,突然の知らせに不安を抱えている親御さんも多いのではないでしょうか。

高校生でも盗撮は犯罪であり,逮捕されることもあります。もっとも,20歳未満の事件は少年事件として扱われ,家庭裁判所の手続で終われば前科はつきません。処分は,審判不開始や不処分から,保護観察,少年院送致,成人と同じ刑事手続で処罰されるおそれがある逆送まで幅があり,どの処分になるかには被害者との示談や家庭での監督態勢も影響します。

この記事では,盗撮事件・少年事件に強い弁護士が,次の点について解説します。

  • 高校生の盗撮は何罪で逮捕されるのか
  • 少年事件の流れと処分・前科の有無
  • 盗撮が発覚したら高校を退学になるのか
  • 示談の必要性と慰謝料・示談金の相場
  • 弁護士に相談するメリット

お読みいただくことで,お子さんがこれからどのような手続を経るのかを見通し,処分が決まる前に親として何をすべきかを判断できるようになります。

なお,お子さんの盗撮事件で早急に対応したいとお考えの方は,この記事をお読みいただいた後,当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っており,早期の対応が結果を左右します。

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高校生の盗撮は何罪?撮影罪と迷惑防止条例の刑罰

「まだ高校生だから罪にはならない」と考えるのは誤りです。刑法では14歳以上の者に刑事責任を問えるとされており,高校生の盗撮も刑事事件として捜査の対象になります。

高校生の盗撮で問われる罪は,主に次の2つです。

性的姿態等撮影罪(撮影罪)

2023年7月13日に施行された性的姿態撮影等処罰法により,盗撮は「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」として処罰されるようになりました。

正当な理由がないのに,人の性的な部位やそれを覆う下着,性的な行為をしている姿などをひそかに撮影する行為が,この罪の典型です(同法2条1項1号)。

法定刑は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金です。撮影を試みたものの撮影できなかった場合も,未遂として処罰の対象になります(同法2条2項)。

未遂を含め,撮影罪にあたる行為の範囲については「性的姿態等撮影罪(撮影罪)とは?盗撮罪との違いと刑罰を解説」で詳しく解説しています。

なお,高校生の盗撮では被害者も18歳未満であることがあり,その場合は,撮影した画像の内容によっては児童ポルノにあたるとして,児童買春・児童ポルノ禁止法の「ひそかに製造する罪」が問題になることもあります。

迷惑防止条例違反

撮影罪の要件にあてはまらない盗撮でも,処罰されないとは限りません。そうした撮影行為には,撮影罪の施行後も各都道府県の迷惑防止条例が適用されることがあります。

また,撮影罪は施行日より前の行為には適用されないため,2023年7月12日以前の盗撮は,条例で処罰されるかどうかが問題になります。

条例の罰則や処罰の対象となる場所は,都道府県ごとに定められています。お子さんの行為がどの規定にあたるかは,事件が起きた地域の条例に照らして判断することになります。

高校生でも逮捕される?少年事件の流れと処分

20歳未満の者による事件は,成人の事件と区別して「少年事件」と呼ばれ,別の手続で進みます。

未成年の盗撮で成人と大きく異なるのは,捜査を終えた事件が原則としてすべて家庭裁判所に送られる点です。ここでは,高校生の盗撮事件が逮捕から処分まで進む流れを順に見ていきます。

①逮捕されるのはどんな場合か

高校生であっても,その場で取り押さえられる現行犯逮捕や,防犯カメラの映像などから後日特定され,逮捕状による後日逮捕となることもあります。

もっとも,逮捕は逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合にとられる手段です。身元がはっきりしており,家族による監督が期待できる場合には,逮捕されずに自宅で生活しながら捜査が進む「在宅事件」となる可能性があります。

捜査が始まった段階で親が避けたいのが,お子さんのスマートフォンの画像を消させるといった行動です。証拠隠滅を疑われ,かえって逮捕や身体拘束の理由になりかねません。

お子さんが逮捕・身体拘束された場合に親や家族としてできることについては「身内が盗撮で逮捕された!家族の不利益と取るべき対応」で具体的な方法を紹介しています。

②逮捕後の勾留・観護措置の期間

盗撮事件で逮捕されると,最長72時間以内に,検察官が引き続き身柄を拘束する手続を請求するかどうかを判断します。

成人であれば勾留(原則10日間,延長されると最長20日間)が続くことがありますが,少年の勾留は「やむを得ない場合」に限られています(少年法43条3項・48条1項)。

その代わりに,少年鑑別所で身柄を確保する「勾留に代わる観護措置」がとられることがあります。この措置の期間は10日間で,延長はできません。

家庭裁判所に送られた後は,審判を行うために必要があると判断された場合に限り,「観護措置」として少年鑑別所に収容されることがあります(少年法17条1項)。少年鑑別所では,収容中に少年の心身の状態や性格が調べられます。

