盗撮の逮捕で実名報道されるケース・タイミングと報道回避方法

盗撮で逮捕された場合、どのようなケースで実名報道されてしまうのかどのタイミングで報道されるのか実名報道を避けるにはどうすればいいのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、盗撮事件に強い弁護士が、

  • 盗撮事件で実名報道されやすいケース
  • 盗撮事件で実名報道されるタイミング
  • 盗撮事件で実名報道を回避する方法

などについて詳しく解説していきます。

なお、盗撮で逮捕されるおそれがある方で、実名報道を回避するために早急に対応したいとお考えの場合は、この記事を最後までお読みいただいた上で、全国無料相談の弁護士までご相談ください

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盗撮事件は実名報道される?

それでは、さっそく盗撮事件で実名報道されるのか解説していきます。

そもそも実名報道される基準はある?

まず、そもそも報道機関が実名報道するにあたっての法的な根拠や明確なルールはありません。つまり、実名報道するかどうか、するとして、どのような事件をどのようなタイミング、方法で実名報道するかは報道機関に任せられているということです。弁護士が報道機関に対して実名報道しないよう求めることはできますが、それを受け入れるかどうかは報道機関の判断に委ねられており、報道機関の実名報道を止める法的な手段はありあせん

一般人でも実名報道される?

テレビなどを見ていると、確かに「○○の有名人が盗撮事件で逮捕された」というニュースを目にします。有名人が逮捕されたという事件は社会的耳目を集めやすく、報道機関が視聴率を稼げるニュースでもあるため、有名人が逮捕された場合はほぼ実名報道されるといってもよいでしょう。

一方、一般人の盗撮事件の場合は、「〇〇代の会社員男性」「市役所職員」など実名を伏せて報道されるケースが多いです。しかし、だからといって一般人が実名報道されないというわけではありません。次で説明するように、報道機関が実名報道する価値があると判断した事件では一般人でも実名報道される可能性はあります

実名報道されやすいケースは?

では、報道機関が実名報道する価値があると判断しやすいケースとはどのようなケースでしょか?

まず、一つ目に考えられるのは、政治家、医師、弁護士、公認会計士、公務員、会社社長・役員など、社会的地位が高い職業に就いている人が盗撮したというケースです。これらの方々は社会的地位が高いがゆえに、法律を遵守し、人々の社会の模範となるべき人です。にもかかわらず、盗撮という罪を犯した以上は社会的に強く非難されるべきであり、それゆえ報道機関も報道する価値があると判断しやすいケースといえるでしょう。

二つ目に考えられるのは、人々の興味・関心を引き付けるような手口で盗撮したというようなケースです。こうしたケースでは盗撮の被害を防ぐ意味でも、一刻もはやく今現在、どのような手口で盗撮が行われているのかを人々に知ってもらう必要があります。また、盗撮を抑止する意味でも、新しい手口を使っても検挙されるということも周知する必要があります。こうしたケースでは、報道機関にとって報道する価値があると判断されやすいでしょう。

盗撮事件で実名報道されるタイミングは?

盗撮事件で実名報道される主なタイミングは次のとおりです。

  • 逮捕された後
  • 書類送検された後
  • 起訴された後
  • 判決を受けた後

このうち、最も実名報道されやすいタイミングが「逮捕された後」です。

警察官は、被疑者を逮捕した場合は、原則として48時間以内に被疑者の身柄を検察庁に送致(送検)しなくてはなりません(刑事訴訟法第203条)。そのため、盗撮容疑で逮捕された被疑者は、逮捕された日の翌日か遅くとも翌々日には警察署の建物を出て護送車に乗り込み、検察庁に向かいます。

この記事をご覧の方のほとんどが、テレビのニュースなどで、手錠をはめられ警察署から出てくる被疑者が護送車に乗り込むシーンや、護送車に乗せられた状態で警察署から出てくるシーンをご覧になったことがあるのではないでしょうか?あのシーンはまさに、逮捕され、これから検察庁に身柄を送致(送検)されるという場面なのです。

