
「出会い系サイトでポイントを買い足し続け、気づいたら数十万円になっていた」「連絡先を交換する手数料だと言われて何度も支払ったのに、結局誰とも会えないまま、お金だけ取られた」。こうした被害に遭い、支払ったお金が戻るのかを調べている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、出会い系詐欺で支払ったお金が戻るかどうかは、「どの方法で支払ったか」によって大きく変わります。電子マネー、カード払い、銀行振込では、請求できる相手も使える制度も異なるためです。
この記事では、出会い系詐欺の被害回復に注力する弁護士が、以下の点を解説します。
- 支払い方法別に見た、返金を求める6つの方法
- 相談前にやっておくことと、やってはいけないこと
- 弁護士・消費生活センター・警察それぞれにできること
- 出会い系詐欺の代表的な手口と見分け方
- 実際に返金できた事例
被害に遭われた方は、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。
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出会い系詐欺で返金させる方法
出会い系詐欺の被害金は、必ず全額が戻るわけではありませんが、泣き寝入りするしかないわけでもありません。
回収の見込みが立ちやすいのは、支払いの記録が残っていて、請求すべき相手を特定できるケースです。カード決済や電子マネーのように事業者を経由した支払いなら、カード会社や決済代行会社といった決済事業者に働きかける余地があります。反対に、相手の個人口座へ振り込んだ後に資金が引き出されると、請求先も原資も失われ、返金のハードルは上がります。
なお、全国の消費生活センター等に寄せられた出会い系サイト・アプリに関する相談は、2025年度で3,399件でした(国民生活センターのPIO-NET登録分・2026年5月31日現在の集計)。
支払った方法によって、使える手段と回収の見込みは次のように変わります。
- クレジットカードの分割払い・リボ払い・ボーナス一括払い:一定額以上なら、カード会社への支払いを止められる可能性が最も高い
- クレジットカードの翌月一括払い:法律に基づく支払停止は使えないが、カード会社に被害を申し出てチャージバックを検討してもらう余地はある
- 電子マネー・コンビニ払い:発行元や決済代行会社への申し入れが中心。購入時のレシートが手がかりになる
- 銀行振込:振込先の金融機関へ連絡し、口座を凍結して残った資金の分配を受ける「振り込め詐欺救済法」が中心。凍結が早いほど残高が残っている可能性が高い
- 現金の手渡し:相手を特定できないと請求先がなく、回収のハードルは最も高い
以下では、返金を求める6つの手段を順に見ていきます。
サイト運営会社に返金を求める
出会い系詐欺の返金請求で最も基本になるのが、サイトを運営している会社へ直接申し入れる方法です。
運営会社がサクラを使ってポイントを買わせていたのであれば、それは利用者を欺く行為であり、不法行為(民法第709条)にあたります。支払った金額に加え、精神的な苦痛に対する慰謝料をあわせて請求できる場合もあります。
請求は「内容証明郵便」で行うのが一般的です。いつ・誰から・誰に・どのような内容の書面が送られたかを日本郵便が証明してくれるため、水掛け論を防げます。応じない場合は、民事訴訟を提起して裁判所の判断を求めることになります。
ただし、不法行為に基づく損害賠償請求権には期限があります。損害および加害者を知った時から3年、不法行為のときから20年のいずれか早い方が経過すると、権利は消滅します(民法第724条)。なお、契約そのものの取り消しを主張できるケースでは別の期限が適用されるため、3年を過ぎていても諦めずにご相談ください。詳しくは「詐欺罪の時効は刑事・民事で何年?逃げ切られる前にできること」をご参照ください。
決済代行会社・電子マネー発行元へ申し入れる
出会い系詐欺で返金を求める相手は、サイトの運営会社だけではありません。
ポイント代は、コンビニで買うプリペイド型の電子マネーや、決済代行会社を経由して支払われていることが少なくありません。支払った代金は、サイト運営会社の手元に届く前にこうした事業者を通過しています。
決済代行会社とは、加盟店に代わって決済処理を引き受ける事業者です。カードの利用明細に、サイト名ではない見覚えのない会社名が並んでいたら、それが決済代行会社にあたります。
