
近年、メンズエステを舞台とした美人局による恐喝事件が急増しており、実際に大規模な組織的犯罪として摘発されるケースも相次いでいます。セラピストと店舗がグルになって、罰金等の名目で金銭を脅し取るこの手口は、被害者数が数百人、被害総額が億単位に達する深刻な社会問題となっています。
メンズエステでの美人局は恐喝罪などの犯罪行為にあたるため、警察に相談して事件化してもらうことも可能です。しかし、令和5年の刑法改正により、セラピストの同意なくお客がセラピストの身体に触れるなどした行為が罪に問われる可能性もあるのです。
そこでこの記事では、メンズエステトラブルに強い弁護士が、実際の摘発事例を踏まえながら、
- メンズエステでの美人局の実際の摘発事例
- メンズエステでの美人局の手口と実態
- 美人局被害に遭った場合の適切な対処法
について詳しく解説していきます。
なお、既にメンズエステで美人局被害に遭われてお困りの方は、この記事を読まれた上で、全国どこからでも無料で相談できる当法律事務所までご相談ください。
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目次
メンズエステでの美人局事例
メンズエステは本来、性風俗店とは異なり、アロマオイルマッサージやリンパマッサージなどの健全なリラクゼーションサービスを提供する店舗です。そのため「美人局のような犯罪とは無縁では?」と考える方も多いかもしれませんが、現実は大きく異なります。
近年、メンズエステを舞台とした美人局による恐喝事件が相次いで摘発されており、警察による捜査の結果、複数の経営者や従業員が逮捕・起訴される深刻な事態となっています。被害者数は数百人、被害総額は億単位に達するケースも報告されています。
以下では、手口や規模の異なる3つの代表的な摘発事例をご紹介します。
誓約書を悪用した大規模恐喝事件
2024年、東京都港区のメンズエステ店「さくらんぼSPA」の統括責任者ら14人が恐喝容疑で逮捕される事件が発生しました。この組織は都内に15店舗を展開する大規模なチェーン店で、2023年8月以降だけでも約2億円を「違反金」名目で徴収していたとされています。
手口は非常に組織的で、まず客に「セラピストへのタッチ禁止」「違反行為は100万円請求」といった内容の誓約書にサインさせます。その上で、水着姿の女性従業員が密着サービスを提供し、客が従業員に触れた瞬間に責任者らが現場に駆けつける仕組みでした。
現場では「触ったらダメですよ。規約に禁止って書いてあるよね。お客さんも警察に捕まるよ」などと客を脅迫し、2万円から101万円という法外な金額を要求していました。この事件では、短期間だけでも20代から40代の男性客4人から計117万円を脅し取ったとして立件されています。
参考:「触ったら100万円」の誓約書、違反客に恐喝容疑 エステ店摘発:朝日新聞デジタル
元YouTuber主導の組織的美人局事件
2025年3月、「犯罪撲滅」を掲げて活動していた元私人逮捕系YouTuber(31)と大学生(20)が恐喝容疑で逮捕されました。皮肉にも、犯罪を撲滅するはずの人物がメンズエステでの美人局グループの指南役を務めていたという衝撃的な事件でした。
この事件の手口は極めて巧妙で、客に「性行為をしたら罰金100万円」との誓約書にサインさせた後、女性従業員が積極的に性的サービスを持ちかけていました。客が応じると、連絡を受けた大学生らが部屋に乱入し「誓約書通り違約金を払え。払わなかったらどうなるか分からねぇからな」と脅迫する手法でした。
特に注目すべきは、このグループが性行為を「事故」、罰金回収を「キリトリ」という隠語で呼び、LINEで組織的に連絡を取り合っていた点です。グループ全体では約240人の被害者から総額約8000万円を脅し取ったとされ、その規模の大きさが明らかになっています。
参考:エステ店で「美人局」、指南か 元私人逮捕系ユーチューバーら逮捕―警視庁:時事ドットコム
美人局専門店として設立された悪質事例
2022年8月、大阪府で極めて悪質なメンズエステ店の経営者や女性従業員が恐喝・恐喝未遂容疑で逮捕されました。この店舗の最も衝撃的な点は、通常の営業を装いながら実際には美人局行為を行うために設立されており、開店からわずか2か月という短期間で摘発されたことです。
この店舗では「客に禁止行為をさせろ」という秘密のルールが存在し、女性スタッフが意図的に客を性的行為に誘導していました。店長や従業員が監視カメラで施術室内の様子を常に監視し、禁止行為が発生すると女性スタッフがタオルを倒して合図を出す仕組みでした。
客がシャワーを浴びている間に男性スタッフが部屋に侵入し、「このまま警察いったら懲役なるからな」「10年は刑務所や」などと恐喝して現金を脅し取っていました。さらに悪質なことに、その場で3万円を要求した後、示談金として100万円を支払う誓約書にまでサインさせていたのです。
この事件では2023年4月時点で5名の男女が起訴されており、女性スタッフの裁判では「普通のマッサージを目的とする人は少ない」との証言もあり、メンズエステ業界の一部に存在する問題が浮き彫りになりました。
参考:「禁止行為をさせて示談金請求」逮捕されたメンズエステ店女性の後悔:ライブドアニュース
メンズエステでの美人局の手口は?
