メンズエステ詐欺の相談事例と適切な対処法を弁護士が解説

このようにお悩みではないでしょうか。

ただし、メンズエステの詐欺といっても、一言で片付けられないさまざまなケースがあります。

そこでこの記事では、メンズエステでよくある3つの詐欺事例と、それぞれのケースに応じた対処法を弁護士が詳しく解説します。

メンズエステ詐欺の相談事例と対処法

ここでは、当事務所に寄せられた、メンズエステで詐欺（及び恐喝）被害に遭われ方の相談事例の紹介と、各事例に応じた対処法について解説していきます。

【相談事例①】メンズエステから電話があり被害届を出すと言われた

相談内容

私は数か月前に、派遣型のメンズエステ店を何度か利用したことがあります。私が利用したメンズエステ店は表向きは健全なエステ店で性的なサービスは行っていないという体裁になっています。しかし、実際には、いわゆる「ヌキあり」のメンズエステ店で、裏オプションとしてセラピストに追加料金を支払った場合には、露出度の高い衣装にチェンジできたり、胸部タッチや手淫など本番行為以外のサービスを受けることができ、私も何度かそれらのサービスの提供を受けたことがあります。

そして、最近、身に覚えのない電話番号からその派遣型メンズエステ店のオーナーを名乗る男性から電話がかかってきました。

その男性からは、以下のような発言があり非常に困惑しています。

私はメンズエステ店で性的なサービスを受けたことがあるので、不安にあって、「被害日時・メンズエステ店の名前・セラピストの名前」を尋ねましたが、電話口の男性はこれらの点については一切答えてくれませんでした。私が被害者や被害の概要がわからなければ対応できない旨を繰り返したところ、相手から電話を一方的に切られてしまいました。

私は本当に逮捕されてしまうのでしょうか？

対処法

近年、メンズエステ店を利用した顧客名簿が流出し、詐欺師による悪用が多発しています。中には、メンズエステ店のオーナーや従業員が小遣い稼ぎのために、顧客名簿を第三者に販売するケースも報告されています。

被害を主張しているメンズエステ店の名前や、被害を主張しているセラピストの名前を教えない場合には、詐欺である確率が高まります。詐欺である場合には、実際に利用したメンズエステ店に直接確認されてしまうと嘘の被害連絡であることがバレてしまうからという理由や、本当はメンズエステ店の店名も施術を担当したセラピストが誰であったのかも、電話主は把握していないという可能性が考えられます。

実際詐欺師が入手しているメンズエステ店の顧客名簿には、店の名前やセラピストの名前などはなく、顧客の登録した名前や電話番号などしか記載されていない可能性も高いのです。

以上より、被害を訴えているセラピストの名前やメンズエステ店の店名を教えない場合には、詐欺電話であると判断して、無視しておくことが重要です。

仮に本当に違法となり得る行為があったとしても、裏オプションをつけているような店の関係者がそれを警察へ通報することは考えられませんし、仮に通報しても、そのような行為の裏付けはできず、警察が捜査に着手するとは考えにくいでしょう。

【相談事例②】誘惑に負けてお触りしたら罰金を請求された

相談内容

私は、先日店舗型のメンズエステ店でサービスを受けました。

この店でサービスを受けようとする顧客は、シャワーを浴びて紙パンツのようなもののみを着用することになっています。このとき私を担当した女性のセラピストさんは、非常に露出度の高い衣装を、具体的には上半身はレース状の衣装を、下半身は陰部が出ているＴバックのような衣装を身に着けていました。

いざ施術が始まり、背中やお尻を指圧してもらっていると、私の着用している紙パンツが非常に薄かったこともあり、陰部がはみ出てしまいました。そして、上向きになるように指示され、セラピストが馬乗りになって鼠径部のマッサージを行ったため、陰部同士が接触する形になりました。その後も長時間に渡って陰部周辺のマッサージを繰り返し、非常に密着度の高い状態になりました。

そのとき、「なんか気持ちよくなってきちゃった」などと耳元でささやかれたため、私は我慢できずにセラピストの胸やお尻を触ってしまいました。

施術終了後に部屋の中に強面の男性従業員が入ってきて、「セラピストから違反行為があったと苦情があった」と言われてしまいました。

たしかに入店時に誓約書にサインさせられ、そこにはお触りはNG、これに違反した場合には罰金として100万円を支払うことが書かれていました。店側は支払わない場合には警察に通報すると脅してきています。