やはり、「逮捕」というワードは一瞬で人々を惹きつける力があります。だからこそ、報道機関にとって最も実名報道したいタイミングとなっているのでしょう。

なお、実名報道のきっかけはもちろん警察からの情報提供です。警察は「実名報道されやすいケースは?」で述べたような基準をもとに、実名報道する事件を選別し報道機関に情報提供しているのです。その意味では、実名報道するかどうかの事件の選別には警察も関わっているということになります。

盗撮事件で実名報道された場合のリスク

盗撮事件で実名報道された場合のリスクは主に2つ考えられます。

一つ目に、盗撮したことが報道を見た家族・親族、近所の人、友人、職場の上司・同僚などに知られてしまうことです。家族・親族に知られると大きな心労をかけてしまうことでしょう。近所の人や友人に知られると今後の人間関係が変わってしまうかもしれません。職場の上司・同僚に知られると、ゆくゆくは会社を辞めざるを得ないかもしれなくなるかもしれません。

二つ目に、インターネットなどにニュースが掲載され続けてしまうことです。今や事件が報道されるのはテレビだけではありません。ネットなどにも事件の報道が掲載され、しかもテレビと異なり、一定期間掲載されたままの状態が続きます。たまたま報道を見逃したとしても、遡って盗撮事件の報道に触れられてしまう可能性があるのです。また、一度掲載されると削除を求めることが難しいケースもあります。

盗撮事件で実名報道を回避するには?

盗撮事件で実名報道を回避するには、次の対応をとることが考えられます。

  • 1.逮捕を回避する
  • 2.警察にマスコミへの公表を控えるよう要望書を提出する
  • 3.実名報道を控えるようマスコミに意見書を提出する

1.逮捕を回避する

まず、盗撮事件での実名報道を避けるには逮捕を回避することが最も重要です

前述のとおり、盗撮事件で最も実名報道されやすいタイミングは逮捕されたときです。したがって、逮捕を回避できれば実名報道を回避できることにつながりやすくなります。特に盗撮が初犯の場合、過去の犯罪歴がないため、適切な対処をすることで逮捕を回避できる可能性があります。逮捕を回避するための対応方法は次の通りです。

  • ①盗撮現場から逃げない
  • ②被害者と示談を成立させる
  • ③自首する
  • ④在宅事件の場合は警察からの呼び出しに必ず応じる

①盗撮現場から逃げない

では、逮捕を回避するにはどうするかですが、まずは盗撮の現場からむやみに逃げないことです。盗撮では現行犯逮捕されることが多いです。そして、盗撮の現場で現行犯逮捕されるケースとして多いのが、盗撮の現場から逃げたりしたときです。したがって、盗撮を疑われたときはまずは落ち着いて受け答えすることが大切です。どうしても自分の力では対応できそうにないときは法律事務所に電話し、現場に急行してくれる弁護士に対応を依頼しましょう。弁護士が依頼を受けた場合は弁護士の指示に従うか、弁護士が現場に来るまでその場を離れてはいけません。

②被害者と示談を成立させる

また、盗撮したことを認めるときは、はやめに被害者との示談交渉を進め、示談を成立させることが大切です。示談が成立した事件は不起訴となることがほとんどですから、示談が成立した事件について警察がわざわざ犯人を逮捕することは考えられません。ただ、示談交渉を円滑に進め、示談を成立させるには弁護士の力が不可欠です。被害者との示談交渉を望んでいるときははやめに弁護士に相談しましょう。

③自首する

もし盗撮現場から逃げてしまった場合には、目撃者の証言や防犯カメラの映像などから犯人が特定され、後日逮捕されて実名報道される可能性があります。そのため、現場から逃げてしまったケースでは、自首を検討する必要があります。自首することで逃亡・証拠隠滅のおそれがなくなったと判断され、逮捕を回避できる可能性があります。もっとも、自首をすれば必ず逮捕を回避できる保証はありませんので、事前に弁護士と相談し、逮捕回避の対策をとった上で弁護士に同行してもらい出頭すべきでしょう。

