人を殴るとどんな罪?喧嘩で人を殴っても捕まらない方法はある?

人を殴ってしまった場合、ケガをさせていなければ暴行罪、ケガをさせていれば傷害罪に問われる可能性があります。「たった1回殴っただけ」と思っていても、被害届を出されれば逮捕や起訴に至ることは十分にあり得ます。

「人を殴るとどんな罪に問われるのだろうか」「逮捕されずに済む方法はないのか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、人を殴った場合に成立する罪や逮捕の要件、逮捕を回避するための具体的な方法について解説します。

  • 人を殴ると暴行罪・傷害罪のどちらが成立するのか
  • 人を殴っても逮捕されないケースと逮捕される要件
  • 暴行・傷害で捕まらないために早めにやるべきこと
  • 起訴率・起訴猶予率のデータと不起訴を獲得するためのポイント

なお、暴行・傷害事件について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

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人を殴るとどんな罪になる?

人を殴った場合、暴行罪か傷害罪が成立する可能性があります。

※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。本記事の法定刑は改正後の内容で記載しています。

暴行罪

暴行罪は故意に人を殴るなどの暴行を加えた場合に成立する罪です。罰則は2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料です。

傷害罪

一方、傷害罪は故意に人に暴行を加え、その結果、怪我をさせたり、健康状態を不良にさせた場合に成立する罪です。罰則は15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。

暴行罪と傷害罪の違いについて詳しくは「暴行罪と傷害罪の違いは?成立要件とどちらが重いかを解説」で解説しています。

人を殴って逮捕される要件は?

人を殴ったからといって必ずしも逮捕されるわけではなく、逮捕の要件を満たしていることが必要です。そして、逮捕(通常逮捕)の要件は「逮捕の理由」及び「逮捕の必要」があることです(刑事訴訟法199条)。

第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
② 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。

逮捕の理由があること

逮捕の理由とは、暴行罪、傷害罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があることをいいます。

逮捕は刑事手続きの初期段階であることから、逮捕の段階では有罪であることが明白であることまでは必要ではなく「疑い」の程度でも逮捕される可能性があります。そのため、逮捕された後、無罪・冤罪であることが判明したとしても、直ちに逮捕が違法となることはありません。

暴行罪、傷害罪を犯した疑いがあるかどうかは、警察が逮捕までに集めた被害者・目撃者・加害者の供述、防犯ビデオカメラの映像などの証拠によって判断されます。これらの証拠によって疑いすらないと判断された場合は、そもそも警察が逮捕状の請求をしない可能性がありますし、仮に請求したとしても裁判官の判断で請求を却下される可能性があります。被害届を出された場合の流れや対応については「被害届を出されたらどうなる?流れと取り下げ・対処法」をご参照ください。

逮捕の必要性があること

逮捕の必要性とは、罪証隠滅のおそれがあること及び逃亡のおそれがあることをいいます。

逮捕の必要性があるかどうかは、犯罪の軽重や犯行態様、加害者の罪に対する認否、加害者と被害者との関係性、同居人・身元引受人の有無、就職の有無、前科・前歴(粗暴歴)の有無などの諸事情から判断されます。

たとえば、暴行事件の加害者と被害者が面識ある者同士で、加害者が罪を否認している場合は罪証隠滅のおそれがあるとして逮捕の判断に傾きやすくなります。また、加害者が罪を認めていても、比較的新しい前科を有しており、加害者を監督する身元引受人がおらず、無職の場合は逃亡のおそれありとみなされ、逮捕される可能性が高まります。

暴行・傷害で捕まらないための方法は?

暴行罪・傷害罪で逮捕されないためには、できる限り逮捕の必要性をなくしておくことが必要です。以下、具体的にご紹介していきます。

罪を認める

前述のとおり、罪を否認すると罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあると判断され、逮捕の可能性を高めてしまいます。そのため、罪を認めることは逮捕を回避するための有効な手段の一つです。もっとも、本当にやっていないのであれば最初から最後まで否認を貫かなければいけません。警察の取調べに対してどのように対応すればよいのか判断に迷うのなら、早めに弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

被害者と示談交渉して示談を成立させる

次に、被害者と示談交渉し示談を成立させることです。示談交渉では被害者に示談金を支払う代わりに、被害者に被害届や告訴状を警察に提出しないことに合意してもらうことが可能です。そのため、示談を成立させることができれば、被害者から警察に被害届等が提出されず、警察が事件のことを認知しない結果、逮捕の回避につながります。

もっとも、示談交渉は弁護士に任せるべきです。そもそも加害者との直接の示談交渉に応じる被害者は多くはありません。また、仮に応じてくれたとしても、感情的になって示談成立はおろか示談交渉すら進められない可能性が高いです。