観護措置は全件でとられるわけではありません。措置がとられなければ,高校生は自宅で生活しながら審判を待つことになります。

収容の期間は原則2週間で,1回の更新により4週間となり,実務上は4週間程度となることが多いといわれます。証人尋問などが必要となる一定の場合に限り,さらに更新して最長8週間とすることが認められています(同条3項・4項・9項)。

③家庭裁判所の審判と処分の種類

家庭裁判所では,家庭裁判所調査官が盗撮をした高校生本人や親と面接し,非行に至った原因や家庭・学校の環境などを調べます。

処分を決める際には,盗撮をしたという事実(非行事実)だけでなく,再び非行に及ぶおそれがあるか,専門的な指導や教育によって立ち直ることができるかといった「要保護性」が重視されます。

親の監督のもとで更生が十分に見込まれると判断されれば,審判を開かずに手続を終える「審判不開始」や,審判を開いたうえで処分をしない「不処分」となることもあります。審判で下される主な決定は次のとおりです。

  • 不処分
  • 保護観察(社会で生活しながら保護観察官などの指導を受ける)
  • 児童自立支援施設等送致
  • 少年院送致
  • 検察官送致(いわゆる逆送)

このうち保護観察・児童自立支援施設等送致・少年院送致が「保護処分」です。保護処分は少年の更生を目的とするもので刑罰ではないため,前科はつきません。

なお,18歳・19歳の特定少年(後述)に対する保護処分は,保護観察と少年院送致に限られます(少年法64条1項)。

ただし,捜査を受けた記録は「前歴」として捜査機関に残ります。前科と前歴は別のものとして区別しておきましょう。

参考:裁判手続 少年事件Q&A | 裁判所

④逆送されると前科がつくおそれがある

家庭裁判所は,事件の内容や非行歴などから刑事処分が相当と判断した場合,事件を検察官に送り返します。これが「逆送」です。

逆送されると,盗撮をした高校生も成人と同じく起訴されて刑事裁判を受ける可能性があり,起訴されて有罪となれば前科がつきます。

また,高校3年生で18歳・19歳になっている場合は「特定少年」として扱われ,逆送の対象となる事件の範囲が17歳以下よりも広げられています(少年法62条)。

前科がつくかどうかに関わる重要な場面ですので,お子さんの逮捕や家庭裁判所への送致を知ったら,早めに弁護士に相談することをおすすめします。

盗撮で高校を退学になる?学校への対応

盗撮をした高校生に対する退学や停学は,校長が行う懲戒処分です(学校教育法施行規則26条2項)。警察や家庭裁判所の手続とは別に判断されるため,保護処分で前科がつかなくても,学校の処分を受ける可能性は残ります。

処分の重さは,学校の方針や事件の内容,校内での盗撮かどうか,本人の反省の程度などによって変わります。

学校に事件が知られるきっかけとしては,教室や更衣室など校内で起きた事件である場合や,被害者が同級生など同じ学校の生徒である場合のほか,警察や家庭裁判所から学校へ連絡や照会が入る場合があります。

学校へ自分から報告すべきか,どのように説明するかは,事件の状況によって判断が分かれます。慌てて学校へ連絡する前に,今後の見通しを確認しておくことが大切です。

弁護士に依頼すれば,学校とのやりとりの方針を一緒に検討できます。必要に応じて弁護士が学校側に事情や反省の状況を説明し,退学を避けて学校生活を続けられるよう働きかけることも可能です。

高校生の盗撮で示談は必要?慰謝料・示談金の相場と進め方

高校生の盗撮のような少年事件でも,被害者との示談は処分の判断に影響します。被害者に謝罪して示談金を支払い,事件をめぐる問題を当事者どうしの話し合いで解決する合意を「示談」といいます。

①示談は処分にどう影響する?

成人の事件では,起訴される前に示談が成立すれば,不起訴となる可能性が高まります。一方,高校生の盗撮事件では家庭裁判所への送致が原則となるため,示談が成立しても送致そのものは避けられません。

また,家庭裁判所は非行事実と要保護性をふまえて処分を決めるため,示談が成立したことだけで直ちに処分が軽くなるわけではありません。

それでも示談が重要なのは,謝罪と被害弁償に向き合う過程で少年が反省を深めることが,要保護性を下げる事情として評価されうるからです。

示談金を親が工面して支払った場合も,家族が更生に協力的であることを示す事情として考慮される可能性があります。

生活の見直しやスマートフォンの使い方のルールづくりなど,家庭で再発防止に取り組む姿勢も,処分を判断するうえでの大切な材料になります。

②慰謝料・示談金の相場

慰謝料は,盗撮によって被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償です。示談では,慰謝料を含めた被害者との問題をまとめて解決する趣旨で,「示談金」として支払うのが一般的です。

