アダルトサイトなどにアクセスし、リンクやバナーをクリックしたら、多額のお金を請求されてしまう詐欺――ワンクリック詐欺は「過去のモノ」と思われがちですが、いえいえ、未だにワンクリック詐欺は現役なんです。
2016年11月には群馬・千代田町の30歳の男性が、アダルトサイトの解約料名目などで計1124万円余りをだまし取られており、未だにワンクリック詐欺にひっかかって、多額のお金をだましとられてしまうケースは少なくありません。
この被害男性に対して「バカだ」と思ったあなた。
実は「俺さまだまされないぞ」というタイプほど、いざわが身に降り掛かってみると、パニックに陥ってしまい誰にも相談することができず、多額のお金をだましとられてしまうことが多く、「バカだ」と思った人ほど、ワンクリック詐欺の被害にあいやすいのです。
しかも、近年、パソコンを使っている人だけでなく、スマホを使っている人をターゲットとしたワンクリック詐欺も横行しており、いつ、誰がワンクリック詐欺の被害にあってしまうかわからない時代になっているのです。
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目次
ワンクリック詐欺は"無視"すればOK!
ワンクリック詐欺は、アダルトサイトなどにアクセスした際に、あたかもあなたの個人情報を盗み取ったかのように、思い込ませ「○○までに、お金を支払ってください!」と脅迫し、お金をだましとるのが基本的な手口です。
ただ、実際にアダルトサイトなどにアクセスしたぐらいでは、あなたの個人情報は盗み取られることはなく、ワンクリック詐欺業者の言葉はすべて虚です。
ワンクリック詐欺サイトにアクセスしたのが、スマホであれ、パソコンであれ、あなたの名前や電話番号までは、ワンクリック詐欺業者にはわからないのですから、徹底して無視さえしていれば、ワンクリック詐欺の被害にあうことはありません。
しかし、万が一、ワンクリック詐欺業者に巻き込まれてしまった時には、どうすれば良いのでしょうか?
そんな時もワンクリック詐欺の手口を知っていれば、安心して対処することができます。
2017年現在確認されているワンクリック詐欺の罠は4種類あります。
- 動画再生や画像クリックの罠
- 利用規約と年齢認証ボタンの罠
- 退会等の相談窓口の罠
- アプリ起動の罠
1.動画再生や画像クリックの罠
アダルトサイトにアクセスし、動画を再生しようとしたり、画像を保存しようとしてクリックすると、一方的に会員登録が終了し、多額の月額料金を請求される、というがの「動画再生や画像クリックの罠」です。
ワンクリック詐欺としては、古典的な手口ですが、未だにアダルトサイトを中心に、この手の詐欺は横行しており、ホップアップした画面には以下のような情報が記載されているのが、特徴です。
- あなたのIPアドレス
- あなたが利用しているリモートホスト
- あなたが利用しているプロバイダ情報
- 請求金額
- 支払い期限
悪質なサイトになると、高額請求と支払い期限までのカウントダウンを表示させ、詐欺被害者の冷静さを奪い、多額のお金をだまし取る、というのがこのワンクリック詐欺の手口です。
自分につながる個人情報が掲載されるため「もうだめだ!」と焦ってしまいますが、IPアドレスやリモートホスト、プロパイダ情報だけでは、あなたの名前はおろか、住所も電話番号もわかりません。
パソコンではなくスマホでも同じような被害にあってしまうことがありますが、スマホの場合も同じく電話番号が盗み取られることはないので、ご安心ください。
2.利用規約と年齢認証ボタンの罠
出会い系サイトなどに登録する際に、年齢認証ボタンをクリックしたら、「登録完了」という請求画面が出現し、利用規約を良く読むと、有料サービスであると書かれており、その一文を理由に多額の登録料・使用料を請求するのが、このワンクリック詐欺の手口です。
「利用規約を読まなかったから」という理由で、多額の登録料・使用料を請求するこのワンクリック詐欺ですが、そもそも法的には、このような利用規約があったとしても、一方的な契約に対しては、こちらも一方的に破棄することができるので、登録料・使用料の支払いを求められても支払う必要はありませんので、ご安心ください。
3.退会等の相談窓口の罠
アダルトサイトや情報サイトに記載されている記事のサムネイル(画像)をクリックしたら、「お客様の会員登録が正常に完了いたしました」という請求画面が出現するケースが、このワンクリック詐欺の特徴です。
しかも、この詐欺は他の詐欺よりも狡猾で、請求画面の近くに「退会等の相談窓口」として、サポートセンターの電話番号とメールアドレスが表示されており、その相談窓口に連絡をした人の個人情報を直接聞き出そうとするというのが、このワンクリック詐欺の手口です。
ワンクリック詐欺の被害にあって焦ってしまった人の心理をついた、巧妙な詐欺ですが、電話をすると大変なことになるので、サポートと記載されていても、絶対に電話をしないでください!
