競馬詐欺の逮捕事例5選|共通する手口と狙われやすい人の特徴

競馬詐欺では、実際に犯人が逮捕・摘発された事件が全国で相次いでいます。「必ず儲かる」「関係者から裏情報を入手した」といった甘い言葉で近づき、高額な情報料をだまし取る手口が繰り返され、被害総額が数十億円規模に及ぶケースもあります。

「怪しい競馬情報の勧誘を受けたが、これは詐欺なのだろうか」「すでにお金を払ってしまったが、取り戻せるのだろうか」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、詐欺被害の返金に強い弁護士が、競馬詐欺で実際に逮捕された5つの事例を取り上げ、各事例の手口と見抜くためのポイントを解説します。

  • 実際に競馬詐欺で逮捕された事件
  • 詐欺師が使う勧誘の手口と共通点
  • 狙われやすい人の特徴
  • 被害に遭ったときの相談先

なお、こうした被害でお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。

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競馬詐欺の逮捕事例

競馬詐欺で犯人が逮捕された事件は、千葉・京都・大阪・兵庫など各地で実際に起きています。以下、報道された5つの事例とその手口を紹介します。

①高額配当が得られる情報を提供する?虚偽の情報提供で競馬情報会社の社長ら逮捕

2016年1月、千葉県警は、千葉県市川市で競馬情報提供会社を経営していた男や元従業員ら13人を詐欺容疑で逮捕しました(朝日新聞デジタル報道)。男らは「高額配当が得られる競馬情報がある」などと偽り、4人から計約190万円をだまし取った疑いがあります。さらに、複数の社名を使い分けながら名簿をもとにダイレクトメールを送る手口で、全国の延べ約4万人から計約29億円を集めていたとみられています。

この競馬詐欺の逮捕事件には、次のようなポイントがあります。

①「必ず儲かる」

「高額配当が得られる競馬情報がある」のように、詐欺師は「必ず儲かる」という話を持ちかけて、あなたに近寄ってきます。このような言い回しがあればご注意ください。

②あなたは特別な会員

事件①の報道には記載されていませんが、「必ず儲かる」というような言い回しと、「あなたは特別な会員」、「あなたは、この話を聞けて非常に幸運だ」という言い回しはワンセットです。これらの表現で言い寄ってきたら、詐欺である可能性が高くなっていきます。本件も同様な経緯があったかもしれません。

③被害額について

この事件では、「4人から計約190万円」と、一人当たり50万円前後の金額を「情報料」として請求しています。一般の人が消費者金融やカードローンで借りられるくらいの金額で、こうした金額を狙って情報料を請求してくることがあります。

④組織形態について

「全国各地の延べ約4万人から計約29億円」、「複数の社名を使い」、「入手した名簿をもとにダイレクトメールを送り」と手口が組織的です。当職が担当した同種の競馬詐欺でも、会社名が異なるだけで手口は全く同じでした。

会社名を変えて繰り返される競馬情報会社の勧誘に引っかからないための確認ポイントについては「悪質な競馬予想サイト・競馬情報会社の詐欺の手口と見分け方」で詳しく解説しています。

②有名競馬騎手の親戚を騙り勝つ馬を教える?住所不定無職の男を逮捕

2019年3月、京都府警は、騎手の武豊さんの親戚をかたって「勝つ馬がわかる」とうそをつき、京都市内のすし店の板前から2万円をだまし取ったとして、住所不定無職の男(72歳)を詐欺容疑で逮捕しました(朝日新聞デジタル報道)。男はJRAの調教師になりすまし、実在する元調教師の名前が書かれた偽の名刺を渡して信用させていました。架空のレースの馬券代行を持ちかける手口で、同様の被害がほかにも報告されていたとのことです。

この詐欺事件で注目すべき点は、次のとおりです。

①関係者になりすます

「武豊の親戚」、「日本中央競馬会(JRA)の調教師」、「日本中央競馬会の実在する元調教師の名前が書かれた偽の名刺を渡す」、「親戚だから『今度、豊をつれてくるわ』と言い、名刺も出してきたので信じてしまった」等、関係者になりすまし、言い寄ってくる競馬詐欺は後を絶ちません。JRAのホームページにも下記のとおり、記載があります。

「JRA公認」「○△馬主会」「○△調教師会」などと称し、実際には存在しない団体や個人から極秘の情報提供を得ている、前もって結果が決まっているレースがあるなどと虚偽の広告・宣伝をして、会員を募集している悪質な予想・情報提供業者が存在します。

「関係者である」「情報を流す」と言ったら間違いなく疑ってかかるべきです。関係者が情報を流すはずはありません。また、関係者が情報漏洩したとなると、会社も個人も、民事上・刑事上の責任を問われるおそれがあります。そのような情報漏洩を日本中央競馬会(JRA)が行うとは考えられません。

