このような疑問をお持ちではないでしょうか。
そこでこの記事では、刑事事件に強い弁護士が、日本における刑罰の種類とその内容について一覧表でわかりやすく解説していきます。
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刑罰の種類
刑罰は、重い順に、主刑である死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料の6種類に、付加刑である没収を加えた7種類です。
主刑とはそれ単体で科すことができる刑で、付加刑とはそれ単体で科すことができず、主刑に付加して科すことができる刑です。
死刑、懲役、禁錮、拘留は判決でしか科されませんが、100万円以下の罰金と科料は略式裁判でも科されることがあります。
刑罰 | 内容 |
死刑 | 死刑は、受刑者の生命を奪う生命刑です。 大昔、死刑は刑罰の中心であるとともに、死刑の執行方法も多種多様で、火あぶり、はりつけ、車裂きなどの残酷な方法が用いられていました。しかし、時代の進展とともに、死刑が適用される範囲は徐々に狭くなり、執行方法も緩和され、現在、日本では絞首刑の方法のみが採用されています(刑法第11条1項)。 なお、死刑が規定されている主な罪は次のとおりです。
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懲役 | 懲役は、受刑者の自由を奪う自由刑の一つです。後述するように、自由刑は懲役のほか禁錮、拘留があります。 懲役刑を科されると刑務所などの刑事施設に収容され、刑務作業を科されます(刑法第12条第2項)。 懲役には期間の定めのない無期懲役と定めのある有期懲役があります。有期懲役の長さは、原則として1月以上20年以下ですが(刑法第12条第1項)、加重する場合、あるいは、死刑又は無期懲役を減軽する場合は長期を30年とすることができ、減軽する場合は1月未満に引き下げることができます(刑法第14条)。 なお、無期懲役が規定されている主な罪は次のとおりです。 |
禁錮 | 禁錮も、懲役と同様、受刑者の自由を奪う自由刑の一つです。 禁錮刑を科されると刑務所などの刑事施設に収容される点は懲役と同じですが、刑務作業が義務ではない点が懲役と異なります(刑法第12条第2項、第13条第2項)。もっとも、禁錮受刑者も希望すれば刑務作業に就くことができます。 禁錮にも無期禁錮と有期禁錮があり、有期禁錮の長さは、原則として1月以上20年以下ですが(刑法第13条第1項)、加重する場合、あるいは、死刑又は無期懲役を減軽する場合は長期を30年とすることができ、減軽する場合は1月未満に引き下げることができます(刑法第14条)。 禁錮刑を規定した罪は様々ありますが、実務上は、交通犯罪で適用されることが多い「過失運転致傷罪」、「過失運転致死罪」で禁錮刑を科されることが多いです。 |
罰金 | 罰金は、一定額の財産を徴収する財産刑の一つです。財産刑は罰金と後述する科料です。 罰金は1万円以上ですが、減軽する場合は1万円未満に下げることができます(刑法第15条)。罰金の上限額は犯罪ごとに異なります。たとえば、窃盗罪は「50万円以下の罰金」と定められていますので、窃盗罪で罰金を科される場合は1万円以上50万円以(下の範囲で金額が決められます(ただし、実務上の下限は、10万円であることが多いです)。 裁判所から命ぜられた罰金を一定期間納付できない場合は、未納分の額を「〇〇〇〇円(通常、5000円)/1日」で割って出た日数、法務大臣が指定する刑事施設(労役場)に収容する手続きをとられてしまいます。たとえば、裁判所から「被告人○○を罰金30万円に処する。罰金を完納することができないときは、金5000円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する」という命令を受け、全額未納とした場合、60日間(=300000÷5000)、刑事施設に収容される手続きをとられてしまいます。 もっとも、収容中に残額を納付すれば釈放されます。たとえば、上のケースで、刑事施設に10日間収容された場合、5万円(=5000×10)の罰金を納付したことになりますから、残額の25万円を納付すれば、その日に刑事施設から釈放されます。 |
拘留 | 拘留は、懲役、禁錮と同様、受刑者の自由を奪う自由刑です。 拘留の刑期は1日以上30日未満です(刑法第16条)。原則として刑務作業は科されませんが、拘留受刑者が希望すれば刑務作業に就くことができます。 なお、よく拘留と混合して使われることが多い「勾留」は、被疑者又は被告人を身柄拘束するための裁判のことで刑罰ではありません。 |
科料 | 科料は、罰金と同様に、一定額の財産を徴収する財産刑です。 金額は千円以上1万円未満です。未納が続けば労役場へ収容される手続きをとられることがあります。 科料を規定する罪はそれほど多くありません。 |
没収 | 没収は、物の所有権をはく奪して国庫に帰属させる財産刑で、付加刑です。 没収の対象となる物は「犯罪組成物」、「犯罪供用物件」、「犯罪生成物件」、「犯罪取得物件」、「犯罪行為の報酬として得た物」などです。 没収の対象物が犯人以外の者に属する物であっても、その者が事情を知って取得したものは没収の対象となります。 |
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