悪質な店舗で行われる美人局の手口には、以下のようなものがあります。
- ①誓約書の内容をろくに説明もせずサインを求めてくる
- ②セラピストがきわどいサービスで誘惑してくる
- ③サービス終了後に男性スタッフが登場し罰金を請求される
以下、それぞれについて解説していきます。
①誓約書の内容をろくに説明もせずサインを求めてくる
メンズエステを利用する際には、トラブル防止のために注意事項などが書かれた誓約書にサインをするように求められることも少なくありません。
そして、誓約書には規約違反をした場合には違約金の支払義務が発生することが記載されていることがあります。顧客側の悪質行為を抑止するために、高額な違約金が記載されている場合もあります。
そのため、違約金や罰金などを誓約書に記載していれば、直ちにその店舗は悪質店であるとは限りません。
ただし、美人局を行おうと企んでいる悪質な店舗は、新規客に誓約書の内容、特に違約金や罰金に関して十分な説明をせずにサインを求めてくる可能性があります。例えば、美人局を行おうと企んでいる店の場合には、非常にうす暗い部屋に通され、記載されている文字が見えない状況下で、その誓約書にサインをするように要求することがあります。
女性スタッフの身体に触れた場合には、「罰金100万円」を支払えなどと法外な違約金が記載されていることに気づかないまま書面に合意してしまう方も少なくありません。
②セラピストがきわどいサービスで誘惑してくる
誓約書にサインをしていざエステサービスの提供を受ける段階になると、セラピストがきわどいサービスを行い誘惑してきます。
施術室で待っていると、マイクロビキニなどの露出度の高い衣装やセクシーな衣装を着たキャスト(セラピスト)が現れます。セラピストが露出度の高い衣装であったとしても、直ちに問題があるわけではありませんが、セラピストが全裸の場合には危機感を持ちましょう。
なぜなら一般的なメンズエステ店で性的なサービスを提供する行為は、違法行為に該当することになるからです。
そして、いざ施術が開始すると、セラピストが必要以上に胸や脚を密着させてきたり、執拗に鼠径部や下半身のマッサージ(ディープリンパ)を行ったりして顧客を誘惑してきます。
執拗に性的なサービスを受けると、顧客側も「少しだけなら身体に触れても問題ないだろう」などと考え、胸やお尻などセラピストの身体に触れてしまうことがあります。また、セラピストが「裏オプションがあります」などと甘い言葉で誘惑し、本番行為などのより過激なサービスへと誘導するケースもあります。
③サービス終了後に男性スタッフが登場し罰金を請求される
セラピストからの誘惑に負けて、顧客の側からセラピストの身体に触れてしまうと、店側の狙いどおりになってしまいます。
セラピストが顧客からの接触を確認した場合には、セラピストが店舗のスタッフや責任者に何らかの方法で報告し、施術室に男性スタッフが入ってきます。施術が終わった後に店の責任者から別室に通されるというパターンもあります。
そして、店側はセラピストから身体を触られたという報告を受けたことを伝え、「接触は誓約書に禁止行為としっかりかかれている」「規約違反です」「違約金〇〇万円を支払ってもらう必要がある」などと言われてしまいます。誓約書にサインをしていた場合であっても、このように言われた段階で初めて禁止行為の存在や違約金の約定について認識するというケースもあります。
このような対応をする店側のスタッフは強面(こわもて)・大柄な男性である可能性が高く、顧客が困っていると、「どう責任とるつもりだ」「約束通り罰金を支払え」など乱暴な言葉づかいで金銭を要求してきます。警察に通報する・家族や職場に報告するなどと脅してくる場合もあります。
メンズエステ店側の脅しに屈してしまい、持ち金を全額渡してしまったり、不足分を消費者金融から借金させて違約金を支払わせたりすることによって、被害を受けてしまう事案が発生しています。
具体的な被害事例については、メンズエステ詐欺の相談事例と適切な対処法を弁護士が解説で紹介されていますのでご覧になってください。
メンズエステで美人局被害に遭った場合の対処法