また、被害者との示談交渉は被害者の連絡先を把握し、かつ、被害者とコンタクトを取れることではじめて可能です。しかし、被害者と面識がなく連絡先を把握していない場合は示談交渉すらはじめることができません。この場合、警察から被害者の連絡先を入手することが考えられますが、警察が加害者に被害者の連絡先を教えることはありません。一方、弁護士であれば、被害者の意向しだいで教えてくれる可能性があります。この意味でも、示談交渉は弁護士に任せるべきといえます。

示談の具体的な流れやメリットについては「刑事事件で示談するメリットは?示談金相場と流れを徹底解説」もあわせてご確認ください。

警察に出頭する

次に、警察に出頭することです。警察に出頭し、事情聴取において罪を認める供述をすれば罪証隠滅のおそれはないと判断されやすくなります。また、自発的に警察に出頭するわけですから、逃亡のおそれもないと判断されやすくなります。

もっとも、単に警察に出頭したからといって逮捕されないという保障はありません。そこで、出頭する前にできる限りのことをやっておきます。たとえば、弁護士に罪を認める内容を記録した上申書を作ってもらい警察に提出してもらうのです。そうすることで罪証隠滅のおそれがないと判断され、逮捕の可能性を軽減させることができます。あわせて、弁護士に身元引受人の上申書も準備してもらえば、逃亡のおそれもないと評価されやすくなるでしょう。

このように、警察に出頭するといっても事前の対策が必要です。また、警察に一人で出頭することはとても勇気のいることですから、警察に出頭する前に一度弁護士に相談することをおすすめします。

関連記事:出頭と自首の違いとは

暴行・傷害で捕まったら起訴される?

暴行罪・傷害罪で(正式)起訴されると刑事裁判を受ける必要があります。また、身柄拘束(勾留)されたまま起訴されると勾留期間が2か月延長され、その後、理由がある場合に限り、1か月ごと期間を更新されます。そして、刑事裁判で有罪と認定され、その裁判が確定したときは判決で言い渡された刑に服さなければいけません。つまり、拘禁刑の実刑だった場合は刑務所に服役する必要があります。また、同時に前科がつきます。

もっとも、暴行罪・傷害罪で逮捕されたからといって必ず起訴されるわけではありません。逮捕後の捜査の過程で、加害者にとって有利な事情が出てきた場合は不起訴とされることがあるからです。

不起訴処分の詳細については「不起訴とは|無罪との違いと不起訴になる理由・前科前歴の有無」で具体的な要件を紹介しています。

暴行・傷害の起訴率、起訴猶予率

令和6年版犯罪白書によると、暴行罪で刑事処分(家庭裁判所送致を除く)を受けた16,241人のうち、正式起訴された人は653人で、起訴率は約4%(略式起訴を含めると約28%)です。一方、起訴猶予による不起訴処分を受けた人は10,296人にのぼり、起訴猶予率は約63%となっています。

傷害罪については、刑事処分を受けた18,563人のうち正式起訴が2,068人で、起訴率は約11%です。起訴猶予率は約53%と、暴行罪よりは低い数値になっています。

出典:令和6年版犯罪白書

起訴・不起訴の判断で考慮される事情

起訴、不起訴の判断で考慮される事情は情状です。情状は犯罪そのものに関する情状(犯情)と犯情以外の情状(一般情状)にわけられます。

犯情には、犯行の動機、犯行の計画性、犯行態様、犯行の結果、があります。一般情状には、加害者の反省・謝罪の有無、被害弁償・示談の有無、被害者の処罰感情、前科・前歴の有無、適切な監督者の有無などがあります。

これらの諸事情を総合的に勘案して起訴・不起訴が判断されます。

人を殴ってしまいお悩みの方は弁護士にご相談ください

人を殴ると暴行罪や傷害罪に問われる可能性がありますが、早期に適切な対応をとることで、逮捕や起訴を回避できるケースも少なくありません。とりわけ、被害者との示談を成立させることは不起訴を獲得するうえで最も重要な要素です。

しかし、示談交渉は加害者本人が直接行うことが難しく、弁護士を介することで被害者側の警戒心を和らげ、スムーズに交渉を進められます。また、逮捕前に弁護士が上申書を作成して警察に提出することで、逮捕の可能性を大きく下げることも可能です。

「すでに被害届を出されているかもしれない」「警察から連絡が来ている」という方は、一日でも早く対応を始めることが重要です。時間が経つほど状況が不利になる可能性があります。

当事務所は暴行・傷害事件の示談交渉や弁護活動を得意としており、豊富な解決実績があります。全国対応・無料相談を承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
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