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④在宅事件の場合は警察の呼び出しに必ず応じる

盗撮をした場合でも、身柄を拘束されずに在宅事件として捜査を受けることがあります。在宅事件になると、通常の生活を送りながら警察の呼び出しに応じて出頭し、取り調べを受けることになります。呼び出しに応じないと、逃亡のおそれがあると判断されて逮捕される可能性があるため、必ず応じてください

2.警察にマスコミへの公表を控えるよう要望書を提出する

次に、警察に対して盗撮事件に関するマスコミへの公表を控えるよう意見書を提出することが考えられます

前述のとおり、実名報道の情報の大元は警察にあります。警察に盗撮事件の実名報道の必要性の低さ、実名報道によって被疑者が受ける不利益などを丁寧に説明することで、警察からマスコミへの情報提供を止めさせることができるかもしれません。

3.実名報道を控えるようマスコミに意見書を提出する

次に、マスコミに対して盗撮事件に関する実名報道を控えるよう意見書を提出することが考えられます

意見書を提出しなければ、マスコミは個人の事情など関係なくマスコミの都合で実名報道するか否かを決めるでしょう。その点、個人の事情を熟知している弁護士を通じて意見書を提出することは一定の抑止にはなるでしょう。

盗撮の実名報道に関するよくある質問

最後に、盗撮の実名報道に関するよくある質問にお答えします。

略式起訴の場合でも実名報道されることはある?

略式起訴された場合に実名報道されることはほとんどありません

略式起訴とは簡易的な裁判をするための起訴で、有罪と認定されれば罰金刑を科されるというものです。罰金刑は懲役刑に比べて軽く、逮捕に比べて人々に与えるインパクトも低いため、実名報道されることはほとんどないでしょう。

実名報道された逮捕記事を削除してもらうことはできる?

削除してもらえる可能性はあります

実名報道は実名報道された人のプライバシー権を著しく侵害する行為です。盗撮の嫌疑をかけられた人であってもプライバシー権は保障されていますから、プライバシー権の侵害を理由に削除を求めることはできます。もっとも、報道機関にも表現の自由が保障されており、どちらの権利が優先されるかはケースバイケースで判断されます。個別の事案において、プライバシー権を保護する必要性の方が高いと判断されたときは削除されるでしょう。

少年による盗撮事件でも実名報道される?

少年による盗撮事件で実名報道されることはありません

そもそも現行の少年法では少年(20歳未満の者)の実名報道を禁止しています。例外的に、少年であっても正式起訴される事件に限って実名報道が可能となっていますが、少年が正式起訴される事件とは、殺人事件など人を死亡させた事件に限られています。つまり、少年が盗撮をした場合には正式起訴されることはなく、よって、実名報道されることもないということになります

実名報道した報道機関に損害賠償請求できる?

前述のとおり、報道機関には憲法上、報道の自由が保障されていることから、たとえ報道によって個人のプライバシー権を侵害したとしても、そのことから直ちに損賠賠償義務が発生するわけではありません。このことはたとえ、不起訴や無罪判決を得た場合でも同様です。

もっとも、報道機関側の過失によって個人のプライバシー権を侵害したような場合には請求できる可能性はあります。

まとめ

盗撮事件で実名報道される可能性があります。特に、逮捕されたときは実名報道されるリスクが最も高いと言えるでしょう。実名報道されると、社会生活にさまざまな影響が出る可能性があります。逮捕を回避することや、警察やマスコミに要望書や意見書を提出することは、弁護士の力を借りなければ実現が難しいです。逮捕された場合はすぐに弁護士と接見し、逮捕されなかった場合でも後日逮捕されるおそれがあるため、早めに弁護士に相談することが重要です。

当事務所では、盗撮事件における逮捕回避の実績が豊富です。親身かつ誠実に、弁護士が依頼者を全力で守りますので、盗撮による実名報道を避けたいとお考えの方は、ぜひ当事務所の弁護士までご相談ください。

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