4.アプリ起動の罠
Appleが運営するiTunesアプリに関しては、審査が厳しいため、詐欺アプリの被害は少ないですが、Googleが運営するGooglePLAYアプリに関しては、審査がiTunesアプリよりも緩いため、スマートフォンを狙ったワンクリック詐欺が横行しています。
なんらかの理由で、ワンクリック詐欺業者のアプリをダウンロードしてしまい、そのアプリを起動し「18際以上です」というボタンをクリックしたら、「お客様の端末情報が登録されました」という請求画面が出現するのが、このワンクリック詐欺の手口です。しかも、請求画面には
- 携帯端末IPアドレス
- 位置情報
- OS情報
- ブラウザ情報
など、スマホに関する情報が表示し、不安感を煽りますが、実際にはアプリをダウンロードしたといっても、個人の電話番号や正確な住所などがわかるわけではないので、ご安心ください。
ワンクリック詐欺業者の狙いは「冷静さを失わさせること」。 だから、過度に不安にならず「もしかして……」と不安な場合は、消費者センターなどに電話で問い合わせを行い、不安感を解消するようにしてください。
ワンクリック詐欺の予防・対策
過激な内容のアダルトサイトにアクセスした際に、このようなワンクリック詐欺の被害にあってしまうことがありますが、無視するのが一番の方法です。
またスマホの画面や、パソコン画面にデカデカとカウントダウンされ続けるページが表示され続けることがありますが、スマホ・パソコンを再起動をするか、スマホの場合は「履歴を消去」と「Cookieとデータを消去」を行えば、画面上に表示されるページを削除することが出来るので、ご安心ください。
とにかく焦って「どうにかしなきゃ!」と思って、画面に表示される電話番号に電話してしまったり、お金を指定の口座に振り込んでしまったりすると、本格的に詐欺の被害にあってしまい、それこそ多額のお金をだまし取られてしまうので、絶対に連絡は取らない、お金は支払わない、を徹底させてください!
ワンクリック詐欺サイトの見抜き方
ワンクリック詐欺の手口と予防・対策をご紹介しましたが、一番良い方法は、訪問したサイトがワンクリック詐欺サイトか、そうでないかを見極めることが需要です。
ワンクリック詐欺 = アダルトサイト
と思われがちですが、実はそれは間違いです!