加盟店に詐欺的なサイトが混じっていることは、これらの事業者にとって自社の信用に関わる問題です。そのため、被害の申し出を受けて調査に動いたり、返金に応じたりすることがあります。実際に、弁護士が決済代行会社と交渉した結果、電子マネーで支払った分を回収できたケースがあります。
だからこそ、電子マネーを購入したレシートやカード裏面の番号、決済画面のスクリーンショットは、捨てずに残しておいてください。どこを経由して支払ったかが分かる資料が、請求先を特定する手がかりになります。
クレジットカードの請求を止める
出会い系詐欺の被害をクレジットカードで支払っていた場合は、カード会社に連絡することで支払いを止められる可能性があります。使える手段は2つあり、内容が異なります。
ひとつが「チャージバック」です。カード会社が加盟店への支払いを取り消す仕組みで、国際ブランドの規則に基づいて運用されています。利用者が直接請求できる法律上の権利ではありませんが、カード会社が詐欺的な取引と判断した場合には、チャージバックで売上が取り消されることがあります。
もうひとつが「支払停止の抗弁」です。割賦販売法第30条の4は、販売業者や役務提供事業者に対して生じている事由(サイト側の詐欺など)をもって、カード会社からの支払請求を拒めると定めています。
対象になるのは支払いが2か月を超える取引です。分割払い・2回払い・ボーナス一括払い・リボルビング払いが含まれ、翌月一括払い(マンスリークリア)には使えません。支払総額が4万円未満(リボルビング払いは現金販売価格が3万8千円未満)の場合も対象外です。
止められるのはこれから支払う分であり、すでに引き落とされた分の返還を求める制度ではない点にも注意が必要です。
チャージバックにはカード会社ごとに申請できる期間が定められており、取引から一定の期間を過ぎると受け付けてもらえません。いずれの手段も、返金につながるかどうかは気づいた時点でどれだけ早く連絡できたかで決まります。
振り込め詐欺救済法で口座を凍結する
出会い系詐欺の被害金を銀行口座へ振り込んでしまった場合は、「振り込め詐欺救済法」を利用して返金を受けられることがあります。
詐欺に使われた口座の取引を停止し、残っていた資金を被害者へ分配する制度です。振込先の金融機関に被害を申し出るとともに、警察にも被害届を提出してください。金融機関が口座を凍結したあと、預金保険機構が公告を行います。60日以上の権利行使期間(振り込め詐欺救済法第5条第2項)内に口座名義人からの届出がなければ、口座の債権は消滅します(同法第7条)。そのうえで分配金の支払手続が公告され、被害者は定められた期間内に金融機関へ支払申請をする必要があります。全体で数か月かかります。
もっとも、被害者が複数いる場合や口座の資金が既に引き出されていた場合は、支払われる額が被害額を大きく下回ることもあります。
犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律|e-Gov法令検索
クーリング・オフや契約の取り消しを使う
出会い系詐欺のうち、恋愛感情につけ込んで宝石や不動産を売りつけるデート商法型の被害で使える手段です。サイトへの課金の返金には使えませんが、知り合った相手に店へ案内されて高額な商品を買わされたケースでは選択肢になります。
販売目的を告げずに呼び出す手口は特定商取引法の訪問販売にあたり、契約書面を受け取った日を1日目として8日以内であればクーリング・オフができます。恋愛感情に乗じた勧誘であれば、消費者契約法による取り消しを主張できることもありますが、「社会生活上の経験が乏しいこと」などの要件を満たす必要があり、認められる範囲は限られます。いずれかが認められれば、支払った代金の返還を請求できます。
国民生活センターにも、同種の相談が寄せられています。
マッチングアプリで知り合った女性にダイヤモンドを購入させられた。もしかして、デート商法!?_国民生活センター
弁護士に返金請求を依頼する
ここまでの手段の多くは、請求先を特定し、法的な根拠を示して交渉する必要があります。出会い系詐欺に対応している弁護士に依頼すれば、その一連を任せられます。
依頼した場合は、相談から始まり、着手金や報酬体系を含む委任契約を結んだうえで運営会社・決済代行会社・カード会社との交渉に入り、和解や決済の取消による返金で解決する流れが一般的です。相手が支払いを拒んだ場合の訴訟手続きや証拠の準備も任せられます。