盗撮の示談金は,おおむね10万円から50万円程度が目安とされています。もっとも,法律で決まった金額はなく,事件ごとに金額は変わります。

被害者が未成年の場合や,撮影した画像をSNSなどで拡散した場合,精神的な苦痛が特に大きい場合などには,この目安を上回る金額で示談が成立することもあります。盗撮の示談金についてより詳しくは「盗撮の示談とは?相場は10万~50万円|弁護士が解説」で解説しています。

慰謝料を支払う義務を負うのは,原則として盗撮をした本人です。自分の行為の責任を理解できる能力(責任能力)がある未成年者は本人が賠償責任を負い,親が代わりに責任を負うのは本人に責任能力がない場合とされています(民法714条)。

高校生であれば,通常は責任能力があると考えられます。ただし,親が監督義務を怠ったことと被害との間に関係が認められる場合には,親自身が責任を問われる余地もあります(民法709条,最高裁昭和49年3月22日判決)。

もっとも,高校生には支払い能力がないことが多く,事実上,親が示談金を用意して支払うケースも見られます。

③示談交渉の進め方と注意点

示談は,処分が決まるまでの限られた期間に進める必要があります。とくにお子さんが身体拘束されている場合は時間的な余裕がないため,できるだけ早く示談交渉に着手することが望ましいといえます。

親が被害者に直接連絡を取ろうとするのは避けてください。被害者は加害者側と接触することに強い恐怖や抵抗を感じている場合が多く,一方的な接触は被害感情を悪化させかねません。

また,面識のない相手を盗撮した事件では,被害者の連絡先を警察や検察から加害者側へ伝えてもらうことは通常できず,交渉の糸口すらつかめないおそれがあります。

示談がまとまったら,後で争いにならないよう,合意した内容を示談書にまとめておきます。示談書の具体的な書き方については「盗撮の示談書の書き方を弁護士が解説【無料テンプレート付】」をご参照ください。

盗撮した高校生の親が弁護士に相談するメリット

高校生の盗撮事件で弁護士に相談するメリットは,逮捕直後から家庭裁判所の審判まで,処分を軽くするための活動を一貫して任せられる点にあります。

少年事件では,捜査の段階では「弁護人」として,事件が家庭裁判所に移ってからは「付添人」として,弁護士が少年を支えます。付添人は,家庭裁判所の手続で少年の立場から意見を述べ,更生を手助けする役割を担います。

①勾留・観護措置を避けるよう働きかける

盗撮で逮捕されてから勾留が決まるまでの間は,家族であっても面会が認められないのが通常ですが,弁護士はこの段階から立会人なしでお子さんと面会(接見)できます。取調べへの対応を助言し,不安を抱えるお子さんを支えることができます。

また,家庭での監督態勢が整っていることなどを示して,検察官や裁判官に勾留や観護措置は必要ないと意見を述べ,高校生の早期の身柄解放を目指します。身体拘束が長引けば学校を長く休むことになるため,初動の対応がとくに重要です。

②被害者との示談交渉を代わりに進める

盗撮の被害者は,加害者本人や親と直接話すことを拒むことが少なくありません。しかし,弁護士が代理人として間に入れば,加害者側には伝えないことを条件に連絡先を教えてもらえたり,弁護士が相手なら交渉に応じてもらえたりすることがあります。

弁護士は,被害者の気持ちに配慮しながら謝罪の意思を伝え,示談金の額や条件を調整して,示談書の作成まで行います。

③付添人として家庭裁判所に意見を伝える

事件が家庭裁判所に移ると,弁護士は付添人として家庭裁判所調査官や裁判官と面談し,盗撮をした高校生本人の反省の状況や家庭の監督態勢,示談の成立などを伝えます。そのうえで,適切な処分となるよう意見書を提出します。

学校と連絡を取り,お子さんが通学を続けられるよう環境を整えることも付添人の大切な活動です。審判の当日も同席し,お子さんと親御さんを支えます。

お子さんの盗撮事件でお悩みの方は弁護士にご相談ください

高校生の盗撮事件は,撮影罪などの疑いで捜査が行われたうえで,少年事件として家庭裁判所で処分が決まります。その後の手続では,示談の成立や家庭での監督態勢が,処分の内容や学校生活への影響を左右します。

弁護士に依頼すると,早期の身柄解放に向けた働きかけや被害者との示談交渉,家庭裁判所への意見の提出を任せることができます。処分が決まる前にどれだけ準備できるかが,お子さんの将来に関わります。

「息子が警察に呼ばれた」「学校に知られたら退学になるかもしれない」と,突然の事態に戸惑い,誰に相談すればよいか迷われている親御さんもいらっしゃるでしょう。すでに警察から連絡が来ている場合や,お子さんが逮捕されている場合は,できるだけ早くご相談ください。

当事務所は,未成年者の盗撮事件や少年事件の弁護活動に取り組んできた実績があります。お子さんの学校生活への影響にも配慮しながら,弁護士が迅速に動き,全力でお子さんの将来を守ります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので,まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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