メンズエステで美人局被害に遭ってしまった場合、パニックになってしまい適切な対処ができないと、さらに被害が拡大してしまう可能性があります。しかし、正しい知識を持って冷静に対処すれば、被害を最小限に抑えることができます。
ここでは、美人局被害に遭った際の具体的な対処法について、その場での緊急対応から相談先の選択まで、段階的に詳しく解説していきます。
その場での緊急対処法
メンズエステで美人局に巻き込まれてしまった場合、その場での対応を誤ると被害が拡大するおそれがあります。焦って逃げたり、安易にサインや支払いをしてしまうのは危険です。ここでは、現場で冷静に取るべき基本的な行動を5つに整理しました。
- ①その場から逃げ出さない
- ②示談書や誓約書にサインしない
- ③その場でお金を払わない
- ④会話ややり取りを録音・保存する
- ⑤暴行を受けた場合は証拠を残し診断書をもらう
①その場から逃げ出さない
メンズエステで美人局に遭遇してしまった場合、一刻も早くその場から逃げ出したいと考えるかもしれません。しかし、不用意に隙をついて逃げ出すのは絶対に避けてください。
あなたが逃げ出す行為は、相手に「不審な行動だ」と批判される口実を与えてしまうことになります。その場でパニックにならず、まずは落ち着いて状況を把握するように努めましょう。
相手が警察に通報し、「逃亡や証拠隠滅のおそれが高い」と判断されれば、あなたが逮捕されてしまう可能性も出てきます。店側は「客がセラピストに性的暴行を加えた」として被害届を提出し、逃げ出したことを「犯行後の逃亡」として主張してくるでしょう。そうなると、立場が逆転し、あなたが性犯罪の加害者として扱われかねません。
いかなる理由であっても、相手を刺激するような行動は慎み、その場から不用意に逃げ出すことは避けましょう。まずは冷静に、相手の要求や言動をよく聞き、会話の内容を記録する準備をしてください。この冷静な対応が、後々のトラブルを回避するための第一歩となります。
②示談書等の書面にサインしない
メンズエステでの美人局の手口として、「この示談書にサインすれば警察には言わない」、「法的責任を追及しない」などと、書面へのサインを求めてくることがあります。
しかし、いかなる理由であっても、その場で提示された書面に安易にサインしてはいけません。
相手に言われるがままにサインをしてしまうと、後々裁判になった場合にあなたが不利な立場に置かれてしまう可能性があります。特に、慰謝料の支払いや、事実と異なる内容を認めるような書面には絶対に署名しないように注意しておく必要があります。
書面の内容によっては、「(触っていないのに)触ったことを認める」、「(法外な)慰謝料を支払う約束をする」といった不利な内容を認めたことになり、そのような事実が真実であると評価されてしまうリスクがあります。
また、必要な条項(清算条項)が設けられていない書面にサインしてしまうと、後から様々な理由を付けて繰り返し金銭を要求される二次被害に遭う可能性も否定できません。
どんなに急かされても、その場でサインするのではなく、「弁護士に相談してから連絡します」と伝え、安易なサインは避けましょう。
③その場でお金を払わない
メンズエステで美人局被害に遭ったとき、最もやってはいけないことは、その場で相手の要求に応じてお金を支払ってしまうことです。
一度でもお金を支払ってしまうと、後からそのお金を取り戻すことは非常に困難になります。
相手はあなたの動揺や焦りに付け込み、法外な金額を要求してくることがほとんどです。たとえ少額であっても、絶対にその場で支払いに応じないでください。
支払いを拒否した際に、「この場から帰らせない」、「家族にバラす」などと脅してきた場合は、恐喝罪や監禁罪にあたる可能性が高まります。このような脅迫行為に屈することなく、冷静に支払いを拒否することが重要です。
相手の言うがままにお金を支払うのではなく、まずは「弁護士と相談してから対応します」と伝え、その場を離れることを最優先に考えましょう。不用意な支払いは、相手の犯罪行為を助長し、さらなる被害を招くことにもつながりかねません。
④会話の録音をする・やり取りは全て保存しておく
可能であれば、現場での会話をスマートフォンなどの録音アプリで記録しておきましょう。