なお、弁護士と認定司法書士のほかに、被害者の代理人として返金請求の交渉や訴訟を行える職種はありません(認定司法書士が代理できるのは、簡易裁判所で扱う請求額140万円以下の事件に限られます)。探偵事務所や調査会社には交渉の権限がないため、調査料を負担しても解決に至らないことがあります。
依頼の流れや費用は「詐欺被害の弁護士費用と相場|費用倒れを防ぐ方法も解説」をご参照ください。
出会い系詐欺の被害に遭った場合の相談先と対処法
「騙されたかもしれない」と気づいた段階でやるべきことは、証拠を残すことと、目的に合った窓口へ相談することの2つです。この順序を守らないと、出会い系詐欺の返金に使える材料そのものを失いかねません。
退会せずに証拠を保全する
出会い系詐欺に気づいたら、最初に取りかかるのは返金請求に備えて記録を残すことです。
相手とのメッセージ履歴、ポイント購入の履歴、カードの利用明細、振込明細書、電子マネーの控え、相手のプロフィール画面。これらは画面ごと保存し、PDFにするか印刷しておきましょう。サイトが突然閉鎖されることがあるためです。
このとき、サイトを退会したり、アカウントを削除したりしないでください。手元から証拠が消え、被害を申し出ても裏づけの資料を出せない状態になってしまいます。
もうひとつ避けたいのが、ご本人が感情的に業者へ抗議することです。詐欺を疑っていると相手に伝わり、口座やサイトを畳まれてしまう恐れがあります。請求は、内容証明郵便など記録の残る形で、弁護士を通じて行うのが安全です。
弁護士・認定司法書士に相談する
出会い系詐欺のお金を取り戻すことが最優先なら、最初に相談すべきは弁護士か認定司法書士です。
返金請求を代理できる資格を持つのが、この2者だけだからです。相手方の特定から、内容証明郵便による請求、決済代行会社やカード会社との折衝までを一貫して任せられます。
「いくら支払ったのか正確に分からない」という状態であっても、決済の記録をもとに調査を進められる場合があります。まずは手元に残っている資料を持って相談してみてください。
消費生活センターに相談する
サイト・アプリそのものが詐欺目的で運営されていると思われる場合は、出会い系詐欺の相談先として消費生活センターも選択肢になります。商品やサービスに関する苦情全般を専門の相談員が受け付けており、悪質な事業者とのトラブルも扱っています。
どこに相談すればよいか分からないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りの窓口を案内してもらえます。消費者庁が設置した全国共通の電話番号です。
ただし、消費生活センターが被害者に代わって返金を請求することはできません。事業者へ連絡して話し合いを仲介する「あっせん」までは行いますが、対応の範囲は窓口によって差があります。
警察署・サイバー犯罪相談窓口に相談する
支払い方法にかかわらず、出会い系詐欺の被害に遭った場合は警察にも相談してください。詐欺罪(刑法第246条)にあたる行為であれば被害届や告訴状を提出でき、捜査が始まれば詐欺師が特定・逮捕される可能性もあります。インターネットを使った詐欺は「サイバー犯罪相談窓口」でも受け付けています。
ただし刑事手続きは犯人に刑罰を科すかどうかを判断するものであり、逮捕・有罪となっても騙し取られた現金が自動的に返ってくるわけではありません。警察には民事不介入という原則もあり、返金の交渉までは行いません。お金を取り戻すには、別途民事上の手続きが必要です。なぜ警察は返金交渉に動いてくれないのか、動いてもらうための働きかけ方は「詐欺で警察が動かない4つの理由|民事不介入と動いてもらう方法」で解説しています。
もっとも、振り込め詐欺救済法による口座凍結では、被害届の有無が金融機関の判断材料になります。法律上の要件ではありませんが、警察にも届け出ておく意味はあります。
出会い系詐欺の代表的な手口と見分け方
当事務所には、出会い系サイト・マッチングアプリで数十万円〜数百万円の被害を受けた方からのご相談が数多く寄せられます。出会い系詐欺の手口は、サイトの運営元が仕掛けるものと、知り合った個人が仕掛けるものに分かれます。返金を請求する相手は、前者が運営会社、後者が個人や販売業者です。
- サクラサイト詐欺:サイト自体が最初から詐欺のために作られているケースです。異性に扮した「サクラ」が好意的なメッセージを送り、返信のたびに有料ポイントを消費させます。「連絡先交換にはプラチナ会員が必要」など、課金の名目が次々と作られます(→「サクラサイト詐欺の返金方法|被害事例と対処法を弁護士が解説」)
