業務上横領の被害額が1000万・5000万・1億以上の事例

業務上横領の被害額が1000万・5000万・1億以上の事例

顧客からの集金や偽の請求書で会社のお金を着服した事例

  • 判決:懲役3年6か月
  • 被害金額:1400万円

この事例はリフォーム会社に勤務する被告人の男性が、顧客から集金したリフォーム代金を着服したり、実際には存在していない架空の会社からあたかも業務に関して支払いを受けたかのように装って請求書を捏造したりすることで高額な現金を会社から騙し取った事例です。

総額としておよそ1400万円の被害が会社に生じた事例であり、懲役実刑が言い渡されました(長野地方裁判所平成29年10月17日判決)。

会社名義で商品を購入し転売していた事例

  • 判決:懲役3年6月
  • 被害金額:2000万円

この事例では、デジカメ等の電子機器の販売を行う会社の従業員であった被告人が、会社の名義で多数のデジカメやノートパソコンを購入して仕入れ、これらを第三者に転売して利益を得ていたという事例です。

被告人の横領行為によって会社には約2000万円の損害が発生したとして懲役実刑が言い渡されています(札幌地方裁判所令和3年3月12日判決)。

経理事務担当者が会社資金をネットバンキングで着服した事例

  • 判決:懲役6年
  • 被害金額:8000万円

この事例は会社の経理事務の担当者が、インターネットバンキングを悪用して会社のお金を横領した事案です。

判決によると、被告人男性は、会社の銀行口座から自身の銀行口座に振り込み送金する方法で、数年間にわたり400回以上も振り込み操作を実行することで8000万円を超える現金を着服したことが認定されました(千葉地方裁判所平成31年3月19日判決)。

この事例のようにネットバンキングを悪用して自身の個人口座に現金を送金させる行為も不法領得の意思の発現といえるため「横領した」に該当します。

学校理事が遊興費、交際費として学校の財産を着服した事例

  • 判決:懲役7年、罰金2000万円
  • 被害金額:1億6000万円

この事例では学校の理事長であった被告人が、学校の預金小切手を29回にわたって計1億3500万円を着服し、学校の現金合計3000万円を被告人自身の名義の銀行口座に振込入金する方法で着服した事例です。

判決では、被告人の生活費や遊興費、交際相手の女性に渡すために各犯行に及んだと認定されており、公私混同で身勝手かつ自己中心的な動機であるとして懲役実刑と罰金刑が言い渡されています(仙台地方裁判所平成18年2月24日判決)。

1000万円以上の業務上横領をしてしまったら

上記の事例(判例)からもわかるように、基本的に着服金額が1000万円を超えるような被害が甚大な事例では執行猶予が付かない実刑判決が言い渡される可能性が極めて高いです。また、一般的に被害金額が500万円を超えてくると実刑となるケースも増えると考えられます。

このように高額な業務上横領のケースで逮捕の回避、不起訴処分、執行猶予付き判決を得るには、真摯に謝罪して反省の気持ちを被害者(会社・団体)に伝えるとともに、示談を成立させることが重要です。

被害届や刑事告訴がされる前の段階に示談できれば、捜査機関に業務上横領の事実が知られませんので、その後に刑事責任を問われる可能性は極めて低くなります。逮捕後の示談であっても、検察官が起訴・不起訴を決める際や、裁判官が量刑を判断する際に、被害者との示談成立を重要視しますので、示談が成立すれば不起訴や執行猶予付き判決を得られることも期待できます

もっとも、横領したお金を費消してしまっている場合には一括で返済することは厳しいと思われますので、実現可能な無理のない返済計画をたて被害者に示す必要があります。

ただし、被害者は横領した人の話を信用してくれませんので、示談交渉は弁護士に任せるべきでしょう。弁護士であれば被害者も信用してくれやすく、業務上横領に精通した弁護士であれば交渉がスムーズに進むことも期待できます。もし逮捕されたり民事訴訟を起こされた場合にも弁護士に一任することもできます。

当事務所では、業務上横領の示談交渉を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、横領してしまった方、既に逮捕された方のご家族の方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

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