
ご家族が突然逮捕されると、「すぐにでも会いたい」と思われるのは自然なことでしょう。ところが、逮捕直後の最大3日間(72時間)は、家族であっても本人と面会できません。この時期に本人と会えるのは弁護士だけです。
弁護士であれば、逮捕直後から立会人なしで、24時間365日いつでも被疑者と接見(面会)できます。とはいえ、「弁護士の接見は家族の面会と何が違うのか」「接見で何をしてくれるのか」「費用はいくらかかるのか」と、わからないことが多いのではないでしょうか。
この記事では、逮捕直後の対応に強い弁護士が、次の点を整理して解説します。
- 弁護士接見でしてもらえること
- 家族の面会との違い
- 接見の費用相場と選び方
- 接見禁止でも会える理由
なお、すでに逮捕の連絡が来ていてお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。
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弁護士の接見とは
弁護士の接見とは、逮捕・勾留(逮捕後に続く身柄拘束)された被疑者・被告人のもとへ弁護士が出向き、立会人なしで面会することをいいます。接見はもともと、留置施設や拘置所にいる身柄拘束中の人と外部の人が面会することを指す言葉で、日常用語の「面会」とほぼ同じ意味です。刑事訴訟法がこの面会を「接見」と表記しているため、法律の世界ではこう呼ばれています。
逮捕された人(被疑者は起訴される前の人、被告人は起訴された人を指します)は、連日の取調べに向き合いながら、不安を打ち明ける相手もいない環境に置かれます。とりわけ逮捕直後の供述は、その後の手続きを大きく左右します。だからこそ、立会人なしで助言を受けられる弁護士の接見は、精神的な支えであると同時に、刑事手続を有利に進めるうえで欠かせない機会になります。
被疑者・被告人が弁護士と立会人なしで会い、書類や物を受け渡しできる権利は、刑事訴訟法第39条1項が定める接見交通権として法律上保障されています。
第三十九条 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
出典:e-Gov法令検索
弁護士の接見でできること
弁護士に接見を依頼すると、家族では担えない次のような対応を任せられます。逮捕直後ほど効果が大きいため、できるだけ早い段階での依頼が望ましいといえます。
取調べへの対応をアドバイスしてもらえる
逮捕されると、警察官や検察官による取調べが始まります。そこで作成される供述調書は、その後の手続きで重い意味を持つ証拠です。いったん内容を認めて署名・押印すると、後から「実は違った」と覆すのは簡単ではありません。動揺したまま受け答えをすると、記憶や認識とずれた調書が残ってしまうおそれもあります。
弁護士は接見の場で、取調べの進み方を本人から聞き取ったうえで、どう答えるべきか、ときには黙秘をどう使うかまで、状況に応じて具体的に助言します。
今後の見通しを教えてもらえる
逮捕された人の多くは、自分がこれからどうなるのか分からず強い不安を抱えます。弁護士は、調書やその他の証拠、これまでの経験をふまえて、釈放や不起訴(起訴されず刑事手続が終わること)の可能性、身柄拘束がいつまで続くか、いつ裁判になるのかといった見通しを立て、接見で本人に伝えます。先の流れが分かるだけでも、過酷な状況での精神的な負担はかなり軽くなります。
家族との連絡役になってもらえる
逮捕直後は家族との面会が制限されますが、弁護士の接見は原則としていつでも認められています。そのため、本人から家族への伝言、家族から本人への伝言を、弁護士が橋渡しできます。一言交わせるだけで、本人も家族も落ち着けることは少なくありません。常用薬や着替えなど必要な物の差し入れも、弁護士に頼めば時間を問わず届けてもらえます。
勤務先や学校への影響を抑えてもらえる
身柄を拘束されると、本人は外部に連絡できず、勤務先や学校への欠勤・欠席の連絡もできません。放置すれば無断欠勤・無断欠席となり、解雇や退学につながりかねません。弁護士と接見して、誰にどう連絡するか、欠勤の理由をどう伝えるかを打ち合わせ、家族から職場へ連絡してもらうことで、逮捕の事実が必要以上に広まらないよう配慮できます。
弁護士接見と一般接見(家族の面会)の違い
弁護士が行う接見を「弁護士接見」、家族や知人など弁護士以外の人が行う接見を「一般接見」と呼んで区別します。両者には次のような違いがあります。
| 項目 | 弁護士接見 | 一般接見(家族など) |
|---|---|---|
| 逮捕直後(勾留前) | 逮捕当日から可能 | 原則できない |
| 曜日・時間帯 | 土日祝・深夜・早朝を問わず24時間 | 平日の決まった時間帯のみ |