- デート商法:知り合った異性に宝石店や不動産事業者へ同行させられ、高額な契約を結ばされる手口です
- 結婚詐欺:交際や結婚をちらつかせ、親密になった頃に「親の治療費が必要」などの名目で現金を騙し取ります(→「結婚詐欺とは?5つの特徴と見分け方・手口・対処法を解説」)
- 投資詐欺:偽の取引画面で利益が出ているように見せて送金させます。最初は少額で儲かったように装い、2回目以降に高額な入金を促します(→「マッチングアプリ詐欺の手口一覧と見分け方|事例・対処法も解説」)
- 国際ロマンス詐欺:外国人を名乗る相手が恋愛感情を利用して送金を求めます。加害者が海外にいることが多く、回収は一段と難しくなります(→「国際ロマンス詐欺の手口と見分け方|被害事例3選」)
- ぼったくり・美人局:仕組まれた飲食店で高額請求を受けたり、性行為後に「夫」を名乗る人物から慰謝料を要求されたりします(→「美人局とは?6つの手口と特徴・被害にあった時の対処法」)
出会い系詐欺を防ぐには、次の兆候が出ていないか確認してみてください。
- メッセージが不自然に好意的で、会話がかみ合わないことがある
- すぐにLINEなどアプリ外の連絡手段へ移りたがる
- 会おうとすると理由をつけて延期される
- 投資や副業などの儲け話を持ちかけてくる
- 何らかの理由で送金や課金を求めてくる
- プロフィール写真が不自然に整っている
出会系のサイトやマッチングアプリで違和感を覚えたら、それ以上やり取りを続けないことが最善の防御策です。知り合っただけの相手への送金は、とりわけ危険です。
出会い系詐欺の返金事例
ここからは、実際にご依頼をお受けして出会い系詐欺の被害金を取り戻せた事例です。返金される割合は事案によって異なり、全額が戻るとは限りません。
詐欺サイトに支払った追加料金等約70万円を回収できた事例
出会い系サイトに支払った高額なお金の一部を回収した事例です。
このサイトは登録当初は低額のポイント料金でしたが、数億円単位の支援を受けられるという勧誘を信じた被害者の男性が、追加でポイント料金を支払ってしまいました。
総額90万円近い被害を受けていましたが、弁護士に解決を依頼して交渉した結果、約70万円を取り戻すことに成功しました。
出会い系詐欺師から約60万円の被害回復に成功した事例
芸能事務所所属のタレントを名乗る女性に、出会い系サイト上で現金を騙し取られた被害者からのご依頼です。
被害男性はこの女性とメールでやり取りを繰り返し、実際に会う話になりましたが、「直接会うためにはポイントを購入する必要がある」と言われ続け、80万円近い現金を支払ってしまいました。
弁護士に依頼して被害回復を請求した結果、約60万円の取り戻しに成功しました。
口座を凍結して騙し取られたお金を全額回収できた事例
サクラサイトに誘導されて文字化けの解除などさまざまな名目で追加費用を支払わされたケースです。
弁護士や警察に相談した結果、振り込め詐欺救済法を利用して口座を凍結し、被害金額を全額回収することができました。
出会い系詐欺の被害でお悩みの方はご相談ください
出会い系詐欺で失ったお金は、サイト運営会社への請求、決済代行会社や電子マネー発行元への申し入れ、クレジットカードの支払停止、口座凍結、クーリング・オフといった方法で取り戻せる場合があります。どの手段が使えるかは支払い方法によって変わりますが、いずれも証拠の確保と早い対応が結果を左右します。
時間が経つほど回収は難しくなります。詐欺業者は一定期間が過ぎるとサイトや社名を変えて姿を消しますし、口座の資金も引き出されてしまいます。損害賠償請求権には時効もあります。
とはいえ、相手方の特定から返金交渉、必要に応じた訴訟提起までをご本人だけで進めるのは容易ではありません。「相手と連絡が取れなくなった」「サイトが閉鎖されてしまった」。そうした状況でも、弁護士に依頼すれば被害回復に向けた道筋を立てられる場合があります。
当事務所は出会い系詐欺をはじめとする詐欺被害の返金請求に注力しており、多数の回収実績があります。秘密厳守のもと、弁護士が迅速に動きます。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずは一度ご連絡ください。
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この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