いわゆる「美人局」や詐欺の被害にあったのではないかと考えていますが、警察に通報されると私は本当に逮捕されてしまうのでしょうか？

対処法

密室での出来事であり、セラピストからの誘惑の存在が怪しい事例ですが、もしセラピストの同意なくその人の身体に触れたという場合には、不同意わいせつ罪などの犯罪に問われる可能性も否定できません。

実際にメンズエステ店から罰金などの名目で金銭の支払い請求を受け、支払うと合意してしまった場合には、弁護士に相談するようにしてください。

仮に、メンズエステ店側の権利が侵害され損害が発生しているという場合には、不法行為に基づき損害を賠償する責任が発生する可能性があります。ただし、店側のどのような権利が侵害され、どのような損害が発生しているのかについては適切に確認する必要があります。

店側に示談に応じる用意がある場合には、弁護士に依頼して適切な内容で示談をしておくことが無難な対処法であると思われます。

弁護士が示談書を作成する場合には、清算条項や今後の接触を禁止する条項、個人情報を削除させる条項が盛り込まれる可能性があるため、示談後の不当なトラブルの蒸し返しも防止することができます。

なお、実際にこのようなトラブルに巻き込まれた方は、メンズエステの美人局を内密に解決したい！正しい対応方法を解説も合わせて読んでみてください。

【相談事例③】年齢も容姿も全く異なる女性が来た

相談内容

私は先日、派遣型・出張メンズエステ店を利用しました。

このメンズエステでは、派遣されるセラピストの年齢や容姿を事前にインターネット上の予約サイトから指定することができることが売りでした。そこで、私はタイプの女性を選択し、30代で長身のかなり美人なセラピストを指名しました。

しかし、実際に派遣されてきたセラピストは、50代の年配の女性で見た目も当初説明を受けていたタイプとは明らかに異なる人でした。私は事前に説明を受けた人とはまったく異なるタイプのセラピストであったため、セラピストをチェンジしたいと伝えましたが、そのような対応はしていないと言われてしまったため、エステのキャンセルを希望しました。

店側からは客側の理由によるキャンセルであるため、全額料金を支払ってもらう必要があると言われてしまいました。案内とまったく異なったセラピストが派遣されているため、納得はいきませんでしたが、仕方なく料金2万円を支払いました。

このようなメンズエステ店の言い分は到底納得いくものではなく、支払った2万円も惜しいため、私はどうすればいいのでしょうか？

対処法

人を欺いて財物を交付させた場合には、詐欺罪が成立します（刑法第246条）。

詐欺の実行行為というためには、欺罔（ぎもう）行為が必要となります。欺罔行為とは、財産交付の判断の基礎となる重要な事項について、人を錯誤に陥れるような表示を行うことを指します。

メンズエステ店で指名したセラピストとは別人が派遣された場合には、利用料金を支払う前提となる重要な事項について偽っていると評価できる可能性があります。

ただし、パネルマジック（セラピストのプロフィール写真を実物よりも可愛く見せるよう大幅に加工すること）など本人の写真に加工をしている場合には、イメージ写真・通常の加工の範囲、あるいはセラピストの身バレ防止策などとして、欺罔行為とまでは言えない可能性があります。

一般的に、すでに支払った利用料金をメンズエステ店が返金に応じることはなく、返金を請求することは難しいでしょう。弁護士に依頼しても弁護士費用の方が高くなってしまうリスクが高いです。

ただし、まったくイメージの異なるセラピストを派遣しているなど、悪質なメンズエステ店である場合、消費者トラブルの相談機関として消費者センターに相談することができます。消費者センターとは、地方公共団体が設置する行政機関で、消費者と事業者間のトラブルや苦情など、消費生活に関する相談を受け付ける機関です。

参考：全国の消費生活センター等_国民生活センター

まとめ

メンズエステ店で美人局などの詐欺・恐喝被害に遭った場合には、弁護士に相談してください。

弁護士に依頼すれば、代理人としてメンズエステ店と話し合いや交渉を行ってくれるため、ご本人が直接対応する必要がなくなります。また、弁護士が厳正に対処することで今後のトラブルの蒸し返しを防止しながら、外部にばれることなく内密にトラブルを解決できる可能性があります。

当事務所には、メンズエステ店での美人局被害を含む詐欺・恐喝トラブルなどの解決実績が豊富な弁護士が在籍しております。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、お困りの場合はすぐに当事務所までご相談ください。