後日、メンズエステ店から電話でやり取りすることになった場合も、必ず録音してください。また、LINEやショートメールなどで連絡を取り合うことになった場合も、やり取りを全て保存し、削除せずに残しておくことが非常に重要です。
こうしたやり取りの記録は、後から警察や弁護士が介入した際に、相手の脅迫行為や恐喝の事実を証明する客観的な証拠となります。特に、相手が「警察に言う」、「家族にバラす」などと脅迫するような発言は、後々の交渉や裁判で非常に重要な証拠となります。
ただし、録音したデータの扱いについては、後から弁護士に相談し、適切な使い方を判断してもらうようにしましょう。
⑤暴行被害を受けた場合は病院で診断書をもらう
もし美人局の過程で暴行を受け、身体に痛みや傷が残った場合は、必ずその場でスマートフォンのカメラなどで怪我の跡を撮影し、できるだけ早く病院へ行って診断書をもらってください。
傷は時間とともに消えてしまうため、早急に行動することが非常に重要です。診断書は、相手の行為が単なる恐喝だけでなく、暴行であったことを証明する有力な証拠となります。
これにより、被害の深刻さを客観的に証明することが可能になります。また、これらの証拠は、警察に被害届を提出する際や、弁護士が相手と交渉する際に、あなたの主張を裏付ける重要な材料となります。
傷が「少し赤くなっているだけ」、「軽い打ち身だから大丈夫」と思っても、後から被害を立証することが困難になるため、必ず写真撮影と診断書の取得を行いましょう。撮影した写真には、撮影日時が記録されるように設定し、複数の角度から怪我の状態を記録しておくと、より証拠能力が高まります。
警察に相談する場合
対処法の一つとして、警察に相談することが考えられます。メンズエステでの美人局は恐喝や脅迫といった重大な犯罪にあたるため、状況によっては解決の糸口となります。ただし、令和5年の刑法改正以降は、被害を訴える側であっても自らの行為が性犯罪として問われるリスクがある点に注意が必要です。ここでは、警察への相談がどのような意味を持ち、どのような注意点があるのかを解説します。
美人局は犯罪なので警察に相談可能
メンズエステ店での美人局行為は、恐喝罪、脅迫罪、詐欺罪、強要罪、強盗罪などの犯罪にあたるため、警察に相談することができます。
これらの犯罪が成立する場合、店側は重い刑事処罰を受ける可能性があります。
警察に刑事告訴・被害届を提出した場合には、店舗が検挙・摘発される可能性があります。
なお、刑事事件として立件された場合、被疑者となった店側の人間は、逮捕や不起訴を獲得するために被害者である顧客に示談を申し入れてくる可能性もあります。
令和5年の刑法改正により客の行為が罪に問われる可能性も
ただし、警察に相談する際には重要な注意点があります。2023年(令和5年)7月13日から施行されている改正刑法により、メンズエステの顧客の行為が「不同意わいせつ罪」や「不同意性交等罪」に問われる可能性があります。
一定の原因のもとで、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」、わいせつな行為・性交等をした場合には、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪が成立します(刑法第176条1項、177条)。
不同意わいせつ罪や不同意性交等罪の成立要件となる一定の原因として次のものが明記されています(刑法第176条1項1号〜8号)。
- 暴行若しくは脅迫
- 心身の障害
- アルコールまたは薬物の影響
- 睡眠その他の意識不明瞭
- 同意しない意思を形成、表明または全うするいとまの不存在
- 予想と異なる事態との直面に起因する恐怖または驚愕
- 虐待に起因する心理的反応
- 経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮
このように、顧客が暴行や脅迫を用いない場合であっても、相手の同意なく本番行為やわいせつな行為をした場合には、罪に問われるおそれがあります。たとえば、メンズエステの顧客が、拒否する間を与えずに不意打ちでセラピストの体に触るなどのわいせつ行為をした場合は「同意しない意思を形成、表明または全うするいとまの不存在」にあたります。また、セラピストは顧客がリラクゼーションや施術を受けに来店していると考えているわけですから、突然わいせつな行為や性交等を迫られれば、「予想と異なる事態との直面に起因する恐怖または驚愕」にあたるでしょう。
