未成年との淫行で300万円を恐喝されるも0円で解決した事例

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要

依頼者:Eさん(30代男性・既婚・会社員)
状況:氏名不詳者から職場に連絡があり300万円の恐喝未遂

Eさんは、仕事を通じて知り合った未成年の女性と、当初は業務上の連絡を取り合う間柄でしたが、LINEの交換などを機に次第に私的な交流を深めていきました。

そして、Eさんは、その女性が未成年であることを知りながら好意の感情をいだくようになり、性的な関係を持つに至りました。もっとも、Eさんとこの未成年の女性との関係は長くは続かず、やがて女性との連絡が途絶え、自然消滅の形で両者の関係は終わりを迎えました。

そして、Eさんとその未成年の女性との関係が途絶えてから数カ月が経ったある日、突然、Eさんの職場に匿名で電話がかかってきました。

Eさんが電話に応答すると、男性と思われる声の主は、「お前は数カ月前に未成年の女性と淫行していただろう。証拠はある。未成年と淫行したことを職場や家族にばらされたくなければ300万円を郊外にある某公園まで持ってこい。」と日時を指定して告げてきました。

Eさんは、匿名の電話の内容について、当然心当たりがありました。仕事上知り合った未成年の女性と性的な関係を持ったことが明るみに出れば、警察に逮捕されるかもしれないし、自身の家庭も崩壊してしまうと激しい恐怖に襲われました。

Eさんは、咄嗟に、数カ月前に関係をもった未成年の女性に連絡をとってこの匿名の電話について確認しようとしましたが、既に連絡はつきません。そして、匿名の電話の主の連絡先もわかりません。Eさんは、警察に全てを話して助けてもらおうとも考えましたが、インターネット検索で自身の行った行為が「淫行」(青少年保護育成条例)にあたり逮捕されるリスクがあることを知り、それも断念せざるをえませんでした。

そして、Eさんは、匿名の電話をかけてきた相手の言うとおり、指定された日時に郊外にある某公園に自身で行くしかないのかと途方にくれました。そうして、数日が経過して指定された日時が近づいてくると、漠然と、警察には事情は話せないが、弁護士であれば守秘義務を負っているので力になってくれるかもしれないと考え弊所に相談されました。

解決への流れ

①弁護方針

まず、弊所では、Eさんが女性が未成年であることを知らなかった(「淫行」の故意がなかった)という主張ができないか検討しました。しかし、Eさんと未成年の女性とのLINEのメッセージには、明らかにEさんが女性を未成年と認識していたやりとりが複数残っていたため、「淫行」の故意がなかったという主張は難しいと判断しました。

また、相手方が、Eさんの淫行を警察や家族に暴露されたくなければ300万円を支払えと要求する行為は、Eさんを畏怖させるような害悪の告知であり、恐喝にあたるため、恐喝に屈してEさんに金銭の支払いをする義務はないと判断しました。

もっとも、弊所では、Eさんが懸念されていたとおり、Eさんの未成年の女性に対する行為が警察に発覚すれば、青少年保護育成条例違反により警察の捜査が進むリスクがあるため、警察に恐喝罪での被害申告することは慎重に検討する必要があると判断しました。

Eさんとしても、恐喝罪で警察に被害届を提出して相手方の行為を刑事事件化することが目的ではなく、未成年の女性と性的な関係をもったことが第三者に発覚することなく、出来れば金銭の支払いをせずに、穏便に終わりたいとの意向でしたので、その意向に沿って対応することとしました。

また、弊所から匿名の電話の主に連絡する手段やEさんが関係をもった未成年の女性に連絡する手段が全くなかったため、弊所が本件にどのように介入するかが議論になりました。

最終的には、弊所の弁護士が、匿名の電話で指定された郊外の公園に指定の日時に赴き、相手方と直接交渉するという結論に至りました。

②弁護士の対応

まず、相手方が指定してきた場所が郊外の公園であり、時間帯も夜間だったため、弊所の弁護士が相手方と落ち着いた話し合いが出来るのか不明でした。そのため、当方の相手方のEさんに対する300万円の請求は恐喝にあたり、金銭の支払いに応じることはできないとの主張を詳細に書面(受任通知書)に記載し、現場で相手方に交付することにしました。

そして、担当弁護士が一人で、相手方の指定する日時に、指定された公園に向かいました。弁護士は、街灯もまばらな暗闇の中で、数十分待ち続けました。指定の時間が過ぎても誰も現れなかったので、弁護士は、その場から離れようとしたところ、暗闇から一人の男性が弁護士に近づいてきて「お前がEか」と声をかけてきました。

現場に現れた男性(恐喝の受け子)は、Eさんが関係をもった未成年の女性の知人の男性で、複数人でEさんから金銭を恐喝しようと共謀し、今回の犯行に至ったとのことでした。

弁護士は、相手方に弁護士の名刺と用意していた書面(受任通知書)を提示し、口頭で相手方の行為は恐喝にあたるため金銭の支払いに応じることはできないし、今後Eさんに接触することはないよう申し入れました。

現場に現れた恐喝の受け子は、当初はEさんの淫行が許せない等と言っていましたが、徐々に自分達の行為が恐喝罪という重い犯罪にあたることを認識すると、仲間に相談しないと決められないが、グループのリーダー格に名刺と書面は渡すし、弁護士のいうとおり、今後、Eさんに関わらないように伝えると言ってその場を立ち去りました。

解決結果と弁護士のコメント

被害金額:300万円の被請求 ➡ 0円で解決(300万円の減額)
刑事処分:警察への被害届の提出なし(逮捕回避・前科つかず)
職場・家族:発覚することなく解決

弁護士のコメント

現場での交渉は、夜間の郊外のひとけのない公園で1対1で行われ、証拠保全のため録音はしていたものの、緊急時でもEさんの淫行が警察に発覚するのを防ぐために110番通報が制限された緊迫感がある特殊な状況で行われました。このように淫行を理由に脅迫・恐喝された場合に警察への相談が難しくなる事情については、援助交際トラブルで脅迫されたのに警察相談できない明確な理由で詳しく解説しています。

理想を言えば、相手方の身元を特定し、Eさんとは今後一切関わらないという誓約書を取り交わすことができればよかったのですが、現場の状況から口頭での申し入れと書面の交付が精一杯の状況でした。

当初、弊所では、相手方はEさんの職場に匿名で電話してきており、Eさんと関係をもった女性を含めて相手方と全く連絡手段がなかったため、Eさんの依頼を受けることは難しいだろうと考えていました。しかし、Eさんの警察にも頼れないし他に頼るところがないという切実な訴えに応えるために、弊所としても出来る限りの対応をしようという判断になりました。

弊所は、法的な根拠が乏しい不当な請求や、本件のような解決が困難な恐喝事案について多くの解決実績があります。

本件のような対応が困難な事案であっても、弊所では、法的な争点と証拠を整理してあらゆる対抗策を検討することはもとより、時には身体を張って依頼者の平穏な日々をお守りするために全力を尽くします。お困りの際は、いつでも弊所にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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