| 1回の時間 | 制限なし | おおむね15〜20分 |
| 回数 | 制限なし | 1人につき1日1回 |
| 立会人 | なし | 警察官などが立ち会う |
| 接見禁止が出た場合 | 接見できる | できなくなる |
弁護士接見は原則として時間や回数の制限を受けませんが、起訴される前の段階では、捜査のため必要があるときに限り、接見の日時を指定されることがあります(接見指定)。
逮捕後72時間は弁護士しか会えない
逮捕された人は、逮捕から最大72時間以内に勾留するかどうかが判断されます。この間、家族であっても接見は原則認められず、本人と会えるのは弁護士だけです。取調べでの供述がその後を大きく左右する時期だからこそ、この72時間に弁護士の助言を受けられるかどうかが重要になります。なお、勾留が決まった後の家族の面会手続きについては「勾留(拘留)中の面会はいつからできる?休日でも可能?面会時間は?」で解説しています。
接見禁止が出ても弁護士は接見できる
逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されると、家族との面会を禁じる接見禁止が付くことがあります。共犯事件や否認事件、組織的な事件、薬物事件などで出やすい処分です。接見禁止が付くと家族は会えなくなりますが、弁護士の接見は接見交通権として保護されているため、この場合でも変わらず接見できます。伝言や差し入れも弁護士に託せます。接見禁止の理由や解除の方法は「接見禁止とは?逮捕後に面会が禁止される理由と対処法を解説」をご覧ください。
弁護士接見の費用と選び方
接見を頼む弁護士には、国選弁護人・当番弁護士・私選弁護人の3つの立場があり、費用も使えるタイミングも異なります。
国選弁護人の費用
国選弁護人は、資力が乏しいなどの理由で弁護士に依頼できない人のために、国が選任する弁護人です。原則として費用はかからず、接見も無料です。ただし担当する弁護士を自分で選べず、対応できるのは勾留された後からで、逮捕直後の被疑者は対象外です。詳しくは「国選弁護人とは|私選弁護人との違いは?依頼費用は全額免除?」をご確認ください。
当番弁護士の費用
当番弁護士は、本人や家族が弁護士会に呼べば派遣してもらえる弁護士で、無料で頼めるのは最初の1回の接見に限られます。費用負担なく初期の助言を受けられる一方、無料なのは1回限りです。その後も継続して依頼するには、私選弁護人として契約するか、勾留後に国選弁護人を付けてもらう必要があります。利用の流れは「当番弁護士とはどんな制度?費用や呼び方を分かりやすく解説」で説明しています。
私選弁護人の費用と相場
私選弁護人は、自分で費用を負担して契約する弁護士です。逮捕直後から動いてもらえ、信頼できる弁護士を指名できる点が強みです。費用は事務所ごとに異なり、着手金に接見費用が含まれる場合もあれば、接見1回ごとに日当が発生する場合もあります。逮捕直後にまず1回だけ依頼する初回接見の相場は、おおむね3万〜5万円程度です。交通費や時間帯によって変わることもあります。刑事事件全体の弁護士費用は「刑事事件の弁護士費用の相場は60万円~150万円程度」もあわせてご覧ください。
費用と弁護士選びのポイント
接見の費用をとにかく抑えたいなら、無料で頼める国選弁護人や当番弁護士が選択肢になります。ただし当番弁護士は1回だけ、国選弁護人は勾留後からと、使える場面が限られます。逮捕直後から動いてほしい、信頼できる弁護士に最後まで任せたいという場合は、費用はかかっても私選弁護人が向いています。何を優先するかで選び方は変わります。
大切な方が逮捕されたら早めに弁護士にご相談ください
弁護士接見は、逮捕直後から立会人なしで本人と会い、取調べへの対応や今後の見通しについて助言を受けられる重要な機会です。家族の面会には時間や回数の制限があり、接見禁止が出れば会うこともできなくなります。
逮捕直後の供述は、その後の処分や裁判を大きく左右します。いったん不利な調書が作られると後から覆すのは簡単ではないため、一日でも早く弁護士と接見し、適切な助言を受けることが何より大切です。
ご家族が突然逮捕されると、「何が起きているのか分からない」「本人に会えない」と強い不安を感じることと思います。すでに警察から連絡が来ている、接見禁止が出て面会できずに困っているという場合は、早めにご相談ください。
当事務所は刑事事件を数多く扱ってきました。逮捕の事実が職場や周囲に広がらないよう配慮しながら、弁護士が迅速に動き、本人の不利益を最小限に抑えるべく全力で対応します。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