不同意わいせつ罪が成立した場合には、「6月以上10年以下の拘禁刑」が科されることになります。また、不同意性交等罪が成立した場合には、「5年以上の有期拘禁刑」が科されることになります。
警察に相談に行くことで自ら犯した罪も発覚するリスクもあるため、その点には注意しておく必要があります。
わいせつトラブルで逮捕されるのか、逮捕されるとどうなるのかについては、メンズエステトラブルの対処法は?警察から電話があったら?弁護士が解説をご覧になってください。
実際に客が逮捕された事例もある
このような法改正により、実際に店舗などの顧客が性犯罪の疑いで逮捕された事例もあります。
まず、リラクゼーションサロン店で、施術をしていた女性従業員に性的暴行を加えたとして、客の男が逮捕された事案があります。
リラクゼーションサロン店に客として訪れ、施術中に30代の女性従業員に無理矢理キスをしたり性交したりするなどの性的暴行を加えたとして、40代の男性が不同意性交等の疑いで逮捕されています。警察によると、店側からの通報を受けて駆けつけた警察官が事情を聴取したところ、男性が容疑を認めたため、その場で現行犯逮捕されています。
また、エステ店で20代の女性従業員の服の中に手を入れ上半身を触ったとして、不同意わいせつの疑いで20代の会社員の男性が逮捕された事案もあります。
この事案では、理由は明らかにされていないものの、検察官は不起訴処分の判断をしています。
このように、結果として不起訴となる場合であっても、店舗で不同意わいせつ・性交等事件を起こした場合には、逮捕される可能性があります。
参考:女性エステ店員をマットに押し倒し、服の中に手を入れ上半身触る 容疑の29歳男を逮捕
弁護士に相談する場合
上記のとおり警察相談にはリスクを伴う場合があるため、特にセラピストに性的接触をしてしまった方については、まず弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談し、依頼することで以下のようなメリットが得られます。
まず、弁護士が代理人となることで、メンズエステ店側と直接やり取りする必要がなくなります。
弁護士が代理人として依頼を受けて以降は、店側にその旨を連絡するため、その後一切依頼者が店側とやり取りをする必要はなくなります。
また、弁護士が介入することで、メンズエステ店側からの脅しや金銭要求をやめさせることができます。
悪質な店の場合には、違約金を支払わないと家族や会社に報告する・家族に肩代わりしてもらう・個人情報を晒すなどという脅し文句でお金を要求してくることがあります。
弁護士に依頼して店側と連絡・交渉してもらうことで、上記のような脅しを止めることができます。店側が脅迫してくる場合には、弁護士が店側に対して警告し、適切な示談をすることで解決を図ります。
弁護士が示談交渉する際には、当然その内容についても法的な観点からチェックすることになるため、依頼者に著しく不利になる条項などを排除することができます。また示談を成立させる際に、警察に被害届や告訴状を提出しない旨の同意を取り付けられる場合もありますので、その場合には刑事事件化するリスクを最小化させることも期待できます。
もちろん弁護士は依頼人に対して守秘義務を負っていますので、基本的に第三者にバレることなく内密に示談交渉を進めることができます。
メンズエステで美人局被害に遭わないための対策
メンズエステでの美人局は、一度巻き込まれてしまうと金銭的にも精神的にも大きな負担となります。だからこそ、事前に正しい知識を身につけておくことが重要です。ここでは、美人局被害に巻き込まれないために意識しておくべき3つのポイントを整理しました。
- ①口コミで情報収集してから店舗を利用する
- ②新規客に誓約書の内容を説明しない店舗は疑う
- ③誘惑に負けてセラピストに触るのは絶対にNG
①口コミで情報収集してから店舗を利用する
メンズエステで美人局被害に遭わないようにするためには、事前に情報収集してから利用することが重要です。