②勝つ馬が分かる

「勝つ馬がわかる」、「間違いなく勝つから代行して馬券を買ったる」と言っています。しかし、そんな情報はありません。JRAのホームページでも、次のように明言されています。

「前もって結果が分かっているレース」等は、一切存在しません。

逮捕された犯人に限って言うならば、あまりにも迂闊で、素人臭さがあります。また被害金額も低く、他の事件と比べて、組織的ではありません。

ただ、被害の大小に関わらず、美味しい話をしてくる点は事件①の競馬詐欺と同じです。美味しい話があったら、乗らないことです。気を付けましょう。

③「全戦全勝の実績を誇る革新的な情報」がある。1億4千万円を騙し取ったとみられる男二人を逮捕

朝日新聞デジタルの報道によると、警視庁は、競馬の勝ち馬情報を提供すると持ちかけて現金を詐取したとして、横浜市の男ら2人を詐欺容疑で逮捕しました。男らは競馬情報サイトを運営し、登録者に「全戦全勝の実績を誇る革新的な情報」などとメールで勧誘。神奈川県の40代女性から計約240万円を振り込ませましたが、情報は一切提供されていませんでした。同様の手口で全国の約200人から計約1億4千万円を集めていたとみられています。

この逮捕事件からは、次の点が読み取れます。

①「競馬の勝ち馬を教える」、「全戦全勝の実績を誇る革新的な情報」

「競馬の勝ち馬を教える」といった情報は存在しません。「全戦全勝の実績を誇る革新的な情報」も、事件①の「必ず儲かる」と同じ誘い文句の言い換えです。どのような言い方であれ、確実に勝てるという勧誘は競馬詐欺の常套手段です。

②メールでの勧誘

「登録した覚えがないのになぜメールが届くのだろう」と不思議に思うかもしれません。考えられる理由は2つです。

  • 他の競馬情報サイトで自身のメールアドレスを登録したことがある
  • 個人情報が出回っている

このような詐欺まがいのサイトは他の競馬情報サイトとつながっていることがあり、1つのサイトに登録したメールアドレスがリスト化され、詐欺業者の間で転々とすることもあります。当たり前のことかもしれませんが、知らないところからメールが来たら相手にしないことです。

勧誘の入口はメールだけではありません。マッチングアプリで知り合った相手から競馬投資詐欺を持ちかけられるケースについては「マッチングアプリの競馬投資ソフト詐欺の手口と返金させる方法」をご参照ください。

③被害者について

被害者は40代の女性で、競馬とは無縁の方と思われます。実際に競馬詐欺でだまされてご相談にくる方々は、競馬にそれほど詳しくない方が圧倒的に多いです。競馬を知らないのでだまされてしまうのかもしれません。

④被害額について

「約200人から計約1億4千万円」と、一人当たり70万円ほどを「情報料」として請求しており、事件①と同じく、借入れで用意できる程度の金額が狙われているのでしょう。

④競馬が当たる予想を教える?犯人はホテルを転々と。組織的犯罪で犯人逮捕

警視庁と福岡県警は、「競馬が当たる予想を教える」と電話でうそをつき現金をだまし取ったとして、東京都葛飾区の男(37歳)を詐欺容疑で逮捕しました(産経ニュース報道)。男は八王子市の女性(61歳)に電話をかけ、競馬予想の情報料名目で5万円を振り込ませた疑いが持たれています。男の詐欺グループは兵庫や広島のビジネスホテルを転々としながら活動しており、グループの他の3人も逮捕されています。

この競馬詐欺事件のポイントを見ていきます。

①競馬が当たる予想を教えると電話でうそを言い、現金をだまし取った

これまでの事件と同じく、必ず当たるかのように言い寄る手口です。電話がかかってきたのも、どこかで登録したサイトの情報や、顧客情報のリストが出回っているためでしょう。

②「兵庫や広島のビジネスホテルなどを転々としており」

自身の足がつかないように場所を転々としている詐欺集団とみられます。当職も同じような詐欺被害について担当した経験があります。被害は、札幌、東京、名古屋、大阪でありました。相手の会社名は違いましたが、契約書のひな形は同じ、商品も同じ、手口も全く同じである詐欺集団でした。

③被害者について

被害に遭ったのは61歳の女性で、競馬とは縁遠い方だったと思われます。

⑤元競馬関係者の情報ルート?競馬関係者が密約を交わした情報?偽の情報で逮捕が相次ぐ

大阪府警と兵庫県警は2011年1月の同じ日に、競馬の偽情報で現金をだまし取ったとして、それぞれ別の詐欺グループ計8人を逮捕しました(日本経済新聞報道)。大阪の事件では、都内の70代男性に電話で、元競馬関係者から情報が入り1千万円単位の利益が出るなどと持ちかけ、情報提供料の名目で190万円を振り込ませた疑いが持たれています。兵庫の事件では、競馬関係者が勝ち馬を密かに取り決めたとする情報の提供をうたうダイレクトメールを送り、尼崎市の女性(64歳)から約190万円をだまし取ったとされます。兵庫のグループの口座には、全国の約200人から計約4千万円が振り込まれていたとのことです。

