結論から言いますが、風俗トラブルを行政書士が解決することは可能です。
正確には、「可能なケースもある」と言った方が良いでしょう。
風俗トラブルは、盗撮や本番強要といった刑事事件にまで発展しかねない重大な問題です。
解決を依頼する専門家選びが重要となってきますので、”自分のケースでは行政書士による解決が図れるのか”、そこを見極めることが必要となってくるでしょう。
そこでここでは、どのようなケースであれば行政書士による解決が可能なのかをわかりやすく解説していきます。
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1. 行政書士とは
行政書士は、果たしてどのような仕事をしているのでしょうか。
日本行政書士連合会のホームページを見てみましょう。
行政書士は、行政書士法(昭和26年2月22日法律第4号)に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成、行政不服申立て手続代理等を行います。
このように、行政書士は、官公庁へ出す書類の作成と提出の代理や、契約書(売買契約書や示談書等)の作成でお金を貰う仕事であることがわかります。
免許センターや役所の近くに行政書士事務所が多いのも、このような業務内容を生業としているためです。
2. 行政書士ができないこと
行政書士がどのような業務を行えるかお伝えしましたが、では逆に、出来ない(法律上してはならない)業務はなんでしょうか。
弁護士ができる業務と比較すると分りやすいので、札幌弁護士会のホームページに掲載されている、示談交渉における弁護士と行政書士のできることの違いを見てみましょう。
弁護士会のホームページを見ていただけたらわかるように、弁護士は、主義主張・交渉・和解書(合意書)の作成・裁判手続きの全てを行えますが、行政書士は書面の作成以外は法律上できません。
3. どのような弊害があるのか
このように、行政書士は、示談書等の書面の作成はできますが、交渉や裁判手続きは一切できません。
では、それにより、風俗トラブルの場面においてどのような弊害が生じるのでしょうか。
例えば、本番を強要していないのに強要したことにされるケースや、盗撮はしたが請求された金額があまりにも暴利であった場合を想像してみてください。
アナタはこう望むでしょう。
- 無実であることを証明したい(主張したい)
- 警察に逮捕されたくない
- 慰謝料等、支払う額をできるだけ小さくしたい
- お金を支払ったら金輪際、自分や周囲に連絡をしてこないで欲しい
- 妻や子供、職場に連絡されたくない
しかし、刑事事件に巻き込まれないようにしつつも、妥当な金額や条件での和解が結べるのは専門家による交渉ありきの話です。
この点、法律で禁止されている以上、行政書士は交渉はできません。いくら示談書を作ってもらっても、風俗店関係者に自分の希望を全て飲ませて示談書にサインさせるだけの交渉力は一般の方は持ち合わせていないでしょう。
また、行政書士は、裁判手続きもできないという点において、抑止力という意味で問題があります。
よくある事例では、示談を交わしたのに、後日再びお金をゆすられる被害にあうケースです。被害者に後ろ盾がいないのを良いことに、示談内容を反故にして約束を守らない風俗店関係者も少なからずいます。
この点、弁護士が代理人となっていれば、風俗店関係者は示談内容に違反することはできません。違反すれば、代理人弁護士が即刻、民事訴訟や刑事告訴(詐欺・恐喝等)の手続きをとってくることをわかっているからです。
このように、交渉や裁判手続きを法律で認められていない点で、風俗トラブルにおいては行政書士の活躍の場は多くはありません。
しかし、行政書士によって風俗トラブルの解決が可能なケースもあります。次で見てみましょう。
4. 行政書士が風俗トラブルを解決できるケース
端的に言えば、以下の3つの条件が整っていれば解決可能です。
- ①相手が弁護士を代理人として立ててきた
- ②相手の請求金額が定まっている
- ③アナタがその金額を支払うことに合意できる
意外に思われる方もいるかもしれませんが、風俗店側が弁護士を立ててくることも少なくありません。とくに、大手の優良風俗店に多い印象があります。
店側は全ての対応を弁護士に委任しているため、脅迫や威圧的態度で男性客から金銭を脅し取るつもりがないことがわかります。
また、弁護士が暴利を働くようなこともまずありませんので、請求される額もある程度妥当なところで収まるケースが多いでしょう。
つまり、アナタが、相手弁護士が提示してきた金額に合意さえすれば、交渉が一切不要の示談での解決が図れるのです。
アナタ自身が弁護士を立てて、交渉や抑止力を働かせる必要もありません。必要なのは示談書面のみになりますので、行政書士に作ってもらって事態を収束させることができます。
また、相手弁護士が示談書を作成するケースもありますが、「相手弁護士が作成した示談書だし、自分に不利な条項が書かれているのでは…」と不安な方は、それこそ、書面作成のプロである行政書士の無料相談を活用しましょう。
5. 風俗トラブルにおける行政書士の選び方
風俗トラブルの示談書面自体は、一般的な男女トラブルの示談書面をフォーマットとして加筆修正するものですので、とくにどの行政書士に依頼すべきというものはありません。
そのため、できるだけ料金が安く、ご自宅から近い場所の事務所を選ぶと良いでしょう。行政書士会員検索より最寄の行政書士事務所を探して電話で料金を確認しましょう。
「行政書士 示談書作成 料金」で検索すればわかりますが、おおよそ15,000円~25000円が相場(ネットで探せば10000円を切る事務所もあります)です。風俗トラブルの緊急性に乗じて高額な料金を提示してくる事務所もあるかもしれませんので注意が必要でしょう。
※中には、「示談がダメなら弁護士を相談しますよ」といった勧誘文句で、50000円もの高額な示談書作成料金を請求するケースもありますので、冷静な判断を失わないよう注意が必要です。
また、誠実な行政書士を選ぶ基準としては、「解決できます」と安請け合いしないことがポイントです。
先ほどお伝えしたように、行政書士は弁護士法72条違反となるため、交渉や訴訟業務は行えません。「解決できます」とは言えないはずなのです。
風俗トラブルにおいては、「(解決はできませんが、)依頼されれば示談書面を作成します」という正直なスタンスの行政書士こそ、不備のない立派な示談書を誠実に作成してくれることでしょう。
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