店舗については、ポータルサイトや地図アプリなどに、当該店舗の口コミや評判がコメントされていることが少なくありません。また、インターネット掲示板には、地域別に個別の店舗に関する意見や評価に関するスレッドが存在している可能性もあります。
このように、利用を検討している店舗については、事前にインターネットで情報を収集することで、健全に営業されているお店なのかどうかを確認しておくことができます。
なお、オープンして間もない店舗の場合には、まだ口コミや評価が十分に溜まっていないことがあるため、悪質な店か否かが判断できない場合には利用を控えるべきでしょう。
②新規客に誓約書の内容を説明しない店舗は疑う
前述のとおり、美人局を行おうと企んでいるメンズエステ店は、新規顧客であるにもかかわらず誓約書や利用規約の内容を十分に説明しないという傾向があります。
実際に薄暗い部屋に通されて誓約書に書かれた内容が読みづらい・小さく大量の文字が並んでいてすべてに目を通すことができないなどの場合には、絶対にサインをしてはいけません。
「書面に記載された内容が読めるようにしてほしい」「内容を説明してほしい」と店側に依頼することもひとつの手です。誓約書などにサインを求められた場合には、事前にその内容をしっかりと確認したうえでサインをする必要があります。こちら側に非常に不利な内容や、法外に高額な違約金や賠償金の支払い義務が記載されていないかを確認してください。
他方で、店側の態様が怪しいと感じた場合には、サインを拒否して退店することも大切です。
店側の雰囲気や態様に違和感や疑問を抱いた場合には、サービス利用料を支払ってでも、急用や体調を理由に退店することも検討してください。代金を支払いたくないという気持ちは十分に理解できますが、美人局被害に遭って数百万を脅し取られるよりはましです。危険を察知した場合には、一刻も早くその店から脱出することが何よりも重要でしょう。
③誘惑に負けてセラピストに触るのは絶対にNG
通常、顧客の側からセラピストの身体に触れることは、メンズエステ店では禁止されています。
健全な営業を行っている店であっても、顧客がセラピストの胸やお尻などを触った場合には、トラブルに発展する可能性があります。そして、悪質な店では、露出度の高い衣装や挑発的なサービスで男性顧客を誘惑し、性的に興奮させてセラピストの身体に触れるように仕向けてきます。
そもそも、顧客側がセラピストの身体を触らなければ美人局は成立しませんが、基本的に密室の施術室でサービスを受けるため、少しの接触でも言いがかりをつけられてしまうリスクがあります。
美人局行為を行うような悪質な店の場合には、積極的に顧客がセラピストの身体に触れたくなるように働きかけてくるため、誘惑に負けて相手に触ってしまうことがないように注意が必要です。が必要です。
メンズエステトラブルを内密に解決したい方は当事務所にご相談ください
メンズエステでの美人局トラブルは、誰にも相談できず、一人で悩みを抱え込んでしまう方が少なくありません。「もし逮捕されたら」「家族や職場に知られたら」と不安に駆られ、何もできずに状況を悪化させてしまうケースもあります。
しかし、当事務所は、風俗店・メンズエステ店でのトラブル解決に特化した法律事務所です。穏便かつ秘密裏の解決を最優先に、これまでにも数多くのご相談を受け、逮捕回避・不起訴処分などの実績を重ねてまいりました。
2014年から2025年9月時点までの風俗店・メンズエステ店でのトラブル解決実績は800件以上(事務所全体および代表の実績を含む)。当事務所の介入後に逮捕された方は0名(※逮捕後にご相談された方を除く)という確かな実績があります。
「脅されている」「高額な金銭を請求されている」「警察沙汰になりそうで不安」と感じたときは、早い段階で弁護士にご相談いただくことが、最も確実な解決への第一歩です。
当事務所では、24時間365日、全国どこからでも無料相談が可能です。親身・誠実に、弁護士があなたを全力でお守りしますので、お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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