アダルトサイト以外にもワンクリック詐欺サイトは存在しており「アダルトサイトじゃないから、大丈夫」と油断していると、ワンクリック詐欺サイトの被害にあってしまうことがあります。
それでは、現在のワンクリック詐欺サイトにだまされないための、ワンクリック詐欺の見抜き方をご教授したいと思います。
ワンクリック詐欺サイトは欲望の強い分野にあふれています
アダルトサイトにワンクリック詐欺サイトが多いのは、性欲と直結した分野であり、サイトを見ているうちに冷静な気持ちが失われてしまい、たとえ「怪しいぞ」と思っても、その直感を無視して、無闇矢鱈に画像やURLをクリックしてしまうため、ワンクリック詐欺の被害にあいやすいのです。
しかし、最近ではアダルトサイトだけでなく、出会いを求める人の気持ちにつけ込み、「無料で出会い系サイトを使えます」と言葉巧みにサイトを訪問したユーザーをだますケースや、芸能情報を知りたい」という気持ちにつけ込むケースや「ギャンブルの必勝法を教えます」といって、ワンクリック詐欺サイトにアクセスさせるケース、「ゲームの攻略情報を知りたい」という子どもの心理につけ込むケースなどが確認されており、 いろいろなジャンルのワンクリック詐欺が増えており、どんなサイトであっても、ワンクリック詐欺の被害にあってしまう可能性があります。
ただワンクリック詐欺サイトの傾向として、性欲や金欲、知識欲や好奇心――人の欲望の強い分野に集中しており、そういったサイトにアクセスする際には、常に「もしかしたら、ワンクリック詐欺かもしれない」と注意し、ワンクリック詐欺の被害にあわないようにしてください。
IPアドレスなどの個人情報・高額請求・支払い期限を明記するサイトは100%ワンクリック詐欺!
最近のワンクリック詐欺業者は、IP情報などを利用して、クリックした人の個人情報を掴んだかのように思い込ませ、その不安な気持ちを利用し、高額な請求を突きつけてきます。
しかも、ワンクリック詐欺業者が突きつけるのは金額だけでなく、「今すぐ支払わなければ」という思いにさせる支払い期限も突きつけてきます。
この2つの情報を突きつけ、ワンクリック詐欺を知らない人の気持ちを不安へと陥れ、冷静な判断をなくし、連絡を取らせようとするのが、ワンクリック詐欺の手口なので、
- IPアドレスなどの個人情報
- 高額請求
- 支払い期限
この3つが揃ったら、確実にワンクリック詐欺なので、相手にせず無視するようにしてください。
会社概要の記載がない・会社概要が嘘
ワンクリック詐欺業者は、自分たちの住所や連絡先がバレて警察に踏み込まれないように、わざと会社概要に対する記載をしないか、或いは会社概要に書いてる事柄すべてが、嘘の場合があります。
ワンクリック詐欺サイトに誤ってアクセスしてしまい、不安な気持ちになってしまったとしても、一端冷静になって、会社概要を確認して、改めて「ワンクリック詐欺サイトだ」と言うことを確かめましょう。
また、会社概要を記載していても、1つ1つの項目を確認すると、必ずどこかにほころびがあるので、会社概要の記載が書いてあったとしても、ワンクリック詐欺サイトである可能性は、十分にあります。
ワンクリック詐欺は法的に無効です!だから、安心して無視しましょう
ワンクリック詐欺業者は「クリックした時点で契約が結ばれた」と言うような嘘を平気で言ってきますが、実際は電子消費者契約法および特定商取引法という2つの法律にもとづき、ワンクリックでの契約は無効とされています。
そもそも、消費者に契約申し込みの意思がないのにもかかわらず、ワンクリック詐欺業者が一方的に結んだ契約は「電子消費者契約法」によって、無効になります。
また、ボタンクリックが有料の申し込みになることを表示していない場合や申込内容(ワンクリックした内容)の確認と訂正ができる措置がない場合、販売価格や取引の諸条件を表示していない場合は、「特定商取引法」に基づき、契約を無効とすることができます。
このように法的な面で見ても、ワンクリック詐欺業者に対して、お金を払う必要性はないので、ワンクリック詐欺サイトをアクセスしてしまい、高額請求されてしまっても、安心して無視してください。
なお、ワンクリック詐欺業者に電話をしたり、確認のメールを送ってしまい、ワンクリック詐欺業者から、脅すような電話やメールを送って来たりするような場合は、詐欺に強い専門家に相談することで、トラブルを回避することが出来るようになります。
なかなか警察では、対処するのが難しい案件なので、ワンクリック詐欺のトラブルで悩んでいる方は、一度、法律事務所に相談だけでもされてみてはいかがでしょうか?
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