①勝ち馬が分かる

明らかな偽情報です。事件②で紹介したJRAの注意喚起のとおり、前もって結果の分かっているレースは存在しません。

②関係者の情報を装った勧誘

事件②と同じく、競馬関係者を持ち出す競馬詐欺の手口です。

③被害者について

70代の男性と64歳の女性が被害に遭っています。5つの事例で年齢が報じられた被害者は40代から70代の男女です。事件③で触れた当事務所へのご相談の傾向からは、競馬に詳しくない人が狙われやすいとみられます。

④ダイレクトメールの送付

事件③でも触れたとおり、個人情報のリストが詐欺業者の間で共有されている可能性があります。心当たりのないダイレクトメールや電話には決して応じないでください。

ここまで紹介した5つの逮捕事例に共通するのは、「必ず儲かる」「勝つ馬が分かる」と、確実に利益が出るかのように持ちかける手口です。競馬関係者を持ち出すことや、ダイレクトメール・電話で一方的に接触してくることも複数の競馬詐欺事件で共通しており、事件⑤にはそれらがそろっています。

競馬予想詐欺のダイレクトメールや電話に応じて、すでにお金を振り込んでしまった場合に取れる手段については「競馬詐欺の5つの返金方法と弁護士が取り戻した2つの事例」で具体的に紹介しています。

競馬詐欺の逮捕についてよくある質問

競馬詐欺は警察に相談すれば動いてくれますか?

競馬詐欺の被害は、警察に相談することができます。業者が最初からだますつもりでうその勧誘をしていた場合は、詐欺罪(刑法246条1項)にあたる可能性があります。実際に動いてもらえるかはケースによりますが、勧誘に使われたメールやメッセージ、振込明細、契約書、業者とのやり取りなどを保全し、証拠を整理してから警察署に相談すると、受理につながりやすくなります。警察に相談しても受理してもらえなかった場合については「詐欺被害で警察が動かない4つの理由と動いてもらう方法」もあわせてご確認ください。

なお、振り込んでしまったお金の返還は、警察の捜査とは別の手続きです。振込先の口座が凍結されても自動的には戻らず、預金保険機構が公告する申請期間内に金融機関へ申請することで、口座に残ったお金が被害回復分配金として戻る可能性があります。対応が早いほど、回収の可能性は高まります。

逮捕率はどのくらいですか?

公的な統計にあるのは「逮捕率」ではなく「検挙率」(認知件数のうち検挙に至った割合)で、競馬詐欺だけを取り出した統計もありません。令和7年版犯罪白書によると、2024年(令和6年)の詐欺の検挙率は28.2%で、刑法犯全体(38.9%)より低い水準です。認知件数57,324件に対し検挙件数は16,175件で、前年(36.2%)から8.0ポイント下がりました。もっとも、本記事で紹介したように、実際に逮捕に至った事例はあります。

犯人にはどんな罪が科されますか?

競馬詐欺、つまり競馬情報をかたって現金をだまし取る行為は詐欺罪(刑法246条1項)にあたり、犯人は有罪となれば10年以下の拘禁刑(2025年6月に懲役・禁錮を一本化した刑罰)が科されます(執行猶予が付くこともあります)。本記事で紹介したように、組織的に多数の被害者から多額の金銭を集めていた事件では、グループの複数人がまとめて逮捕・立件されるケースもあります。

競馬詐欺の被害でお困りの方は弁護士にご相談ください

5つの逮捕事例のように、競馬詐欺では確実に利益が出るかのような虚偽の勧誘で金銭がだまし取られており、事件②を除く4つは複数人による犯行でした。悪質業者に個人で返金を求めても、応じてもらえるとは限りません。

弁護士に依頼すれば、振込先の金融機関への口座凍結の要請や、内容証明郵便による返金交渉など、法的な手段を用いた被害回復を進めることができます。詐欺業者は被害金を素早く引き出してしまうため、対応が早いほど回収できる可能性は高まります。

「情報料を支払ったのに何の情報も提供されなかった」「怪しいと思いつつ複数回振り込んでしまった」と、一人で抱え込んでしまう方は少なくありません。しかし、詐欺の被害に遭うことは決して恥ずかしいことではなく、早めに専門家の力を借りることが解決への第一歩です。

当事務所は詐欺被害の返金請求に豊富な実績があり、全国どこからでもご相談いただけます。無料相談も設けておりますので、少しでも不安を感じたら、まずは一度ご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

投資詐欺 情報商材詐欺 占い・霊感商法 サクラサイト詐欺 不動産投資詐欺 返金交渉
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」「取り込み詐欺の法的処置」等
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